No Photo,No Life!! -5ページ目

No Photo,No Life!!

JR全線完乗が目標の旅ブログ・・・「旅ノート」。乗り鉄・撮り鉄・模型鉄以外にも、PC・釣り・飛行機などなど多趣味で、面倒くさがり屋な、そんな学生のブログです。

前回の続きは夜の更けゆく青森から、いよいよはななすに乗車します!



【第2日目 3/31(Sat)】

 青森22:42~(急行はまなす 札幌行き)~06:07札幌


■Aomori Station Tarminal Memories


No Photo,No Life!!


青森のご当地ラーメン「味噌カレー牛乳ラーメン」をたらふく食べた後は、

途中でこれからの軽食などを調達しながら青森駅に戻ることにしました。

はまなす発車まで2時間もありますが、夕食も食べたのでいよいよ暇に。

やることがないので仕方なく駅構内の待合室に座って時間を潰します。


さてここからは今回の目的である北海道に急行はまなすで上陸します!

『北まで届け、未訪の春』というわけで北海道ではまだ訪れぬ春を求め、

まだまだ雪景色が残る北海道を乗り・撮りの両方から見ていきます。

今回は4/1:第3日目の最終目的地を道央の中心都市は旭川に設定。

午前は札幌圏の鉄道撮影・午後は道央の支線を乗り潰そうと思います。

そして、その今回乗り潰す道央の支線に選んだのが、「留萌本線」。

函館本線の深川から分岐し留萌を通って増毛まで結ぶローカル線です。

何より最終目的地の旭川へ向かうのに寄り道程度で効率がいいですし、

さらに平野部・山間部・海岸部の3つの車窓を楽しめる路線だからです。

今回はそんな冬旅情がある北海道のローカル線を乗り歩いていきます。


No Photo,No Life!!

回****レ EF81-44+24系12Bトワイライト編成


過去に急行はまなすで自由席・カーペットカーの2種類に乗りましたが、

まだ指定席のドリームカーとB寝台には1度も乗ったことがありません。

というわけで今回は横に近い状態になれるドリームカーに乗車します。

(B寝台は他のブルトレで乗ってるのでたぶん乗らないまま終わってしまいそうです^^;)

そのため座席確保でホームに並んでいる必要は全くなし。余計暇です。


・・・が、おや奥のホームに緑色の車両が止まっているのが見えました。

緑一色の車体に黄色ライン・・・まさか?と思ってそのホームに向かうと、

そこに止まっていたのはやはりトワイライトエクスプレスの編成でした!

しかし、本来この時間にトワイライトEXP.が青森なはずがありません。

気になったのでJR北海道のサイトやらネットであれこれ調べてみると、

昨夜のトワイライトEXP.が青森で運転中止になったと分かりました。

車両故障が原因だそうで、おそらく運転に支障が出る程なのでしょう。

そこで車両故障を修復することが出来る青森までその編成を運んで、

修復し終わり所属区まで返却されるのがこのトワイライト編成の正体。

なるほど、確かに車内には乗客が誰1人として乗っていませんでした。


No Photo,No Life!!


牽引はEF81-44、おそらく昨日のトワイライトEXP.の牽引機です。

EF81が牽引ということなので大阪の宮原車両基地まで戻るのでしょう。

長い間雪の降るホームにいたからか車体に水滴が付着していますね。


No Photo,No Life!!


側面幕。因みに車両故障を起こしたのは札幌行きのトワイライトEXP.。

このとき側面幕は回送ではなく札幌行きトワイライトEXP.のままでした。

きっと運転打ち切りになって修理した時からずっとこのままなのでしょう。


No Photo,No Life!!


敦賀所属のプレートとナンバープレート・HMとともに。

そういえば、北海道新幹線開業でトワイライトEXP.どうなるのでしょう?

このままでは青函トンネルを通れなくなり最悪廃止になってしまいます。

さらに、北陸新幹線の開業で北陸本線は第3セクターに移管されるので、

わざわざ他社線を通してまで寝台列車を走らせるかと言うとあやしい話。

トワイライトEXP.の動向からもなかなか目が離せませんね。


そしてしばらくすると、トワイライトEXP.編成は大阪へ向けて発車。

乗客が疎らになってきた駅には夜の閑散とした雰囲気が再び訪れます。

それにしてもトワイライトEXP.の返却回送が見れるとは予想外でした。

普段この時間青森駅では絶対見られないので、"いい予想外"ですね。


No Photo,No Life!!


