今年は自分が挑んだ3つのチャレンジのうち2つが宗谷岬関係のものだった。
宗谷岬600と宗谷岬TTがその2つだが、同じ宗谷岬関係のチャレンジでも真逆と言っていい位性格が違うと改めて感じられたのでそれについて書いてみる。
【イベントと個人ライドの差】
宗谷岬600
①日程と時間が決まっている
②チャンスが1度きり
③ペースを上げずに保守的に走る
宗谷岬600で自分が立てた目標はPCとゴールで全てオープン時刻にチェックを受けるというもので、日程が決まっているイベントの宿命として、何があろうとその日に達成しなければならなかった。
これが原因で宗谷岬600は今年の他のチャレンジに比べ圧倒的に難しいものだった。
ライド中は普段トレーニングとしてする巡航よりも出力を意図的に抑え、補給の内容とタイミングも計算し、絶対に体調を崩さない様に保守的に走る形になった。
自分の限界に挑むという方向ではなく、1ステージずつミスなくこなしていくというものだった。
宗谷岬TT
①風向きや天気が良いタイミングを選ぶことが出来る
②チャンスは何度でもある
③自分の限界のペースで走る
宗谷岬TTではグロス40km/hを超える事を目指し、10月に入ってからチャレンジを開始し2度目で達成できた。
強度は宗谷岬600よりも高いものの個人ライドなので失敗しても再チャレンジが出来る。実際には10月から何度もトライするのは難しい部分があったが、それでも日程と時間が決まっている宗谷岬600よりは格段にプレッシャーが少なかった。
ライド中はカフェインなども遠慮なく投入し、自分のエンデュランス走での限界的なペースを維持しつつけた。
【事前準備】
宗谷岬600
①使用機材を体になじませる
②ベースの巡航速度を高める
③短時間のTT能力を高める
自分にとって600kmは年に1度位しか走らない距離なので、痛みなどが出ない様に春先から徹底的にAndeanで走り込んだ。足に痛みが出ない様に、使うシューズカバーやソックスの厚さも予行演習で絞り込んでいった。
また、向かい風だろうがパンクしようがPCとゴールにオープン時刻に到着している必要があったので、悪条件やトラブルを吸収できるだけの巡航速度を持つことを目指した。
ここで目指したのは限界ペースでの速度を上げる事ではなく、力を抜いてキープ出来る速度を上げていくという事だった。
最終区間の27kmではグロスで37km/hが要求され向かい風の可能性もあったので、ブルべの準備としては異例だが高岡周回のTTや10分走で高強度への対応も進めて行った。
宗谷岬TT
①空力の良いフォームを維持する
②宗谷岬600よりもさらにベースの巡航速度を高める
③L2の上の域を長時間キープ出来るようにする
宗谷岬TTでは距離が600よりも短いぶん体に痛みが出ても無理やり押し切りやすいので、頭を可能な限り下げて空力の良いフォームを取り続けるのが望ましい。P5Xに乗り始めてからは特にその練習をした。
また巡航についても宗谷岬600の様に力を抜いてするわけではなく、自分がキープできる最大出力で続ける事になるので、その出力域(L2の上限付近)で走る練習をした。結果的に宗谷岬600前よりも恐らく2km/h程はライドの平均速度が上げられたと思う。
宗谷岬600と違って短時間のTT能力が問われることは無かった。
こうしてみると、日時を選べるかどうか、再チャレンジが出来るかどうかが決定的な違いとしてあって、それゆえにプランやライドの方向性が大きく変わったのだと解る。