※11月3日のFacebook投稿を転載

 

11月1日に「意味がわからない米政策批判」を投稿しました。

長いので読んだ人は少ないかもしれません。要点を記します。

(1)2018年の減反政策廃止によって米の生産量の調整は農家がすることになった。行政(国、自治体)は需給見通しを示すだけで、生産量、価格の調整をしない。

(2)石破前政権でもこの枠組みは変わっていない。変えるという話もなかった。増産のための新たな施策は打ち出されていない。「増産にかじを切った」は言葉だけであり、かじの向きは変わっていない。

(3)鈴木憲和農相の「需給に見合った生産にすべき」は2018年から石破前政権時代を含めて現在まで続いている政府の米政策を述べたにすぎない。

今日(11月3日)の毎日新聞に「高市新政権 米価高騰と農政」という社説が載っています。

https://mainichi.jp/articles/20251103/ddm/005/070/032000c

2018年以降の政府の米政策についての誤解があるのではないかと思われる箇所を列挙します。

<政府の需要見通しに沿って生産量を調整し、米価を下支えしてきた「事実上の減反政策」に逆戻りする姿勢がうかがえる>

生産量の調整は行政ではなく農家がしています。コロナ禍で米が余って米価(買取価格)が急落したときにも政府は介入していません。米価の下支えはありません。「事実上の減反政策」はありません。農家は作りたいと思えば作りたいだけ作ることができます。水田で米以外の作物を栽培するとき交付金が支給されることを指して「事実上の減反政策」と言われているようですが、米の需要が低迷しているときに他の作物を栽培して水田を維持するためのものです。転作奨励金ではありません。

<価格を維持するために生産量を絞る従来のコメ行政のもと、農家の高齢化や担い手不足が深刻化し、生産基盤の弱体化を招いてきたのも事実だ>

生産量は農家が決めるのであって、行政が生産量を絞ることはありません。価格は維持されるどころか、コロナ禍では低落しました。生産量を絞ったから農家の高齢化や担い手不足が深刻化し、生産基盤の弱体化を招いてきたのではありません。農家の高齢化や担い手不足が深刻化し、生産基盤が弱体化したから生産量が減ったのです。米が安く採算がとれないのが根本的な原因です。このくだりは完全な間違いです。

<必要なのはコメ作りの持続性を高める農政の抜本改革だ。農地の集約や大規模化など、意欲のある生産者を支える取り組みを強化する必要がある>

これが社説の結論ですが、何の提言にもなっていません。ここに挙げられているのは従来から進められてきて特にアベノミクスで強化されたことです(農地バンク、認定農業者制度など)。その結果として米不足と価格高騰があります。従来のコメ政策から転換せよと言いながら、従来のコメ政策で進められてきたことを強化せよと言っていて、矛盾した結論になっています。

※11月1日のFacebook投稿を転載

 

(※この投稿は鈴木憲和農相批判ではなく、鈴木農相批判の批判です)

10月31日、農水省が「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」を発表しました。

https://www.maff.go.jp/.../beikok.../attach/pdf/index-22.pdf

第2 米穀の需給の見通しに関する事項

 1 令和6/7年の需要実績

 2 令和7/8年の需要見通し(推計値)

 3 令和7年産主食用米等の生産量の見通し(推計値)

 4 令和7/8年の需給見通し

毎日新聞に掲載された記事では<2026年産の主食用米の(略)生産量の目安は需要見通しの最大値に合わせ711万トンで、25年産の収穫見込みの748万トンと比べると減産になる。石破前政権が掲げたコメ「増産」を事実上撤回し、従来の「需要に応じた生産」に戻す高市政権の方針を反映した。(略)増産方針を表明してからわずか数カ月で見直し、市場に需給引き締めのメッセージを発信する形で、市販価格の高止まりが常態化しないか懸念される>と伝えています。

https://mainichi.jp/articles/20251101/ddm/002/020/116000c

「増産を撤回」とか「増産方針を見直し」と言っているのが理解できません。

農水省が発表した「基本指針」は、令和6年産米が主に流通する令和6年秋〜令和7年夏の需要実績(玄米711万トン)をもとに算出した令和7年産米の需要(令和7年秋〜令和8年夏)見通しが697万トン〜711万トンになることと、令和7年産米(令和7年秋〜令和8年夏に流通)の生産量の見通しが728万トン〜745万トンになることを示しているに過ぎません。

