☆サクセスby田村真二 -577ページ目

フィットネス 実店舗復活のカギ

 

 

 

コロナ禍のいま、フィットネスの売り上げが絶好調です。

 

 

といいましても、スポーツ専門店やネットショップなどで売られているダンベルやバイク、バランスボールなど、自宅でできるフィットネス用品ですが・・・。

 

 

一方で、フィットネスクラブやスポーツジムの多くでは、いまだ会員数(や会費収入)が減ったまま厳しい状況が続いているようです。

 

 

そこで今日は、「フィットネス 実店舗復活のカギ」についてお伝えします。

 

 

今春以降、会員数が減ってしまったままの会社の社長や幹部の方なら、秋からは新規会員を増やさなければいけない、とお考えだと思いますが、、、

 

 

もちろん、新規会員を増やすことは事業の継続性と収益面からも大切なことです。

 

 

しかし、同時に、今いる会員に対して価値あるサービスの提供と販売を行うことでも収益増を見込むことができます。

 

 

クライアントの社長からも先週、こんな連絡を頂きました。

 

 

 

「パーソナルトレーニングが売れました!」

 

 

パーソナルトレーニングなら以前からうちでも売っています、と思った人もいるでしょう。

 

 

でも、よくある60分6,000円前後のパーソナルトレーニングではありません。

 

 

といって、ライザップのような、2~3カ月のマンツーマン指導で料金〇〇万円といったものでもありません。クライアントが販売したパーソナルトレーニングの料金は、、、

 

 

(1人の会員に対して)252万円(税別)です。

 

 

車1台くらい余裕で買えてしまう金額ですが、なぜ私のクライアントはこのような高額サービスが売れるのでしょうか?

 

 

 

既存のビジネスを強化する

 

 

コロナは店舗休業などの「一過性の問題」と、顧客の心理の変化や行動制限などの「(半)恒久的な問題」が同時に押し寄せました。

 

 

(フィットネスに限らず)企業はこうした変化に対応し、ビジネスモデルやビジネスプロセスを抜本的に見直す必要があります。

 

 

とはいえ、コロナ禍でも感染予防対策をしっかり行ったうえで、会員1人ひとりの悩みや要望に応えることで(常識外の)高額商品を販売することは可能です。

 

 

というよりも、新規会員の獲得がますます困難な時代には、会員1人ひとりとの良好な関係構築とプラスαの販売は必須といってよいでしょう。

 

 

フィットネス各社にとって今のような危機的な状況下においては、貴重な資産でもある会員を1人たりとも「いて当たり前」と思ってはいけません。

 

 

しかしながら、一部を除き多くの人たちは、そうせざるを得ない状況になるまで会員との関係構築、さらにはプラスαの販売を重視していないようです(よくいえばセルフ利用ですが、大抵はほったらかし)。

 

 

 

新規会員獲得重視のリスク

 

 

私はこれまで会員継続や既存会員への販売に関する相談よりも、新規会員を獲得することについてはるかに多く相談を受けてきました。

 

 

確かに、新規会員を獲得することは大切です。

 

 

どれだけ既存会員に対して退会防止(会員継続)取組みを行ったとしても、やはり一定数の退会者は出ますからね。

 

 

とはいえ、経営者や店舗責任者が新規会員の獲得にばかり意識が向かい過ぎてしまうとどうなるか? よくあるケースとして・・・

 

 

会員募集広告の特典内容がエスカレートする、紹介キャンペーンの案内がエスカレートする、既存会員へのサポートやサービス向上が後回しになる、スタッフ教育や設備など適切な投資が先送りされる、というケースが散見されます。

 

 

つまり、「負のスパイラル」に陥ってしまうことになるということです。

 

 

意外に思うかもしれませんが、新規会員獲得や会員数にとらわれすぎると、売り上げ・利益を改善する機会を見失うリスクがあります。

 

 

 

「客単価」に注目する

 

 

理由をご説明しましょう。

 

 

実店舗におけるフィットネス売上高は「会員数×客単価」に分解できます(会員外売上を除く)。

 

 

何を今さら、と思われた方もいるかもしれません。ところがこれまで、一部を除き日本のフィットネス各社は「会員数にばかり目が向いていた」といっても過言ではありません。

 

 

会員数(客数)だけではなく客単価にも注目するというのは、小売業や飲食業などでは当たり前のことです。

 

 

しかし、大半のフィットネス各社は、これまで「会員数」にばかり注目し、売上高を構成するもう1つの要素の「客単価」についてはほとんど注目してきませんでした。

 

 

それを証明するかのように、日本の一般的なフィットネスクラブの会員1人あたりの月間平均単価は8,000円台で、過去何(十)年間変わっていません。

 

 

注:2017・2018年の客単価低下の理由は24時間ジムや格安フィットネスの台頭と見られる

 

 

一方で、日本のフィットネス市場は2012年から2019年まで、売上高・会員数・店舗数ともに右肩上がりの成長が続いていました。

 

 

つまりその間、客単価の向上ではなく、会員数(と店舗数)の拡大による成長が続いていたことになります。

 

 

