3月10日(土)、11日(日)に、兵庫県香美市のハチ北スキー場で開催されたSAJ(全日本スキー連盟)公認B級のモーグル大会2連戦に出場しました。

 

 結果を先に報告します。

 

 第1戦は、第1エアの着地後、かちかちに凍った40度超のランディングバーンを滑落し、こぶに当たってひっくり返りました。スキーが脱げていなかったのでDNF(Did Not Finish途中棄権)は免れました。脚が交差して立ちにくい姿勢でしたが、なんとか起き上がり、レースを続行し、ミドルセクションも大きく乱れましたが、コース脇の「まだ行ける」という声援に励まされ、第2エアを某ジャンで飛んでゴールインしました。

 

 第2戦は、DNS(Did Not Start欠場)にしようと思っていました。というのは、第1戦で転倒した際、お尻の外側にある中殿筋(ちゅうでんきん)を硬いアイスバーンにしたたか打ち付けて痛くてたまりません。第2戦の前の公式練習でまたも転倒して、同じところをアイスバーンに打ち付け、立っているのもつらいほどに痛みが増しました。痛くて痛くて脚の曲げ伸ばしがしにくいので、これではとてもハチ北のハードなバーンを滑るのは無理だと思い、DNSを届けようと思ったのですが、どこに言えばいいのかわかりません。とにかくリフトに乗ってスタート地点に上がろうと思って、滑り下りたところ、意外と脚が動きます。滑りながら脚の屈伸運動を繰り返しているうち、痛みがどこかに行ってしまいました。

 

 ぼくがどんな滑りをするのか楽しみにしている人も、ごくわずかではあっても、いるにはいるでしょう。そのわずかな期待に応えるためにも、死力を振り絞って滑ろうとスタートを切りました。第1戦に続いて、スタートから見て左のコースを選択しました。第1エアまでのトップ(ファースト)セクションは、左のこぶが浅くなっていたので、左側をしっかりと踏まなければならないと考えていたのですが、スタートしたら頭の中が真っ白になって忘れていました。左向きのターン(右外足)が深くなりすぎて左側に飛び出てしまいました。すぐさま、ラインに戻り、第1エアは小さくジャンプしました。

 

 今までハチ北の大会では第1エアの着地後、ランディングバーンを滑落するか、横に行ってしまうかだったのですが、今回はターン弧が大きくなってしまったものの、なんとかライン上に踏みとどまりました。止まるようなゆっくりとしたスピードになり、途中、ラインを外しながらも、ミドルセクションのこぶを滑りきって第2エアまでたどり着きましたが、体勢が不十分でエアがすっぽ抜け、着地でお尻と背中を付いて転倒しました。またも運よくスキーが脱げなかったので、なんとかゴールまで滑ってDNFは免れました。

 

 とまあ、いつものことではありますが、なんとも期待外れな結果に終わってしまいました。

 

 ここからはちょっと理論的な話になります。

 

 昨年7月に会社を定年退職し、京都府綾部市の実家で父母とともに暮らすようになって、今シーズンはスキーに行く時間があまりなくて、初スキーが1月28日と大きく出遅れました。しかし、ハチ北スキー場までは一般道で2時間で行けるので、父母がデイサービスに行っている時などの空いた時間を利用して、ハチ北に通って練習しました。

 

 今シーズンの課題は、今までと同じですが、(1)ターンの左脚の踏みが弱いのを直すことと(2)エアの着地後のスムーズなこぶへの入りです。

 

 一つ目の課題、右向きのターンで外足となる左脚の踏みが弱いのは、スキーを始めたときからの欠点です。この課題を克服するためもあって、最近は家事の合間などを利用して、家でスクワットをするときに、膝小僧が前に出ないようにして、お尻で足のくるぶしあたりに体重をかけるようにしています。

 

 このスクワットを練習するようになってから、ぼくが独自に名づけたダイナミック・ポジショニング・ターン(DPT=Dynamic Positioning Turn)がしやすくなりました。

 

 ダイナミック・ポジショニング・ターンとは、スキーに対するスキーヤーの重心の位置(ポジション)を連続的に移動することによってスキーを旋回させる技術です。「連続的に」というところがみそで、ターンの後半にかかとでしっかりとスキーを押さえつけることによって、スキーの旋回を止め、ターンの前半に重心の位置をトップ側に移動することによって新たなターンを誘導します。ターンの前半でスキーを後ろに押して体を前(谷側)に出さなければならないので、慣れないうち恐怖心に邪魔されますが、腰を前に出すことさえできれば、どんなバーンでも極めてスムーズにターンすることができます。

 

 ところが、体を前に出すことばかり意識していると、体重がトップ側にかかったままになり、テールへの荷重が不十分になってスキーが「ハ」の字に開いてしまいます。ターンの後半ではしっかりとお尻を落としてかかとに体重をかけなければなりません。膝小僧を前に出さないスクワットをするようになって、お尻でスキーのテールに体重をかけるというターン後半の動作がうまくできるようになりました。あとは左足のかかと側でも右足と同じようにしっかりと踏むことを常に意識しておくことで解決できそうです。

 

 もう一つの課題、エアの着地後のターンへの入りも長年、解決できないままになっています。初めてハチ北の大会に出場したとき、急斜面にある第1エアの着地後、転倒したり、横にそれたりして、ターン点がなくなってしまいました。白馬八方尾根スキー場で自分でエア台を作ってエア練習したりしたのも、ハチ北の第1エアの着地を克服したいということが一つの理由でした。

 

 エアの着地後、こぶにスムーズに入るには、それまでの滑走のすべての動作がきちんとできている必要があります。

 

(1)ターンからエア台への進入

 最後のこぶで体を前に出して、アプローチ(最後のこぶの後の下り坂)の斜度に対して体が垂直になるようにします。

 

(2)キッカーでの姿勢

 アプローチを滑り終えて、水平の部分(トランジション)からキッカーに入ります。今回のハチ北の大会では第1エアが32度、第2エアが31度になっていました。ここでも体をキッカーの斜度に対して垂直に保ちます。アプローチでは体は約30度の前傾、キッカーでは約30度の後傾ということになります。

 