※記事に<25年産の収穫見込みの748万トン>とあるのが、何をもとにした数字なのかわかりません。745万トンの間違いではないでしょうか。

増産、減産を決めるのは農家です。農水省が発表する「基本指針」はそのための目安です。農家が米の作付を増やすか、減らすかの目安としてこの需給見通しが提供されています。令和7年産米の需要見通しが最大でも711万トンであるということを踏まえて、農家が令和8年産米の生産量を決めてくださいというのが、この「基本方針」が伝えているメッセージです。

米の生産量については政府は基本的に何もしません。米をどれだけ作るかを決めるのは農家です。政府は需給見通しを示すだけで、生産量の増減には関与しません。2018年からそうなりました。石破さんがかつて「農家が米を作りたいだけ作れるようにすべきだ」と言っていたことが、ライバルの安倍政権が進めたアベノミクスで実現したのです。

ぼくが会社を定年退職して実家に帰って本格的に米作りをするようになったのがたまたま減反政策が廃止された2018年です。

2018年に綾部市農業再生協議会から配布された「平成30年産 綾部市の水田農業に関するパンフレット」にはこう書かれています。

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○平成30年産から、行政(国や府、綾部市)による主食用米の生産数量目標配分は無くなります。

○今後は、あらかじめ自分の生産する米の販売可能数量を把握し、自主的に判断して作付面積を決定する必要があります。

○平成30年産の生産に関する情報をまとめましたので、参考にしてください。

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毎年、配布される「綾部市の水田情報に関するパンフレット」には、農水省が発表する「基本指針」の需給見通しと、京都府、綾部市の状況が示されています。「需要が見込める」というような表現はあっても、増産、減産を指示する表現はいっさいありません。パンフレットの表現を借りれば<平成30年に主食用米の生産数量目標配分がなくなって以降、農業者はあらかじめ自分の生産する米の販売可能数量を把握し、自主的に作付面積を決定することが必要となっています>。増産、減産は行政ではなく農家が決めるのが2018年からのシステムです。

そもそもが石破政権が米の増産にかじを切ったという前提が間違っています。確かに大臣がそう言い、ニュースでもそう伝えていましたが、具体的に掲げられた政策は大規模化、機械化などそれまでから行われていたことばかりで、政府が新たに何かをするということはありませんでした。生産量を農家が決めるという2018年以降のシステムを変えるという話もありませんでした。アベノミクスでは農地の集約化を進めるために農地バンクが創設されました。それがよいか悪いかは別にして、新たな政策が実行されましたが、石破政権では「米を増産する」と言っただけで新しい政策は何一つ実行されていません。

石破さんが米5kgの店頭価格について「3000円台でなければならない」と言ったことを鈴木憲和農相が「首相が発言すべきことではない」と批判したことが話題になっています。

https://news.yahoo.co.jp/.../201f8b10c4d787e3756d76c77d20...

まさに鈴木農相の言う通りだと思います。農業以外の産業で企業が需要があるとみれば増産し、需要がないとみれば減産するように、農家が市場の動向を見極めて生産量を決めるのが今のシステムです。農家が需要に見合う生産ができなければ価格が高騰し、需要を上回る生産をしてしまえば米が余って価格が下落します。首相には米の価格を決める能力も権限もありません。

鈴木農相は将来を見据えた農業政策を実行したいと言っているそうです。今のシステムがいいか悪いかも含めて、良質の米を安定的に生産、販売、購入できるあり方を考えてもらえるのではないかと期待しています。

米の集荷業者から卸売業者への売渡価格(60キロ当たり)を指数化した米穀指数の先物取引である堂島コメ平均(米穀指数)が再び急騰しています。

<10月限と12月限の終値が3万円を突破>

 

2025年産の新米が出回る10月末を決済期限とする10月限(ぎり)と12月末を決済期限とする12月限(ぎり)が8日の終値で3万円を超えました。ともに5月28日以来の3万円台の終値です。

 

<10月限のチャート>

 

例年より早い6月下旬に梅雨明けした後の記録的な猛暑と少雨による水不足で25年産の米の品質と収量の低下が心配されていることが急騰の要因とみられます。

 

また、5日の米の安定供給等実現関係閣僚会議を受けて、政府が米の増産にかじを切ったと報じられましたが、同時に、米の流通の目詰まりはなく、実際に米がないのが価格高騰の原因であることを政府が認めたことにより、もはや政府に米の価格を下げる持ち札が何も残されていないことが明らかになったことも先高観につながったとみられます。

 

ここからはぼくの個人的な見解です。

 

「政府が米の増産にかじを切ったのは歴史的な政策の大転換である」と新聞、テレビで報じられましたが、ほとんど誤報に近い実態の理解不足だと思います。

 

