前回の続きは夜の更けゆく青森から、いよいよはななすに乗車します!
【第2日目 3/31(Sat)】
青森22:42~(急行はまなす 札幌行き)~06:07札幌
■Aomori Station Tarminal Memories
青森のご当地ラーメン「味噌カレー牛乳ラーメン」をたらふく食べた後は、
途中でこれからの軽食などを調達しながら青森駅に戻ることにしました。
はまなす発車まで2時間もありますが、夕食も食べたのでいよいよ暇に。
やることがないので仕方なく駅構内の待合室に座って時間を潰します。
さてここからは今回の目的である北海道に急行はまなすで上陸します!
『北まで届け、未訪の春』というわけで北海道ではまだ訪れぬ春を求め、
まだまだ雪景色が残る北海道を乗り・撮りの両方から見ていきます。
今回は4/1:第3日目の最終目的地を道央の中心都市は旭川に設定。
午前は札幌圏の鉄道撮影・午後は道央の支線を乗り潰そうと思います。
そして、その今回乗り潰す道央の支線に選んだのが、「留萌本線」。
函館本線の深川から分岐し留萌を通って増毛まで結ぶローカル線です。
何より最終目的地の旭川へ向かうのに寄り道程度で効率がいいですし、
さらに平野部・山間部・海岸部の3つの車窓を楽しめる路線だからです。
今回はそんな冬旅情がある北海道のローカル線を乗り歩いていきます。
回****レ EF81-44+24系12Bトワイライト編成
過去に急行はまなすで自由席・カーペットカーの2種類に乗りましたが、
まだ指定席のドリームカーとB寝台には1度も乗ったことがありません。
というわけで今回は横に近い状態になれるドリームカーに乗車します。
(B寝台は他のブルトレで乗ってるのでたぶん乗らないまま終わってしまいそうです^^;)
そのため座席確保でホームに並んでいる必要は全くなし。余計暇です。
・・・が、おや奥のホームに緑色の車両が止まっているのが見えました。
緑一色の車体に黄色ライン・・・まさか?と思ってそのホームに向かうと、
そこに止まっていたのはやはりトワイライトエクスプレスの編成でした!
しかし、本来この時間にトワイライトEXP.が青森なはずがありません。
気になったのでJR北海道のサイトやらネットであれこれ調べてみると、
昨夜のトワイライトEXP.が青森で運転中止になったと分かりました。
車両故障が原因だそうで、おそらく運転に支障が出る程なのでしょう。
そこで車両故障を修復することが出来る青森までその編成を運んで、
修復し終わり所属区まで返却されるのがこのトワイライト編成の正体。
なるほど、確かに車内には乗客が誰1人として乗っていませんでした。
牽引はEF81-44、おそらく昨日のトワイライトEXP.の牽引機です。
EF81が牽引ということなので大阪の宮原車両基地まで戻るのでしょう。
長い間雪の降るホームにいたからか車体に水滴が付着していますね。
側面幕。因みに車両故障を起こしたのは札幌行きのトワイライトEXP.。
このとき側面幕は回送ではなく札幌行きトワイライトEXP.のままでした。
きっと運転打ち切りになって修理した時からずっとこのままなのでしょう。
敦賀所属のプレートとナンバープレート・HMとともに。
そういえば、北海道新幹線開業でトワイライトEXP.どうなるのでしょう?
このままでは青函トンネルを通れなくなり最悪廃止になってしまいます。
さらに、北陸新幹線の開業で北陸本線は第3セクターに移管されるので、
わざわざ他社線を通してまで寝台列車を走らせるかと言うとあやしい話。
トワイライトEXP.の動向からもなかなか目が離せませんね。
そしてしばらくすると、トワイライトEXP.編成は大阪へ向けて発車。
乗客が疎らになってきた駅には夜の閑散とした雰囲気が再び訪れます。
それにしてもトワイライトEXP.の返却回送が見れるとは予想外でした。
普段この時間青森駅では絶対見られないので、"いい予想外"ですね。
・・・しかし、もう1つ"悪い予想外"も。
なんでも留萌本線が土砂崩れで留萌~増毛が運休だというのです。
それも復旧予定は4/2。留萌本線に乗るのは4/1なので間に合いません。
3日目午前は札幌近郊で撮影・午後は留萌本線に乗車の予定でしたが、
増毛まで行けないと流石に中途半端で気に入らないので計画は中止に。
しかし留萌本線に乗るのが不可能となると、もう完璧に計画総破綻です。
とりあえず午前中は予定通り行動するとして、それじゃあ午後は・・・?
