こんにちは。遺産相続トラブルサポートです。

 

 

親世代からお子様やお孫様世代への贈与に対し国は数多くの優遇制度を設けています。

 

特に不動産を購入するための資金については非課税枠が充実しており、現役世代の方々が購入する際に両親からの援助を受けることも多々あります。

 

生前贈与をすることで遺産総額を少なくして相続税の節税を行うということが新聞や雑誌などの紙面にも書かれることも多々あり、一般的になっています。

 

今回は、住宅購入資金を親から贈与を受けた後のトラブルについてお話いたします。

 

 

生前贈与による相続トラブル

 

「親の相続で兄弟でもめていまして・・・・」

ご相談者様は50代の男性でした。

 

3ヶ月ほど前にお母様が亡くなれて相続人はご相談者様とその弟様とのことです。お父様は10年ほど前に亡くなれたそうです。

 

ご相談者様が自宅を購入する8年ほど前にお母様から3000万円の住宅資金のための贈与を受けたとのことです。

 

お母様は「ローンで銀行に無駄な利息を支払うくらいなら私が出してあげる」と言ってくれて安心してその提案を受けたとのことでした。

 

お母様は当時、

「お父さんの遺産もあるけど、私が1人で住むには十分だし、あなたはこれからもお金が必要でしょ。新聞でみたけど、贈与税がかからないみたいだし、先にあなたたちにあげてたら相続税の心配もいらないみたい」

 

そういってくれたお母様の好意を深く考えずにご相談者様はうけたとのことです。

 

「それがこんなことになるなんて・・・・」

 

弟様が3000万円の贈与について今になって蒸し返しがあったとのことです。

「兄貴は家を買うときに援助を受けたのだからその分は遺産から差し引いてもらう。私たち家族は何もしてもらっていない」

 

さらに、生前贈与をうけていたから相続税もかからないと思い込んでいましたが、相続税がかかってくると税務署に言われたとのことでした。

 

相続時精算課税制度の落とし穴

 

相続時精算課税制度は簡単に言いますと、一定の条件を満たした親あるいは祖父母から子、あるいは孫に対する贈与について1500万円まで贈与税を猶予する制度です。

 

贈与税を猶予することで財産を蓄えている親、祖父母世代から現役世代にスムーズに資産を移動してよりお金を使ってもらおうとする制度です。

 

問題は贈与税を猶予するということです。

猶予とは贈与税としては2500万円までは納税は不要ということです。

 

贈与税としてはということですので、別の形で課税します。

贈与をした親、あるいは祖父母が死亡したときに相続税を算出する遺産の額に加算されます。

 

つまり、ご相談者様やご相談者様のお母様が思っていたように、相続時精算課税制度をつかって贈与をしたとしても実質的に相続財産を減らすことはできません

 

つまり、相続税対策にはならないということです。

 

また、不動産の購入資金となると金額も大きくなり、相続人間で不公平になってしまいます。兄弟平等に贈与をしていたら問題になりにくいでしょうが、一方の兄弟にだけ高額な贈与をしたとすると大きな問題に発展しやすいと言えるでしょう。

 

事実を知った時にご相談者様はかなり肩を落としていました。

 

 

 

今回のケースでは相続税対策に対する無知と贈与を受ける際の不平等により問題が発生したと言えます。

 

相続対策とは一定の分野、例えば税だけについて対策をしても意味はありません。

 

節税をするという点では有効な相続対策となるケースでも肝心の人の心を無視してしまったら、のちに禍根を残し、争族を勃発します。

 

それでは、有効な相続対策と言えないのではないでしょうか。

 

真の相続対策とは「法律」、「税」、そして相続人の「心」にまで配慮した対策を行う事だと私たち遺産相続トラブルサポートは考えています。

 

 

そのような相続対策を行うためには、あらゆる分野の専門家のサポートが必要になります。

 

 

少しでも相続人のことを思う心があるのであれば、是非とも私たち遺産相続トラブルサポートをご利用ください。

 

 

こんにちは。遺産相続トラブルサポートです。

 

 

家庭裁判所の事件でも離婚に関する事件は増加傾向にあります。

3人に1人が離婚をしているというほど、過去の日本社会と離婚に対する価値観も変容していると言ってもいいでしょう。

 

 

そのように離婚が一般的になってきた現代では離婚に伴ってきちんと相続対策をしていないことにより紛争が勃発するということもあります。

 

今回はきちんと離婚後の相続対策をしていたら不要な争いを避けることができた事例を紹介します。

 

 

「預金をおろせません」

 

相談者は67歳の女性でした。

電話口で「銀行の預金を下ろせなくなり困っている。どうにかならないか?」と興奮気味にお話しされていました。

 

話を聞いたところ、銀行に夫が亡くなったことを話したら預金口座をとめられてしまい困っているとのことでした。

 

銀行預金は預金者の死亡により相続人が確定、分配の協議などが整わなければ預金の相続をすることはできません。

 

相続人について聞いたところ、亡くなられたご主人はご相談者様とは二度目の結婚で、最初の結婚のときに二人の子供がいたとのことでした。

 

ご主人様は当時事業に失敗し、離婚、お子様も10歳に満たない間に別れてしまい、それ以後は連絡も取っていないとのことです。

 

その後、懸命に事業を再建し今では少なからず財産を築くことができたようです。

 

ご相談者様の話を聞き、まずは別れたお子様2名の所在を見つけることが一番です。

 

ご相談者様には説明をしてまずは連絡を取って現状を説明すること、そして先方の意思を確認することが先決であることを説明しました。

 

話し合いによってまとまらなければ裁判にも及ぶ可能性もあることを伝えると、ご相談者様は「裁判・・・・」といったきり黙り込んで帰られました。

 

2人の子どもの反応

 