・・・しかし、もう1つ"悪い予想外"も。

なんでも留萌本線が土砂崩れで留萌~増毛が運休だというのです。

それも復旧予定は4/2。留萌本線に乗るのは4/1なので間に合いません。

3日目午前は札幌近郊で撮影・午後は留萌本線に乗車の予定でしたが、

増毛まで行けないと流石に中途半端で気に入らないので計画は中止に。

しかし留萌本線に乗るのが不可能となると、もう完璧に計画総破綻です。

とりあえず午前中は予定通り行動するとして、それじゃあ午後は・・・?

・・・明日の行程は急行はまなすに乗ってじっくり考えることにしました。

本当に素晴らしいエイプリルフールをありがとうございますねJR北海道さん(笑)


さて急行はまなすの青森入線は22:16頃、発車まで30分ほどあります。

21:11発の普通蟹田行きの列車が発車するとすぐに入線してきます。

今回は指定席なので座席争奪戦はなくゆっくり乗ることができますが、

メンバーでラウンジスペースを確保するために早めに並んでいました。

(因みに今回は学校の「鉄研旅行」という枠組みなので3・40人単位での移動ですw

最前列を確保したので、後は入線までまったり待つだけです。


No Photo,No Life!!

201レ 急行はまなす ED79-14+14系8B


・・・そして22:16、DE10に牽かれて14系客車の急行はまなすが入線!

同じ14系のブルートレインでも金帯と白帯が混合しているその編成は、

いかにも乗客に合わせて増解結が自由な夜行客車列車らしいですね。

入線してしばらくするとプシューと空気の音がしてドアが開きます。

今回乗るのは"3号車のドリームカー"。ドリームカーと言えばやはり・・・


No Photo,No Life!!

5・6号車 普通車指定席「ドリームカー」


通常編成に2両組まれているのが指定座席車両の「ドリームカー」。

かつて夜行バスに対抗し札幌~釧路を走った「急行まりも」の車両です。

そのため急行用の普通車ながらも車内の設備はかなりハイグレードで、

乗車券+1770円という安さで特急グリーン車に相当する座席に座れます。

夜行バスに対抗する策として、最大145度まで倒せるリクライニング。

また、シートピッチはJRの標準的な特急グリーン車両と同じサイズです。

また前の座席にはフットレスト・肘掛には小さいながら唯一のテーブル、

天井には読書灯と空調がありその他の諸設備もしっかり整っています。

因みにこの車両は元々は特急車両のグリーン車を改造したものなので、

ドリームカーのいたるところにその面影を感じられる特徴が残ります。


・・・この急行まりもの指定席車両!設備がかなりハイグレードですね!

かなりのリクライニング角度なので限りなく横に近い状態で寝られます。

流石、夜行バスに対抗していかに快適さを出そうとしただけはあります。

しかしこれは5・6号車だけ。切符に書かれた3号車指定席はと言うと・・・


No Photo,No Life!!

3・7号車 普通車自由席


3・7号車は簡易リクライニング仕様のいたって簡素な座席。

リクライニングもさほど倒れず、シートピッチはかなり狭いつくりです。

さらに前の座席にテーブルはなく網モケットだけで、物置は窓枠程度。

設備に拘らず単に「座って寝て移動するだけ」向けなのかもしれません。

因みに、繁盛期には3号車が指定席車両として扱われることがあります。

ドリームカーよりも16人多く乗せられるが故の指定席扱いなのでしょう。


・・・この自由席と全く同じ座席(というか車両)が今回乗る指定席。

要するにただ自由席の座席に番号を振り分け指定しただけのものです。

しかしそれでも乗客は集まるもの、この日の3号車は満席のようでした。

物好きが集まってくるという急行はまなすの人気さがよく分かりますね。


No Photo,No Life!!


どうやらメンバーたちはラウンジスペースを丸ごと確保できたようなので、

自分の座席に荷物を置いてとりあえず車両を撮影しにいくことにしました。

こんな日常の光景も北海道新幹線が開業すれば見られなくなるでしょう。

「急行はまなす 22:42 札幌」・・・この文字もまもなく終焉・・・


No Photo,No Life!!

ED79-14


牽引機とHM、そして反射するトレインマーク。牽引はED79-14でした。

この日は、繁盛期のために例の如く増結21号車が連結されていたので、

機関車の先頭部分がホーム先端からちょっとだけはみ出していました。


さて一通り編成を見て回ってから自分の座席に戻ることにしました。

見たところ、B寝台には空きが多く、指定席は満席、自由席も混雑状態。

やはりリーズナブルに寝ながら移動できる指定席と自由席が人気です。

自分の席に戻ってくると、荷物をとってラウンジスペースに行きました。

「ラウンジスペース」は各ドリームカーの車両の車端部に位置していて、

4席の椅子と大きいテーブルが通路挟んで左右1つ設置されています。

乗客ならば誰でも自由に使えるので、密かながら競争が激しい区画。

仲間内で占領しテーブルに食べ物を広げれば小さな宴会ができます。

今回は運良く(?)、2ヶ所あるうちの1ヶ所全ての8席を確保できました。

後はラウンジスペースに座ってまったり出発を待つだけです。


No Photo,No Life!!