2018年に減反政策が打ち切られた後も「事実上の減反政策」が続いていたのをきっぱりとやめるのが歴史的な大転換であるという理解のようです。しかし、実態は農家が「事実上の減反政策」で米を作らなくなったのではなく、米の値段が安くて引き合わないから米を作らなくなったのです。

 

米増産の具体策として挙げられたことをNHKのニュースで見ました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250805/k10014885071000.html#anchor-12

 

(ここから引用)

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日本の稲作農業は、水田がバラバラに離れていることが大きな課題で、集約することに加えて1つの区画を大きくして効率化を図る考えです。また、少人数でも作業ができるよう、自動運転のトラクターやドローンを使った農薬や肥料の散布など「スマート農業技術」を活用することを挙げています。

 

さらに農地に直接、種をまくことで苗を育てずに作業を省力化できる方法など新技術も支援し、増産を実現したい考えです。

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(引用ここまで)

 

農水省が挙げているというこれらの具体策は、すべてこれまでに進められてきたことです。米の増産に向けた新しい取り組みは何もありません。

 

少なくとも25年産の米については、天変地異によって歴史的な大豊作になる可能性がほとんどゼロになったことにより、米不足解消の見込みが消えました。

 

小規模ながら米農家であるぼくとしては、米の価格下落に備えて、先物取引は今の価格で売っておくというのが定石ですが、6日に12月限、7日に10月限をそれぞれ1枚ずつ、買いました。米の価格が上がる要素はあっても、下がる要素は何一つないからです。

 

ちなみに上に掲げたチャートの形状はテクニカル分析で「カップ・アンド・ハンドル」(Cup and Handle)とか「カップ・ウイズ・ハンドル」(Cup with Handle)と言われていて(取っ手付きのコーヒーカップに似ているため)、この後、5月の高値を超えるとどこまでも上昇が続くとされています。

米の流通と価格が高騰した原因を分析した記事でこう断言しています。

 

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「途中の誰かが悪い」というよりは、市場原理に米をまかせたせいだ。(p.49)

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その通りだと思います。

 

ぼくは2017年7月30日に60歳になり、その月末である7月31日に毎日新聞を定年退職して8月1日から京都府綾部市の実家に帰って、田畑を耕作するようになりました。

 

翌年の2018年に政府の米政策が見直されました。

 

(2017年まで)

行政が米の生産数量目標を決定し農業者に配分

米の直接支払い交付金(10a当たり7500円)を交付

(2018年から)

生産者が自主的に生産量を調整する

米の直接支払い交付金を廃止

 

簡単に言うと、2018年から農家が自己責任で米を作りたいだけ作っていいことになりました。

 

一方で、それまでと変わらず、継続されたのが次の2点です。

 

(1)農家が水稲の作付面積を決める目安となるように国が米の需要見通しを提供する

(2)主食用米以外の作物の水田での栽培に水田活用の直接支払交付金を交付する

 

これをもって、2018年に減反政策を廃止した後も生産調整をしており、米以外の作物に補助金を出して事実上の減反政策を続けているのが米不足の原因であるという主張を目にすることがあります。

 

見当違いだと思います。

 

ぼくは米を作りたいだけ作ってもよくなった2018年から、うちの田だけでなく、減反政策に伴う休耕田として長らく耕作放棄されていたよその田も借りて作るようになりました。その年の西日本豪雨で土石流に埋もれたりもして、どの田も思うように耕作するところまでは行っていません。

 

地区内に営農組織が設立され、大型機械化、大規模化が進められていますが、地区のほとんどの家が水田耕作をしていた時代のようにはすみずみの田まで手が行き届いていないのが実状です。

 

機械化、大規模化は日本の戦後一貫した農業政策でした。それを一気に加速したのが2012年末からのアベノミクスの農業版です。

 

一言で表すと、農地を大規模農家(組織)に集約し、農業を市場原理に委ねる。

 

米の需要が減退する一方で米の価格が上がらず、コロナ禍の2020年の全農(京都)の買取価格は玄米30kg5000円でした(精米5kgに換算すると1800円前後)。自分の田だけはと細々と耕作を続けていた農家が、農業機械の買い替えができずに耕作をやめました。

 

需要が減れば米の価格が下がって供給も減る。供給が減って需要が増えれば価格が上がる。今の米不足と価格高騰は市場原理の当然の帰結です。

 

『現代農業』8月号の特集では、精米5kg4000円という現在の価格が米の適正価格と考える農家が多かったようです。

 

 