相続人である前妻との子の住所を特定し、手紙を送りました。

1週間ほどたったころ、お子様の一人から電話がかかってきました。

 

「父が亡くなったことを連絡していただきましてありがとうございます」

「弟とも話をしました」

「父親はいないものと過ごしてきました。一緒に暮らしているときもそうでした。父は仕事ばかりで家にいた記憶がほとんどありません」

「財産はいくらあるんですか?」

「いつかは起こるであろうことかと覚悟はしていました。」

 

そう言った相続人の言葉には強い決意があったように感じました。

 

財産については現在調査中である旨、債務についても現在調査中であることをお伝えし、1週間後にはめどがたつので詳細について再度連絡をする旨お伝えしました。

 

 

法定相続分に則った分割を

 

ご主人様は従業員が20名ほどの会社を経営しており、会社でも個人でも無借金経営を続けていました。一度若いころに苦しい経験をしたことで堅実な経営を行っていたようです。

 

財産については結果として持ち株の比率は多いものの、あとは不動産と預貯金となりました。

 

2人の子どもは会社経営については参加する意思はなく、預貯金でもらいたいと主張しました。

 

結果として、預貯金の大部分を2人の子どもが取得し、奥様は老後資金にも不安を覚えるようになりました。そのため、ご自宅を売却し、自社株もどうにか従業員の一人が買い取ってくれて老後資金を確保することができました。

 

ご主人様が自身の相続についてあどのような意思を遺されいたのか、今となっては不明です。

 

奥様のために数多くの遺産を残しておきたかったのであれば遺言を遺すべきでした。

 

特に事業を行っている場合は自社株の評価を事前にしておいて遺言をのこしておけば住み慣れた自宅を売却する必要もなかったかもしれません。

 

 

離婚をすれば相続人もより複雑になります。

複雑になることが事前にわかっているのであれば亡くなったことを考えて事前に対策をとっておくべきではないでしょうか。

 

こんにちは。遺産相続トラブルサポートです。

 

 

終活」という言葉が一般的になり、遺言を遺される方も増えています。

遺言は「最後の意思表示」と言われます。

 

今回は亡き夫の遺言を発見した奥様のご相談です。

 

遺言を発見したときの注意点も含めてお話をさせていただきます。

 

「夫の遺言を見つけました!!」

 

今回のご相談者様は67歳の女性の方です。

 

ご主人様の遺言を発見されたと、非常に驚いた様子で遺産相続トラブルサポートにお電話をいただきました。

 

私は落ち着いて

「その遺言は封筒に入っていますか?」

「ご主人様の字で封筒に書かれていますか?」

「公正証書とかかれていませんか?」

「封筒は閉じてありますか?」

とゆっくりとご相談者様に質問を投げかけました。

 

「遺言は主人の字で封筒に「遺言書」とかかれています。まだ封は開けていません。」

 

封を開けていないことが幸いしました。

「それはよかったです。では、そのまま封を開けずに事務所まで持ってきてください。」

「勝手に封を開けてしまうと罰則があります」

私が説明をしますと、ご相談者様は

「罰則ですか・・・・」

と驚かれて封をしたままご持参いただけることを約束されました。

 

遺言に関する罰則??

 

全てが自筆で書かれている遺言を「自筆証書遺言」といいます。

 

民法第1004条では

公正証書で作成された遺言を除いて遺言書を発見した相続人は速やかに家庭裁判所に「遺言の検認」の請求をしなければならないこと。

 

封印のある遺言は家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いの下でなければ開封することができない

 

と定めています。

 

そして続く第1005条で

遺言書を提出することを怠った者

家庭裁判所の検認手続きを経ずに遺言執行した者

家庭裁判所外で遺言の封を開封した者

に対して5万円以下の過料にすると定めています。

 

つまり、公正証書で作成された遺言以外では令和2年7月10日に開始された法務局での保管制度を利用していない自筆証書遺言は必ず家庭裁判所の検認手続きが必要になり、それをしなかった場合や勝手に開封した場合には罰金を負うことになります。

 

遺言の検認手続き

 

そもそも、この検認手続きは自分に不利益な遺言を勝手に改ざんしないようにする制度です。

 

検認手続きでは相続人あるいはその代理人の出席のもと、遺言が開封されることになります。

 

そして、検認済みである旨の家庭裁判書の書面と合てつされた遺言が返却されます。

 

この検認手続きはけして遺言が民法にのっとって有効な遺言の形式を備えているということを判断するのではありません。

 

あくまで、相続人全員に遺言の存在を知らせること。

 

そして、遺言の形状や状態、日付,署名など、検認の日現在における遺言の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

 

具体的な必要書類

 

遺言の検認に必要な書類は代表的なものとして以下の書類です。

 

①検認の申立書

②遺言書原本

③遺言者の出生から死亡に至るまでの全ての戸籍謄本

④相続人全員の戸籍謄本

 

などです。相続人が両親や兄弟姉妹の場合などでは集める戸籍の量も異なってきますので、注意が必要です。

 

そして、申請用に収入印紙が遺言1通につき800円分。そして郵便切手が必要になります。詳しくは管轄の家庭裁判所に尋ねてください。

 

以上をご相談者様にご説明させていただきました。

 

ご相談者様は

「遺言の内容が気になるけど、勝手に開けたらだめなのね?」

と少し笑って言いました。

 

検認手続きをすると相続人全員に裁判所より通知が郵送されます。その書面にはいつ何時にどこの家庭裁判所で検認手続き、つまり開封が行われているかが記載されています。

 

その旨をご相談者様にお伝えすると、

「私達には子どももいなかったから、今回は主人の兄弟や甥っ子姪っ子が相続人になるのね。兄弟は遠方でみんな年老いているし、甥っ子姪っ子もずいぶんご無沙汰だけどみんな昼間は仕事しているから・・・・」