そして22:46、急行はまなすは定刻通りに青森を発車しました!

独特の客車ゴトンを起こしながら列車は駅のポイントを渡っていきます。

まもなく♪ハイケンスのセレナーデと共に車掌による肉声の車内放送。

途中つまづきながらも読んでいくのがいかにもそれらしい雰囲気です。

列車は夜の津軽海峡線を走り抜けると速度を落とし蟹田で一旦停車。

JR東日本とJR北海道の社境なのでここで乗務員交代が行われます。

しばらくの停車の後、再び列車は発車していよいよ青函トンネルへ!

トンネルに入ると直後に青い蛍光灯・・・北海道への入口を知らせます。

列車は青函トンネルを高速で北海道へと向けて駆け抜けていきます。

途中でみんなでわいわい宴会をやったり、他の乗客たちと話をしたり、

・・・そういう旅先での「出会い」や「ふれあい」も夜行列車の楽しみ。

その機会がまた1つ減ろうとしているのは、なかなか悲しいものです。


さて函館に着く前に明日午後の行程を考えなければならないのですが、

留萌本線が運休となると旭川へは2ルートのみに縛られてしまいます。

何かおもしろい列車はないものか・・・とペラペラ時刻表を捲っていると、

・・・ありました、昼前に札幌を出て予定通りに旭川に着ける方法が!

しかも、まだ乗ったことのない区間・車両にも乗ることができるのです。

しっかりと「ローカル線に乗ってまったり旅」という目的も達成できます。

時間にも余裕が出来たので今回は"その方法"で旭川まで向かいます。


No Photo,No Life!!

201レ 急行はまなす ED79-14+14系8B


列車は1時間ほどで青函トンネルを抜けると、いよいよ北海道上陸!

津軽海峡線から木古内に停車し、江差線を通って函館を目指します。

そして列車は夜の津軽海峡を見ながら江差線を走っていくこと約30分、

定刻通りに最初の道内停車駅で長時間停車駅は函館に到着しました。


急行はまなすの函館長時間停車と言えば、おなじみ機関車交代!

もちろん函館まで起きていたのはこの機関車交代を見るためです。

ドアが開きED79側先頭に向かうと早くもED79が切り離されていました。

頭単式ホームなのでED79はしばらく停車します。ここまでお疲れ様!


No Photo,No Life!!

201レ 急行はまなす 14系8B+DD51-1102


そしてここからは非電化区間になるので牽引はDD51にバトンタッチ。

既に機関車が連結されていていつでも発車できるよう待機していました。

DD51のガソリンの臭いとエンジンの音のなんとも言えない重厚感・・・

この組み合わせを見ると、いよいよ北海道なんだ!と実感が湧きます。


No Photo,No Life!!

DD51-1102


DD51-1102の側面のナンバープレートとメーカーズプレート。

函館運転所所属を表す「函」と重連仕様を表す「重」の文字もあります。

青い塗装に白と金のマークがいかにも道内の寝台特急らしいですね。


No Photo,No Life!!


ナンバープレートと反射した急行はまなすのトレインマーク。

この組み合わせもあともう数年したらなくなるので記録しておきます。


No Photo,No Life!!


最後に電光掲示板とはまなすの車体を絡めて撮って自分の席へ。

もう夜も1時半なので明日の朝も早いし、いい加減寝ることにしました。

そして定刻通り01:23に函館を発車し逆方向に列車は進んでいきます。

後は函館本線と室蘭本線で札幌を目指すだけ。4時間の深夜旅です。


No Photo,No Life!!


シートピッチが狭くてずっと座っているのはなかなか体勢が辛いですが、

疲れていたのか案外列車が函館を発車したらすぐ寝れてしまいました。

快適とは言い切れませんが、自由席の座席でもぐっすり眠れますね。

起きて外を見てみると・・・空は明るくて軽く雲がかかるだけで雪晴れ!

列車は雪晴れの元、さらさらな雪を巻き上げつつ札幌へ走ってきます。

そして06:07、終点の札幌に到着しました!ようやく北海道上陸です。

列車から降りると、まだ寒い北海道の凍える風が吹き込んできました。

いよいよまだ冬景色の残る春の北海道まで来た実感が湧いてきます。


さて、まず午前は予定通り札幌近郊で鉄道撮影をします。

今回は早朝を走る北海道らしい珍しい貨物列車を撮影しにいきます!

