6月12日の22時半ころの出発で、宗谷岬経由でオホーツク海側に出て興部までライドした。
この日のライドの目的は、宗谷岬600に向けた予行演習としてまとまった距離を走ろうというものだった。
この時点で既にMadoneで函館200自走参加した時に439km、Andeanでは尾花岬ライドで400kmを走っている状態だったが、600をペース走で走るとなると色々なエラーを出し尽くす必要がある。そのために無理が出ない範囲で長い距離を乗ることにした。
小樽から宗谷岬までは碧水経由の内陸ルートにした。
93km程走った新十津川で最初の停止、203km程の羽幌で二度目の停止をし、そこから宗谷岬まではバックポケットに大福を入れて直行した。セイコーマートの開店時間である6時よりも早く天塩に到達する可能性があった事と、天塩のセイコーマートのゴミ箱が使えるかわからなかった事が理由だ。
この日はグロスで100kmを3時間以内のペースで走れればいいなと思っていたが、それを少し上回るペースで走ることが出来た。
あまり特筆すべきこともなかったが、苫前~初山別の40kmのアップダウン区間はかつてない程楽に感じた。追い風だったこともあるが、以前走っていたころと比べて体重が減ったことが大きいのだと思う。
全く苦労することもなくあっという間にアップダウンが終わった気がした。
天塩の手前から稚咲内の少し先までは横から西風が吹き付け走りにくかったが、交通量が少なく助かった。
サロベツ原野で見た車は5台以内だったのではないか。
かつては横風で少し頑張って30km/h程で走っていたサロベツ原野も、今年は38km/h程出ていた。
脚が当時よりも仕上がっている事に加え、空力を追求した効果が大きかったのだと思う。
海岸線がカーブして西風を背中に受けるようになってからは追い風で楽に巡航出来た。
抜海をこえて南稚内の市街地に入る前の坂で170kcalほどの大福を1つ食べた。速度が落ちる上り坂で食べるのが一番安全だから最初からそこで食べるつもりだった。
南稚内から宗谷岬は30km弱。初めて走った時は果てしなく感じたがこの日は追い風だったこともあって一瞬で着いてしまったように感じた。
宗谷岬では1枚写真を撮って340kcalほどある大きめの大福を食べた。
宗谷岬までの359kmで9時間51分。ブルべではオープン待ちに引っかかって実現不可能なペースだ。
宗谷岬を超えて目に入ってくるのは、海岸線から丘陵に向けて伸びる、道路の両側を巨大な雪よけの壁に挟まれた坂だ。
オホーツク海側に入る門のような佇まいで最果てに来た事を感じさせる。
その辺りで登坂が2度ある以外は基本的に平坦な道を南下していく事になる。
羽幌でのコンビニ停止から190km程走り、スタートから390km程の猿払のセイコーマートで休憩した。
回りに集落が少ない町や村のコンビニではリスク回避のためかゴミ箱が使えないことが多い。ここも使えないかなと思っていたがしっかり使うことが出来て有難かった。
ここではMONSTERの500とホイップクリームのパンを1つ補給して出発した。
途中猿払~浜頓別で有名なエヌサカ線を通った。
写真をよく見ると、木の枝が左から右に大きく傾いている。この時は何故か東からの風が強く、横風で走りにくかった。
道の雰囲気は遠別~天塩の浜更岸基線に似ているが、周りが開けている分こちらの方が雰囲気がある。
南下を続けると浜頓別と江差の間で海岸線に断崖が見えた。この辺りでは珍しい。
道をそのまま進むとトンネルも見える。この日はハブに取り付けるスピードセンサーをMadoneからAndeanに移し忘れていて小平町のトンネルも海岸線で迂回していた。ここもそれが出来ればいいが厳しかなと思ったのだが、トンネル手前に海岸線に続く道が。
この道が最高だった。
写真を撮ると見た印象が薄れるかと思って撮らなかったのだが、快晴の中、積丹の神威岬周辺のようなきれいなエメラルドグリーンの海が広がっていた。
遠浅で海がなだらかで積丹のような厳しさを感じさせる地形ではなく、どちらかというと八重山の珊瑚礁の海を見ているような色合いだった。
ここを見つけられたのが今回の1番の収穫だった。
この辺りで猿払であまり消化が良くないホイップクリームのパンを食べたバチが当たったのか、疲れが出てきた。
ガソリンスタンドでコーラを1本飲んだのだが、右足の小指の辺りも痛くなってきた。
恐らく原因は2つあって、この日初めて履いた薄手の靴下のクッション性が高くなかった事と、初めて使ったFast Feetのシューズカバーで少し足が外側から締め付けられる感じになった事だろう。
Fast Feetはロングでの投入は慎重に考えた方が良いかもしれない。
痛みを感じながら到着した雄武でFast Feetは脱ぐことにした。
ここまで502kmで14時間15分。これもブルべではオープン時刻制限で実現不可能なペースだ。
この日は紋別に宿を取っていたのでこの辺でもういいかなという気分になった。痛みが無ければサロマ湖あたりまで行きたかったが、ペダリングも本来と違ってきている中、無理をする必要は全くない。
今年の行動範囲を考えれば、サロマ湖はいつでも来ることが出来る。
その後は興部の道の駅でソフトクリームを食べて終了。
ログを切って紋別まではリカバリーペースで流した。
流している時は完璧な追い風で殆ど出力を使わなくても35km/h以上のスピードが出た。
この風をもっと早いタイミングで吹かせてほしかった。。
紋別は初めて訪れたが、ホテルやバスターミナルがある場所が「旧市街」という感じで、かなり古くある意味雰囲気のある街だった。
住宅街はその周りに広がっているようだった。
最後足に痛みが出たのがこの日の反省だったが、宗谷岬までほとんど苦労を感じず、体感時間も短く行くことが出来たのは良かった。
函館200の自走参加以来、行程の途中に第1目的地を決めてそこまでは一切頑張らずにアクセス、そこからがリアルスタートだ、と考えることで距離に対して苦労を感じなくなった。
宗谷岬600では実際どういう走りになるか解らないが、この遠征の経験も活かして無理なく楽しみたいと思う。