 

ただ、相続人全員がそろう必要はありません。出席するか否かは相続人の自由です。

 

あくまで、相続人全員に通知が行くのは機会の均等と正当性を図るためであり、諸事情で相続人の参加が叶わなくても検認手続きは実行されます。

 

そうお伝えすると

「それなら安心ね・・・・」

とご相談者様は安心して帰って行かれました。

 

最後に、自筆での遺言を見つけた際の注意点を繰り返しになりますが、お伝えいたします。

 

自筆証書遺言を発見した場合には

①必ず検認手続きをすること。

②自分に不利益であっても改ざんや破棄をしないこと。

③遺言に封がして会ったら勝手に開封しないこと

 

以上のことを必ず守るようにしてください。

 

 

お手数な遺言の検認手続きについても私ども遺産相続トラブルサポートは全力でお手伝いをさせていただきます。

 

お気軽にご相談ください。

こんにちは。

 

遺産相続トラブルサポートです。

 


 

 

 

今回のご相談者様は長年の間にご両親の介護をされていらっしゃった方でした。

 

ご相談者様は長男であと妹様が2名いらっしゃるようです。

ご相談者様はご両親の家の近くに住んでいたこともあり、ご相談者様の奥様が主にご両親の介護をしていました。

 

5年ほど前にお父様が先に亡くなり、そして3カ月ほどまえにお母様が亡くなられたそうです。

 

ご両親の遺産は預金が100万円ほどと、ご自宅だけでした。

 

「この書類を見てください」

 

そう見せていただいたのが、1通のメモでした。

内容はお父様がお亡くなりになられる前に書いていたもののようで自宅不動産を長男が相続することと書かれていました。

 

残念ながら遺言として形式を備えていなかったで、この内容の通りご実家を相続するためには遺産分割協議が必要となる旨をお伝えしました。

 

「お二人の妹様とは遺産についてお話はされていらっしゃいますか?」

私が尋ねると、「話をしたのはしたのですが・・・・」

 

どうやら、お二人の妹様とは仲があまりよくないようで、妹様2名は「平等に分けるべき」と言ってきかないようでした。

 

そればかりか、お二人の妹様は主張このように主張してきたとのことです。

 

妹様の主張

 

 

「なんで預貯金が100万円しかないの?」

「お兄ちゃん夫婦が使い込んだんじゃないの?」

 

さすがにこの主張にはご相談者様も怒りをあらわにされたそうで、お話し合いは決裂しその日はそこで帰宅されたそうです。

 

「あの二人はまったく両親の面倒を見なかった」

「病院にも全く来なかった。」

「使い込むどころか、私たち夫婦がどれだけ親のために援助したか」

「病院の代金も立て替えた」

「二人は私たちが援助を頼んでも無視するばかりかあんなこといってきて本当に情けない」

 

ご同席されたご相談者様の奥様は何も言いませんでしたが、きっとつらい思いをされていらっしゃったのでしょう。

 

実際のところご夫婦の収支やご両親の収支などの資料を見せていただいてもご相談者様が妹様に言われたような使い込みなどは考え難いといえます。

 

ただ反対にご相談者様がご両親にどれだけ援助をしていたのかというものもご相談者様もはっきりとはせず確固たる証拠資料も残っていませんでした。

 

寄与分

 

援助されていた金額がはっきりとしていれば遺産総額からその金額を差し引き残りを3等分することで話をもっていくこともできましたが総額がはっきりしない以上難しいといえます。

 

ただ、ご相談者様がご両親の面倒を見ていたのでその分を寄与分として認められる可能性が少なからずあります。

 

「寄与分」とは相続人が被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をしたことをい

います。そして、相続開始時の財産から寄与分を引いたものが相続財産となります。

 

しかし、親の介護をするのは子として当然であるとは言えますので、裁判上で認められることは難しいこともお伝えしました。

ただ、ご相談者様が妹様お二人とお話をする際の交渉の材料にもなりえます。

 

ご両親の介護について詳しく話を聞くと、どうやらヘルパーさんなどにお願いはせずに奥様が仕事を辞めて献身的に介護をされていらっしゃったようです。

 

奥様が介護のために職を辞め、そのおかげでヘルパーさんなどにお金をかけなくて済んだということは一つの判断材料にはなりえます。

 

 

私どもが依頼を受けて妹様たちとお話をすることも可能でしたが、ご相談者様はしばらく考えたのち、「もう一度自分で話をしてみます」と言われました。

 

話し合いの結果

 

1週間後に話し合いがもたれ、その結果のご報告に再度事務所にお越しになられました。

 

最終、預貯金はご相談者様が相続し、不動産は売却した後、経費を差し引いて代金を3分の1ずつ分けることになりました。

 

ご相談者様もお話し合いを終え安心されたようです。

 

このように介護が絡んだ場合には遺産分割協議で争いになる可能性が高くなります。

 

兄弟が分担してご両親の面倒を見ることができているのなら争いになる可能性は低いといえます。

 

しかし、一部の兄弟がご両親の面倒を見ている場合にはそれぞれ不満を抱える場合が多くなり、どうしても争いになってしまいがちです。

 

争いにならないようにするにはやはり日々のコミュニケーションが一番重要です。

 

そして、遺言を遺してもらうことや生命保険などで残すなどを検討してもらうことも有効な手段の一つです。

 

争いにならないようにするには事前の準備が必須です。

 

 

お困りの時は事前に私たちにご相談ください。

 

 

 

こんにちは。

 

遺産相続トラブルサポートです。

 

 

民法の改正により、令和2年7月10日より新しい遺言の制度が開始されました。

 

今回は新しく創設された自筆証書遺言保管制度について解説させていただきます。

 

 

遺言書をどこに保管したらいいですか?