(3)踏みきり

 スキーがリップ(キッカーの先端)を過ぎるまで、キッカーを踏み続けます。そうすることによって、体がキッカーの角度(今回は約30度)で上方に向けて発射されます。踏みきりのタイミングが早いと、ジャンプの高さが出ません。しかも、上半身から先に飛び出してしまい、キッカーから遅れて飛び出したスキーが振り子の原理で前に出るので、後傾の着地になってしまいます。体が上方向に発射されると、空中で体が伸びた後、前にあったスキーが振り子の原理で後ろに下がって前傾の着地になります。

 

(4)着地

 ランディングバーンに対して体が垂直になるように着地しなければなりません。(1)~(3)までが全部できてないと、そういう体勢にはなりません。しかも、大会では、第1エアを小さく飛ぼうとする人が、アプローチの終わりの方でチェック(横滑りによる減速)を入れるので、アプローチに小さなこぶができたりして、アプローチの斜度に対して体を垂直に保つことも、キッカーの角度に対して体を垂直に保つことも技術が要求されます。

 

 

(5)ターンへの入り

 急なランディングバーンに対して垂直の姿勢で着地した後、どうするか。今回のハチ北の大会は、開催直前に雨が続き、コースの雪が溶けたところに新雪が乗って、かちかちの硬いアイスバーンになりました。ランディングバーンの続きに新雪を寄せて作られたこぶは、みんなが横滑りしてはじき飛ばされてしまいました。その結果、ランディングバーンの長さはほぼ1旗門分(コース全長の10分の1で、今回の場合は約20m)にもなりました。斜度は40度を超えています。5mのジャンプをしたとして、着地後、15mほど何もない平らな氷の斜面をターンして下りなければなりません。しかも、完全にフラットではなく、でこぼこがあります。第1エアの着地がハチ北の大会コースの最大の関門です。

 

 エアの着地後、いかにスムーズにこぶのターンに入るか。そればかり考えて練習してきました。大会前、ハチ北に練習に行ったとき、モーグルトレーニングコースを管理しているアニキこと加藤大輔さん(大会のコース係長)にも「いいポジションで着地することがすべて」というアドバイスをもらいました。

 

 そのためにどういう動作をすればいいのだろうかと考えました。

 

 ぼくがオフトレーニングに取り入れたインラインスケートのハーフパイプやトランポリンの動きを参考にしました。インラインスケートのハーフパイプでは、90度に近い壁に挟まれた中で前後に滑走します。ハーフパイプに対して常に体を垂直に保つので、バックで上の方に上がったときには体はほぼ90度の前傾、前向きの滑走で上の方に上がったときにはほぼ90度の後傾です。これがきちんとできれば、40度や50度の斜度に体を垂直にすることなどわけのないことです。

 

 トランポリンでは腹落ちと背落ちをよく練習しました。腹落ちでは、体を垂直にしてジャンプし、空中で膝を抱えて体を前に倒して、90度の前傾姿勢で着床します。背落ちからジャンプして腹落ちでは、90度の後傾姿勢で着床した後、90度の前傾姿勢で着床します。つまり180度も前傾させるわけです。90度も180度も体を前傾させることができるのなら、40度や50度の前傾などわけのないことです。

 

 エア台の手前の最後のこぶからアプローチに入るときにする動作と、エアの着地時にする動作は同じであるはずです。アプローチとランディングバーンは同じような斜度で、その斜度に対して体を垂直にする動作だからです。

 

 第1戦では第1エアの着地後は今まで通りの失敗の繰り返しでしたが、こんなことを考え続けているうちにある方法を思いつきました。さっそく第2戦で試してみたら、初めてですが、なんとかライン上に踏みとどまることができました。

 

 どういう動作をしたかということは、選手各自がめいめいに考えることなので、ここには書きませんが、おそらくぼくが試した方法が正解だと思います。あとは練習を重ねて、どんなときにもこの動作ができるようにすることですね。10年以上にもわたって練習しながら考えてきたことの答えが得られたのなら、こんなうれしいことはありません。

 

 ただし、これは着地までの動作です。いいポジションで着地したとして、その後、どうやってこぶのターンに入るかという問題があります。着地後、最初のこぶに入る動作は、スタート時の動作と同じです。直滑降からこぶに入るという点が共通しています。最初のこぶのターンは通常のターンの半分だけです。(通常のターンが半円だとすると、最初のこぶのターンは4分の1円です)

 

 ランディングバーンをハイスピードで滑り下りて、最初のこぶで弾き飛ばされないようにするために、どうやって衝撃を吸収するのかなど、解決しなければならない問題はまだいろいろとあります。 

 28日(日)に今シーズン初めてのスキーに兵庫県のハチ北スキー場に行ってきました。

 

 昨年7月30日に満60歳の誕生日を迎え、7月末日をもって35年間勤めた毎日新聞社を定年退職し、新聞記者生活にピリオドを打ちました。8月から京都府綾部市の実家に帰り、ともに89歳の両親と一緒に生活しています。

 

 ぼくの実家は農家です。いわゆる中山間地で、決して農業に向いた土地柄ではありませんが、低い山と山の間の農地を耕し、木を切って、先祖代々、何百年も暮らしてきました。

 

 ぼくの父は11人兄弟姉妹の4男です。長男と三男は幼くして亡くなり、跡を継ぐべき次男は旧制農学校に行き、親の反対を押しきり、苦学して教師になりましたが、戦死しました。父は旧制中学校を卒業し、医者になりたかったのですが、次男が亡くなって農地を守る者がいなくなったため、進学を諦め、専業農家の道に進んだのです。

 

 ぼくはその長男です。子供のころは跡を継いで農業をしようと思っていましたが、変電所ができて、もともと広いわけではなかった農地が半分になり、父も「ここは農業で食べていくのに向いた土地ではないから、専業農家にはなるな」と農業以外の仕事で生計を立てることを勧めました。

 

 それで歴史が好きだったぼくは京都大学文学部を志望し、高校を卒業すると家を出て、京都市内に下宿して予備校に通いました。親戚の中には「外に出て大学に行ったら、家を継がなくなる」と心配する人もいましたが、父母はぼくが浪人してでも志望大学を目指すことを応援してくれたのです。2浪して合格し、史学科で現代史を専攻して、新聞記者になりました。

 

 「定年になったら実家に帰る」というのは、そのときからの両親との約束でした。当時は55歳定年でした。ぼくが毎日新聞に入社した24歳の年に父母は53歳。ぼくが55歳定年を迎える31年後には父母とも84歳になります。父母から「わしらが生きているかどうかもわからないけれども、定年になったら帰ってきて、この家を守ってほしい」と言われ、そうしようと心に決めていたのです。

