ウィラポンな生活・坂田健史世界へ | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。


家族と共にジムに住み、リング生活一本に精進する前WBC世界バンタム級王者ウィラポン(タイ)。日本にもすっかりお馴染み、現在はIBFの世界タイトルに目標を切り替え、トレーニング中と聞く。

今年1月、坂田健史(協栄)選手も若手吉住壽佑選手と共にカカアコ・ジムでのウィラポンな合宿生活を送った。ハワイキャンプは何度も経験があるが、ジム内合宿は初めての事。かなりのギャップがあったはずである。

ワイキキの高級コンドミニアムとは設備からして全てが違う。娯楽はない。テレビはビデオ専用、ボクシングのビデオ観るか読書ということになる。したがって寝るのも早い。「ウィラポンだってもう寝てるよ」(~~)「寝ましょう」

「吉住のいびきうるさくて」「確かに吉住選手のいびきと寝言はチャンピオン級」私の部屋まで気持ちよく聞こえて来た。(~~)あれは耳栓がいる。次の日から音楽聴きながら寝てた坂田選手。

2段ベッドでの合宿所暮らし。常にリングが見える生活。気になればすぐに試せるのはいい所。(~~)「ウィラポンもこうやって研究してるんだろうなぁ」「ちょっとやって来ます」

自分達でお買い物、皆で洗濯者を干す。ロードワークも毎日16キロ。ジムワークもイトウ先生の指導はハード。「これ走るのだけよりきついよな」「・・・ハイ」(~~)1回の練習、裸でやっても2、5キロ落ちた。

この時イトウ先生から指導されたのが、対サウスポー対策。合宿生活に入るとすぐに「今度の相手はサウスポー」と大竹マネジャーから連絡があった。「ポンサクの事も考えておかなくちゃな」

イトウ先生が指導した練習法を続けて来た今、その成果が顕著に現れている。かなり進化しているように思う。まさか、バスケスと対戦するとは思ってもみなかったが、ちょうどいいタイミング。

9月の試合では、パンチの的確さとアッパーの巧打が賞賛されているが、これはその成果の一部であると思います。右アッパー絶妙のタイミングで打てるようになって来た。

本日夕方、もうまもなく坂田健史選手の世界戦発表会があるとの事。このビジネスがまとまるまでは紆余曲折、いろんな苦労があったことだと思う。「勝負する時はしますから」「大竹先生も坂田も、僕を信じて待ってるのはわかってます。チャンスは作ります」金平会長からは、こう聞いていた。

12月2日、準備は万端である。たとえ決まらなくても仕方ない、この日を信じて調整は進められて来た。「現場はやることやるだけだよ。坂田の人生かかってるんだから」

何も語らず、ただ黙々と練習に打ち込む坂田選手。パートナーを務める仮想”バスケス”櫛部選手も、「気迫が凄い。今までと違います」と舌を巻く。

先日のハワイキャンプで、大竹マネジャーはイトウ先生にこう約束している。「坂田がチャンピオンになったら、会長に言ってカットマンでセコンド手伝ってもらいますから。お願いします」

「これが俺の夢だよ」「イトウ先生は大事な人だよ」夢へのカウント・ダウンは始まった。後は結果をつかみとるのみである。

先日、女性ボクサー軍団がカカアコ・ジムでトレーニング。力のこもった感想文が届きました。ぜひ読もう!【女子ボクサー・ウィラポンな生活】


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