ANDEAN初期インプレ | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

DIAMONDBACKのANDEANというトライアスロンバイクを入手した。
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去年のアイアンマン世界選手権直前からその界隈では話題になっていたバイクで、UCIのレギュレーションを無視した造りになっているので出られるレースはかなり限られる。
英国のトライアスロン雑誌では同時期に発売したサーベロのP5Xよりも高いなかなかの評価。
自分は車体にストレージが多く搭載され、北海道で身軽にロングを乗るのに最適なのでは、と思い入手した。

今日6月16日、100km程の初ライドをしたので初期インプレとして感じたことなどを記してみる。印象の大きかったことから順に書いていく。

【速さ】
化物並みに速い。
石狩の高岡周回という周回コースでTTをしてみたところ、2か月前にDE ROSAのPROTOSにエアロバーを装着したロング最速仕様で全力アタックした26分00秒を1分43秒更新し、24分17秒というタイムが出た。平均出力291Wなので練習が進めばまだ踏めると思う。

今日のログ
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4月21日のログ
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4月のログは出力をパワーメーターで測らなかったので、298Wというのは推定値。今日のと比べると実際はもう少し低い気がする。コースは1周16.7km、獲得標高150m弱の平坦基調のコース。コースには2か所登りがある。
PROTOSにエアロバーを付けた車重が約8kg、ANDEANが約10.5kg。バイオリズム的に(?)今日はデブ期だったので体重と合わせると4kg程今日の方が重かった。

まずマシン性能とは別にフィジカルについて考えると、4月21日と比較すると4kg重いにもかかわらず2か所の登り共に今日の方が速い。これは朝練で走りこんだりして2分程度のペースアップに体が慣れてきたせいだと思われる。
恐らく平坦部も平均すると少し踏めているのだろう。これはタイム短縮要因だ。
これとは別にマイナス要因もある。ANDEANは自分にとって初のトライアスロンバイクでロードとポジションがだいぶ違う。今日も高岡に着く前に4回ポジションを直した。恐らく今日のポジションは自分にとってのベストではなく、体の使い方ももっとANDEANに適応して力を出し切れるようになるだろう。

これらのプラス要因とマイナス要因を比べると、恐らくちょうど相殺し合うくらいなんじゃないかと思う。
とりあえず便宜上そう考えると、4月21日と今日のタイム差が概ねマシンの能力差だと考えることが出来そうだ。
ログを比較してみる。
最初の登りに入るまでの平坦部は、4月は40km/h台から入り30km/h台後半で登りに入っている。今日はこの区間は向かい風だったが登りに入るまで40km/h台をキープ。ポジションが違うせいか、空力が圧倒的に良いのを感じた。
登りは数秒今日の方が速い。
下りは4月が50km/h台前半が多かったのに対して今日は60km/h前後出ている部分が多い。
そのあとの平坦は4月が40km/h台前半なのに対し今日は50km/h強。追い風だったのが大きいと思うが…
2度目の登りも今日が数秒速い。
ゴールまでは4月も今日も40km/h台をキープしているが、今日の方が2km/h程速いようだ。

書いていてフィジカルが上がった部分が結構ある気もしてきたが、空力の良さは圧倒的だ。これは体感で解る。速度が乗るまでPROTOSよりも時間がかかるが、乗ってしまえばキープは楽だ。

全体通して、平坦部は圧倒的にANDEANが速い。登りはフィジカルを除けばPROTOS。加速もPROTOS。
北海道で延々巡航するのならANDEANが速いだろう。

【風耐性】
ANDEANは側面投影面積が巨大なので横風にデリケートですぐ煽られるのではないかと思っていたが、ほぼPROTOSと変わらなかった。
風洞実験などでその辺りもしっかり考えられているのだと思うが、横風の中でも非常に安定している。

向かい風耐性は最強。36km/h程度なら200W台前半で出ていたと思う。
無風なら40km/hキープも220W程度だったと思う。

【乗り心地】
良い。硬いと言われるPROTOSを乗り心地良いと感じる自分が鈍感なのもあると思うが、硬そうな見た目とは違いロングでも問題なさそうな乗り心地。実際に試してみないと本当のところは解らないが。

ただ、ISMのサドルはまだ自分には合わない気がする。PROTOSのアリオネR1が最高になじんでいるので、それと取り換えたい気分だ。
ただ問題があって、サドルの固定がボルト1本でレールを横から挟み込むタイプで、R1の様なカーボン製の幅広のレールに対応していないのだ。ー本ボルト用のアダプターなどあれば話が速いのだが。

ハンドルはHEDのCorsairというモデルで、この手のベースバーを握るのが初めてなのもあってはじめはダンシングなどしにくかったが、慣れれば普通にこなせるようになった。

【ストレージ】
クランク前のカウル状の部分のスペースは巨大。
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蓋を開けるとフレーム内の空洞がそのまま全部ストレージになっているという何とも言えない造りなので、チューブ2本、空気入れ(レザインのROAD DRIVEの長い方)を入れてもまだまだ余裕アリ。軽量輪行袋なら上の方に押し込めば入ると思う。
トップチューブ~ステムの部分のボックスもモバイルバッテリーや工具、補給食や錠剤一式は問題なく収納できる容量。
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シートポストの後ろのリアタイヤを覆うように伸びている部分もストレージになっているので、ここにも何か入れられる。
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600km位までならバックポケットさえほとんど使わずに走り切れると思う。

【eTap】
無音でスムーズに変速して気持ちいい。操作にはまだ慣れが必要だが、慣れれば問題ないと思う。
ハンドル周りとディレーラーでケーブルが一切つながっていないので、組立やメンテナンスが異常に楽。

【ディスクブレーキ】
TRPのHY/RDというワイヤー引きでキャリパーが油圧で動くタイプのもの。
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制動力に不満は無い。初走行でタイヤが一皮むけていないせいか、タイヤがロックして滑ってしまう位まですぐ効いた。
ただこれはディスクじゃなくてもそうなると思う。
ディスクブレーキのラインナップしか無かったから仕方ないが、出来れば普通のブレーキが良かった。
見た目がカッコいいのは良いのだが。

【見た目】
前から解っていたことだが、半端じゃなくいかつい。
ホイールが前後90mmなのも大きい。インパクトがすごい。
PROTOSもロードバイクとしては破格のボリューム感だが、さすが別ジャンルのバイク。世界が違う。
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Corsair搭載の米国艦なのにヤマト風のシルエットなのがまた良い。恐らく拡散波動砲が2門搭載される。
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ロングでの実際の使い心地等はこれから解っていくと思う。
今はまだポジションも探り探りだが、長時間乗っていられて力をしっかりかけられる位置を探すため、どんどん乗っていこうと思う。
PROTOSと比較すると、ジャンルそのものが違うというのを強く感じる。初めての体験だが、さすが専用のトライアスロンバイクだ。
平坦基調の巡行ならANDEANがずっと早いが、登りが入ったり加減速が入ったりする場面では間違いなくPROTOSの勝ちだろう。


乗っていて最高に楽しいので、これから末永くどんどん使い込んでいこうと思う。レースの練習そっちのけで乗り込んでしまいそうだ。というよりも、確実にそうなる。