 

 

 

ご相談者様は私たちに遺言作成のアドバイスを求められました。

 

遺言は公正証書で作成したほうが内容について間違いはなく、原本も公証人役場が保管してくれます。

 

謄本(写し)の請求も後日可能ですので、遺言を紛失した場合にも安心です。

 

さらに、自筆証書遺言と異なり、遺言者の死後、家庭裁判所での検認の手続きも必要ではないので、私どもは公正証書での遺言の作成をお勧めしています。

 

しかし、ご相談者様は自筆での遺言にこだわりました。

「最後の言葉は自分の文字で綴りたい。」

「妻や子に遺す最後の言葉を直筆で書きたい。」

 

 

ご相談者様のお気持ちを汲み、私たちは念入りに内容について打ち合わせをしました。そして、ご自身で遺言を作成されご相談者様は非常に満足されました。

 

「ところで、遺言はどこに保管しておくべきでしょうか?」

 

ご相談者様のご気持ちも、もっともなことです。

遺言の保管場所については多くの人が心配になるものです。

 

遺言の保管については、まず信頼できる人お一人にはお伝えしておくべきです。

なぜなら、せっかく遺言を作成しても遺言が発見されなければまったく意味がないからです。

 

しかし、令和2年7月10日より、自筆証書遺言を法務局で保管してくれるという制度が創設されたことをご相談者様にお話ししました。

 

ご相談者様は興味深そうに話を聞き、「どのようなメリットがあるのか?」と質問されました。

 

自筆証書遺言書保管制度のメリット

 

これは今までの自筆証書遺言のデメリットを大きく改善することができる制度となっています。

 

①今までは自筆で作成した場合に遺言を紛失あるいは、ほかの相続人が悪意に廃棄や隠匿、あるいは改ざんなどの恐れがあったが、法務局で保管されることになったのでその恐れが亡くなった。

②①の結果として、遺言者が死亡後、家庭裁判所での検認手続きが不要になる。

③法務局での保管の申請をする際に死亡後に通知を受ける相続人を指定することができる。

④③の結果、遺言書が見つからないという恐れもない。

 

遺言書の紛失や隠匿、改ざんの恐れがないということと、遺言書の存在の把握が容易になるというの大きなメリットです。

 

 

自筆証書遺言書保管制度の利用方法

 

では自筆証書遺言を法務局で保管してもらうためにはどのようにすればいいのでしょうか。

具体的に手続きをお伝えいたします。

 

①遺言を作成する

②保管を申請する法務局を決める

③申請書を作成する

④保管の申請の予約をする

⑤保管の申請をする

⑥保管証を受け取る

 

保管を申請する法務局は①遺言者の住所地の法務局、②遺言者の本籍地の法務局、遺言者の所有する不動産の所在地の法務局から選択することができます。

 

ただし、既にほかの遺言書を法務局に預けている場合は、その保管してもらっている法務局になります。

 

申請書については法務省の法務局からダウンロードが可能です。

 

保管の申請をする際には以下の書類が必要となります。

①遺言書(ホッチキス止めなし。封筒は不要)

②申請書

③本籍地の記載のある住民票(発効後3カ月以内のもの)

④本人確認資料(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)

⑤手数料(遺言書1通につき3900円)

 

手続終了後、遺言者の氏名や生年月日、遺言書保管場所の名称及び保管番号が記載された保管証が交付されます。

 

一度保管した遺言書については保管の申請の撤回をしなければ返却はされませんので、注意が必要です。

 

 

制度についてご説明をしたところ、ご相談者様は是非とも制度を利用したいということでしたでの、早速法務局にて一緒にお手続きをさせていただきました。

 

「これで、安心ですね。」

 

ご相談者様は非常に満足されてご帰宅されました。

 

私たち遺産相続トラブルサポートは遺言を作成することで相続人間の無用な争いをさけるお手伝いをさせていただいています。

 

公正証書遺言での作成だけでも自筆証書遺言作成についてもアドバイスをさせていただきます。

 

新しくできた遺言書保管制度も上手に利用することで残されたご家族の負担を減らすことが可能です。

 

是非ともご不明な点等ございましたらいつでもお問い合わせください。

こんにちは。

 

遺産相続トラブルサポートです。

 

 

 

遺言をなぜ残そうと思ったのでしょう?

 

自分の想いを遺すため。

自分が亡くなった後も家族が仲良く過ごすため。

家族に無理な心労や苦労をかけたくない。

 

そのような想いで遺言を作成されている方が多いです。

 

しかし、今回は全く逆のパターンです。

遺言を遺したことによってより親族間が険悪になり疲弊しているとあるご相談者様のご相談です。

 

 

遺言があったばっかりに・・・・

 

奥様はぽつりぽつりと話し始めました。

 

お母様が亡くなられたこと。

四十九日法要の後にタンスを整理していたら家の権利証とともに遺言が出てきたこと。

家庭裁判所の検認を経て遺言を見てみるとすべての財産をご相談者様が引き継ぐことになっていたこと。

ご相談者様にはご相談者様と折り合いの悪い弟(長男)と妹(二女)がいること。

財産と言っても数百万円預貯金とご実家のみであること。

ご相談者様は仕事もやめ実家に同居し、お母様の介護を行っていたこと。

ご相談者様は独身で今後の生活の糧にとお母様が遺言を遺してくれたこと。

遺言に納得しない弟がどこかに相談して遺留分を侵害していると言ってきたこと。

 

まず、遺留分についてご説明しました。

遺留分とは相続人に法律上保障されている最低限度の相続分のことです。

法定相続分の半分が遺留分割合となりますので、今回のケースでは、弟様と妹様は遺産の6分の1について遺留分があります。

 

今回の遺言では、すべての遺産をご相談者様が相続するということになっていますので、遺産の中から遺留分を返還しなければなりません。

 