 

 定年は5年延びて60歳になり、父母は89歳になりました。いくつか大病もして、年を重ねるとともに老化で体が弱り、世話なしでは暮らせなくなりましたが、ともに食欲旺盛でまだ元気です。数年前、父が「わしもお母ちゃんもお前が定年になるまでは頑張らないといけないと思って頑張ってきた」と話していたことがあります。幸いなことに2人とも、まだ体が動き、考える力が残っているときに、約束を果たすことができました。

 

 わずかとはいえ田畑を耕し、草刈りをして、畑や農道にはみ出す山の木を切り、父が使っていたビニールハウスの片付けをして農地を維持管理し、ぼくと妻の荷物の置き場所を確保するために家を片付け、傷んだところ補修をするとなると、けっこう忙しくて、睡眠不足の毎日です。

 

 夏場はシーズン券を買ってしまった大阪ウォータージャンプO-airに8回行き、若杉大屋スキー場のブラシゲレンデも2回行きましたが、そのほかには家事の合間にするスクワットくらいしか、スキーの練習はできていません。毎週2回のペースでトランポリンの練習にアベノETCに通い、ランニングや筋トレもしていた退職前とは大違いです。農作業で体は動かしていますが、スキーの練習不足のフラストレーションがたまってきました。

 

 26日(金)、27日(土)と2日続けての大雪で、雪かきに明け暮れました。28日(日)になって天候が回復したので、妻に留守番を頼んで、家から2時間かからずに行けるハチ北スキー場に今シーズンの初スキーに出かけました。

 

 思い立ったのが遅く、スキー場に到着したのが午後2時でした。時間もないので、フラットバーンを1本だけ滑って、名物こぶ斜面の北壁にドロップイン。滑れるのかどうか不安もありましたが、家事の合間のスクワットの成果がまんまと思惑通りに出て、スムーズにターンすることができました。

 

 新雪が軟らかくて気持ちがいいです。早く帰らなければならないと思っていても、面白くてなかなかやめられません。アベノETCのトランポリン練習で知り合ったSさんと出会い、2人一緒に午後4時までモーグルコースを滑りました。

 

 今、家を空けずらいのですが、たまには外に出て活動しないと息が詰まるし、頭も働かなくなります。今シーズンからシニア券(60歳以上)になり、一日券が3500円です。Sさんに平日1000円割引券をもらったので、それを使えば平日なら2500円と格安です(ただし駐車料金が高い)。

 

 新聞記者は引退し、収入もなくなりましたが、なんとか時間とお金を工面して、モーグルは現役続行で頑張りたいと思います。

 白馬八方尾根スキー場での今季最後の強化練習は26日(水)まで3日間の予定でしたが、最終日の26日が雨の予報だったので、25日までの2日間で切り上げました。2日目の25日も晴天で、くたくたになるまでたっぷり滑って、今シーズンの雪上練習を終えました。

 

 2日目も朝一番でゲレンデに上がって、こぶを滑る練習から始めました。緩斜面にポールを立ててつくった人工こぶを滑って、急斜面に入ります。急斜面は大きなこぶができてしまっていて、モーグル向きのピッチの短いこぶがありません。大きなこぶのラインの間にわずかに残った平坦な部分に、自分で細かいこぶを刻むことにしました。緩斜面の平均3.3mピッチのターンのリズムで急斜面に入り、同じくらいのピッチのターン弧を刻んでいきます。

 

 緩斜面の人工こぶが約100mあります。それを滑って、さらに急斜面を滑っていくと、心拍数が上がっていきます。心拍数が上がるということは、筋肉を動かすのに必要な酸素が足りなくなって、酸素を含んだ血液を送り出すポンプである心臓が速く動いているということです。心拍数が上がりすぎると疲労物質が分泌されて、疲労が残ることになります。

 

 ランニングでは、初心者が疲れを残さず、トレーニングの効果を上げるには、会話ができるくらいのゆっくりしたペースで走るのがいいと言われます。それ以上、心拍数を上げると、疲労物質がたまって、しんどいばかりで走るのが嫌になってしまいます。その境目となる心拍数は人によって違いますが、ぼくの場合は1分間に120くらいです。このくらいの心拍数をキープしたまま走れば、疲れることがありません。

 

 最初は緩斜面から急斜面まで続けて滑っていましたが、急斜面に入ってしばらくしたところで心拍数が体感で160~170くらいまで上がって、はあはあ、ぜいぜいと疲れすぎるので、緩斜面の100mを滑ったところで、いったん休止して、呼吸を整えてしきり直すことにしました。ゆっくり休んで、心拍数が体感で90くらいまで下がったところで、再びスタートして、続きの急斜面を滑ります。

 

 緩斜面と急斜面を合わせて全長230mくらいあります。途中で止まって休みながら何本か滑ると、エア練習もしたくなってきました。ひたすらこぶを滑るだけでなく、ちょっと違うこともしたくなったのです。

 

 スタート台から3mのところに右側のこぶ、その下3mに左側のこぶが雪を盛って作ってあります。スタート台の位置に着地するようにエア台を作れば、スタート台からターンに入るのと同じように、エアの着地後、ターンに入ることになります。左側のこぶの並びのスタート台から3.5mほど上にエア台を作りました。コースのセンターラインの左側だけをみると、エア台の下3.5mに着地点(元のスタート台)があり、その下6mに左側のこぶがあります。

 

 緩斜面なのでエア台を作るのはすぐです。ジャンプしたところ、ちょうど元のスタート台の下り坂に着地し、スタート台のへりにスキーのテールが来ました。ばっちりです。エア台から4.5mくらいの小さなジャンプをしてスタート台の下1mに着地し、そこから5m滑って左側の最初のこぶに当たることになります。

 

 斜度が緩く、ジャンプも小さいので、すんなりターンに入ることができました。やはり最初はこれくらい簡単なジャンプで練習をして、要領をつかんだ上で、徐々に急斜面の落差のある大きなジャンプへとレベルを上げていくのがいいようです。

 

 平日で人が少なかったのですが、モーグルスキーヤーらしき人がこぶを滑ってくれたので、緩斜面のこぶがいい具合に掘れました。手作業で互い違いのウェーブのこぶにしたのは最初の4こぶだけで、その下はポールを立てて、自分で滑って付けたラインでした。一人で滑って作ったこぶは浅くて、あまりいい練習になりません。ウェーブのような横向きの深いこぶを乗り越えて滑る練習が必要なので、一人でも多くの人が滑ってくれると助かります。