 今週末の22日、23日にあるモーグルのSAJ公認B級大会と、来週の28日、29日にあるスキークロスのFIS(国際スキー・スノーボード連盟)公認大会・全日本選手権に向けて、18日(火)にハチ北高原スキー場で特訓しました。

 

 この日は晴れ時々曇。前日までに降った季節外れの雪でバーンが覆われ、上部ゲレンデから下部ゲレンデまで、3月中旬の関西のスキー場とは思えない良好なコンディションでした。

 

<下部の中央ゲレンデもこの状態>

 

 ハチ北での練習メニューはここしばらく、午前中はアルペン、午後はモーグルです。午前中のアルペンは、GS(大回転)用の191cmのスキーとアルペンレース用の細くて硬いブーツ(ノルディカ・ドーベルマン5RD-S)、GS用の長いストック、耳まで硬い素材で覆われたFIS(国際スキー・スノーボード連盟)認証付きのアルペン用ヘルメットで上部ゲレンデ、下部ゲレンデのフラットバーンでスピード練習、昼食休憩をはさんで午後は板、ストック、ブーツ、ヘルメットと総替えして、下部のメーンゲレンデ(中央ゲレンデ)のこぶトレーニングコースを滑ります。

 

 この日は、過去最悪の惨憺たる結果になった白馬八方尾根リーゼンスラローム大会の反省をもとに変更した用具を使いました。

 

 一つはゴーグルです。湿った雪が降る日のモーグル大会でスタート直前にゴーグルが曇ってしまって、やむなくゴーグルを外して滑らざるをえなくなったことがあり、それ以来、サングラスで大会に出るようになりました。サングラスは万一、曇っても、滑り始めたらすぐに曇りが取れるからです。

 

 、昨シーズンまではオークリーのハーフジャケット2種類、今シーズンはTALEXを使っていました。風の巻き込みがないサングラスを選んだでいたので、風や雪が目に入ることはありません。ただ、白馬八方尾根リーゼンスラローム大会やスキークロスの全日本選手権のように時速80kmを超える速度のレースになると、何かの拍子に横から風を受けることになったときに、コンタクトレンズが外れる危険性もないではありません。極寒の日の大会や練習で、サングラスで額など顔の覆われていない部分が冷たいということもあります。

 

 AmazonでおすすめされていたFIRNというブランドのURANUSというゴーグルを買いました。中国製で、格安の税込み9980円。ゴーグルも以前とは様変わりしているようです。ユニセックスのワンサイズ。視界が広くなるよう大きくなっています。小さなめがねならかけたままでゴーグルを着けられます。ヘルメットの縁にぴったりと合います。晴れているときも曇っているときもよく見えました。レンズは磁石でフレームに固定されているので、簡単に別のレンズに交換することができます。なかなかいい買い物だったと思います。

 

 もう一つはブーツです。今シーズンは昨年12月に買ったノルディカのドーベルマン5RD-S(硬さ130相当)をアルペンレース用に使っています。白馬八方尾根リーゼンスラローム大会の成績があまりにひどかった理由を探っているところですが、その一つにエッジが立たなくて横滑りすることが多かったということがあります。

 

 このブーツにはオプションでリフターというプレートを靴底に付けることができます。靴底から足裏までの高さを高くすることによって、てこの原理(レバレッジ)でエッジに加える力を大きくすることができます。釘抜きの柄が長いと釘に加える力を大きくすることができるのと同じです。靴底から足裏までの高さが柄の長さに相当します。

 

 付属の5mmのリフターを店で取り付けてもらいました。ブーツのつま先とかかとのコバ(木端)という部分も分厚くなるので、コバを削って薄くしないとブーツがビンディングに入らないので、個人では取り付けできません。

 

 ブーツの靴底の厚みにはFISのレギュレーション(規制)があります。マスターズは45mm(推奨)、それ以外は43mmです。

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Specifications for Alpine Competition Equipment 2024/2025

https://assets.fis-ski.com/f/252177/x/8c2b2decbd/specifications_for_alpine_competition_equipment_03-07-2024.pdf

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 5RD-Sの靴の中のフットベッド(ウェッジ、ゼッパ)は標準で装備されているもののほかに、低い(厚みが薄い)タイプが別売で用意されています。5mmリフターを付けて靴底の厚みが43mmを超えた場合には、薄いタイプに交換することができます。店の人が5mmリフターを付けた後で厚みを測ったところ、43mmにならなかったので交換は不要ということでした。

 

 靴底の厚みが増して、足裏の高さが高くなった場合、てこの原理でエッジに大きな力を加えることができますが、柄の長いてこを動かすにはたくさん動かさなければならない(動かす距離が長くなる)ように、エッジを切り返すときの動作が大きくなります。切り返しを速くしたいときには低いフットベッドにした方が有利だと思います。

