Olympiastadion(オリンピアシュタディオン) | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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Olympiastadion(オリンピアシュタディオン)
開場1936年
収容可能人数74475人
アクセスOlympiastadion(S Bahn)駅(S5)より徒歩約5分
Olympiastadion(U Bahn)駅(U2)より徒歩約10分




ヘルタ・ベルリンのホームスタジアム。現在は74475人収容可能なドイツ屈指のスタジアムであり、2006年のドイツ・ワールドカップの試合会場としても使用された。

開場したのは1936年。当時のナチス政権が、その国威を内外に示す目的のために主催され、利用された同年のベルリンオリンピックのメインスタジアムとして作られたことはあまりにも有名である(手塚治虫の「アドルフに告ぐ」の冒頭部でも出てくる)。このスタジアムの周辺には、当時競技に使われた様々な競技場があり、総合運動公園のような場所だったことが伺える。第2次世界大戦は、ヨーロッパではベルリンに立てこもって抵抗するナチス軍を相手に連合軍がベルリンに進行して陥落させることで終結するのだが、オリンピアシュタディオンはほぼ無傷のまま終戦を迎えた。

まず印象的だったのが、(写真ではちょっと解りづらいが)ナチス時代に作られたデザインの外装がそのまま残っていて、にもかかわらず現在もスポーツイベントの会場として普通に使われていることである。ナチス時代というのは、ドイツ人にとってはいわば黒歴史。ナチス時代に作られたものが博物館などで「負の遺産」として展示されていることはあるが、ナチス時代の建築物が特に作り直されるわけでもなく普通にスタジアムとして使われている光景は、ちょっと不思議に感じられた。

とは言え、2004年に現在の規模のスタジアムに増築し、屋根も付けたことから、外観は古めかしくても内部はとてもモダンである。この記事の写真は2013年3月30日、当時ブンデスリーガ2部にいたヘルタの試合を見に行ったときのもので、相手はボーフムだった(なので、ボーフムでプレーしている田坂祐介選手を見ることができた)。

現在はベルリン市(ベルリンは、一個の都市でありながらドイツの中では州と同じステータスを与えられている)の所有で、Olympiastadion Berlin(オリンピアシュタディオン・ベルリン社)によって管理運営されている。

サポーターも、熱狂的なサポーター集団がゴール裏に集結して、試合中ずっと一糸乱れぬ統率でチャントを上げる姿は、日本のスタジアムの風景と似ている。さすがに2部時代だと当日券でも楽々入れたが、今は昇格したのでそうもいかないのではないかと思う。

ドイツ国内でも屈指の大きさを誇るスタジアムなだけあって、ヘルタの試合だけでなく、サッカーのビッグイベントで何度も使用されてきたスタジアムである。ドイツはイングランドやフランスと違って、ナショナルチームのメインスタジアムを置かず国内の様々なスタジアムでホームゲームを行うが、やはり一番多く使用されているのはこのスタジアムである。1974年(当時は西ドイツ)と2006年にワールドカップが行われた際には会場に選ばれており、2006年に至っては決勝の会場にもなっている。2015年にはチャンピオンズリーグの決勝も行われた。国内大会だと、ドイツの国内カップ戦の開場は毎年このスタジアムになることが決まっている。

サッカー以外だと、2010年までは陸上競技のダイヤモンドリーグの試合が必ず年に1回行われており、2009年には世界陸上選手権の会場にもなった(ウサイン・ボルトが現在の100mと200mの世界記録を打ち立てた大会)。1990年以降は世界的アーティストのコンサート会場としても有名である。

           


上:オリンピアシュタディオン内部
下:オリンピアシュタディオン・オストクルヴ(ホームサポーター席)

オリンピアシュタディオンにはUバーン(地下鉄)2番でもSバーン(電車)5番でも来れるので、交通の便はいい。UバーンとSバーンで駅が違うが、どちらも駅からは10分もあればつく。試合の日は出店も出ているので、食事の調達には困らない。

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オリンピアシュタディオン公式ホームページ(英語版)
ヘルタ・ベルリン公式ホームページ(英語版)

           




上:旧東ベルリン側の街並み
中央:旧西側の街並み
下:サンスーシ宮殿(ポツダム)

ベルリンには、イギリス滞在中に友人がいたということもあって1週間旅行で滞在した。ベルリンはドイツの首都で人口が一番多い都市だが、経済中心地区であるドイツ西部やバイエルンからかなり離れていて、ドイツ経済の中心と言うわけではない。ただ、冷戦期に東西分断を経験したこの町は、ベルリンの壁があったブランデンブルク門の周辺から街並みが一変して、その印象が強烈に残っている。観光地としては、西側やベルリン西部の郊外にあるポツダムなんかには17世紀の頃の王宮などの歴史的建造物もある。かと思えば、街中ではパンクロッカーみたいな恰好をした若者が普通に歩き回っていて、人の雰囲気は結構前衛的だと感じた。

また、ベルリンでは週末に地下鉄が24時間動くので、飲み歩きもし易い(物価も安い)。ドイツと言えばビールだが、ベルリン周辺の地ビールはピルスナー(チェコ・プルゼン地方発祥のラガービール)。これをご当地B級グルメ(のようなもの)であるカレーヴルストやケバブと一緒にいただくのが楽しかった。