 

 まず、こぶのラインを作ってターンの練習をし、こぶがある程度育ったところで、片側のこぶ一つを大きくしてエア台にし、エアからターンに入る練習をするのがいいですね。来シーズンはこのやり方で練習しようと思います。

 

 来シーズンもよろしくお願いします。

 4月初めにあった今シーズン最後の大会は、仕事の都合でやむなくキャンセルしました。3月末の個人強化練習の成果を発揮したかったのですが、残念です。

 

 それから1カ月。今シーズン最後の個人強化練習のために白馬にやってきました。24日(月)~26日(水)の平日3日間です。

 

 今シーズンから車中泊を始めました。初日も朝一番から滑るために前夜に白馬入りして車中泊していたのですが、それを知った宿のご厚意で、今回は宿の部屋で車中泊をすることができました。つまり、宿の部屋の中に車中泊と同じようにエアマットを敷いて、寝袋で寝ました。やはり平らなところは寝やすいですね。午前3時半に到着してから朝7時まで、ぐっすり眠れました。ただ、いくら放射冷却で気温が下がったとはいえ、この季節にマイナス30度対応の寝袋では暑すぎて、汗をかきました。

 

 初日は朝から雲一つない快晴でした。いつものようにパトロールにあいさつにいくと、「『4月に入ってから来ないなあ』と話していたんですよ」。4月に入って初めてで、今季最後の練習です。ナショナルチームが合宿をしているので、邪魔にならないかと心配していましたが、ナショナルチームは、ぼくがいつも練習しているコースではなく、緩斜面の別のゲレンデでウエーブの練習をしていました。

 

 4月の平日とあってゲレンデのスキーヤーはまばらです。いつものコースで、モーグルのピッチの短いこぶの練習をすべく、手製のショートポールを立てました。昔はショートポールを縦1列にまっすぐ並べて立てていました。縦1列に並んだポールの間をじぐざぐにすり抜けていくことによってこぶを作ったのですが、最近は、ポールを2列に並べます。ポールが互い違いに2列で並んでいて、その間を滑ることによってこぶを作ります。ポールはストックを突く位置に立っています。

 

 上部の緩斜面は人が滑っていないところにポールを立てました。滑り出しは3m平均、30mから後は3.3m平均のこぶで、全長100mのラインです。3回も滑れば、いい感じでピッチの細かいこぶが育ってきました。

 

 その下の急斜面は、大きなこぶができてしまっていました。大勢なら横滑りでならして、ピッチの短いこぶを作り直すこともできますが、一人では無理です。少々ならしたところで、人が通れば、基礎スキーヤー向けの4~5mピッチの大きなこぶが顔を出してしまいます。こぶのラインとラインの間にわずかに残ったフラットな部分を滑ってピッチの短いこぶを刻むしかないようです。明日以降の課題ですね。

 

 それにしても春雪は疲れます。バーンが比較的しまっていた朝のうちはまだ気持ちよく滑れましたが、昼近くになってバーンが緩んで、荒れてくると、ぼくの細くて長いスキーでは滑りずらいことこの上ありません。スキーがざくざくの雪に埋もれてしまって、前に進まないのです。スキーが前に進まないとブーツの中の足が前に出てブーツに当たって痛くなります。体がスキーより前に行こうとして、膝もつま先より前に出るので、膝が疲れます。午後2時ごろからはブーツの中の足と膝が痛めつけられて、拷問のようになってしまいました。

 

 睡眠時間が短かったのと、暑かったのとで、体力を消耗し、最後の1本は、リフトまで滑って降りられないのではないかと思うほど疲れてました。宿に帰ると、風呂も入らず、敷きっぱなしになっていた車中泊用のエアマットの上で、前後不覚で眠ってしまいました。最後までもつかどうか、ですね。

白馬八方尾根スキー場での個人強化練習最終日の29日(水)は朝から快晴でした。8時の運行開始とほぼ同時にリフトに乗り、上部ゲレンデに行きました。真っ青な空とうっすらと新雪が乗ったゲレンデの白が見事なコントラストを描き出していました。

 

この日は朝一番からモーグルの練習に専念しようと思っていたのですが、リフトからきれいに圧雪された広大なフラットフラットバーンを見下ろしていると、さすがにかっ飛ばしたくなりました。GSの板に履き替える時間はないので、リフトを降りるやいなや、モーグル板で、きれいに圧雪された北向きの斜面を全速力で滑りました。昨シーズンから使っている新しい板は長さが181cmあり、サイドカーブがほとんどないので、高速でも安定した滑走ができます。急激な吸収動作をすることによって減速する方法を理論的に理解し、マスターしたこともあって、スピードが上がっても恐怖を感じることはありません。

 

こぶのラインを作ったゲレンデは東向き斜面で、午前中に春の日差しを浴びて緩みました。

 

こぶのラインは平均斜度21度、長さが90mくらいのミニコースです。10mに3個の割合でこぶを作りました。平均ピッチ3.3mですね。そこを全速力で滑る練習をしました。スピードが乗ってきて斜度が緩くなるところに2.5mピッチくらいの細かいこぶがあります。一人で滑っているので残念ながらあまり深くなりませんでしたが、素早い動きをして高速で滑る練習には持ってこいのバーンでした。

 

その下の急斜面は自然こぶです。ここにもラインを付けたかったのですが、他のスキーヤーやボーダーの大回りで、間隔が広くて大きいこぶが育ちました。ここでは、こぶの大きさ、形にかかわらず、フォールラインを維持して真っすぐに滑る練習をしました。

 

モーグルコースでは、真っすぐに並んだ直径3・5m前後のこぶの合わせ目を滑っていくことになりますが、自然こぶは直径6mにも直径7mにもなります。この大きな自然こぶの中を真っすぐに滑ろうと思えば、こぶの上を通らなければなりません。こぶの溝に沿わせてスキーを走らせるとフォールラインから外れてしまうので、こぶの上で小刻みのターンを入れます。

 

緩斜面の細かいピッチの人工こぶを滑った感覚を持ったまま、同じタイミングで急斜面の大きな自然こぶの上を滑っていきます。こぶの上でのターンは吸収動作が必要ありませんが、溝とこぶを乗り越えていくには吸収動作が必要です。難しくてなかなかできませんが、とても面白い練習でした。