 

 ブーツにはもう一つ問題がありました。リアスポイラーというインナーブーツのふくらはぎの部分に当てるパッドが付いていませんでした。ブーツを買ったときに付いていなかったのをそのまま使っていました。

 

 リアスポイラーはインナーブーツの後ろ側に付けます。インナーブーツのアッパーシェルの間に挟み込む形になります。その機能はすねの前傾角を付けるためと説明されます。膝が前に出て足首の角度が鋭角になるということです。

 

 リアスポイラーを入れてすねを前傾させるというと、スキーのトップを下げやすくするように思いがちですが、逆です。リアスポイラーがない状態で、すねが直立しているところからテールに力をかけるには、直立しているすねを後ろに倒さなければなりません。リアスポイラーを付けていることによって、すねを後ろに倒すのが楽になります。

 

 ターンの後半、テールを雪面にしっかり押しつけることができないとテールが横滑りします。ずれたターンになってスピードが落ちるだけでなく、スキー全体が谷側に落とされることにもなります。直滑降や斜滑降ではテールを下げて、トップを浮かせた方がスピードが出やすくなります。てこの原理(レバレッジ)を働かせて、テールで雪面を押すにはリアスポイラーを使った方がいいと思います。

 

 モーグルの一般的なターンのように、テールを浮かせぎみにしてターンを切り替えたいときにはリアスポイラーはない方がいいかもしれません。春の重たい雪やパウダーこぶをフルカービングで滑るなら、リアスポイラーは必要かもしれません。テールずらしとか縦ずらしというこぶの裏側をテールで削る滑り方はどうでしょうか。みなさん、試してみてください。

 

 5RD-Sのリアスポイラーは2枚重ねになっていて、全くなし、1枚だけ、2枚だけと3段階の調節ができます。この日は1枚だけ付けて滑りましたが、次は2枚付けて滑ってみようと思います。

2日(日)

 白馬さのさかスキー場であったモーグルのSAJ(全日本スキー連盟)公認B級大会は申し込みませんでした。2019年に亡くなった父と翌年に亡くなった叔父の七回忌法要を営みました。

 

7日(金)

 8日と9日に開かれるモーグルの公認B級大会の受付と前日公式練習のために白馬乗鞍温泉スキー場まで行ったものの、スキー場手前150mにして、凍結した坂道を登れず、交通事故の危険もあったために出場を断念して帰宅。大雪予報なのにチェーンもスコップも持って行かなかったのが致命的でした。

 

15日(土)

 今シーズンはマスターズGS(大回転)の公認大会に初めてチャレンジしようと、新潟県松之山温泉スキー場で開催される大会に申し込んでいましたが、大雪で動けなくなって迷惑をかけるのが怖くてキャンセル。アルペン公認大会への挑戦は来シーズンに持ち越しとなりました。

 

23日(日)

 今シーズン、一度もエア練習をしていませんでした。大会本番でいきなりのジャンプはけがの危険もあるので、近場の雪山でエア台を作って十数本飛びました。

 

27日(木)

 白馬八方尾根スキー場で第79回リーゼンスラローム大会。今年は兎平テラスから名木山ゲレンデまで2500mのフルコース。快晴の絶好のコンディション。ぼくが出場する男子5部(60代)は120人が申し込んで、前年34位のぼくは30番スタート。新調したブーツで臨みましたが、中盤の右ターンの旗門の山側に寄せられた雪だまりに左スキーのトップが引っかかって外れ、前のめりになったために右スキーも外れて、20mほど滑落しました。5回目の出場で初めてのDNF(途中棄権)。ブーツを買ったときに調整し直してもらったビンディングの解放値の8は小さすぎたようです。

 

<リーゼンスラローム大会のスタートゲート。ここからふもとまで2500m。54旗門を滑ります>

 

28日(金)

 リーゼンスラローム大会第2日。60代以上の男子と女子全員が対象のBオープンに出場しました。前日の轍を踏むまいと慎重に滑った結果、2分52秒59かかってフィニッシュ。完走証を手にしましたが、トップの選手から1分ほど遅れました。トップの選手が平均時速75kmで滑り下りたのに対し、ぼくは平均時速50kmぐらいでした。ターンで踏み込むときにモーグルのように吸収したせいで雪面に力が伝わらなかったようです。終始、板が横を向きすぎてずれた滑りになりました。

 

3月1日(土)