 

弟様が遺留分を請求するなら妹様も一緒に請求するといっているようです。

 

「なんでこんな遺言を・・・・」

ご相談者様はとても苦しそうにおっしゃられました。

 

せめて預貯金がもう少しあればよかったのですが、預貯金は200万円だけでした。預貯金を分けてしまうと今度はご相談者様の今後の生活資金に困ってしまいます。

 

まずは、不動産の価値を算定し遺産総額を決定することが必要である旨を述べて、初回の面談は終了しました。

 

1週間後、不動産の売却価格を算定し、ご相談者様に提出しました。

不動産はおおむね1000万円~1200万円前後の価値があるとのことでした。

 

不動産が1000万円、預貯金が200万円ですので遺産総額が1200万円となり、弟様と妹様にはその6分の1である200万円を返還しなければなりません。

 

しかし、ご相談者様にもまとまった貯金はなく、不動産の持ち分を共有名義にするか、不動産を売却、換価して金銭で分けるかしか方法はありません。

 

ご相談者様は「実家を失いたくない」と言われました。

住み慣れた実家を手放すことへの亡き母親への申し訳なさ、そして、職もないのでこれからの生活に対する不安がありありと見てとれました。

 

しばらく考えますとご相談者様は言われて、この時の面談は終わりました。

 

ご相談者様が決心した理由

 

1週間後、ご相談者様が再び事務所にお越しになられたときはすでに決心を固めていたようです。

 

「残念ですが、実家は売却することにします」

「いまさら何ができるかわかりませんが、仕事も探します」

 

今後の生活のことは当然のことながら不安を残したままですが、ご相談者様の決意は非常に固いように思えました。

 

そこまでの心変わりをしたのは何だったのか?

 

「弟はともかく、まさか妹まで遺留分を請求してくるとは思いませんでした」

「妹は結婚して子どももいて、何不自由なく暮らしているのに。たまに実家に顔を見せるだけで、母親の面倒もみなかった」

「今後の生活に困ると言っても、簡単に『働け』とだけいってきた。」

「実家を売ったらしばらくの間過ごせるし、つらかった母親の介護も亡くなった。引っ越しをして、弟、妹とも縁を切って、私の人生をこれから楽しみます」

 

 

最終的には介護をしていたご相談者様に寄与分があることを認めてもらい、二人には不動産が売却できたら100万円ずつ支払うことで納得していただきましたが、遺言を遺すことで禍根が残ったという私たちとしても後味が悪いご相談でした。

 

 

遺言は遺言者の最後の遺志だと言われています。

そして、家族の将来を想い作成されます。

 

しかし、今回のケースのように一人の相続人にあまりにも偏った遺言を遺してしまいますと、より大きな禍根を残す結果となるケースもあります。

 

遺言を作成するにあたってはご家族と事前によく話し合い、ご自身の気持ちをきちんとお伝えしておくことがこのようなトラブルを防ぐためには必要です。

 

 

自筆証書遺言は手軽に作成できますが、専門家のアドバイスをなく作成したら余計に相続人間で揉めてしまうケースもありますのでご注意ください。

こんにちは。

 

遺産相続トラブルサポートです。

 

 

 

遺言を作成する際に、遺言にて遺言執行者という人を選任することができます。

 

遺言執行者とは遺言者が亡くなった後、つまり相続が発生したときに、相続人全員の代理人として遺言の内容の通り財産などを分配していく人のことです。

 

遺言執行者は弁護士や司法書士や行政書士などの士業専門家を遺言にて選ぶこともありますが、信託銀行が遺言信託などのサービスの中で就任するケースや、特段資格が必要なわけでもないので、親族の一人がなるケースもあります。

 

遺言執行者を選任するか否かは遺言者の判断なのですが、今回は遺言執行者をプロフェッショナルである士業に依頼をしておいた方がいいケースについて相談事例を基にお話しさせていただきます。

 

遺言の内容通りに作成したら・・・・・

 

ご相談者様は87歳の男性でした。

最初のお電話は奥様からでした。

「主人が遺言を作成したいといっているので、ご相談にのっていただけますか?」と。

ご主人様はだいぶ身体も弱っているようで、ご自宅までご相談に伺うことになりました。

 

遺言の内容を聞く前に、ご相談者様の相続人がどなたになるかを確認させていただきました。

 

ご相談者様は今の奥様と結婚される前に婚姻しており、その前妻との間に長男と長女がいます。そして、今の奥様との間には子はいらっしゃいません。

 

このまま、ご主人様がお亡くなりになられると、今の奥様と長男様、長女様とが相続人となります。

 

その旨を丁寧に説明しました。

 

ご相談者様は

息子と娘には財産をあげたくない」と言いました。

奥様は

「そんなこと言わないで」

とご相談者様をたしなめましたが、ご相談者様は顔を真っ赤にして怒り口調で言いました。

「長女はともかく、長男は近くに住んでいるにもかかわらずまったく家にもよりつかない・・・・」

「あいつには、ずいぶんいろいろとお金をかけた」

 

話を聞くと、長男様には多額の学費、車の購入、マンションの購入、その他、生前贈与と言える支援を多くしていたようです。

 

「では、ご相談者様のご希望としてはどなたに財産をあげたいとお考えですか?」

 

私が尋ねますと

すべてを妻にやりたい。ただ、長男の娘、つまり孫はこれから大学もいく。息子と違って有望だから大学進学に困らないようなお金を遺してあげたい。

ご相談者様は少し落ち着いたようで、ゆっくりとおっしゃりました。

 

遺言は遺言を遺される方のお気持ちが一番大事だと思っています。」

私が話をすると、ご相談者様はほら見ろと言わんばかりの顔で奥様を見ました。

 

