2015 BRM613北海道600km恵庭 23時間8分完走 | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

6月13日の朝8時スタートのブルベ、恵庭600を完走した。
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認定時間は23時間8分。Stravaのログでは走行時間21時間9分となっているので、ちょうど2時間ほど休憩していたことになる。平均出力は196wで様似400の199wよりも少し低い。

走行ペースは平坦で30km/h強。緩い登りで20km/hほど、6%ほど以上の登りでは10km/hほどでゆっくり行った。

自分にとってはよくあることなのだが、今回もDNSしようか迷った。
歩くと膝がズキズキする状態なのだから、こんな状態で600なんて走れるわけが無い、走ってるうちに痛みが増して故障してその後のレース等も棒に振るくらいなら、今回は諦めるのが賢明では?と思っていたのだが、不思議な事に痛み止めを飲みながら走っていたら膝自体はあまり問題が無かった。一夜明けた今も、ゆっくりなら自転車に乗れそうな感じがする。何故なのか…
「DNSするかも知れないけどスタート地点までは行こう。」北海道1200の時も完全にこのつもりだったのだが、これをやってしまうともう走ることになるし、意外と大丈夫な事が多い。
いつか本当に痛い目に遭う(脚にケガをしてしまう)のではないかという不安を感じる。

天候は雨で場所によっては風。
雨は最初の200kmくらいはガンガン降っていて、ところどころ土砂降りだった。
後半はまともに降られる事はなく、大丈夫だった。

今回は他の方と一緒だった場面が多かったが、特に函館の超速ライダーお二人とは450kmほど一緒に走った。走行時間21時間9分はお二人のおかげだ。夜の無人地帯もとても楽しく走る事が出来た。
今の自分が単独でこの走行時間を実現しようとしたら、山もあるし、筋肉がもたず故障してしばらく乗れなくなるかも知れない。精神的にも、丸一日孤独に負荷に耐える悲壮な覚悟が要るだろう。

【走行レポ】
スタートからPC1の追分までは約30km。雨の中平坦を淡々と走り、開き待ちをした。
追分からは去年からブルベ等でご一緒させて頂いているIさん、函館のAさん、Pさんと4人で走った。

自分はキューシートを超シンプル仕様にしていて、(よくよく考えるとまずいことに?)なんて言う地名のところを走っているのか解らない。
よって、どの辺で何があったのかも良く解らないのだが、とりあえず85km地点のPC2穂別、135km地点のPC3日高あたりまではひたすら雨。他の方の後ろを走っていた時はずっとシャワーでもあびているような感じだった。
他の方はアイウェアを付けていたが、レンズに水が付いて視界が悪くならないのか不思議に思った。自分のはヘルメットに付いているバイザーなのだが、水滴が付くと分けが解らない感じになるので、路面がドライの状況と、後半の単独巡航以外は使っていなかった。

PC3の日高から220km地点のPC4屈足までは峠をいくつか越える。
このあたりから函館のお二人と自分の3人で走る形になる。
日高から占冠に向かうあたりにも確か小さい峠があったり、山の中を走ってトマムのあたりに来た時はリゾートのタワーがきれいだった。星野リゾートだったのか。
このあたりも標高はそこそこある。

落合から狩勝峠を越える。坂は非常に緩やかで、2年前とは感じ方が全然違った。
頂上直下の2kmくらいは5%くらいあるのか、登ってるなという感じはした。体重が重いので減らした方が良いと感じた(これは後半強く感じることになる)。
確かこのあたりで、妙に疲れた感じがした。きつい。Dか?と思ったが、様似400の時も200km行かないくらいで疲労感が出て、その後脳内のスイッチが入ったのか楽になって力が出たので、多分そうなるだろうと考えていたら本当にそうなった。

狩勝峠の下りはずっと50km/h前後で下った。ディープリムに加え、ポジションがかなり低い下ハンだったのでスピードが出たが、下ハンは下りで非常に安定した。ブルベ用決戦機となったDE ROSAよりもフォークの安定性は695の方が良いと感じるが、下ハンを握れば全く問題なかった。