 新潟県松之山温泉スキー場でモーグル公認B級大会。2人が同時に滑るデュアルモーグルです。公認大会のデュアルレースに出場するのは初めて。前日のアルペンでは吸収してはいけないのに吸収してしまい、この日のモーグルは逆にこぶを吸収しなければならないのに吸収できずに四苦八苦しました。安全第一で第1エアを小さく飛び、第2エアも飛んでゴールしましたが、第1エアの着地後、こぶに入れなくて横にそれたときにセンターラインを越えてしまったようでDNF(途中棄権)となりました。25対0で1回戦敗退です。1人で滑るシングルはDNFになると順位が付きませんが、デュアルではDNFでも順位が付いて最下位に入りました。スタート時に遅れて出走しなかった選手は失格で順位が付きません。

 

<快晴に恵まれた松之山温泉モーグル大会の第1日>

 

3月2日(日)

 モーグル公認B級大会第2日。前日の轍を踏むまいと、完走を目標にスタート。こぶに弾かれるのが怖くてスタートで躊躇し、トップセクションの深く掘れたこぶに振られて蛇行しながらも第1エアをジャンプ。着地後に乱れましたが、かろうじてセンターラインは越えず、ミドルセクションを比較的まっすぐに滑って第2エアを小さくジャンプ。先着してゴールエリアで待っていた相手の小学生選手のもとに「お待たせ」とばかりたどり着きました。結果は25対0で1回戦負け。DNFで1回戦負けした選手がいたので、下から3番目の順位になりました。満足な滑りはできませんでしたが、知り合いの選手に「ナイスラン」とほめてもらって笑顔で大会を終えることができました。

 昨年から本格運用が始まった株式会社堂島取引所の堂島コメ平均(米穀指数)。米の出荷業者と卸売業者の取引価格をもとにした商品先物取引です。(米の現物を取引するのではなく、米の価格指数を取引します)

 誰でも取引できますが、開設時に想定された取引形態の一つが、米の生産農家のリスクヘッジ(危険回避)。秋の収穫時に米の価格が下落した場合、米農家は春の植え付け時に考えていたほどの利益を上げることができません。

 米の価格が高いうちに先物取引で売っておいて、価格が下がったときに安く買い戻せば、差額を利益にすることができます。秋に価格が高ければ現物の米の出荷で利益を上げることができ、秋に価格が安ければ先物取引で利益を上げることができるというわけです。

 ぼくも小規模ながら米農家なので、リスクヘッジのために売りで入ろうとSBI証券に口座を開設したのですが、チャートを見ると、新米が出回った昨年末に一時的に下がったものの、その後は上がる一方で、売りで入るタイミングが見つかりません(これ以上は上がらないだろうという頭打ちの状態が見えない)。

 

 現在の価格は1俵(60kg)が約2万6000円。1俵の値段で50俵を売買します(レバレッジ50倍)。2万6000円で売って、2万5000円で買えば、差額の1000円の50倍の5万円の利益になりますが、逆に2万7000円でしか買えなければ5万円の損になります。

 米の価格が上がって現物の米の出荷で利益を得たのに、先物取引で損を出して帳消しになる可能性もあります。

 米の価格変動で、うちが米の出荷で得る利益がどのくらい変わるのか、先物取引でどれだけの利益を上げれば米の出荷の損失の埋め合わせになるのか、先物取引でどれだけ損失を出せば、米の出荷の利益が帳消しになってしまうのか。考えれば考えるほど難しい計算です。

 現在、1俵の値段を取引するのに必要な証拠金は最低で5万1250円(2月14日現在)です。これだけの余裕資金があれば、誰でも米相場にチャレンジすることができます。

 長引いた風邪がようやく治って3日(月)、4日(火)とそれぞれ日帰りで、ハチ北高原スキー場でモーグルの練習をしてきました。1月18日以来、2週間ぶりのスキーです。

 

 ハチ北の北壁は雪が崩れて閉鎖され、直下のパノラマゲレンデ上部も閉鎖。常設のこぶトレーニングコースはお休みです。

 

 隣のスーパーモーグルコース(大会バーン)は圧雪されて、硬く締まったフラットバーン。細かいターンを刻むのが難しいコンディションでした。

<圧雪バーンが新雪で覆われたスーパーモーグルコース>

 

 下部ゲレンデの最上部のテラス部分にある14連ウェーブは山の数が一つ減って13連。その分、山が大きくなってパワーアップしていました。4日はアイスバーンになったので、危険のないようセーブしながら滑りました。

<13連になってパワーアップしたウェーブ>

 