 

前日に作ったエア台では、着地の後、スムーズにターンに入る練習をしました。エア台の右端がこぶの合わせ目のライン(フォールライン)に接するように作りました。こぶの合わせ目のラインがエア台の中央ではなく、エア台の右端を通ります。

 

スタートしてこぶの合わせ目を滑っていって、エア台の手前でターン弧の半分(こぶの幅のほぼ半分に相当)だけ左に移動してエア台に入ります。着地後は、ターン弧の半分だけ右に移動して、こぶの合わせ目のラインに戻ります。

 

こぶからエア台に入るのは問題なくできます。最後のターン(左向き)で左向きになったスキーのトップをエア台の中央を通る線に合わせて真下(谷方向)に向ければいいだけです。

 

難しいのは着地後です。スキーが真下(谷方向)を向いた状態で着地します。そこからスキーのトップの向きを右に変えてこぶの合わせ目のラインに復帰するわけですが、スキーを右に向けると同時にスキーが右方向に走ってしまい、腰も右を向いて、右に行き過ぎてしまうのです。

 

着地後、スキーを軽くずらすという考え方もあります。しかし、それは第1エアまでのターンと違う動作なので、ぼくの場合は、ずらしを入れた途端にターンのリズムが裏返ってしまいます。第1エアまでと同じターンでミドルセクションに入りたいのですが、どうしても着地後にリズムが変わってしまいます。

 

これができないかぎりは、モーグルコースを通して滑ることができません。大会ではまたしても同じことの繰り返しで、最下位争いをすることになってしまいます。この日も、そろそろ万年最下位争いを卒業したいと思って練習しましたが、うまくいかないまま時間切れになりました。

 

最終日なのでエア台を壊しました。こぶのラインはそのままです。そこで大きなこぶとなったエア台の跡地からまっすぐランディングバーンを滑り降りてこぶに入ってみました。何の苦労もなくこぶの合わせ目のラインに入ることができました。特段何かをしたわけではありません。ただ真っすぐに滑り降りてこぶに入っただけです。

 

エアの着地後と何が違ったのか。次の大会ではこのあたりを検証して、理論的な裏付けも考えてみようと思います。

今週は30年勤続のリフレッシュ休暇(4週間・5年間有効)の最後に残った1週間の休みです。今月末で有効期限が切れるので、まるまる休めるかどうかはわかりませんが、1週間の休みをもらい、27日(月)~29日(水)を強化練習に当てることにしました。

 

27日は車中泊をして白馬入りしました。今シーズンから車中泊を始めました。その話はまた改めて書きます。車の外はみぞれでしたが、あまり気温が下がらなかったので、-30度まで大丈夫という寝袋で、少し汗をかきました。

 

白馬八方尾根スキー場は重たい雪が降って、濃霧で視界がほとんどありませんでした。ワールドカップのコースのように圧雪車で作るこぶを雪かき(スノーラッセル)で作るのですが、どこがどこやら右も左もわからないほどの霧です。緩斜面にスタートから10こぶほど大きなこぶができました。午後になって霧が晴れて遠くまで見通せるようになると、想定していたラインとはずれていることが判明しました。やむをえませんね。

表面に乗っている重たい雪がなんともやっかいで、スムーズにターンができません。無理にスキーを回そうとすると膝が痛くなるのが目に見えています。ぼくのスキーは細いので、緩んだ雪は沈みます。硬いバーンは楽しく滑れます。春雪は苦手です。横滑りをしていると、膝周りの筋肉がみしみしと音を立てることがあります。

 

昼にいったん緩んだ雪が午後に冷えて硬くなりました。硬いバーンは楽しいと言っても、がたがたのままで硬くなったバーンはやはり滑れません。これも無理をしてスキーを操作すると、膝が痛くなります。それでも緩斜面に作った平均3.3mピッチの細かいこぶのラインを5本ほど滑りました。

 

28日は午前中、快晴でした。こういう日は「朝イチリーゼン」と言って、朝一番でリーゼンスラロームコースというロングコースを大回転の板でぶっ飛ばすのが一番です。ちなみに「リーゼンスラローム」というのはドイツ語で「ジャイアントスラローム」(大回転)のことだそうです。久々にアルペンレース用のブーツで大回転用の板を履いて、ゲレンデ上部から一気に滑り降りてみました。斜滑降、スライドをできるだけ入れず、カービングターンだけで体を谷方向に向けたままで加速しながら滑ります。リフト開始より1時間以上出遅れたので、既に人がだいぶ滑った後で、中盤から下は重い雪質になりましたが、なんとか通せました。来シーズンは遅ればせながら、アルペンの草大会に出たいと思っています。

 

アルペン練習はこの1本でおしまい。モーグル用のスキーに履き替えて、こぶのラインを手直しし、エア台も作って1本だけ飛びました。午後から雪模様になりました。急斜面には人工こぶが作れなかったので、自然こぶの中を細かい人工こぶのターンで滑る練習をしました。今日の練習では、ストックワークに問題があることがはっきりしました。

 

明日はストックワークに気を付けながら、こぶのラインをできるだけ速く滑る練習と、エアからターンに入る練習をします。

3月10日~12日に兵庫県のハチ北スキー場で開かれたSAJ公認A級・B級大会は素晴らしい大会でしたが、一つだけ残念なことがありました。一部の選手のマナーの悪さです。大会の成功に向けて尽力された関係者の皆さんに悪いので黙っていようかと思いましたが、自分自身の反省も込めて、ここに記すことにしました。

信じられないことですが、並んで順番にスタートする公式練習で、順番を抜かす選手がいました。

 

大会の公式練習は前日と当日にあります。コースにある3本のラインそれぞれに選手が列をつくって並び、順番にスタートします。左のラインの選手がスタートして第1エアを飛んだら真ん中のラインの選手がスタートします。真ん中の選手が第1エアを飛んだら、右のラインの選手がスタートします。右のラインの選手が第1エアを飛んだら、左のラインの選手がスタートするといった具合に順番にスタートしていきます。出場選手が多いときには、両サイドの選手がスタートして第1エアを飛んだら、真ん中の選手がスタートし、真ん中の選手が第1エアを飛んだら、また両サイドの選手がスタートするという場合もあります。

 

