10日(金)~12日(日)、兵庫県香美町のハチ北スキー場で、SAJ(全日本スキー連盟)公認のモーグル大会が開催されました。11日と12日に試合があり、10日に11日の試合の前日公式練習がありました。これまでこの大会は、2日間のうち1日がA級、もう1日がB級ということが多かったのですが、今年は2日間ともA級、B級が同時開催され、B級の出場資格しかないぼくも2戦続けて出場することができました。
2戦とも大きな失敗をして、ターン点なし(実際は0.1点×3人=0.3点)という、いつものように残念な結果に終わりましたが、めったに滑る機会のない素晴らしいコースに2回も挑戦して、2回ともエアも飛んで、転倒せずに滑りきることができました。この大会ではこのところDNF(Did Not Finish 途中棄権)が続いて、点数なしになっていましたが、今年はゴールまで滑って、わずかながら点数も付きました。
最大斜度33度、平均斜度29.3度、全長220mという大変、厳しいコースです。しかも、今年はかちかちのアイスバーンです。今年もコース係長は「アニキ」こと加藤大輔さん。こぶのピッチ(間隔)変化などいろいろな仕掛けがされていて、大いに楽しめるコースになっていました。
2日間の試合で学んだことがいくつかあります。反省点の一つは、こぶのラインとエア台の位置関係がわかっていなかったことです。
モーグルの大会では、こぶの合わせ目がまっすぐに一直線でつながるようにコースが作られます。スタートからゴールまでを最短距離でつなぐ直線をフォールラインと言い、選手(Competitor)はフォールライン上を真っすぐに下に向かって滑らなければなりません。
今回のコースは3本のレーンがありました。こぶの合わせ目をつなぐフォールラインが3本あり、どのラインを滑るかは選手の自由です。こぶのピッチ変化は基本的に3本とも同じです。一般的に、選手から見て右端のラインは右側が浅く、左端のラインは左側が浅くなりがちです。真ん中のラインは両方から雪が寄せられて、こぶが大きくなりがちです。スタート後、右ターンから始まるか、左ターンから始まるか、こぶからエア台への入りやすさ、着地後のターンへの入りやすさなど、こぶの配置などを見て、自分が滑るラインを決めます。
フォールラインとエア台の位置関係は2通りあります。ラインを滑っていくとエア台の真ん中に当たる場合と、エア台の端っこに当たる場合です。言い方を変えると、ライン上にエア台が作られている場合と、ライン上ではなくラインに接してエア台が作られている場合があるということです。
エア台がライン上にあるかないかで、エアへの進入の仕方、着地後のターンへの入り方が違ってくるので、コースインスペクション(下見)でどちらになっているかを確かめておかなければなりません。
今回のコースは、ラインによってエア台との位置関係が違っていました。ぼくが選んだラインはエア台がラインに接して作られていましたが、ライン上にエア台が作られているラインもありました。
第1戦の前日のコースインスペクション、公式練習は、濃霧が立ち込めていて視界が悪かったこともあり、ラインとエア台の位置関係を確かめていませんでした。第1戦の直前のコースインスペクション、公式練習でも、てっきり自分が滑るラインはエア台の真ん中につながっていると思い込んで、確認していませんでした。
ぼくはいつも、スタートから第1エアまでのトップセクションでは、第1エア台を目標にして滑ります。第1エアの着地後は、なかなかできませんが、第2エア台を目標にして滑りたいと思っています。真っすぐに速く滑るためには、できるだけ遠くに目標を定める必要があります。
第1戦は、第1エア台の真ん中をめがけてスタートしました。何かおかしいです。第1エアは体がねじれたようになって真っすぐにジャンプできず、技を入れることができませんでした。ランディングバーンはワールドカップ(W杯)などに適用される国際競技規則(ICR)に準拠して15mとってあります。それがかちかちに凍っていました。ジャンプの高さはほとんどありませんが、不十分な体勢で着地したので、やむなくスキーを横に向けてブレーキングしようとしましたが、凍ったランディングバーンを滑落しただけでなく、横にそれてコースの端のコントロールゲート(旗門)まで行ってしまいました。
気を取り直してミドルセクションを滑りましたが、体もスキーもばらばらです。知り合いの選手が撮ってくれた映像を見ると、ターンが左右不均等で、腰も肩も回ってしまっていました。左に回りすぎて右に戻され、また左に回りすぎて右に戻されと、まるで歌手の五木ひろしが歌うときのように、体が半身になって滑っています。