 今回の練習の眼目は細かいこぶのターンです。今シーズンはアルペンレースやスキークロスの大きなターンはそこそこ滑れていますが、モーグルのターンがほとんどできていません。こぶのラインをまっすぐ通して滑れなければ、大会に出る意味がありません。

 

 ぼくが独自に開発して、独り寂しく練習しているダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)は重心の前後の移動によるターンです。GS(大回転)のように大きな弧を描くターンでは、DPTの理論通りの重心移動ができるのですが、モーグルのような細かいこぶの中でのターンになると、DPTはできてもほんの一瞬で、すぐにDPTでもなく、普通のターン(SPT)でもない、中途半端なターンになってしまいます。

 

 その理由が何かと十数年間考え続けているのですが、一つには人間の体の機能的な特性があると思います。

 

 人間の身体の動作は、体幹に近いほど大きく、体幹から離れるほど小さくなります。体幹とは体の幹である胴体。胴体から伸びる手足の先は抹消と言われます。木の幹から伸びる根は胴体から伸びる脚やその先の足、木の枝に当たるのは腕や手です。根のひげや、枝に付いている葉は、足や手の指になりますね。

 

 体幹の動きは大きな力を発揮することができますが、細かい動きは苦手です。お尻で書いた字を当てる宴会の余興があります。字を書くような微妙な動きするには、体幹ではなく、抹消である指の先を意識しなければなりません。前に滑るためには体幹を動かさないといけませんが、その中での細かい動きは抹消である指でコントロールしなければなりません。ターン弧を指で描くということです。

 

 前回は、手と足の小指を意識してターンすることを練習しました。足のかかとからつま先への重心を移動してDPTを導くときに、小指でターン弧を微調整をするわけです。重心を前に移動するときに、DPTの右ターン(左にふくらむターン弧)では右手の小指と右足の小指、左ターン(右にふくらむターン弧)では左手の小指と左足の小指を同時に意識すればいいことがわかりました。

 

 では、重心を後ろに移動するときは何を意識すればいいのかというのが今回の問題です。重心を前に移動するときは、足の小指に荷重すると同時にストックのグリップが手の小指を押します。重心を後ろに移動するときは逆なので、足のかかとに荷重すると同時にグリップが手のかかとを押せばいいわけです。手のかかととは掌底(しょうてい)と呼ばれるてのひらの手首に近い肉厚の部分です。

 

 これでDPTのかかとからつま先、つま先からかかとへの重心移動とストックワークがリンクしました。

 

 あとはストックをどこに突くかです。DPTは普通のターン(SPT)と逆の動きをするので、ストックを突く位置も逆です。普通のターンでは、ターン弧が一番膨らむ部分の横あたりに突いて、そこを中心とする円を描くイメージですが、DPTではターン弧がフォールラインと交差する場所を狙います。普通のターンよりターン弧の半分先(ターン弧を半円とすると、4分の1円先)です。ここにストックを突かないとDPTになりません。

 

 まだ、十分検証できているわけではありませんが、今までうまくいかなかったのは、ストックを突く位置が普通のターンと同じ場所になってしまいがちだったからではないかと考えています。

 

 ジャンプの練習はできませんでしたが、大会本番で練習させてもらいます。

 18日(土)のハチ北は最高でした。毎回、最高と言っていますが、今回も最高でした。

 

 天気よし、雪質よし、バーンよしに加えて、上部ゲレンデのこぶトレーニングコースは週末モードで4レーンにレッスン専用1レーンの計5レーン。下部ゲレンデの14連ウェーブもそのままです。

 

 今回の最高は、無料で使えるポールバーン。こぶトレーニングコースの横に登場しました。緩斜面で距離は短いのですが、基本を練習するには十分です。

 

 今シーズンはできれば、GSのマスターズSAJ(全日本スキー連盟)公認大会に出場したいと考えています。ダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)で描くターン弧を旗門にいかに合わせるかが、目下の練習課題です。

 ターンを切り替えるポイントを今までは漠然と旗門と旗門の中間と考えていたのですが、そうではないかもしれません。また、ターン弧が一番膨らむポイントを旗門の真横にするのか、旗門よりも上にするのかも問題です。滑走中にどこを見るのかも練習しなければなりません。

 

 ポールのセッティングは最後のところで横に大きく振っていて、スピードを維持したままターンするのが難しくなっていました。

 

 今回はブーツがオールマウンテンのGPXだけで、セミファット(180cm)とモーグル板だけを持って行っていたのですが、次回はGS用のブーツと板で本格的に練習したいと思います。​​​​​​​