「私はなんにもいらないけど・・・・」

奥様は困ったように言いました。

 

「そうですよね。奥様のお立場からしたら、長男様や長女様に申し訳ないという気持ちもおありでしょう。」

私が言うと奥様は頷きました。

 

「遺言を遺されるご相談者様のお気持ちが一番大事だと申し上げましたが、二つ目に大切なのが残されたご家族のことです。今回のようにお子様2人に遺産を残さないとなると、お二人様から遺留分を請求される可能性が高いです。」

 

遺留分とは

 

遺留分とは、相続人が最低限の遺産を確保するために設けられた制度のことで、兄弟姉妹以外の相続人には相続財産の一定割合を取得できる権利(遺留分権)があります。

 

今回のケースでは長女様と長男様には、それぞれ遺産総額の8分の1が相続財産として確保することができます。

 

8分の1に満たない場合には遺留分を侵害されたとして、奥様に遺産の8分の1を満たす財産の請求をすることができます。

 

そうなると奥様は長男様と長女様の矢面にたつことになるでしょう。

奥様も身体が丈夫なわけでもなく、今からそのことを思うと胸が苦しくなるとおっしゃいました。

 

ご相談者様もその旨を理解されたようですが、それでも

「長年にわたる病気の看病などで妻には苦労をかけた。妻が苦労しないように、不自由しないように、安心して過ごせるように少しでも多くの財産を残したい。」

この点については本当にご相談者様の奥様に対する愛情だと感じました。

 

最終、遺留分を請求されるか否かは相続人の判断です。

請求されるかもしれませんし、請求されないかもしれません。

 

しかし、いずれにしても奥様も高齢のため、実際に相続手続きを行う際には大変ご苦労されるでしょう。

 

遺言執行者

 

そこで、遺言執行者を遺言にて選任することをご提案しました。

 

遺言執行者を選任していれば、相続手続きは遺言執行者が行うことができます。長男様や長女様との間の精神的なクッションにもなることもできます。

 

また、遺言に付言事項として先ほどのご相談者様の想いを残しておくことを提案しました。遺言を遺した理由、この分け方にした理由を書くことで、長男様や長女様も理解を示されるケースもあります。

 

今回のケースのように、遺産をもらう方も高齢の場合、遺言の内容の通り、銀行や証券会社、法務局などで手続きを行う事は非常に難しくなってきます。

 

また、遺留分を侵害するケースなどでも通常銀行などの金融機関は遺言執行者として就任するケースはあまりないようです。

 

遺言は遺言者の最後の意思表示だと言われます。

少しでも遺言者の想いが相続人全員に伝わるように丁寧な遺言を作成する必要があります。

 

 

また、遺言は遺されたご遺族のためのものでもあります。

そのために、少しでお役に立てるように専門家を遺言執行者にたてることで手続きをスムーズに、そして心労を軽減することもできると思っています。

 

 

こんにちは。

 

遺産相続トラブルサポートです。

 

隣の家が今にも崩れそうなのに相続人が全くいなかったら・・・・

 

 

 

未婚率の上昇と出生率の低下があいまって、今後は相続人がいないケースも増えてくる可能性があります。

 

また、相続人全員が相続放棄をしてしまうケースもあります。

 

今回は、そのような状況に陥った相談者様をご紹介させていただきます。

 

 

数年前に隣家の方が孤独死をされたとご相談者様は最初に言いました。

 

死亡した際に警察が身寄りを探したそうですが、どうやらはっきりしたことはわからなかったそうです。

 

「かといって、台風が多い昨今、このまま放置していて私の家に被害が出ても困る」

そのような想いで、ご相談者様は隣家の補修なども仕方なく行っていたそうです。

 

不動産の登記情報を請求し、所有名義を確認したところ、どうやら隣家にお住まいだった方と合致したようです。

 

相続財産管理人選任申立て

 

まずは、相続人の調査が必要です。

ご相談者様は家の補修費用を立て替えて支払っていますので、利害関係人にあたり、戸籍の調査を進めることにしました。

 

戸籍の調査を進めていくうちに、どうやら本当に天涯孤独であったようです。

 

婚姻はしたものの、子はなく、すぐに離婚したようです。両親はすでに他界しており、兄弟もいない。

 

相続人がいない以上、最終的に国が財産を所有することになります。

 

しかし、その手続きをするにはまず、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申してる必要があります。

 

利害関係人であるご相談者様が申立人となって相続財産管理人選任の申立てを管轄裁判所に申し立てます。その際に予納金として数十万円を納付する必要があります。

 

亡くなられた方に財産があればその財産から予納金と立て替えた費用があれば返していただくこともできますが、現在のところは不明です。

 

最終、不動産を売却して売却費用から返還を願うこともできる可能性がある。

 

以上のことを説明すると、ご相談者様はしばらく考えてみますと一度ご帰宅されました。

 

 

連絡があったのは二日後の正午過ぎでした。

「手続をお願いしたい」

 

相続財産管理人の選任には約1年の月日がかかります。

非常に長丁場になることも理解されてご相談者様は決断されました。

 

手続の流れ

 

まず、家庭裁判所に申し立てを行います。

 

家庭裁判所が申立てに理由があると認められれば弁護士などを相続財産管理人として選任します。

 

そして、裁判所は相続財産管理人が選任された旨を公告(官報に掲載)します。この期間が2ヶ月です。

 

2ヶ月を経過しても相続人が現れない場合には、さらに2ヶ月以上の期間を定めて債権者や受遺者に対して請求する機会を与えるべく公告を行います。

 

そして、存在を知っている債権者には個別に催告をします。

 

2ヶ月経過後、最終の相続人捜索の公告を6ヶ月以上の期間を定めて行います。

 

上記の期間を終え最終的に弁護士が相続財産管理人に選任され、不動産を売却した中から費用をいただくことができました。

 