第1戦の終了後に行われた第2戦のコースインスペクションで理由がわかりました。エア台の真ん中につながっていると思っていたラインはエア台の右端につながっていました。今回のコースのエア台の幅は180cmありました。真ん中と端っこでは90cmの差があります。90cmと言えば、スキーを真横にしてブーツからトップまでの長さくらいです。それだけフォールラインからエア台の位置がずれているわけです。フォールラインをまっすぐに滑って、エア台の手前で90cm分横に移動してからジャンプし、着地後、90cm分横に移動してラインに復帰しなければなりません。
第2エアのエア台も同じようにフォールラインから90cm分ずれているので、第2エア台の真ん中を目標にしてミドルセクションを滑ったのでは、わずかですが、斜めに滑ることになります。第1エアの着地後、しばらくはせいぜいこぶ3~10個分くらい、距離にして10~30m先を見て滑って、第2エアが近づいてきたら第2エア台を目標にして滑ると思います。そうすると、ミドルセクションの中盤あたりまではフォールライン上を滑るわけですが、第2エア台の真ん中を目標にした途端に、第2エア台の端っこにつながっているフォールラインと滑ろうとする方向にずれが生じて、左右のバランスを崩すことになります。
また、ぼくが選んだラインは、右のこぶの溝が浅く、左のこぶの溝が深くなっていたようです。こぶの形にかかわりなくまっすぐに滑るために、遠くに目標を置いて、自分の現在位置と目標との間に仮想的な直線を引く必要があります。その仮想的な直線がフォールラインとずれていたのでは、まっすぐに滑ることができません。
第1戦では、左右均等に滑れない理由がわからず、自分のターンを見失ってしまいましたが、第2戦ではミドルセクションの中盤から下の斜度が緩くなったところだけは、いつも自分が練習しているターンで滑ることができました。
第2戦では、コースの序盤で失敗しました。第1エアまでのトップセクションを滑りきることができずにラインを外してしまったのです。これは単純に自分のターン技術が未熟なためです。
スタート直後の何こぶ目かのピッチが細かくしてありました。この部分が難しくて第1戦から苦労していました。第2戦では、ぼくがスタートするときには、この細かいこぶが半ば埋もれて、フラットに近い状態になっていました。こぶの形がわからず、どうターンしていいかわからなくなって、ラインを外してしまったのです。下を向いて滑らず、第1エア台の端を目標にして前を見て滑っていたら、あるいは、この難所をクリアできたのかもしれません。
第2戦では、第1エアは低くですが、普通にジャンプしました。ちゃんと着地したつもりですが、やはり、どうやって、こぶに入っていいかわからず、横滑りで滑落しました。ただ、今回は横に行かずに真下に滑ったので、ラインから大きくは外れてはいません。気を取り直して、ターンを始めたのですが、ピッチが広めのこぶの間の露出したアイスバーンでスキーがずれてしまい、おっとっととバランスを崩しました。アイスバーンではテールにしっかり体重をかけておかないと、テールが流れて、スキーが横を向いてしまいます。
テールに荷重してスキーが回りすぎないようにするのは、ぼくのターン(ダイナミック・ポジショニング・ターン)の現在の練習課題です。足を動かさず、腰(重心の位置)を動かすことによって、スキーのトップとテールに交互に荷重してターンをコントロールします。大回りのようなゆっくりとした動作ではほぼ思い通りにできますが、細かいターンはまだ練習中でできていません。
この大会は、疲労がたまってくるシーズン終盤の3月に開かれます。過去には花粉症でしんどくて欠場したこともあります。今年はおかげさまで、体力付いたのか、ほとんど花粉症に悩まされることもなく、出場することができました。膝も疲れはしましたが、昨年までのように痛くはなりませんでした。今年は今まで以上に股関節だけを使うことを意識して滑っているので、膝の負担が少ないと思われます。今回は、お尻の大臀筋が筋肉痛になりました。いい傾向です。
モーグルは、スキーの方向を変えながら、こぶを乗り越えていくというターン技術を競う競技です。エアももちろん大事ですが、きちんとターンできないとジャンプできないし、ジャンプの着地後、ラインに入ることができません。今回の大会コースは、いつにも増してターン技術が試される設定になっていたように感じます。ぼく自身は、相変わらず、点数が出ず、結果が残せませんでしたが、自分のターンがだんだんと形になってきて、課題も見つかり、多くのことを学ぶことができた大会でした。