そして北海道ではすっかりおなじみの函館本線の異端な特急列車も。

まずはまだまだ雪が残っている札幌近郊の鉄道を記録しに行きます。



続きは次回、札幌駅から北海道の鉄道を撮影します。

そういえば、日付けが変わった4/1に正式に高校生を迎えました!

急行はまなすで人生の節目を迎えられるとはなんていい旅人生・・・

前回の続きは深浦駅から、まだまだリゾートしらかみに乗っていきます。



【第2日目 3/31(Sat)】

 深浦(16:40)~(快速リゾートしらかみ5号 青森行き)~19:19青森

  <青森駅周辺散策>


■リゾート列車でまったり旅2


No Photo,No Life!!


深浦まで臨時でブナ編成代走になったリゾートしらかみ5号で深浦着き、

ここでブナ編成から所定通りの新型ハイブリッド車両に乗換えをします。

しかし、ドアは開いたもののまだ所定車両の到着まで時間があるそうで、

車掌が所定車両の到着まで車内で待機するよう放送で勧めていました。

まだ降りる支度をしていなかったのでゆっくり慌てず荷物をまとめます。

でもやっぱり入線が見たかったので列車からすぐ降りることに(笑)

小雨が降っていましたが外で待つのに大して支障はありませんでした。

そして、そどなくして警笛を鳴らしながら、新型ハイブリッド車両が入線。

銀色のステンレスの車体に青と水色の横縞の塗装をまとった車両が、

どこか東京で聞いたことあるモーター音を響かせつつやってきました。

リゾートしらかみの旅後半は、この新型ハイブリッド車両に乗車します!


No Photo,No Life!!

HB-E300系 リゾートしらかみ青池編成


その新型ハイブリッド車両、名前を「HB-E300系気動車」と言います。

HB-E300系とはJR東日本が開発した次世代型ハイブリッド気動車で、

車両に積んだディーゼルエンジンと蓄電池の両方を使って走ります。

(すなわち形式名の"HB"とは「ハイブリッド-Hybrid」のことを指します)

発車する時にはディーゼルエンジンと蓄電池に溜めた電気を併用し、

停車する時にはディーゼルエンジンを発電機として機能させて停止。

発電機の仕組みを応用してエンジンが回転する運動エネルギーを、

電気エネルギーに変換してエンジンの回転を遅くしていくわけです。

このようにしてブレーキをかけるやり方を「電気回生ブレーキ」と言い、

現在では数多くの新型電車のブレーキ方法として採用されています。

しかし回生ブレーキは発電機の性質上、電気が発生してしまいます。

電車が走る電化路線ではその発生した電気を架線に戻していますが、

気動車が走る非電化路線では電気自体を逃がす場所がありません。

そこで蓄電池に電気を溜め発車時に使おうとしたのがHB系列の車両。

電気を蓄電池に一度溜め再利用することでエンジンへの負荷を抑え、

気動車のネックであった燃費や排気ガスを削減・効率化できました。

電気を使った気動車は、気動車の革命とも言えよう車両ですね。

現在HB-E300系は、秋田のリゾートしらかみの青池編成や、

長野のリゾートビューふるさと・青森のリゾートあすなろで走っています。


No Photo,No Life!!

側面LED


側面には沿線の観光名所である十二湖をモチーフとしたロゴマーク。

実はHB-E300系が導入される前にキハ48系の青池編成がありましたが、

新型ハイブリッド車両が導入されるにあたり置き換えられてしまいました。

しかし、しっかりとキハ48系のロゴを周到したデザインになっています。

また、側面には新たに形式名とコーポレーションロゴも追加されました。

側面LEDは3色LEDで行き先と列車名を交互に表示することができます。

列車名の「しらかみ」表示はロゴマークと同じ書体で再現されていました。

LEDにもこだわるところが、いかにも新型リゾート列車らしいですね。


No Photo,No Life!!


それでは車内に入ります。切符に書かれている所定の座席に座ります。

入ると・・・まず新車のにおいがお出迎え。見た目もまだまだ新車です。

(確かこの車両って作られたの2年前の2010年ですが・・・あれ?^^;)

サニタリースペースは木目の床にステンレスの壁と新型感があります。

ここから乗るのは3号車の普通車指定席。いよいよ客室に入ります。


No Photo,No Life!!