最初は終わりがないように思えた長い期間でしたが、ご相談者様は隣の家も更地になり、これで安心だと喜んでお礼をいただきました。

 

今回のケースでは隣地の方が全くの天涯孤独の方だったという事情により相続財産管理人の選任を申し立てたのですが、別のパターンもあります。

 

多くの負債があり、相続人全員が相続放棄をしたケースなどです。

 

この場合では、ご相談者様のような少額債権者の知れないところで相続財産管理人が選任されているケースもあります。

 

 

相続人がいない場合には非常に時間がかかる手続きを踏まなければなりません。ご相談者様のようなケースは昨今の空き家問題と絡んで今後増加する傾向にあると思います。

 

 

相続人がいない方は遺言を遺すことによって財産の処分を行えるように。また、終活などの一環として事前にお金に換価しておくなど、これからの相続には必要なことだと思います。

 

私ども遺産相続トラブルサポートは、生前からの相続対策のご相談を承っています。

 

こんにちは。

 

 

 

遺産トラブル相続サポートです。

 

もしも、自分自身が知らないところで夫に多額の借金があったら・・・・

 

 

相続で承継するのはプラスの財産だけでは有りません。

マイナスの財産も引き継ぐ必要があります。

 

相続人が取りうる手段は3つあります。

①単純承認

②限定承認

③相続放棄

です。

 

 

この3つの手段のどれをとるか、被相続人が亡くなった後、あるいは自分が相続人であると知った日から3カ月以内に決定しなければなりません。

 

今回は、③の相続放棄のやり方について具体的に見ていきたいと思います。

 

 

突然の電話

 

奥様はあわてて私どもの事務所にお電話をされてきました。

名前を名乗ることもできず、ただただ「夫に借金があった」ということを繰り返しました。5分ほどなだめてやっと、お名前を聞き、その日の夕方にご相談を受けることになりました。

 

夕方、3歳程度の女の子の手を引き、奥様は私どもの事務所にやってきました。

お子様には少し離れたテーブルを用意し、子育てになれた熟練スタッフが一緒となり、おとなしく塗り絵や絵本を楽しんでいるようでした。

奥様は少し小声になり

「今朝このようなものがポストに入っていまして・・・・」

と某消費者金融数社からの督促状を見せていただきました。

債務の額は遅延損害金を含めて約500万円でした。

ただし、あて先がどうやらお子様の名前になっているようでした。

 

 

「失礼ですが、ご主人様とは?」と私は尋ねました。

「あの子が生まれてすぐに離婚しました。」

 

なるほど。離婚した場合は奥様は当然のことながら相続人とはなりませんが、お子様が第一順位の相続人であることには変わりはありません。

 

「元ご主人様の遺産は?」

「詳しいことは向こうの両親から聞いていませんが、ほぼ何もないと思います」

 

「返済されるご予定ですか?」

ご相談者様は強く首を振りました。

「とてもそんな余裕はありません・・・・ましてや、あの子に借金を負わせるようなことはできません」

ご相談者様は強い言葉で言い切りました。

 

相続放棄

 

ご主人が亡くなってからすでに2か月を経過しているようです。

相続放棄をするためにはご自身が相続人となったことを知った日から3カ月以内に裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。

今回のケースでは相続人である娘様が父親の死を知った日となりますが、未成年ですので、ご相談者様が知った日と考える必要があります。

 

ご相談者様が知ったのは亡くなって数日とのことでしたので、あまり余裕はありません。

急いで手続きの準備をする必要があります。

 

必要な書類

1.相続放棄の申述書(裁判所のwebサイトにて取得可能)

2.被相続人の住民票の除票

3.申述人の戸籍謄本

4.被相続人死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本

 

今回のケースでは相続人がお子様だけですので、比較的相続放棄で集める書類も少なくなり助かりました。

 

1週間後の同じ時間に面談の約束をしてご相談者様は安心して帰っていきました。

 

相続放棄の提出先

 

1週間後、相続放棄に必要な書類を集め、ご相談者様は事務所にやってきました。

今回は娘様は一緒ではありませんでした。近くに住むご相談者様のお母様が預かってくれているとのことです。

 

「前回は、急なことで母親に頼めなかったんですが、今日は大丈夫でした。やはり、こういった話を聞かせるのは・・・・でも、先日のご対応はとても助かりました。娘はまた事務員さんと一緒に遊びたいと言っていたんです。」

 

そう言っていただけて私どもも胸を締め付けられる想いでした。

 

一通り書類の確認をして、いざ相続放棄の申述書に署名捺印をしていただく段階になって、奥様の筆がとまりました。

 

そして、

「娘が相続放棄したら、この借金はどうなるんでしょう?」

 

第一順位のお子様が放棄されると、第二順位である元ご主人様のご両親が相続人になる旨説明すると、奥様はしばし黙っていらっしゃいましたが、

 

「仕方ありませんよね・・・・この借金がいつのもので何に使ったのかわかりませんし・・・・ましてや私一人で返済していくことなどできませんから・・・・」

 

「先方のご両親様とのご関係は今も・・・・?」私が聞くと

「えぇ。別れたとはいえ、娘は孫ですので。よくしていただいています。この件について相談したところ、気にすることはないとおっしゃってくださっていますが・・・・」

 

「そうですか。わかってくださっているのなら・・・・。一番大切なのは娘様を守ることではありませんか?」

 

私が言うと、ご相談者様はうなずき、署名捺印を済ませました。

 

私は最終書類を確認し、「これで手続きに入る」旨ご相談者様にお伝えしました。

 

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所にする必要があります。

亡くなられたのは隣の件でしたので、今回は郵送にて送付することにしました。

 

必要な書類に、返信用の郵便切手や収入印紙(800円分)を貼付し翌日に郵送しました。

 