 隣家の裏山の木の枝がうちの蔵にかかってきたので、13日(月)から15日(水)にかけて、伐採作業をしていました。崖を上り下りしては、重いチェーンソーを操って木を切っていたら、気温が低いのに汗だくになり、ジャンパーまでずぶ濡れです。途中からジャンパーを脱いで服1枚になりましたが、それでも汗をかいて、風邪を引いてしまいました。

 

 とはいっても、スキーの練習を休むわけにはいきません。16日(木)は降雪直後の晴天というこれ以上ない好条件の予想。このとき行かなかったらいつ行くのかということで、ハチ北高原スキー場に行きました。

 

<TALEXのサングラス>

 

 今回、新しいサングラスを使いました。今まで使っていたのは、オークリーのハーフジャケットというフレームで、レンズはイエローと調光クリアの2種類です。イエローは曇天や雪降りのときに雪面がくっきりと見えますが、晴れるとまぶしくなります。調光クリアは晴れているときは黒くなり、曇天や室内では透明になりますが、濃さが急には変わらないので、急に日が陰ったときや、日陰に入ったときには見えづらくなります。

 

 先日、ぼくがイエローをかけて、妻に調光クリアを使ってもらったのですが、日が陰ってから見えづらくなり、ぼくの姿が見つけられないということだったので、奮発してもう一つ買いました。

 

 新しく買ったのは、Facebookでしつこく広告が表示されていたTALEX。フレームはゴーグルのように両側に風防の囲いが付いたオーバーグラスにしました。レンズの色は雪面がよく見えるというアクションコパー。眼鏡の上からかぶせることができますが、ぼくの眼鏡は大きすぎて入りませんでした。

 午前中は圧雪された新雪の中斜面で190cmのGS(大回転)用の板と新調したアルペンブーツでSG(スーパー大回転)のターン弧をイメージしてスピード練習をしました。

 

 はたしてTALEXの使い心地はいかに。雪面の起伏がよく見えます。風の巻き込みはオークリーのハーフジャケットもあまりないのですが、TALEXのオーバーグラスは両サイドに風防が付いているだけあって、さらに少ない印象です。晴れているときにもまぶしくはなく、急に曇ったり、日陰に入ったりしても見やすさは変わりません。

 

 難を言えば、ちょっとぐらつく感じがあって、フィット感はハーフジャケットが上です。専用のグラスコードがあるので、それで後ろに引っ張れば、もう少し顔面にぴったり引っ付くのかもしれません。高速のレースになる白馬八方尾根リーゼンスラローム大会やスキークロスの全日本選手権でも使おうと思います。

 

<ハチ北中央ゲレンデに14連ウェーブ>

 

 下部ゲレンデのリフトを下りたところの緩斜面にあるウェーブがパワーアップしていました。数個しかなかった山が、14個に増えていました。14連ウェーブです。山の大きさと間隔が一様ではありません。スピードが出てきたところで、山が高く、谷が深くなっています。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)のサイトにある動画(FIS TV)でワールドカップ選手がどのような動作でウェーブをこなしているのかを見て、このウェーブで練習したいと思います。

 

<ダイナミック・ポジショニング・ターンの呪文>

 

 午後は板とブーツを履き替えてこぶの練習をしました。ハチ北のこぶトレーニングコースはいつも完璧。朝のうちは新雪に埋もれていたそうですが、ぼくが滑るころにはきれいなこぶに仕上がっていました。ピッチの広い基礎こぶを滑った後、細かいモーグルこぶに挑戦。今年はまだ一度も通して滑れず、67歳にして、とうとうモーグルスキーができなくなってしまったのかと思っていたのですが、スピード練習をして目が慣れてきたこともあり、なんとか最初から最後まで滑るだけは滑れるようになりました。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT、ディプト)はすべての動きが普通のターンの逆です。こと細かに説明しても参考にならないので簡単に書きますが、右手の小指と右足の小指、左手の小指と左足の小指を同時に逆方向に動かせばDPTになることがわかりました。

 

 左右均等なターンにするために頭の中で右、左、右、左と唱えながら滑ればいいと思っていても、右というのは、足が右なのか、ストックが右なのか、左というのは足が左なのか、ストックが左なのかと、頭が混乱して、ちぐはぐな動きになっていました。DPTでは、右と言うときは、右手と右足の小指を動かし、左と言うときは左手と左足の小指を動かせばいいということです。

 

 「右」=右手の小指を前に出し、右足の小指で後ろにける

 「左」=左手の小指を前に出し、左足の小指で後ろにける

 

 これがDPTの右、左の呪文の唱え方です。DPTはどこにも見本がないので、しばらく滑らないと忘れてしまいますが、忘れないようにしないといけませんね。