市場は最高でも総合クラブは伸び悩む―最新決算が示す現状と課題
2025年8月12日(火)
こんにちは。
サクセス発行人の田村真二です。
◆国内フィットネス市場は過去最高規模へ
国内フィットネス市場は、2023(令和5)年に4,886億円(前年比8.5%増)、2024(令和6)年には5,389億円(同10.3%)と、2年連続で大幅成長を記録しました(「日本のフィットネスクラブ業界のトレンド2025年版」より)。
コロナ禍からの回復を背景に、多くの企業で会員数・単価ともに改善が進み、市場規模は史上最高値を更新しています。
この追い風の中、総合クラブを中心とする大手5社(ルネサンス、コナミスポーツクラブ、セントラルスポーツ、ティップネス、ホリデイスポーツクラブ)の2026年3月期第1四半期(4~6月)連結決算が出そろいましたので、決算内容の概略をお知らせします。
売上高は全社が前年越え、成長率に差
売上高は5社すべてで前年同期を上回りました。
最大手のルネサンスは155億60百万円(前年同期比0.8%増)、2位のコナミスポーツクラブは120億79百万円(同2.1%増)、3位のセントラルスポーツは114億44百万円(同3.3%増)と堅調。
ティップネスは66億83百万円(同2.7%増)、ホリデイスポーツクラブは31億2百万円(同0.3%増)でした。
成長率ではセントラルスポーツが3.3%増とトップですが、全体としては2024年の市場成長率には届かず、他業態(24時間ジムや専門スタジオなど)に成長を奪われている構図が浮かびます。
利益面では明暗くっきり
営業利益では、コナミスポーツクラブが4億26百万円(75.3%増)と大幅な増益を確保。一方、ルネサンスは2億80百万円の赤字、ティップネスも3億54百万円の赤字と、収益改善が課題です。
セントラルスポーツは2億23百万円(22.1%減)と減益、ホリデイスポーツクラブは前年同期の51百万円の赤字から2億39百万円の黒字となりました(下図)。
最終利益では、ルネサンスが5,000万円(74.1%減)、セントラルスポーツが5,300万円(93.1%減)と、大幅減益となりました(他3社は非公開)。
今後の課題と事業者への示唆
今回の決算から見えるのは、「市場全体は成長しているが、総合クラブ大手はその成長を十分に取り込めていない」という事実です。
特に収益面では、施設維持コスト・人件費の高止まり、エネルギー費用の上昇が重しとなっています。さらに、低価格・無人型・専門特化型など多様な業態が利用者の選択肢を広げ、従来型総合クラブの集客を圧迫しています。
事業者に求められるのは、単なる会員数増ではなく、1つ目に「高付加価値&高単価サービスの提供」。2つ目に、「新たな顧客層の開拓」です。
1つ目のポイントは、「全員から少しずつ取る」従来の値上げではなく、一部の価値志向の高い会員や潜在客に、高付加価値かつ高単価なサービスを提供するという視点です。この発想の転換こそが、これからの総合クラブ経営に求められているのです。
2つ目のポイントは、高齢社会の進行、企業の健康経営推進など、「健康への根本的な関心の高まり」があります。ここに、総合クラブ再生の鍵があります。
総合クラブに入会する理由が、「筋肉をつけたい」「痩せたい」だけだった時代は、代替え商品・サービスが増える中、終わりつつあります。いま求められているのは、「生活の質を高めたい」「元気に毎日を過ごしたい」といった、健康へのより本質的な目的へのサポートではないでしょうか。
たとえば、パーソナルや小規模グループレッスン、ウェルネスプログラムなど、「総合クラブだからこそできる」強みを再定義し、価格以上の価値を感じてもらえる仕組みづくりが不可欠となるでしょう。
ウェルネスプログラムの詳細につきましては、次のブログをご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次号もお楽しみに!




