Charles E. Smith Center(チャールズ・E・スミス・センター) | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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Charles E. Smith Center(チャールズ・E・スミス・センター)
開場年1975年
集客可能人数5000人
アクセスFoggy Bottom-GWU(フォギー・ボトム/GWU)駅(Washington Metrorail Blue/Orange/
Silver Lines[ワシントン・メトロレール・ブルー/オレンジ/シルバーライン])より徒歩約5分

(写真は全て、2019年2月7日のアトランティック・テンの試合、ジョージ・ワシントン大学コロニアルズVirginia Commonwealth University Rams[バージニア・コモンウェルス大学ラムズ]の試合から)



外観

George Washington University(ジョージ・ワシントン大学)が所有する屋内アリーナ。

ジョージ・ワシントン大学は1821年にワシントンDCに創設された私立大学で、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンの希望であった「アメリカの首都に大学を作る」という構想が基になっている。ワシントンが生きているうちにこれは叶わなかったが、バプティスト派の有力者ルーサー・ライスの尽力もあって没後に創設に至り、その創設を望んだ初代大統領の名前を大学の名前とした。

体育会は、1881年にアメリカンフットボール部が創設されたときに活動を開始し、1891年に野球部が、1911年に男子バスケットボール部が創設された。National Collegiate Athletic Association(NCAA/全米大学運動協会)のAtlantic Ten Conference(アトランティック・テン・カンファレンス)に所属する。女子バスケットボール部は、カンファレンス優勝7回、全国大会ベスト8進出1回の実績があり、男子サッカー部もカンファレンス優勝を2回経験している。

体育会は、長年Colonials(コロニアルズ)という愛称で活動してきたが、「植民地の人々」という意味の名前は不適切であるという指摘があり、新しいニックネームに変更することが決定。一般公募の末、2022年からRevolutionaries(レボリューショナリーズ)に変更となった。

アメリカの大学スポーツの花形はアメリカンフットボールとバスケットボールだが、アメリカンフットボール部は1966年に廃部となっており、やはり一番注目を集めるスポーツはバスケットボールである。カンファレンス優勝は5回で、主なOBには、ボストン・セルティックスに所属していた1953年から63年までの全てのシーズンでNBA優勝を果たしたGene Guarilia(ジーン・グアリリア)や、12年間NBAでプレーしたMike Brown(マイク・ブラウン)らがいる。日本人で史上2番目のNBAプレーヤーになった、渡邊雄太選手が高校卒業後に進学し、2014年から4年間プレーした。。

チャールズ・E・スミス・センターも、主にバスケ部のホームゲーム会場として使用されるために1975年に作られた。建物の名前は、ワシントン近郊でディベロッパーとして活動した実業家で、このアリーナの建設に必要な資金を提供した人物の名前にちなむ。2008年にはスミス氏の遺族の寄付金によって大々的な改修工事も行われた。

バスケ部は、男子だけでなく女子もこのアリーナを本拠地とする。体操部とバレーボール部(ともに女子のみ)もこのアリーナで活動し、そして男女の水球部が練習や試合を行うためのプールも備え付けられている。






上:内装と、試合の眺め。屋根から、運動部が獲得したタイトルを記したペナントがぶら下がっている。
中:ゴール裏スタンド。
下:ゴール裏スタンドと、試合の眺め。ホームチームの応援団が声援を送る。

都市部にキャンパスを置く私立大学のアリーナということもあり、州立大学のアリーナよりは一回り小さく、キャパは5000人となる。だが、お客さんに試合を見せることが目的のアリーナなので、同規模の日本の総合体育館よりもフロアの面積がはるかに小さく、客席とフロアの距離が非常に近い。こじんまりとした会場であることから声援もよく響き、アメリカのお客さんがかなりあおられ上手であるということも手伝い、会場の雰囲気は素晴らしい。また、日本の屋内スポーツイベント会場ではほとんどお目にかかれない大型の映像装置が屋根の中央からぶら下がっている。

欠点は、客席の傾斜が緩く、前に座っているお客さんの頭が視界に入ること。そして、前の方の席に座ると通路の手すりが視界に入るというデメリットもある(真上の写真参照)。座る場所を選べるのであれば、少し高い位置に座った方がいいかもしれない。


試合前のセレモニー

上の写真を見てもらうとわかるように、白いシャツをまとってコート前中央の客席に陣取った応援団がおり、そのさらに上にはブラスバンドもいる。自前のアリーナを持ち、グッズの販売やスポンサーなどを通じて収入を得るなど、プロのような運営をするアメリカの大学スポーツだが、アリーナの中の雰囲気は意外と日本と似ている。

入場料は、特別な試合でない限りは30ドルから45ドルほどで入れる。安くはないが、コートに近い位置の座席が比較的安く座れるのがいい。

ジョージ・ワシントン大学の体育会以外のスポーツイベントで使われることもあり、World Team Tennis(ワールド・チーム・テニス)という全米テニスリーグ(男女混合団体方式)に所属するWashington Kastles(ワシントン・キャッスルズ)が2014年からホームゲームを行っている。また、全米女子バスケットボールリーグ(WNBA)のWashington Mystics(ワシントン・ミスティックス)が、2018年にリーグ優勝を果たした時、プレーオフでホーム会場として使用したのもここであった。もちろん、コンサートなどのイベントでも使用される。

最寄駅は、ワシントン市地下鉄のブルー・オレンジ・シルバーラインが乗り入れるフォギー・ボトム/GWU駅で、ここから歩いて5分ほど。ワシントンの中心部にある大学キャンパスの中にあるため交通の便はいいが、土地勘がないと意外と食事処を探すことに苦労する。イベントがあるときには出店が開くが、アルコールは客席に持ち込めないのでこちらも注意されたい。

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ジョージ・ワシントン大学コロニアルズ公式ホームページ