自転車乗りと筋トレ | 桜伐ル馬鹿梅伐ラヌ馬鹿

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北海道のサイクリング好きのブログ。

自転車で速く走るためにに筋力トレーニングは有効かどうか、賛否が分かれる形でよく紹介されると思うが、自分の考えをまとめてみた。
自分自身発展途上なので、間違った部分もあるかもしれないし、今後変わって行くかもしれない。

一言で言うと、少なくともアマチュアに関しては、筋トレは有効だと思う。

【筋トレは有効】
①筋力が向上して損になることは無い
自転車で速く走るには、色々な能力が求められると思う。
筋力、持久力、インターバル能力、精神力、空力、判断力、コーナリング技術、ブレーキング技術など、思いつくだけでも相当いろんな要素がある。よって当然、筋力が向上したからと言って直ちに勝てるのかというと、そんなことは無い。筋力は求められる要素のほんの一部にすぎない。このことは大前提だ。

とはいえ、筋トレをすることで、(トルク的な意味での)筋力が向上して損になることは無い。扱えるギアが重くなるので、同じことをやっていれば出力は上がり、速度も上がる。
よって、速く走るための能力のうちの一つは向上することになり、これによって損をすることは何もない。

②筋力向上には筋トレが手っ取り早い
また、筋力を向上させるには、自転車で負荷をかけるだけでは不十分だと思う。トッププロで特別な筋トレをしない人もいるらしく、そういう人の体のメカニズムは解らないが、少なくとも普通の日本人にとって自転車の負荷だけで筋力そのものを向上させることは難しいように思う。

筋トレについて調べるとすぐに出てくるが、どの程度の強度でメニューを行うかによって得られる効果が変わってくる。

最大筋力を高めたいのなら1回~6回で限界に達する強度で数セット。
筋量を増やしたいなら6回~12回の強度で数セット。
それ以上の回数できる強度では筋持久力が鍛えられる。

それぞれ効果が重なる部分は当然あるが、自転車でいくらギアを重くして筋力アップを意識して漕いでも、それは所詮数十~数百回反復できる程度の強度にしかならない。
その強度で筋力アップを期待するのは、不可能ではないかもしれないが、あまりにも遠回りではないか。

自分は2014年、年間実走とローラーを合わせて10000kmくらい走ったが、それで得られなかったほどの筋力増加を、週に2~3回、1回あたり20分程度のウェイトトレーニング1カ月で得ることができた。使えるギアがすぐに1つ重くなった。
自転車では刺激しきれていなかった部分に刺激が行って、主に筋繊維の動員率が高まったのかなと思っている。

【筋トレをすると走力は上がる】
①筋トレをしただけでも走力は上がる
良く聞くのが、「筋トレをして筋力がついても、それをペダリングの動きに対応させる訓練をしないと走力は上がらない」という意見だ。実績ある人も含め、多くの人がこう言うが、これは誤りだと思う。少なくとも、言葉遣いとして適切ではない。

まず、筋力が向上しても、ペダリング技術等は上がりもしなければ下がりもしない。ギリギリの出力で持続時間を増やそうとしている状況では、自分にとって一番楽な体の使い方になるので、少なくともアマチュアに関して言えば、筋力に依存していきなりペダリングがいびつになるということにはならないと思う。
なったとしたらそれは筋トレの問題というよりもその人の意識やトレーニングの仕方の問題なのではないか。

筋力が向上した以上、それ以前と同じ動きをする際のトルクは上がるので、その分出力と速度は上がる。特に何も犠牲になっていない。

「筋トレをして筋力がついても、それをペダリングの動きに対応させる訓練をしないと走力は上がらない」というのがあてはまるとしたら、相当な繊細さでペダリングを制御していて筋力が少し変わっただけで動作までも変わってしまう、精密機械?の様な人なのではないかと自分には思える。

②筋力の向上分を全て走力に転換するにはペダリングへの対応も必要
書いた通りだと思う。筋力が向上したら何も意識しなくても何だかんだで走力は上がってしまうが、そんな程度ではなく、筋力の向上した分全てを逃さず走力向上につなげようとすると、当然ペダリングの動きに対応した最適化が必要だろう。
「筋トレをして筋力がついても、それをペダリングの動きに対応させる訓練をしないと走力は上がらない」というのがこのことを意味しているのなら、異論はない。ただ、言葉遣いとしては誤解を生みやすく適切ではないと思う。