試合前日の公式練習では、列の後ろからぼくのところに来て、何やら話しかけてきて、ぼくの前の人も抜かして、スタートした人がいました。「なぜ抜かすんですか」と言おうかと思いましたが、試合前の緊張した状態でよけいなもめ事を起こしたくなかったので黙って見過ごしました。ありえない話です。

 

試合当日の公式練習は45分間のことが多いのですが、今年のハチ北の大会はA級、B級同時開催でスケジュールがタイトだったため30分間と短くなっていました。45分間だと1人3本滑れますが、30分間だと1人2本くらいです。1本でも多く滑りたいのはわかります。

 

「公式練習残り5分です」というアナウンスが流れたころから、ズルをする選手が出始めました。列の後ろからコース脇を下りて第1エアの手前3こぶほどだけを滑って第1エアを飛んで下まで滑っていくのです。そんなことをされると、並んでスタートを待っている選手がスタートできません。

 

ぼくはまたしても、試合前の緊張した状態で余計なもめ事を起こしたくなかったので黙って見過ごしましたが、知り合いの選手が「おいおい、そんなことしてええんか」と言ったら、「間に合わないのでここから滑ります」と答えたそうです。君が間に合わないか知らんけど、そんなことをしたら、先に並んでいた選手が間に合わんようになるやないですか。みんな並んで順番を待っているんですからね。

 

ちなみに、第一エアの入りと着地後の処理を練習したいので、第1エアを飛んだだけで、歩いて上がって、もう一度スタートで列の後ろに並ぶというのはありですね。下まで滑って、リフトで上まで上がっていたら時間が足りないので、ミドルとボトムは捨てて、トップセクションだけを繰り返し練習するというのは、列の後ろに並びさえすれば何の問題もありません。

 

スタートで順番を抜かしたのは、ぼくが目撃した限りでは、関西のある大人のチームと関西のあるジュニアチームの選手です。ほかにどこのチームかわかりませんが、列を作るために張られたロープをくぐってスタート地点に入ったジュニア選手がいました。いったいコーチに何を教わっているのかと思います。ジュニア選手が見ている前で、ズルをして見せた大人選手も言語道断です。そんなことをして入賞してうれしいのかと言いたい。

 

ハチ北の大会は堀島行真選手が世界選手権で金メダルを取った直後だったので、大会役員から「モーグルに注目されているので、くれぐれも恥ずかしくない行動をとってほしい」と注意がありました。

 

順番を抜かすなどというマナー違反が平然と行われているようでは、三流競技と言われてもしかたがありません。心当たりのある選手、コーチの方々に猛省を促します。

いつも大会で一緒になったら動画を撮影してくれる知り合いの選手が、第2戦の映像を送ってくれました。それを見て、ぼくの滑りの実像が、自分のイメージとあまりにもかけ離れていることに愕然としました。自分の記憶がいかに美化されているか。歴史はやはり当事者の主観的な記憶ではなく、客観的な証拠に基づいて再現しなければならないと改めて思いました。前回のブログで「自分のターンがだんだんと形になってきた」と書きましたが、全くの勘違いだったので、ここに訂正しておきます。


第2戦では、第1エアの着地後、ランディングバーンをまっすぐに滑落して、こぶに入ったと思っていましたが、斜めに滑落してコントロールゲート(旗門)の外まで出ていました。コントロールゲートの外側を下に向けて滑ると失格です。すぐにコースに戻ったので、DNF(途中棄権)にはならずにすみました。


その後、こぶの中のアイスバーンにスキーをとられてバランスを崩すのですが、このときにもやはりコントロールゲートの外まで出ています。滑っているときにはラインを大きく外したことがわかっていましたが、ゴールした後はこんなに大きく蛇行したことを忘れていました。


ミドルセクションの中盤から第2エアにかけてのターンは、なんとかこなせたと思っていましたが、映像を見ると、全くまともなターンになっていません。


まず、右側が高く、左側が低いというこぶの形状に合わせて滑って、第1戦と同じように、体が右前の半身になっています。腰も肩も回っています。その原因でもありますが、足を開いて「ハ」の字で滑っています。いつも自宅で足を開いてスクワットをするのと同じスタンスで滑っています。最近は片脚スクワットもよく練習しています。その動作そのままに、足を開いて片脚ずつ曲げ伸ばしする感じのターンになっていません。ターンのタイミングが全く合っていません。これではモーグルスキーにならないのは当たり前です。ぼくのターン点のベース点が最低ランクなのもうなずけます。ノーミスで滑ってもターン点がほとんどないということです。


実は1月の松之山の大会で、レース終了後に開放されたコースを滑って練習しているときにターンのタイミングをつかみまたした。これでやっとわかったと思ったのですが、その後、どうしても思い出せません。2月のホワイトピアの大会でも思い出せず、おかしな滑り方でスピードが出ないままミドルセクションを滑りました。


大会になると滑るだけで必死です。今回は特にハードなコースでした。練習でわかったと思っても、日が空くと忘れてしまって、大会に臨むと必死なので、練習しかけの未熟なターン技術はどこかに行ってしまいます。その繰り返しで、結局大会ではいつまでたっても、モーグルを始めたころの変な滑り方しかできないという悪循環がもう何年も続いています。


今回の映像を見ると、1999年にモーグルを始めたばかりのころのぼくのターンとそっくりです。ぼくのあまりの下手さに、「オーマイガー」(Oh my god!)という会場副音声が入った映像です。とても人にはお見せできないのでお蔵入りしています。それから早くも18年。結果的に、ほとんど進歩がないままになっています。


今回の映像を見ると、スタート直後から足が開いてしまって、ポジションが後ろになっています。明らかにターンのタイミングが合っていません。自宅でのイメージトレーニングが間違っているのだと思います。次回の大会までに、なんとか思い出して、きちんとしたターンができるようにしたいものです。


友達の選手が送ってくれた映像にはもう一つおまけがありました。第2エアの写真です。悪い見本として、ここに載せておきます。


これは自分でも気付いているのですが、大会でいつも、ダブルツイスターの2発目の振りが入らないのです。今回の第2エアは、トリプルツイスターができるだけの滞空時間があったと思うのですが、1発目の振りで左に振ったスキーが、2発目の振りで右までいかずに前で止まってしまいました。