1・3・4号車 普通車指定席


1号車・3号車・4号車の3車両がこの普通車の座席になっています。

基本的には今までのリゾートしらかみの設計・デザインを周到していて、

さらに座席を全面的にリニューアルして快適さをより向上させています。

内装には、木目調のデザインと間接照明を取り入れることで高級感も。

天井にあるモニターでは前面展望や観光情報を見ることが出来ます。


No Photo,No Life!!


リニューアルされた座席はクッション性・リクライニング角度が改善され、

座席の曲がりがさらに大きくなり、頭の枕も空気枕が採用されました。

シートピッチは従来のキハ48系の幅とほぼ同じで足を十分延ばせます。

またテーブルも従来よりも大きくさらに小型テーブルも追加されました。

より快適に過ごせるような内装デザインになっています。


今回乗るのはこのリニューアルされた新型座席。

キハ48系の座席と比べて、格段に柔らかさ・快適さが増していました。

ひとまず座席に荷物を置いて色々キハ48系と比べてみるとしましょう。


No Photo,No Life!!

3号車 フリースペース


キハ48系では3号車もボックス区画ですが、HB-E300系は座席だけに。

これは人気であるリゾートしらかみの集客率を上げるための対策です。

また、3号車の1号車寄りにはスリースペースが設けられています。

ここの座席も柔らかく普通の座席に飽きた時にいいかもしれませんね。


No Photo,No Life!!

2号車ボックス席


2号車はキハ48系同様、4人掛けのボックス区画になっています。

基本設計はキハ48系と同じで、モケットは普通座席と同じタイプのもの。

ソファの座席・取り外しができる肘起きのクッション性も高くなりました。


試しに座ってみると、キハ48系の座席より体が沈むのが分かりました。

クッション性は断然HB-E300系の方が高くとても快適そうです。

今度しらかみに乗るときは狙ってHB-E300系のボックスがいいですね。


No Photo,No Life!!


車体探索を終えて席に戻りましたが、5分経っても列車は発車せず・・・。

戻る途中ふとデッキで見上げてみると、車両の形式が書いてありました。

その上には「TOKYU CAR CORPORATION」のオレンジ色のシールも。

そうです、HB-E300を製造した東急車輛のコーポレーションマークです。

そういえば東急車輛は4/1から社名が「総合車両製作所」に変わります。

実は、これは工場の管轄が東急からJR東日本に変わるための改名で、

すなわち東急電鉄は鉄道車両製造部門から撤退することを意味します。

システムや人員には変化はありませんが、東急車輛の社名とはお別れ。

遠い青森から東急車輛の最終日を思う、ちょっとした惜別乗車です(笑)


No Photo,No Life!!


自分の席に座っているとやがて到着してから10分後、深浦を発車。

E231系と全く同じモーター音を鳴らしながらゆっくりと発車していきます。

加速し初めは蓄電池に溜めてある電気を使いモーターを動かしますが、

ある程度の速度まで行くと電気とディーゼルエンジンの両方を使います。

最初はモーターを電気で動かす音→ディーゼルエンジンと併用の音と、

耳を澄ますと2段階に分かれ列車が加速していく様子が聴こえてきます。

新型ハイブリッド車両は軽快に五能線を進んでいきます。


さて、深浦を発車してからも冬の日本海を見ながら列車は進みます。

街がある海岸周辺にはテトラポットがありきちんと整備されていました。

しかし列車がどんどん進むにつれて・・・


No Photo,No Life!!


再び今までのような自然のままの風景が広がっていました。

これらの複雑な岩場はこの冬の荒れる波が作ったものなのでしょうね。

夏では海に頭を出す岩がきれいですが、冬の荒々しさもなかなかです。


No Photo,No Life!!


しばらくはそんな風景が続くのでちょっと運転台を覗いてきました。

他の新型車両と同様、運転情報は全て運転台のモニターで一括管理。

ハイブリッド車両は複雑なのかと思いきや、意外と簡単な設計でした。

もちろん、機械が多くなりながらも前面展望のしやすさは変わりません。

本来の役割の展望も、運転のしやすさも、ちゃんと考慮されていますね。


No Photo,No Life!!


やがて、列車は進んでいくと沿線にたくさんの岩場が見えてきます。

千畳敷と呼ばれるその自然海岸は、その名の通り岩畳のような大岩盤。

日本海に迫り出した海岸線は荒れて大きな波の影響を受けやすいため、

このような複雑で奇形な大きな岩盤の地形が出来上がったのでしょう。

千畳敷海岸へは五能線の千畳敷駅からダイレクトにアクセスできます。

もちろん、リゾートしらかみでは有名な観光名所のひとつなのですが、

悪天候が多いために冬季では全列車が通過することになっています。

夏は列車によっては降りられるので、狙うのもいいかもしれませんね。


No Photo,No Life!!