・・・明日の行程は急行はまなすに乗ってじっくり考えることにしました。
本当に素晴らしいエイプリルフールをありがとうございますねJR北海道さん(笑)
さて急行はまなすの青森入線は22:16頃、発車まで30分ほどあります。
21:11発の普通蟹田行きの列車が発車するとすぐに入線してきます。
今回は指定席なので座席争奪戦はなくゆっくり乗ることができますが、
メンバーでラウンジスペースを確保するために早めに並んでいました。
(因みに今回は学校の「鉄研旅行」という枠組みなので3・40人単位での移動ですw)
最前列を確保したので、後は入線までまったり待つだけです。
201レ 急行はまなす ED79-14+14系8B
・・・そして22:16、DE10に牽かれて14系客車の急行はまなすが入線!
同じ14系のブルートレインでも金帯と白帯が混合しているその編成は、
いかにも乗客に合わせて増解結が自由な夜行客車列車らしいですね。
入線してしばらくするとプシューと空気の音がしてドアが開きます。
今回乗るのは"3号車のドリームカー"。ドリームカーと言えばやはり・・・
5・6号車 普通車指定席「ドリームカー」
通常編成に2両組まれているのが指定座席車両の「ドリームカー」。
かつて夜行バスに対抗し札幌~釧路を走った「急行まりも」の車両です。
そのため急行用の普通車ながらも車内の設備はかなりハイグレードで、
乗車券+1770円という安さで特急グリーン車に相当する座席に座れます。
夜行バスに対抗する策として、最大145度まで倒せるリクライニング。
また、シートピッチはJRの標準的な特急グリーン車両と同じサイズです。
また前の座席にはフットレスト・肘掛には小さいながら唯一のテーブル、
天井には読書灯と空調がありその他の諸設備もしっかり整っています。
因みにこの車両は元々は特急車両のグリーン車を改造したものなので、
ドリームカーのいたるところにその面影を感じられる特徴が残ります。
・・・この急行まりもの指定席車両!設備がかなりハイグレードですね!
かなりのリクライニング角度なので限りなく横に近い状態で寝られます。
流石、夜行バスに対抗していかに快適さを出そうとしただけはあります。
しかしこれは5・6号車だけ。切符に書かれた3号車指定席はと言うと・・・
3・7号車 普通車自由席
3・7号車は簡易リクライニング仕様のいたって簡素な座席。
リクライニングもさほど倒れず、シートピッチはかなり狭いつくりです。
さらに前の座席にテーブルはなく網モケットだけで、物置は窓枠程度。
設備に拘らず単に「座って寝て移動するだけ」向けなのかもしれません。
因みに、繁盛期には3号車が指定席車両として扱われることがあります。
ドリームカーよりも16人多く乗せられるが故の指定席扱いなのでしょう。
・・・この自由席と全く同じ座席(というか車両)が今回乗る指定席。
要するにただ自由席の座席に番号を振り分け指定しただけのものです。
しかしそれでも乗客は集まるもの、この日の3号車は満席のようでした。
物好きが集まってくるという急行はまなすの人気さがよく分かりますね。
どうやらメンバーたちはラウンジスペースを丸ごと確保できたようなので、
自分の座席に荷物を置いてとりあえず車両を撮影しにいくことにしました。
こんな日常の光景も北海道新幹線が開業すれば見られなくなるでしょう。
「急行はまなす 22:42 札幌」・・・この文字もまもなく終焉・・・
ED79-14
牽引機とHM、そして反射するトレインマーク。牽引はED79-14でした。
この日は、繁盛期のために例の如く増結21号車が連結されていたので、
機関車の先頭部分がホーム先端からちょっとだけはみ出していました。
さて一通り編成を見て回ってから自分の座席に戻ることにしました。
見たところ、B寝台には空きが多く、指定席は満席、自由席も混雑状態。
やはりリーズナブルに寝ながら移動できる指定席と自由席が人気です。
自分の席に戻ってくると、荷物をとってラウンジスペースに行きました。
「ラウンジスペース」は各ドリームカーの車両の車端部に位置していて、
4席の椅子と大きいテーブルが通路挟んで左右1つ設置されています。
乗客ならば誰でも自由に使えるので、密かながら競争が激しい区画。
仲間内で占領しテーブルに食べ物を広げれば小さな宴会ができます。
今回は運良く(?)、2ヶ所あるうちの1ヶ所全ての8席を確保できました。
後はラウンジスペースに座ってまったり出発を待つだけです。
そして22:46、急行はまなすは定刻通りに青森を発車しました!
