University of Maryland Terrapins(メリーランド大学テラピンズ) | Stadiums and Arenas

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アメリカンフットボール部の本拠地SECUスタジアム

University of Maryland Terrapins(メリーランド大学テラピンズ)は、メリーランド州カレッジパーク市にキャンパスを置く同大学の体育会である。

メリーランド大学は、ワシントンDC近郊のメリーランド州カレッジパーク市にキャンパスを置く州立総合大学で、1856年に誕生したMaryland Agricultural College(メリーランド農業学校)を母体とする。1916年にMaryland State College(メリーランド州立学校)になった後、1920年にメリーランド州のいくつかの専門学校を統合して総合大学メリーランド大学となった。メリーランド大学はいくつかのキャンパスがあるが、カレッジパーク校が本部校扱いとなるため、単に「メリーランド大学」と言った場合は通常カレッジパークにあるキャンパスをさす。

運動部の愛称であるTerrapins(テラピンズ)とは、アパラチア地方固有種の「キスイガメ」を意味し、省略してTerps(タープス)と略されることも多い。メリーランド農業学校時代の1856年に、野球とアメリカンフットボールの同好会が活動していた記録があるが、正式に体育会として認められたのは1893年からだったとのことである。メリーランド大学としての体育会は大学が発足した1920年に誕生した。

体育会発足当初は、National Collegiate Athletic Association(ナショナル・カレジエート・アスレティック・アソシエーション/全米大学運動協会、NCAA)のSouthern Conference(サザン・カンファレンス)に所属し、1953年にサザン・カンファレンスがAtlantic Coast Conference(アトランティック・コースト・カンファレンス)が分離独立した時にそちらに移籍した。2012年には、さらにBig Ten Conference(ビッグ・テン・カンファレンス)に移籍して、現在に至っている。

運動部の中では、一番歴史が長いのは1893年に創部された野球部で、5000人収容のShirpley Field at Bob "Turtle" Smith Stadium(シャープリー・フィールド・アット・ボブ・タートル・スミス・スタジアム)を本拠地として活動する。歴史の長さの割にタイトルには恵まれていないが、2010年代以降は継続的に全国大会に出場するようになるなど力をつけており、ここまで38人のメジャーリーガーを輩出している。

アメリカ大学スポーツ界の花形であるアメリカンフットボール部は、野球部に次いで歴史が長く、創部は1896年。51802人収容のSECUスタジアムで活動する。カンファレンス優勝11回、シュガーボウル優勝1回の実績を誇る名門である。プロ入りを果たしたOBの数は挙げればきりがないが、Stan Jones(スタン・ジョーンズ)、Randy White(ランディ・ホワイト)がプロフットボール殿堂入りを果たしており、オールスターやプロボウル、スーパーボウル優勝チームメンバーなども非常に多い。

本拠地としては1923年に旧Byrd Stadium(バード・スタジアム)があったのだが、原っぱのど真ん中に5000人ほどが収容できる簡易的な客席を作っただけのもので、1950年に50000人強が収容できる新しいスタジアムが作られた。新しいスタジアムの名前もバード・スタジアムで、、1900年代から1910年代にアメフトと野球の両方で活躍し、引退後は当校の体育会の発展に尽力したHarry Byrd(ハリー・バード)氏にちなんだ。バード氏は、スタジアムの建設に必要な費用を集めることも尽力し、後に大学の総長にもなったが、2015年にバード氏が生前人種隔離政策支持者であったことが明るみに出ると、生徒会によって彼の名前をスタジアムに冠するのは大学にとって不名誉なことではないかと建議がされた。その後、議論の末にバード氏の名前がスタジアムから外されることとなり、Maryland Stadium(メリーランド・スタジアム)と改称された。その後、2022年にメリーランド州公務員信用組合であるState Employees Credit Union(ステート・エンプロイーズ・クレジット・ユニオン/SECU)が命名権を獲得し、現在の名前に変更されている。SECUスタジアムでは、全国優勝13回の実績を誇る男子ラクロス部もホームゲームを行っている。

大学スポーツのもう1つの花形競技であるバスケットボール部は、やはりメリーランド農業学校時代の1904年に創設され、メリーランド大学になってからはカンファレンス優勝7回を誇る。全国大会では、ベスト8進出4回を果たし、2001年と2002年にベスト4入り、2002年には優勝を経験した。この時期に主力として活動したChris Wilcox(クリス・ウィルコックス)は、NBAで13シーズン628試合に出場し、Juan Dixon(ジュアン・ディクソン)も9シーズン436試合を経験。Lonny Baxter(ロニー・バクスター)はNBAとアメリカ外で12年プロとして活動して、Terence Morris(テレンス・モリス)は2010年にユーロリーグ優勝も果たしている。NBAに多くのOBを輩出し、そのうちキャリア通算500試合以上出場を達成しているのが14人もいる。

ホームゲームは、大学の体育館をしばらく使用した後、1955年に専属アリーナであるCole Field House(コール・フィールド・ハウス)を持つことになり、2002年には17950人収容可能のXfinity Center(エクスフィニティ・センター)を使用している。このベニューは、女子バスケットボール部、バレーボール部(女子のみ)もホームゲームを開催し、レスリング部(男子のみ)の活動拠点にもなっている。女子バスケットボール部も、カンファレンス優勝11回、全国大会ベスト4進出6回、2006年には全国優勝も果たした。

上述したスポーツ以外だと、フィールドホッケー部(女子のみ)も全国優勝8回、男子サッカー部が全国優勝4回を果たし、女子ラクロス部は全国優勝15回、1995年から2001年に7連覇を果たした全米屈指の名門である。体育会全体の成績が非常に優秀な印象を受ける。

伝統的に、隣接するバージニア州にキャンパスを置くUniversity of Virginia Cavaliers(バージニア大学キャバリアーズ)とのライバル関係が有名で、同じカンファレンスで活動した期間が長いことからこのような関係性が発生している。アメフト部は、West Virginia University Mountaineers(ウェスト・バージニア大学マウンテニアーズ)とのライバル関係も有名で、所属カンファレンスが別だった時期が長いにもかかわらず定期戦が組まれている。

メリーランド大学は、各種運動部のホームグラウンドが全てキャンパス内にある。キャンパスまでは、最寄駅のCollege Park(カレッジ・パーク)駅から歩いて30分ほどと意外と遠いので、バスで近くまで来た方がいいだろう。

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