そんな千畳敷海岸を過ぎてもしばらく奇形な岩場が続きます。

しかしこの風景が見えてくると、日本海を望む車窓もクライマックス。

遂に日本海からは離れて、津軽半島の内陸部を走るようになります。


No Photo,No Life!!


とその前に、列車行き違いのために北金ヶ沢に運転停車。

民家があり駅前は栄えていますが、ここでは客扱いの停車はしません。

深浦方面に行く普通列車を待ち合わせしてから列車は再び発車します。


No Photo,No Life!!


北金ヶ沢を発車すると近くに日本海が見えるものの、だんだん内陸へ。

やがて鯵ヶ沢も発車すると線路両側を休耕田に囲まれてしまいました。

ここまで北上してきてようやく薄っすらとだけですが雪が見えてきます。

ここから列車は津軽半島を西から東に横断するように進んでいきます。


No Photo,No Life!!


やがて川を渡り線路が大きく右にカーブすると、五所川原に到着します。

五所川原市の中心駅で、さっきまでとは一変しまあまあ栄えていました。

ここからは進路を変えて津軽半島を南に向けて列車は進んでいきます。

だんだんと暗くなり車窓が見づらいですが外には休耕田が見えました。

雪がまだ溶けきっておらず、寒さの厳しさがだんだん感じられてきます。


No Photo,No Life!!


そして外が暗くなる頃、列車は五能線の終点は川部に到着しました。

五能線はここまでですが、リゾートしらかみの旅はここからが終盤です。

ここからは再び奥羽本線に合流して青森を目指して進んでいきますが、

川部駅の配線の都合で東能代に続いて2回目の方向転換を行います。

しかし青森は逆方向・・・というわけで2駅先の弘前で3回目の方向転換。

ついでにターミナル駅である弘前から&への集客が見込めるとあって、

わざわざ弘前まで入線するのはいろいろな面で好都合というわけです。

弘前では発車準備でしばらく止まるので、少し降りてみることにしました。


No Photo,No Life!!


ドアが開くと観光客と思しき乗客が大勢列車から降りていきました。

弘前には城下町の美しい景観が現在までも残り、有名な観光地です。

そんな弘前には数分間停車。折り返し準備が出来次第、発車します。

そういえば側面には青い日本海をイメージした塗装がされていますが、

しっかりと「RESORT HYBRID TRAIN」のロゴマークが入っています。

新しいタイプの車両は、新しい五能線の顔になっているわけですね。

列車は奥羽本線で終点の青森に向けラストスパートをかけていきます。


No Photo,No Life!!


そして、青森独特のりんご畑の中を走り抜けて行くこと20分後の19:19、

リゾートしらかみ5号は予定の時刻通りに終点の青森に到着しました!

五能線が不通で、ブナ編成が代走し、一時はどうなるか不安でしたが、

何はともあれHB-E300系から冬の荒れる日本海を見られて満足です^^

さらに、青池編成・ブナ編成・くまげら編成の全部をコンプリート!

今回はハプニングもありましたが、結果的にはなかなかの収穫でした。


No Photo,No Life!!


青森に到着し列車から降りて振り返ってみると、

駅の北側には紫色にライトアップした青森ベイブリッジが見えました。

のっしりと青森駅の新しい顔を出迎えてくれているような気がしますね。

外には雪が積もり、青森までやって来たことが改めて感じられます。


No Photo,No Life!!


新青池編成とHB-E300系のロゴマークと一緒に。

昔ながらの頭単式のターミナル:青森は時代毎に様々な顔が見れます。

今ではステンレス製の新タイプ車が往来するターミナルになりましたね。


さて、そんな青森からは例の如く急行はまなすで北海道を目指します。

とその前に、ちょうど夕食の時間なので駅周辺で食べることにしました。

青森と言えば、やはりホタテを中心とした豊かな魚介類が有名ですが、

実は青森駅周辺にも地元発祥のご当地グルメ:B級グルメがあります。

今回はそんなB級グルメ、「味噌カレー牛乳ラーメン」(!?)を食します!