独特の客車ゴトンを起こしながら列車は駅のポイントを渡っていきます。
まもなく♪ハイケンスのセレナーデと共に車掌による肉声の車内放送。
途中つまづきながらも読んでいくのがいかにもそれらしい雰囲気です。
列車は夜の津軽海峡線を走り抜けると速度を落とし蟹田で一旦停車。
JR東日本とJR北海道の社境なのでここで乗務員交代が行われます。
しばらくの停車の後、再び列車は発車していよいよ青函トンネルへ!
トンネルに入ると直後に青い蛍光灯・・・北海道への入口を知らせます。
列車は青函トンネルを高速で北海道へと向けて駆け抜けていきます。
途中でみんなでわいわい宴会をやったり、他の乗客たちと話をしたり、
・・・そういう旅先での「出会い」や「ふれあい」も夜行列車の楽しみ。
その機会がまた1つ減ろうとしているのは、なかなか悲しいものです。
さて函館に着く前に明日午後の行程を考えなければならないのですが、
留萌本線が運休となると旭川へは2ルートのみに縛られてしまいます。
何かおもしろい列車はないものか・・・とペラペラ時刻表を捲っていると、
・・・ありました、昼前に札幌を出て予定通りに旭川に着ける方法が!
しかも、まだ乗ったことのない区間・車両にも乗ることができるのです。
しっかりと「ローカル線に乗ってまったり旅」という目的も達成できます。
時間にも余裕が出来たので今回は"その方法"で旭川まで向かいます。
201レ 急行はまなす ED79-14+14系8B
列車は1時間ほどで青函トンネルを抜けると、いよいよ北海道上陸!
津軽海峡線から木古内に停車し、江差線を通って函館を目指します。
そして列車は夜の津軽海峡を見ながら江差線を走っていくこと約30分、
定刻通りに最初の道内停車駅で長時間停車駅は函館に到着しました。
急行はまなすの函館長時間停車と言えば、おなじみ機関車交代!
もちろん函館まで起きていたのはこの機関車交代を見るためです。
ドアが開きED79側先頭に向かうと早くもED79が切り離されていました。
頭単式ホームなのでED79はしばらく停車します。ここまでお疲れ様!
201レ 急行はまなす 14系8B+DD51-1102
そしてここからは非電化区間になるので牽引はDD51にバトンタッチ。
既に機関車が連結されていていつでも発車できるよう待機していました。
DD51のガソリンの臭いとエンジンの音のなんとも言えない重厚感・・・
この組み合わせを見ると、いよいよ北海道なんだ!と実感が湧きます。
DD51-1102
DD51-1102の側面のナンバープレートとメーカーズプレート。
函館運転所所属を表す「函」と重連仕様を表す「重」の文字もあります。
青い塗装に白と金のマークがいかにも道内の寝台特急らしいですね。
ナンバープレートと反射した急行はまなすのトレインマーク。
この組み合わせもあともう数年したらなくなるので記録しておきます。
最後に電光掲示板とはまなすの車体を絡めて撮って自分の席へ。
もう夜も1時半なので明日の朝も早いし、いい加減寝ることにしました。
そして定刻通り01:23に函館を発車し逆方向に列車は進んでいきます。
後は函館本線と室蘭本線で札幌を目指すだけ。4時間の深夜旅です。
シートピッチが狭くてずっと座っているのはなかなか体勢が辛いですが、
疲れていたのか案外列車が函館を発車したらすぐ寝れてしまいました。
快適とは言い切れませんが、自由席の座席でもぐっすり眠れますね。
起きて外を見てみると・・・空は明るくて軽く雲がかかるだけで雪晴れ!
列車は雪晴れの元、さらさらな雪を巻き上げつつ札幌へ走ってきます。
そして06:07、終点の札幌に到着しました!ようやく北海道上陸です。
列車から降りると、まだ寒い北海道の凍える風が吹き込んできました。
いよいよまだ冬景色の残る春の北海道まで来た実感が湧いてきます。
さて、まず午前は予定通り札幌近郊で鉄道撮影をします。
今回は早朝を走る北海道らしい珍しい貨物列車を撮影しにいきます!
そして北海道ではすっかりおなじみの函館本線の異端な特急列車も。
まずはまだまだ雪が残っている札幌近郊の鉄道を記録しに行きます。
続きは次回、札幌駅から北海道の鉄道を撮影します。
そういえば、日付けが変わった4/1に正式に高校生を迎えました!
急行はまなすで人生の節目を迎えられるとはなんていい旅人生・・・