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PikuminのCancer Staging Manual

がんのステージングは治療や予後判定において極めて大事なものです。

UICC-TNMを理解するために重要なソースは
HP(help deskとfaq), TNMの本(classification of malignant tumors, TNM supplementとTNM Atlas)です。

PikuminのCancer Staging Manual
PikuminのCancer Staging Manual

卵巣癌のregional lymph node(所属リンパ節)は UICC-TNMでは、hypogastric (incl. obturator), common iliac, external iliac, lateral sacral, para-aortic, and inguinal nodesとされている。


AJCC cancer staging manualでは、external iliac, internal iliac, obturator, common iliac, para-aortic, para inguinal, pelvic NOS, and retroperitoneal NOSとされている。


取り扱い規約では腹部大動脈周囲、総腸骨、内・外腸骨、正中・外側仙骨、閉鎖、鼠径リンパ節とされている。


あれ?

内腸骨リンパ節(interal iliac node)はUICCとAJCC&取扱規約で扱いが違うのか?


と思うかもしれませんが、hypogastric node=internal iliac node/内腸骨リンパ節です。


もう一つ問題は、以前から8番の番号を子宮癌の取扱規約で振られていた基靭帯リンパ節。

これは卵巣癌では忘れられがちなんでしょう。

しかし、子宮両付属器切除術を行ったときにはこのリンパ節も採取されます。

明記はされていませんが、これも骨盤内LNなんだから所属リンパ節として扱うのがいいのではないかと思います。


TNMの日本語訳の本の中には内腸骨リンパ節はMとしているものもあるので気をつけましょう。

(基靭帯リンパ節も)

一部の臓器を除いて顕微鏡的に見つかる脈管侵襲はTをあげない。

これまでこのブログにあげたとおり


しかし、7版から加わったPn(=神経周囲侵襲)は話は別で、神経周囲侵襲で広がったところまでを、深達度and/orサイズに含めてTを決めていい。


ことになったそうな・・・ま、病理組織を見ている人にはもっとものような、神経周囲腔ってリンパ管じゃないん?と疑問がわくような・・・

○hittekindは、cTNMを決めるタイミングはいろいろあって、医のような管腔臓器と乳腺の様な臓器は違う・・・っていう説明を日本の胃癌取扱規約を決める人たちにしたようす(推測)


でも、そんなことどこにも書いてない。AJCCに明確に書かれているタイミングと違う、とメールすると

AJCCとはいろんな点で違うので仕方ない、そのことはsupplemenntで明らかにする。(要約)

と返事があったが・・・・


手術を開始したあとcTNMを決めるなんてことがsupplementの中に文章で明示できるわけがないと思っていたら、やっぱり出来てなかった


ま、TNMの有用性を破壊するようなことだから書けるわけがないよな

日本の院内がん登録以外には関係ない話だが・・・

2011年のデータまでは第6版で登録される。


こんなことを書くと怒られるかもしれないけど、うちの県で新規に研修する人はもう7版だけ教えることにする。

2011年のデータを間違えるかもしれないけど、これからやる人に6版まで教えるのは無理and/or無意味


秘密ですよ

これまでいろんな人に”y”って何の略って聞かれてきた・・・・

どこにも書いてない。


しかし、TNM supplementにこう書いてある (前の版から書いてある)

the prefix "y" to indicate that this classification does not have the same reliabitity as the pTNM classification after surgery alone


となるとyTNMは、full bright黒字赤字のTNMではなくて、黄色=要注意・不確か(←みにくいけど『黄色=要注意・不確か』と書いてある)


Wikipediaからパクると

Yellow(中略)

In the English language, yellow has traditionally been associated with jaundice and cowardice. Yellow is associated with the word "caution" and is the second light on stop lights.


"Y"

Y の意味
イットリウムの元素記号。
数学では、第二の未知数(変数)に使われる(主に小文字)。
座標軸では、前後(奥行)を表す。
コンピュータなどで肯定 (Yes) を表す。N (No) の逆。
年 (Year, Y2K etc.)
¥は円 (Yen)あるいは元 (Yuán)。
黄色 (Yellow)

というわけで、

これまで使ってきた

yTNMはyellow TNM、黄色いTNMと読んでやればいいんだ


ま、国際機関のUICCとしてはyがyellowだとは言いにくいのもわかる。

第6版はもちろん、TNM第7版の記載とも違うGeneral ruleの改変点

General rule 1

All cases should be confirmed microscopically as malignant tumors including histological type. Any cases not so proved must be reported separetely.


下線部が追加

予後に関係あるとされる臓器が増えたので、病理学的に確認されるべき事項に組織型が追加されました。