いい換えると、客単価アップの取り組みがそれほど行われていなかったということです(ここはブルーオーシャン市場です)。

 

 

 

既存施設は従来の戦略転換を

 

 

私の経験上、会員数が減るとフィットネス各社は、とにかく会員数を増やさなければ(元に戻さなければ)ということばかり気にしがちです。

 

 

実際、「会員数を増やすにはどうすればいいですか?」というご相談はあっても、「客単価を上げるにはどうすればいいですか?」というご相談はほぼ皆無ですから。

 

 

会員数を増やす対策として、価格の安い会員種別を作って売る、あるいは会費を値下げすることを考える人がいます。

 

 

私もそれを否定するつもりはありません。

 

 

実際、フィットネス売上高・会員数世界No.1企業は、月会費10ドル(1ドル100円換算で1,000円)で有名なプラネット・フィットネスですし、世界のフィットネスの約3分の1は月会費25ドル未満の「バジェットクラブ」ですから(IHRSA調べ)。

 

 

しかし、安さ競争の行きつく先は血みどろのレッドオーシャン市場ですし、そこで生き残ることができるのはごくわずかです(厳格なコストコントロールやバックエンドも必要)。

 

 

日本のフィットネス市場も世界市場と同様、「月会費3,000円未満の格安業態」が今後伸びると私は見ていますが、そうなるとなおさら既存施設には、低価格(値下げ)への圧力が強まることになるでしょう。

 

 

その場合、24時間ジムや専門スタジオなどの台頭で、総合型クラブの多くが会員数を減らした以上に会員数を減らす可能性があります。

 

 

また、いまは3密回避の観点から、利用のキャパを3分の2程度に減らしている施設も少なくありません。

 

 

つまり既存施設は、外部要因からも内部要因からも会員数を増やす(コロナ前に戻す)ことで売り上げや利益を増やす戦略は、論理的にも難しいということです。

 

 

 

「価値を上げよ、価格を上げよ」戦略

 

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

 

コロナ禍で会員数を1~3割程度減らしている(休会者含む)施設は多くあるようです。

 

 

利益率から考えれば、黒字経営だった施設の多くが赤字転落したのではないでしょうか?

 

 

何度もいうようですが、新規会員を獲得することは必要です。しかし、それだけで売り上げや利益を元に戻せるでしょうか?

 

 

会員数が減ったからといって、施設の混雑はなくなりましたか?(トレーニングマシンやロッカー台数、レッスン定員も減らしているので時間帯によっては以前よりも混雑しているのでは?)

 

 

いずれにしても、会員数を増やすことで売り上げや利益を増やす戦略の難易度は、相当高くなるのは明らかです。

 

 

競争環境の激化に加えコロナ禍で経営環境が一変した今、実店舗でこれまでと同様のサービスを同じ価格(か少し安い価格)で売るだけでは未来はありません。

 

 

しかし、復活のカギはあります。それは・・・

 

 

「価値を上げよ、価格を上げよ」戦略、です。

 

 

価値を上げるとは、第1に、今いる会員1人ひとりのニーズ、ウォンツ、悩みや問題、夢やあこがれを理解することです。

 

 

つまり、会員が頭の中で何を考えているか熟考することです(会員に直接尋ねるのもいいでしょう)。

 

 

次に、会員は「本当は」どうなりたいのか? 会員は本当は、何にお金を払っているのかを理解し、その価値をさらに高めた商品・サービスを開発して売ることです。

 

 

例えば、複数の商品・サービスを組合せてパッケージング化して売る。今までとは違うサービスや体験を組み合わせてパッケージング化して売る。そのうえで価格も上げるのです(これらは実際私のコンサルティングで教えていることです)。

 

 

いうまでもありませんが、商品やサービスの値決めというのは、ビジネスにおいてもっとも重要なものの1つです。

 

 

この設定いかんによって、マーケティングで打てる施策も変わりますし、購入する顧客の質も変わりますし、手元に残る利益も変わってきます。

 

 

例えば冒頭紹介したように、パーソナルトレーニングを60分6,000円前後で売ることもできますが、1人の会員に252万円のパーソナルトレーニングを売ることも可能なのです。

 

 

ただし、高額商品を販売するには、入念な見込み客設定や商品・サービスの価値を伝える特別なセールス技術も必要になります。

 

 

いい換えると、セールス力が低く、指導力が高いだけのトレーナーでは売れないということです(が必要な知識の習得と経験を積めば売れるようになります)。

 

 

いずれにしても今は変化に対応すべく、これまでの常識や思考の枠から外れてビジネスモデルやビジネスプロセスを見直し、会員に対して思いやりと思い切った行動にでるときです。

 

 

新規会員獲得ばかりを考える企業や人とは対照的に、会員の悩みや問題を理解し、解決するために尽力する企業や施設が、成長を伴い、生き残っていくことでしょう。

 

 

 

本日も最後までお読み頂きありがとうございます。

それでは次号をお楽しみに!

 

 

 

 

追伸

本日紹介した252万円のパーソナルトレーニングを販売したスポーツジムが学んだ半年間のプログラムは こちらです。あなたの大いなる飛躍を田村が応援します!