狩勝峠を下ってPC4の屈足に到着。全体の3分の1をこえた。
確かこのあたりは雨でぬれた体が停まると寒かった。

屈足を出発して何kmか走っていると、道端で看板を作ってMさんが奥様と一緒に応援してくださっていた。北海道1200の時も声をかけて頂き、力を頂いた。本当に感謝です。
最後の走者まで応援頂いたようだ。

屈足から280km地点のPC5池田町までは60kmほどで、平坦基調。PC5ではスタッフのFさんが通過チェックをされていて、声をかけて頂いた。
膝が崩壊した場合に大樹町では逃げるルートがあるのか、周りには何もないのかなど、教えて頂いた。この時は膝が少しあやしい感じがしていた。

池田町を出てすぐライト点灯。
大樹町までの約80kmは何もない場所が多いと聞いていたが、全くその通りだった。独りで走っていたらかなり寂しかっただろう。仲間がいると全く違った気分で非日常を楽しみながら走れるのだと感じた。

360km地点のPC6大樹町ではかなり長めに休憩。
自分はカップ麺を食べたりしていた。プリン中毒で吐き気がします、では色々ときついので、塩気のあるものなど、色々食べるようにしていた。

22時過ぎ頃だったかに大樹町を出るとまた何もない道を通り、天馬街道へ。ここは相当景色が良い素晴らしいところらしいのだが、当然のごとく何も見えず。車もあまり通らない。
ここも独りだと嫌な道だ。
大体400km地点にある天馬街道の頂上の野塚峠を目指す。速度は25km/hほどだったと思う。
峠の最後6~7kmは6%くらいあり、なかなかきつく感じた。無理に負荷をかけると膝が悪くなる感触があったので、一番軽い34-25でゆるゆる回し、たまに休むダンシングをしつつ行った。

頂上に着いた時は嬉しかった。恐らく0時近くだ。4~5kmある非常に長い野塚トンネルは車がいなかったので恐くはなく、トンネルを抜けたところにある水くみ場兼休憩場のようなところで少し仮眠をとった。多分15~20分くらい休んで再出発。

ここからの下りは恵庭600で一番恐ろしく、緊張した。
下ハンを握って下ったのだが、恐ろしい理由はいくつかあった

①この下りは鹿が出て衝突の危険が高い
②普通に結構急な下りである
③雨で路面は完全に水がかぶった状態
④夜霧がかかって視界が悪い
⑤夜霧でライトの光が拡散してますます視界が悪くなる
⑥ディープリムで体重が重いのでスピードが非常に出やすい
⑦にも拘らずカーボンナノで最小限の瞬間的なブレーキしかかけられない

⑦については、1.5~2秒ほどブレーキをかけて解放するのを繰り返したが、生きた心地がしなかった。恐がりすぎなのかもしれないが、ホイールを壊してはシャレにならない。鹿は一匹路上にいたが、大丈夫だった。
かなり恐い気持ちで下っていたので、勾配が落ち着いてきた時は嬉しかった。
下り基調でPC7の浦河へ。
ここまでで435kmほど走っていて、あとは165kmほどだ。

PC8までの95kmはこの日一番きつい区間になるなと直観的に感じていた。
全く曲がる場所が無く、キューシートもPC7の次の行にPC8が書いてある。走りやすくていいのだが、ここを延々と疲れた体で巡航するのはなかなかきつい。
さらにこの区間の途中からは自分が単独で行く形に。ラスト130kmほどだ。

他の方と走る時にはエアロバーを休憩以外で使わないようにしているのだが、ここからは解放。
それでもきつかった。様似400でもちょうど同じあたりから単独アタックをかけたが、その時は脚に力が残っていて、実際かなりの出力で走った。登りでは300wを大きく超えていたと思う。
今回は200km多く走っていたので、脚の消耗度合いが全く違った。
負荷をかけると持たないと解っていたので、まずくならないであろう負荷で延々と回した。
単独巡航開始からPC8の鵡川までは50~60kmあったが、明け方に薄く霧がかかる中、何でこんなきつい思いをしているのか?距離はまだ100km以上あるのだから数時間もこれに耐えるのか?と色々な気持ちが湧いてきた。これは400以上くらいではいつもの事だが、辛さを感じても脚が漕ぐのをやめない。
変わり者と言われる事もあるが、自分が単独で走る場面ではこれが一番楽なんだと思う。スピードをもっと落として故障しないようにゆっくりいけばいいだろ、と言われた事もあるが、それをやると、消耗しきって座面が痛い状態で長く走ることになる。それなら負荷がきつくても短時間(?)集中で突破してしまおうという考えになる。
途中からは、自分の体の状態と気持ちを切り離して、きつさを客観視するように心がけた。