写真は1発目の振りを入れたところですが、ここからすぐにスキーを右に向けて振るのではなく、いったん止めなければなりません。写真を見ると、スキーを左に向けた瞬間に、左手は前に出ていますが、右腕、右肩が後ろに下がっていません。スキーを左に向けたところで止めて、右肩、右腕を十分に後ろに引いてから次の2発目の振りを入れないと、振りが不十分になります。1発目のスキーの振りは90度ですが、2発目のスキーの振りは180度です。1発目の後、右手を後ろに引いておかないと、2発目で前に出す右手の振りが180度になりません。ウォータージャンプで練習しているときにはこういう失敗はありません。大会になると、気持ちに余裕がないので、こういう焦った演技になってしまうのだと思います。

10日(金)~12日(日)、兵庫県香美町のハチ北スキー場で、SAJ(全日本スキー連盟)公認のモーグル大会が開催されました。11日と12日に試合があり、10日に11日の試合の前日公式練習がありました。これまでこの大会は、2日間のうち1日がA級、もう1日がB級ということが多かったのですが、今年は2日間ともA級、B級が同時開催され、B級の出場資格しかないぼくも2戦続けて出場することができました。

 

2戦とも大きな失敗をして、ターン点なし(実際は0.1点×3人=0.3点)という、いつものように残念な結果に終わりましたが、めったに滑る機会のない素晴らしいコースに2回も挑戦して、2回ともエアも飛んで、転倒せずに滑りきることができました。この大会ではこのところDNF(Did Not Finish 途中棄権)が続いて、点数なしになっていましたが、今年はゴールまで滑って、わずかながら点数も付きました。

 

最大斜度33度、平均斜度29.3度、全長220mという大変、厳しいコースです。しかも、今年はかちかちのアイスバーンです。今年もコース係長は「アニキ」こと加藤大輔さん。こぶのピッチ(間隔)変化などいろいろな仕掛けがされていて、大いに楽しめるコースになっていました。

 

2日間の試合で学んだことがいくつかあります。反省点の一つは、こぶのラインとエア台の位置関係がわかっていなかったことです。

 

モーグルの大会では、こぶの合わせ目がまっすぐに一直線でつながるようにコースが作られます。スタートからゴールまでを最短距離でつなぐ直線をフォールラインと言い、選手(Competitor)はフォールライン上を真っすぐに下に向かって滑らなければなりません。

 

今回のコースは3本のレーンがありました。こぶの合わせ目をつなぐフォールラインが3本あり、どのラインを滑るかは選手の自由です。こぶのピッチ変化は基本的に3本とも同じです。一般的に、選手から見て右端のラインは右側が浅く、左端のラインは左側が浅くなりがちです。真ん中のラインは両方から雪が寄せられて、こぶが大きくなりがちです。スタート後、右ターンから始まるか、左ターンから始まるか、こぶからエア台への入りやすさ、着地後のターンへの入りやすさなど、こぶの配置などを見て、自分が滑るラインを決めます。

 

フォールラインとエア台の位置関係は2通りあります。ラインを滑っていくとエア台の真ん中に当たる場合と、エア台の端っこに当たる場合です。言い方を変えると、ライン上にエア台が作られている場合と、ライン上ではなくラインに接してエア台が作られている場合があるということです。

 

エア台がライン上にあるかないかで、エアへの進入の仕方、着地後のターンへの入り方が違ってくるので、コースインスペクション(下見)でどちらになっているかを確かめておかなければなりません。
 

今回のコースは、ラインによってエア台との位置関係が違っていました。ぼくが選んだラインはエア台がラインに接して作られていましたが、ライン上にエア台が作られているラインもありました。

 

第1戦の前日のコースインスペクション、公式練習は、濃霧が立ち込めていて視界が悪かったこともあり、ラインとエア台の位置関係を確かめていませんでした。第1戦の直前のコースインスペクション、公式練習でも、てっきり自分が滑るラインはエア台の真ん中につながっていると思い込んで、確認していませんでした。

 

ぼくはいつも、スタートから第1エアまでのトップセクションでは、第1エア台を目標にして滑ります。第1エアの着地後は、なかなかできませんが、第2エア台を目標にして滑りたいと思っています。真っすぐに速く滑るためには、できるだけ遠くに目標を定める必要があります。

 

第1戦は、第1エア台の真ん中をめがけてスタートしました。何かおかしいです。第1エアは体がねじれたようになって真っすぐにジャンプできず、技を入れることができませんでした。ランディングバーンはワールドカップ(W杯)などに適用される国際競技規則(ICR)に準拠して15mとってあります。それがかちかちに凍っていました。ジャンプの高さはほとんどありませんが、不十分な体勢で着地したので、やむなくスキーを横に向けてブレーキングしようとしましたが、凍ったランディングバーンを滑落しただけでなく、横にそれてコースの端のコントロールゲート(旗門)まで行ってしまいました。

 

気を取り直してミドルセクションを滑りましたが、体もスキーもばらばらです。知り合いの選手が撮ってくれた映像を見ると、ターンが左右不均等で、腰も肩も回ってしまっていました。左に回りすぎて右に戻され、また左に回りすぎて右に戻されと、まるで歌手の五木ひろしが歌うときのように、体が半身になって滑っています。

 

第1戦の終了後に行われた第2戦のコースインスペクションで理由がわかりました。エア台の真ん中につながっていると思っていたラインはエア台の右端につながっていました。今回のコースのエア台の幅は180cmありました。真ん中と端っこでは90cmの差があります。90cmと言えば、スキーを真横にしてブーツからトップまでの長さくらいです。それだけフォールラインからエア台の位置がずれているわけです。フォールラインをまっすぐに滑って、エア台の手前で90cm分横に移動してからジャンプし、着地後、90cm分横に移動してラインに復帰しなければなりません。

 

第2エアのエア台も同じようにフォールラインから90cm分ずれているので、第2エア台の真ん中を目標にしてミドルセクションを滑ったのでは、わずかですが、斜めに滑ることになります。第1エアの着地後、しばらくはせいぜいこぶ3~10個分くらい、距離にして10~30m先を見て滑って、第2エアが近づいてきたら第2エア台を目標にして滑ると思います。そうすると、ミドルセクションの中盤あたりまではフォールライン上を滑るわけですが、第2エア台の真ん中を目標にした途端に、第2エア台の端っこにつながっているフォールラインと滑ろうとする方向にずれが生じて、左右のバランスを崩すことになります。

 

また、ぼくが選んだラインは、右のこぶの溝が浅く、左のこぶの溝が深くなっていたようです。こぶの形にかかわりなくまっすぐに滑るために、遠くに目標を置いて、自分の現在位置と目標との間に仮想的な直線を引く必要があります。その仮想的な直線がフォールラインとずれていたのでは、まっすぐに滑ることができません。

