フィットネス コロナ禍で「K型」展開の可能性
こんにちは。
サクセス発行人の田村真二です。
読売新聞は、15日「ジム離れ 業界危機感」と題する記事を掲載しました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、一時は大半の施設が休業したスポーツジムは6月から順次施設を再開したが、依然として休退会者が多く、状況は厳しいと紹介。
各社とも「安心・安全」をアピールする一方、オンラインでの新しいレッスン開発に力を入れているとしています。
日本のフィットネス市場は2012年以降、昨年まで右肩上がりの成長を続けていましたが、業界全体としてコロナ前の業績まで回復するには、数年を要するかもしれません。
今後は業界全体ということよりも、コロナ禍における企業の取り組みの違いから、業績の二極化による「K型」展開の可能性が高い、と私は見ています。
コロナ以前 フィットネス右肩上がりの成長
フィットネス業界の売上高は2012年以降、右肩上がりの成長を続けてきました(上図)。
業界誌『フィットネスビジネス』によると、2019年の売上高は4939億円(前年比103.2%)、会員数も555万人(同108%)といずれも過去最高に達しました。
好調の背景には、従来からある総合型クラブに加えて、様々な顧客の目的に応じた新業態のチェーンが需要に応える形で急伸していたことです。
しかし、コロナ禍で状況が一変!
多くの業種に休業要請が出された4月の緊急事態宣言前の3月中から、フィットネス各社は感染拡大防止のため臨時休業する施設が相次ぎました。
記事によれば、日本フィットネス産業協会(FIA)は休業の間に多くの施設で会員の2~3割が休退会したと見ています。
現在は施設により差はありますが、「休会した会員の6~7割が戻ったが、総合型ジムの多くは利益率が10%あればいい方。今は利益の出る構造ではない」と言います。
実際、フィットネス上場企業各社の4~6月期決算では、前年同期に比べて売上高が5~7割近く減少し、各社とも過去最大の赤字額となっています。2カ月近く休業し致しかねないとはいえ、それにしても大きすぎる代償です。
ですが、起きてしまったことを悔やんだり、あたふたしたりするだけで状況が良くなることはありません。
特に、会社のリーダーである社長、クラブやジムのリーダーである店長・マネジャーは、今のような大きな危機のときには、会社やクラブ・ジムが進むべき道を社員や関係者にはっきりと示すことが大事なのではないでしょうか。
オンラインフィットネスに活路?
現在、フィットネス各社は感染拡大予防に取り組み、「安心・安全」をアピールする一方、店舗での売上減をカバーすべく、オンラインでのレッスンやサービス提供を始めるところが増えています。
確かにオンライン(在宅)フィットネスは可能性を広げる手段にはなります。
ですが、オンライン上はリアルの施設以上に競争が激化しているレッドオーシャン市場である上、実店舗とはビジネスモデルがまったく違うと言っても過言ではありません。
実際、緊急事態宣言期間中にオンラインフィットネスに取り組んだものの、ほとんど収益につながらずサービスの提供を早々に辞めてしまったところもあります。
少なくとも先行するオンラインフィットネス専業者やユーチューバーに対抗するには、戦略と情熱あるリーダーを中心に新規事業として、あるいは別会社を作って取り組む必要があるでしょう。
店舗の運営システム、ビジネスモデルを再構築するとき
多くの経営者や識者が指摘するように、もし今のような事態が長期化するようなら、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた店舗の運営システムやビジネスモデル再構築が不可欠です。
現状、クラブ・ジムでは感染拡大防止対策上から、トレーニングマシンやスタジオレッスン等の利用人数制限を行っています。
そのため会員数が減っているにも関わらず、会員の立場からすれば「利用できない、参加できない」状況も散見されるのではないでしょうか。
もしそうだとすれば、今までのように「会員数を増やして収益を伸ばす」といった施策は取りにくくなるでしょう。
したがって、「3密回避」を前提とした運営システム開発や、(会員数だけではなく)客単価をアップさせることで収益増を図る新たなビジネスモデル構築が課題となるでしょう。
でもこれは口で言うほど簡単ではありません。
運営シテムを変更すれば既存会員からクレームも出るでしょうし、客単価アップといっても何から手をつければいいかわかならい企業も少なくないと思います。
とはいえ、たとえそうであったとしても、今は変化に対応すべく、今までの常識や思考の枠から外れて自社のビジネスモデルを見直し、思い切った行動に出る時期ではないでしょうか。
答えは1つではないと思います。しかし、トライアンドエラーを繰り返すことで、需要を創造する機会も生まれるはず。
FIAの吉田会長は「秋以降も赤字が続くなら、閉める施設も出てくると思う。しかし、業界として健康作りに貢献しているという自負がある。将来を見通せるよう努力を続ける」と強調しています。
今後はフィットネス業界も業界全体のV字回復見通しは遠のき、各社・各施設の取り組み内容によって、業績が上がる会社・施設とそうでないところの、いわゆる「K型」展開の可能性が高くなると思います。
あなたの会社・施設は何を維持し、何を変え、新たな価値と新たな収益を生み出していきますか?
それでは次号をお楽しみに!
追伸
フィットネス事業再構築のカギは こちら です。