■寒さゆえの知恵


No Photo,No Life!!-ipodfile.jpg


青森駅から徒歩5分、それを食べられるのはラーメン屋「味の大西」。

ここが青森で有名な「味噌カレー牛乳ラーメン」の発祥の店なのです。

では「"味噌カレー牛乳ラーメン"は何ぞや?」と言うと、その名の通り、

味噌ラーメンにカレーと牛乳を混ぜたとてつもないごちゃ混ぜラーメン。

実は、地元の学生達がこの店で「ラーメンに色々混ぜてみね?」という、

これまたとてつもなくて無茶苦茶な遊び心の発想から生まれました。

学生達の試行錯誤の結果、このラーメンの味に辿り付いたそうです。

今回は謎だらけの「味噌カレー牛乳ラーメン」とやらはどんな味なのか、

そして本当に美味しいのか、確認(半ば興味本位で)しに行きました。


店内に入ると、一見普通のラーメン屋。しかし、ここがその発祥の店。

奥の座敷に通され早速人数分の味噌カレー牛乳ラーメンを注文します。

やがて、味噌とカレーのすごいにおいと共にそれは運ばれてきました。

見てみると・・・スープが黄色!味噌とカレーですごい色になってます^^;

しかい以外にワカメ・モヤシとトッピングはあっさりとしたものばかり。

バターを溶かして麺と一緒に食べてみると、なかなかスパイシー!!

味噌ラーメンとカレーのピリ辛がよりスパイシーな味を出してくれます。

それに対してあっさりとしたトッピングとも意外と合うものなんですね~

食べ終わると、ピリ辛のおかげですっかり体がポカポカになりました。

さらに会計するときには、なんと学生は学生証を提示すると100円引き!

味噌カレー牛乳ラーメン1杯650円也。安い値段でなかなか満足です。

ご当地ラーメン・・・地元に定着したこういうラーメン屋だからこそ出来た、

寒い青森に相反して熱い学生達の遊び心が生み出した味なのですね。


・・・


ここまで北上すべくリゾートしらかみに乗り冬の奥羽路を見てきました。

運用変更という予想外の出来事がありながらも2種類の車両に乗れて、

新旧リゾートしらかみに乗って行く五能線の旅を存分に味わえました。

その東北路から見えた冬の日本海の様子は、重たく荒々しいもの。

そんな気候のおかげで沿線に広がる様々な車窓を作り出しています。

青い海と緑の田が広がる夏の爽やかな五能線の車窓もいいですが、

荒れ狂う波が押し寄せる海を望む冬の車窓も旅情があると思います。

新型リゾート列車の仕組みを乗って楽しみつつそんな車窓を眺める、

リゾートしらかみの楽しみ方は車両ごと四季折々で無限大ですね。


続きは次回、夜の急行はまなす待ちの青森駅からです。

いよいよ冬の北海道に上陸します!・・・しかし道内の行程が総破綻?

前回の続きは秋田駅から、秋田の食を味わいます。



【第2日目 3/31(Sat)】

  <秋田駅周辺散策>

 秋田14:10~(快速リゾートしらかみ5号 青森行き)~(16:31)深浦


■寒い日本海、温かい風情


No Photo,No Life!!-ipodfile.jpg


羽越本線の普通列車に乗って新潟から秋田までひたすら北上した後は、

ちょうど昼時というわけで途中の秋田駅周辺で昼食をとることにしました。

「秋田の食」と言えば、やはり「きりたんぽ鍋」が一番ポピュラーですよね。

確かに、もう4月になるとは言えまだ冬景色があり寒さが残っているので、

今回はきりたんぽ鍋と、もうひとつ秋田の有名な稲庭うどんを食します!


駅東口を出てからから徒歩3分、西武百貨店B1Fにその店はあります。

「七代佐藤養助」・・・秋田の郷土料理:稲庭うどんを専門とする店です。

西武百貨店までは秋田駅前の商店街のアーケードを通っていけるので、

この日は雨が降っていましたが濡れずに店まで着くことが出来ました。

そんなデパート地下のレストラン街にあるのがこの店「七代佐藤養助」。

店内に入ると和風で高級感ある雰囲気の内装と店員が迎えてくれます。

空いていた座敷に座りましたが、まだ昼前だからか空席が目立ちました。

さてメニューを開いてみると、多くの種類の稲庭うどんが揃っています。

捲っているとふと「きりたんぽ鍋セット」というメニューが目に付きました。

なんでもきりたんぽ鍋のだし汁に稲庭うどんを絡めて食べるんだとか。

秋田の郷土料理が同時に食べられるということで今回はこれをチョイス。

数分後、1人用のきりたんぽ鍋に2玉の稲庭うどんが運ばれてきました。

この細い麺、そしてそれなのに強いコシがあって、流石稲庭うどん!

きりたんぽ鍋のきりたんぽはしっかりモチモチだし野菜もシャキシャキ、

ちょっとしょっぱめの出汁がうどんといい感じに合ってとても美味いです。

食べ終わる頃には出汁に生姜が入っていたのかすっかり体もポカポカ。

冬の寒さが厳しい日本海側の気候に合わせ作られた秋田の郷土料理、

確かに言葉通り料理からその地域の特色が分かると改めて感じました。


■リゾート列車でまったり旅1


No Photo,No Life!!