 

第1戦では、左右均等に滑れない理由がわからず、自分のターンを見失ってしまいましたが、第2戦ではミドルセクションの中盤から下の斜度が緩くなったところだけは、いつも自分が練習しているターンで滑ることができました。

 

第2戦では、コースの序盤で失敗しました。第1エアまでのトップセクションを滑りきることができずにラインを外してしまったのです。これは単純に自分のターン技術が未熟なためです。

 

スタート直後の何こぶ目かのピッチが細かくしてありました。この部分が難しくて第1戦から苦労していました。第2戦では、ぼくがスタートするときには、この細かいこぶが半ば埋もれて、フラットに近い状態になっていました。こぶの形がわからず、どうターンしていいかわからなくなって、ラインを外してしまったのです。下を向いて滑らず、第1エア台の端を目標にして前を見て滑っていたら、あるいは、この難所をクリアできたのかもしれません。

 

第2戦では、第1エアは低くですが、普通にジャンプしました。ちゃんと着地したつもりですが、やはり、どうやって、こぶに入っていいかわからず、横滑りで滑落しました。ただ、今回は横に行かずに真下に滑ったので、ラインから大きくは外れてはいません。気を取り直して、ターンを始めたのですが、ピッチが広めのこぶの間の露出したアイスバーンでスキーがずれてしまい、おっとっととバランスを崩しました。アイスバーンではテールにしっかり体重をかけておかないと、テールが流れて、スキーが横を向いてしまいます。

 

テールに荷重してスキーが回りすぎないようにするのは、ぼくのターン(ダイナミック・ポジショニング・ターン)の現在の練習課題です。足を動かさず、腰(重心の位置)を動かすことによって、スキーのトップとテールに交互に荷重してターンをコントロールします。大回りのようなゆっくりとした動作ではほぼ思い通りにできますが、細かいターンはまだ練習中でできていません。

 

この大会は、疲労がたまってくるシーズン終盤の3月に開かれます。過去には花粉症でしんどくて欠場したこともあります。今年はおかげさまで、体力付いたのか、ほとんど花粉症に悩まされることもなく、出場することができました。膝も疲れはしましたが、昨年までのように痛くはなりませんでした。今年は今まで以上に股関節だけを使うことを意識して滑っているので、膝の負担が少ないと思われます。今回は、お尻の大臀筋が筋肉痛になりました。いい傾向です。

 

モーグルは、スキーの方向を変えながら、こぶを乗り越えていくというターン技術を競う競技です。エアももちろん大事ですが、きちんとターンできないとジャンプできないし、ジャンプの着地後、ラインに入ることができません。今回の大会コースは、いつにも増してターン技術が試される設定になっていたように感じます。ぼく自身は、相変わらず、点数が出ず、結果が残せませんでしたが、自分のターンがだんだんと形になってきて、課題も見つかり、多くのことを学ぶことができた大会でした。

岐阜県のホワイトピアたかすスキー場で開かれたSAJ公認B級2017きはしクリニック東海北陸モーグル競技会の結果を報告せねばなりませんね。だめでした。相変わらず、へたくそな滑りを披露してしまいました。

成績としてはDNF(Did Not Finished=途中棄権)です。第2エアをジャンプしたところで右のスキーが外れてしまい、失格となりました。「佐々木選手、DNFです。コース外に出るようお願いします」。MCに言わせたくなかったし、自分も聞きたくなかったアナウンスが流れ、片方のスキーを手に持って、コースを仕切っているネットのすき間からすごすごと外に出ました。ジャンプが低く、けががなくて幸いでした。

スキーが外れた直接の原因は、第2エアに入るときに体がつぶされて、前のめりになったことです。体が「く」の字になったままジャンプして、予定していたダブルツイスターをしようと、足をひねったら無理な力がかかってスキーが外れてしまったということだと思います。

問題はこれだけではありません。知り合いの選手が撮影してくれた映像(ミドルセクションの真ん中あたりまで)を見ると、腰が引けてしまって、第1エアもまともに飛べていません。第1エア、第2エアともキッカーの角度がありました。キッカーに入るときにしっかりと踏ん張らないといけないのに、最後のこぶとキッカーの距離が近かったこともあって、力が入っていなかったようです。

ターンについては、 前日の公式練習で気になっていた左が踏めない件(右ターンの内倒)は修正できたと思います。しかし、バーンが硬くて弾かれたら嫌だという思いが強かったのか、腰が引けて、下に抑えるばっかりで、全然、前に進んでいません。映像を見ると、まるでスローモーションのようです。おじいさんが寒くて火鉢を抱えているような格好で滑っています。滑っているときにザアザアという音がしていたので、スキーのテールが流れて、ずれが生じていたのだと思います。もっとスキーをまっすぐ前に走らせたいですね。

スキーを後ろに蹴る(押す)滑りをしたいと思っているのですが、全くできていませんでした。松之山の大会で、レース終了後に大会コースを使った練習をして、これでいけると思ったのですが、今、また少し混乱しています。

一つ言えると思うのは、スピードを出した方がまっすぐに滑りやすいということです。スキーを始めたころ、ショートターンを練習するのに、緩斜面でゆっくりとしたスピードで練習するのですが、右に寄ったり、左に寄ったりして、左右均等のターン弧を描きながらまっすぐに進むのがとても難しかったのを思い出します。

トランポリンの練習でも、あらゆる技は最初低く跳んで練習しますが、高さが低いと、ばねの反発が弱く、体が傾いたりしがちです。バックフリップやフロントフリップの練習で回転が片方に傾くことがありますが、たいていは利き足でない方の足で踏めていないのが原因です。しっかりと踏み込むようにすると、両脚、両腕ともに均等に力が入り、まっすぐな回転になります。

急斜面では重力がかかって前に引っ張られる力が強くなりますが、緩斜面では前に引っ張られる力が弱いので、自分の力でスキーを前に走らせなければなりません。そうやってスピードを出すことによって、雪面に強い力が加わり、ターンが安定するはずです。自転車をゆっくりこぐのが難しいのと同じですね。

エアの着地後のターンへの入りに不安があると、どうしてもおっかなびっくりのジャンプ、ターンになるので、そこを克服して、スタートからゴールまで、思いきって前に進む滑りができるようにしたいと思います。