60km近くあったPC8までの距離が45kmになり、30kmになり…残り10km無い富川あたりに達した時は救われた気がした。

530km地点のPC8鵡川から570km地点のPC9追分までは距離が短いので、プリンとモンスターエナジーだけを摂って出発。ここは様似400で一部区間で平均288wという馬鹿みたいな走り方をした区間なのだが、今回は同じ区間で平均208wだった。
これ以上出力を出すと脚が攣る、という感覚をはっきりと具体的に感じる事が出来た。
右足が攣りそうになったら少し左でカバーして、それをやると膝があやしくなって左も攣りそうになり、というのを繰り返して何とかいけるペースを構築して進んだ。
こういう状況だったが、不思議と7~8kmくらいの直進が短く感じた。

570km地点のPC9はPC1と同じ追分のセイコーマートだったが、6時過ぎで開店前だったのでスタッフのHさんにチェック頂いた。パン一つだけ頂いてすぐに出発した。
ラスト30km。ここは頑張った。本当に攣る寸前で回し続けた。ログを見ても、30km/h台前半はほぼ常時出ている。最後の10kmほどは固定ローラーでのトレーニング並みに回した。強度が高く、500mが長く感じた。
ゴールに着いた時はスタッフの方が外で待っていて下さったので、すぐに時間を確認してチェック頂いた。600の最後であんなにもがいている人は見たことが無いとのことだった。
7時8分。23時間8分の旅が終わった。

【補給】
今回はコンビニでゆっくりと休憩をとった。
様似400でプリン中毒になった苦い思い出から、塩気のあるものをたくさん食べようと言う事でおにぎりやカップめんなども食べた。最後単独で強度を上げたせいか食欲がわかない感じになってしまったが、様似400で味わった気持ち悪さと比べると大分マシだった。
600までは大丈夫な補給イメージはできているが、1200等をにらんだやり方は今後探っていかなければいけない。

【装備】
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今回でDE ROSAのブルベ装備をかなり練り込む事が出来た。
他の方の自転車と比較すると、特異な感じだと思った。リムが深くて前乗り、ハンドルが遠く前下がりでエアロバーを付けた形というのは、ブルベでは異様だった。
ただ、乗り心地はいい。ハンドルが低いのできついか…と思いきや、懐が広くなるので呼吸がしやすく状態が楽なのだ。
ただし、ハンドルが遠く低いので、ハンドリングがしにくいというか、ブラケットポジションではあまりバランスが良くない気もする。下ハンを握ると安定感が増す。
エアロポジションでのバランスもイマイチ慣れ切っていないか…
座面が痛くなるのはある程度仕方が無いのかもしれないが、1200の完走を目指すなら対策を考えた方が良いと感じる。
サドルの先端に腰掛けて出力を上げる、という乗り方は最後の方は痛くて出来なかった。

キューシートはこの形が今のところベストだ。
完走するのには最高の形だと思う。ただ問題があって、前述の通り、「どこを走っているのか解らない」ということだ。景色や体感は記憶として残るが、それがどんな地名のところを走っている時の事なのか解らず、記憶が錯綜して失われていくのは早い気がする。

【課題】
今後に向けて一番高めたいのは、脚の筋肉の持久力だ。
体力はもったと思う。あとは600で最後まで出力を出せる脚があれば最高だ。結局普通に自転車のトレーニングをして筋力と持久力を付けて行けばいいのだろか。
あとは減量。登坂で必要な出力が下がるので、脚を残すことが出来ると思う。
宗谷岬600にも参加する予定なので、そこではもっと脚に余裕を持って走りたい。