Capital One Arena(キャピタル・ワン・アリーナ) | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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Capital One Arena(キャピタル・ワン・アリーナ)
開場1997年
集客可能人数18506人(アイスホッケー仕様)
20356人(バスケットボール仕様)
名前の変遷MCI Center(MCIセンター)(1997-2006年)
Verizon Center(ヴェライゾン・センター)(2006-2017年)
現行名(2017-現在)
アクセスGallery Place-Chinatown(ギャラリープレイス・チャイナタウン)駅(Washington Metrorail
Red/Yellow/Green Lines[ワシントン・メトロレイルのレッドライン・イエローライン・
グリーンライン])から歩いてすぐ

(写真は全て、2019年2月2日のNBAワシントン・ウィザーズミルウォーキー・バックスの試合より)







上:外観
下3枚:内装。テナントが獲得したタイトルと、永久欠番を示したペナントが下がっている

ワシントンDCを代表する屋内アリーナ。アメリカ4大プロスポーツでは、バスケのNational Basketball Association(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション/NBA)に所属するWashington Wizards(ワシントン・ウィザーズ)と、アイスホッケーのNational Hockey League(ナショナル・ホッケー・リーグ/NHL)のWashington Capitals(ワシントン・キャピタルズ)のホームアリーナとして使用される。

ワシントンDCの屋内アリーナとしては、1973年に開場したCapital Center(キャピタル・センター)があり、ウィザーズとキャピタルズも当初はここを使用していた。だが、開場して20年ほどが経つと新しいアリーナを作る機運が生まれ、1997年にこのアリーナが開場した。電信会社のMCI社がネーミングライツを獲得したため、開場当初はMCIアリーナと呼ばれていたが、2006年に同業のヴェライゾン社に命名権が移り、ヴェライゾン・センターに。2017年以降は金融業のキャピタル・ワン社が命名権契約を締結したため、現行名になっている。

開場当初はバスケで20674人、アイスホッケーで19740人収容可能のアリーナだった。だが、その後規模を縮小して現在はバスケ20356人、アイスホッケー18506人がキャパとなっている。アリーナは、ウィザーズとキャピタルズ両方のオーナー会社であるMonumental Sports and Entertainment(モニュメンタル・スポーツ・アンド・エンターテインメント)社が所有する。アイスホッケーの会場としては氷の質が悪いと批判を受けることが多く、運営会社側も対応に追われているようである。

2万人規模の大型アリーナだが、客席の傾斜が急なので最上層からでも比較的フロアのアクションは見易い。ケチをつけるところがあるとすれば、見下ろすと前に座っている人の頭が視界に入ってしまうところか。

ワシントンDCのスポーツファンは、少しおとなしめという印象を受ける。チアリーディングチームも、日本のようにタイムアウトごとに出てくるわけではなく、試合前やハーフタイムにパフォーマンスをするくらいである。だが、試合前の演出ではバーナーを使ったり、グラフィックをコートに投影したりと、アメリカらしい派手なやり方で楽しませてくれる。








上:試合の眺め
中上:チアリーディングチームの演技
中下・下:試合前の演出。

ウィザーズは1961年にChicago Packers(シカゴ・パッカーズ)として誕生し、翌年Chicago Zephyrs(シカゴ・ゼファーズ)に改名されたが、あまり人気が出ずに翌年ボルティモアに移転。チーム名もBaltimore Bullets(ボルティモア・ブレッツ)に改められた。1964-65シーズンに初めてプレーオフに進出すると、1968年のドラフトで指名したWes Unseld(ウェス・アンセルド)を中心にプレーオフの常連に成長。1970-71シーズンにはNBAファイナルに進出するまでに至った。

1973年に本拠地をワシントンDC郊外(ボルティモアとワシントンは距離的にそれほど離れていない)に移転させ、Capital Bullets(キャピタル・ブレッツ)に改名。翌年はWashington Bullets(ワシントン・ブレッツ)となり、1974-75シーズンに2度目のNBAファイナル進出を果たす。1977-78シーズンには、それまで2度決勝で阻まれ悲願となっていたNBAチャンピオンの座を手に入れた。翌年も、敗れはしたもののファイナル進出を果たしている。

アンセルドが引退した1981年以降も毎年プレーオフ出場権を争えるだけの力は見せていたが、1988-89シーズンにプレーオフを逃すとその後16年でプレーオフ進出はわずかに1回のみという冬の時代を経験する。1997年に、アメリカの銃政策に反対する意味でチーム名をウィザーズに改めたが、その後2003年に獲得したGilbert Arenas(ギルバート・アリーナズ)を中心に多少立て直し、2004-5シーズンに24年ぶりのプレーオフ1回戦突破を果たしている。その後は4年連続でプレーオフ進出を果たした後に5年連続でプレーオフを逃した。2010年代のチームは、2010年のドラフトで指名した高卒ルーキーJohn Wall(ジョン・ウォール)を中心とした構成となっており、2013-14シーズン以降の6年で4回プレーオフ進出、内3回は1回戦突破を果たすなど、ここ数年の中では優れた成績を収めている。2019-20シーズンには、日本代表の八村塁がドラフト指名されたことから、日本のバスケファンの注目も集めている。

キャピタル・ワン・アリーナのもう1つのメジャーテナント、キャピタルズは1974年に創設された。創設1年目では80試合でわずかに8勝と、NHLのシーズン最低勝率記録になるほどひどい成績を残し、創設8年はプレーオフを逃したが、何とかフランチャイズの移転は阻止し、以後は強豪とは言えないながらも毎年プレーオフ進出争いに顔を出せる程度には実力をつけた。1997-98シーズンには下位シードながらプレーオフではOlaf Kolzig(オラフ・ケルツィヒ)らを中心に上位の強豪を次々と撃破し、スタンレーカップ・ファイナルに進出する快進撃を見せている。

現在のチームは、2005年に加入したAlexander Ovechkin(アレクサンドル・オベチキン)を中心としたチームであり、彼が加入して以来3回レギュラーシーズン最多勝点を獲得している。プレーオフでは佳境の試合で敗れてしまうことが多く、スタンレーカップの獲得が悲願となっていたが、2017-18シーズンにとうとうこれを達成した。キャピタル・ワン・アリーナのテナントが、アメリカ4大スポーツで優勝したのはこれが初めてである。

バスケでもアイスホッケーでも、入場料の体系はほぼ同じである。週末よりお客さんが望めない平日であれば、一番安い席は25ドルくらい。ところが、週末になるとこれが50ドルほどに吊り上がる。一番高い席の値段も、平日ならば200ドル弱で済むが、週末だと300ドル近くは覚悟しなければならない。

上述の2チームの他には、ジョージタウン大学バスケ部と、屋内アメフトリーグのArena Football League(アリーナ・フットボール・リーグ)のWashington Valor(ワシントン・バラ―)のホームゲームも行われる。

最寄り駅は、ワシントン・メトロレール(地下鉄)のレッドライン、イエローライン、グリーンラインが乗り入れるギャラリープレイス・チャイナタウン駅で、ここから歩いてすぐである。ダウンタウンにある上に、路線が3つも乗り入れるのでアクセスの良さは抜群である。専用の駐車場はないが、周辺には有料駐車場も多く、キャピタル・ワン・アリーナの公式ホームページを通じて予約もできるようである。市内でも比較的治安のいい地域なので、それほど危険は感じないだろう。食事処を探すこともそれほど難しくはないはずだ。もちろん、イベント時には場内の売店も開く。

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キャピタル・ワン・アリーナ公式ホームページ(英語)