 

参考:相続放棄の期間について

 

 

1か月後

家庭裁判所より相続放棄の申述受証明書が届きました。これではれて相続放棄ができました。すぐにご相談者様に連絡を入れると翌日の夕方にお子様を伴って事務所に来ていただけました。

 

書類について説明し、ついでに、債権者に娘様が相続放棄をした旨電話で連絡を入れました。

 

 

「これでもう安心ですね・・・・」

 

ご相談者様は安心した顔で帰っていきました。

「また遊ぼうね」と娘様は名残惜しそうにして手を振っていました。

 

 

私どもは可能な限り、ご相談者様がまた事務所を訪れないことを、強く祈るばかりです。

 

 

 

こんにちは。

 

 

 

遺産トラブル相続サポートです。

 

 

人は必ず死ぬ以上、必ず相続が発生します

 

相続に関する決まりは民法で決められています。今までのブログの記事もすべて民法にのっとって解説させていただいています。

 

「人が死んだら誰が相続人となるのか?」

「遺言で書かなければならないこと」

「相続放棄をするにはいつどこにどうすればいいのか?」

 

これらはすべて民法で定められています。

 

この民法の規定ですが、1980年に定められてから大きな変化(改正といいます)はありませんでした。

 

しかし、1980年から現在は社会情勢も権利意識も大きく変わりました。

それは、相続の現場でも同様です。

 

現在の情勢に合わせるように2018年に民法のうち相続に関する事項についても改正されたわけです。

 

民法の改正については様々な点が改められましたが、今回は改正で新たに創設された「配偶者居住権」についてご説明させていただきます。

 

配偶者居住権とは?

 

配偶者居住権は2018年の民法改正によって新しく創設され、2020年4月1日から施行されています。

 

このように新しく配偶者居住権という権利が成立したということは、成立以前から争いになるケースが多かったということを意味します。

 

配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた時に、一生涯、あるいは、一定の期間、その建物を無償で使用することができる権利です。

 

では、この権利がなくてどのように困ったことがおきていたのかを具体的に見てみましょう。

 

とある奥様のご相談

 

「先日やっと主人の四十九日を終えることができました」

ご相談に来られた70歳代の奥様は最初にそう言いました。

 

ご主人様との間にお子様はいらっしゃらなかったようですが、ご主人様には前妻との間にお子様が1人いらっしゃいました。

 

相続人は奥様と前妻との間の子のお二人です。

 

「四十九日の法要の後に息子がいったのです。『財産は半分ずつわけますよ』と。」

「ただ、家と1000万円くらいの預貯金しか残っていない」

「家は不動産屋さんにきいたら2000万円くらいとのことです」

「住み慣れた家にずっと住みたい。二人でやっとの思いで建てて毎月がんばってローンを返した家なんです」

 

法定相続分通り半分ずつ分けるとなると奥様、お子様とも1500万円となります。

 

ただ、奥様は家に対する思い入れが強く、どうにかこのままご主人様との思い出のある家で住み続けたいと思っていらっしゃいました。

 

他方、お子様は家にはまったく執着がなく、「いっそ売ってしまってお金に換えてしまった方がいい」と主張しています。

 

仮に奥様が家を単独で相続し、お子様が預貯金を相続したとすると

奥様:2000万円 お子様:1000万円

となり、奥様は今後の老後の生活資金として二人で貯めた1000万円をもらえなばかりか、反対に500万円お子様に与えなければならない結果となります。

 

このように奥様が住み慣れた家にこだわればこだわるほど、反対に奥様が苦しい思いをしなければならなくなってしまいます。

 

配偶者居住権ができたから

 

上記の奥様のような不安をなくすために創設されたのが配偶者居住権です。

 

配偶者の場合にだけ、建物についての権利を「負担付きの所有権」と「配偶者居住権」とに分けて考えます。

 

負担付きの所有権」とは耳慣れない言葉ですが、簡単に言いますと「配偶者(奥様あるいはご主人様)を住まわせるという制限がついた建物を所有する」ということです。

 

奥様にとっては住み慣れた家に住み続けることができるということで大きな安心を得ることができます。

 

ただ、配偶者居住権はあくまで自宅に住み続けることができるという権利ですので、人に貸したり、売ったりすることはできません。

 

そしてこの配偶者居住権にはもう一つのメリットがあります。

 

それは、居住権として取得しますので、通常の相続で所有権を取得するよりも建物の評価を大きく下げることができるのです。

 

わかりやすく解説するためにかなり単純化してお話します。

 

先ほどの奥様の例ではご自宅の価値は2000万円ですが居住権は完全な所有権ではありませんので、価値が下がって1000万円        となったとしましょう。

 

そうなると、奥様は配偶者居住権として1000万円分取得することになりますので、1500万円まで、のこり500万円の預貯金を相続することができることになります。

 

こうなると、奥様にとっては住み慣れた家に住むことができるという本来の希望が叶ううえ、さらに老後の資金も確保することができるようになります。

 

もちろん、この計算は配偶者居住権を説明するために単純化した例ですし、老後の資金にしても500万円でたりるのか、ほかに奥様名義での預貯金等があるかどうかという点など、配偶者居住権を主張するか否かはもっとトータルで考えなければなりません

 

ただ、日本の相続の現場では遺産が不動産に偏っているケースが多々あります。

不動産はあるけど、現預金など金融資産がないため分割がうまくいかないで、結局自宅を売却しなければならないケースも多いのです。

 

このように、新設された配偶者居住権はご自宅を残したい配偶者の方を守るために創設された権利です。

 

しかし、反対にご自宅にこだわるために老後資金が枯渇してしまうケースも考えられます。

 

総合的な判断が必要となりますので、是非とも専門家にご相談ください。