たらふく秋田のグルメを食したところで秋田駅に戻ってきました。

時間には余裕があったので途中で暇潰し用の本や軽食を買いましたが、

それでもまだ暇だったので発車の30分前まで改札前で時間を潰します。

見渡してみると「リゾートしらかみ開業15周年」や「E6系導入」の幕が多く、

いかにも秋田支社が列車を使う観光に力を入れていると分かりますね。


さて、北海道へは今回もお馴染み「急行はまなす」で向かいます。

つまり後この日は秋田から急行はまなす始発駅の青森まで行くだけ。

というわけで今回は、そんなリゾートしらかみに乗り青森を目指します!

以前2010年夏に青森→秋田でくまげら編成のこの列車に乗りましたが、

今回は秋田→青森で荒れる日本海を新型ハイブリッド車両から見ます。

五能線からの日本海、そして新型ハイブリッド車両での走りが見たくて、

リゾートしらかみ5号で冬の五能線で遠回りしながら北上していきます。


No Photo,No Life!!

8625D リゾートしらかみ5号 キハ48系改「ブナ」編成


発車の30分前、13:40頃になったのでホームに向かいます。

リゾートしらかみ5号は秋田駅3番線を14:10ちょうどに発車していきます。

3番線に降りると、新型車両・・・ではなく緑色の車両が止まっていました。

所定だと、リゾートしらかみ5号は新型ハイブリッド車両での運転ですが、

この日は代走でキハ48系のブナ編成がドアを開けて待っていました。

発車の案内もリゾートしらかみ5号。どうやら本当に代走のようです。


調べると、五能線は土砂流入で運転見合わせだと分かりました。

リゾートしらかみ5号は青森からのリゾートしらかみ2号折り返しなので、

所定の車両の新型ハイブリッド車両は不通で秋田まで来れないのです。

どうやらJRの公式サイトの情報によると、運転再開時刻は15時とのこと。

そこで緊急で予備車両のブナ編成で待避設備のある深浦まで走らせて、

深浦で青森からのしらかみ2号と車両交換しそのまま運転するようです。

元々しらかみ5号は深浦到着が16時半頃なので運転再開している時間。

車両交換はするものの、とりあえず五能線経由で青森まで行けるので、

代走ブナ編成のリゾートしらかみ5号に乗りひとまず深浦を目指します。


No Photo,No Life!!


側面のブナ編成のロゴ。デザインにもブナの葉が使われています。

白神山地はブナの原生林で有名で、編成の名前の由来にもなりました。

五能線沿線の特色が見られる独特のロゴマークデザインですね。


No Photo,No Life!!


ブナ編成がリゾートしらかみ5号の運用に就いた証拠として。

普段はくまげら編成と新型ハイブリッド車両でローテーションさせていて、

ブナ編成がしらかみの運用に就くことは繁盛期以外あまり見られません。

最初から最後までを新型ハイブリッド車両に乗れないのは残念ですが、

むしろ1日でリゾートしらかみ編成に2本も乗れるのは滅多にない機会!
それでは早速、座席に座って発車を待つことにしましょう。


No Photo,No Life!!

3号車 ボックス席


さて今回は3号車の普通車指定席で5時間の旅を過ごします。

・・・と思いきや2・3号車のどちらもボックス席で普通座席は1・4号車だけ。

新型ハイブリッド車両とブナ編成、3号車の座席が全く違っているのです。

とった切符は3Aと3B、つまりは3番個室に入れということなのでしょうか?

いや、乗車率が少ないからボックス席の定員で乗客を運べるということ?

まあ何かあれば車掌に聞けばいいので、3号車3番個室に落ち着くことに。

とりあえず、ボックス席を展開しフラットにして発車までしばらく待ちます。

普通車指定席のつもりがボックス席に乗れるとはなかなか得ですね!


No Photo,No Life!!


そして14:10、定刻通りにしらかみ5号ブナ編成は秋田を発車しました!

奥羽本線に遅れの影響はないので秋田は定刻通りに発車したようです。

発車してしばらくすると、♪華麗なる大円舞曲が流れて車内放送。

車掌の肉声放送で途中に停まる駅と到着する時刻が放送される他にも、

今日だけは代走であること・深浦で車両交換を行うことが放送されます。

青森には定刻に着けるのか・・・これから先の行程に不安が過ぎります。


さて列車は秋田を発車するとしばらくは住宅街の中を走っていくものの、

土崎を通過する辺りから再び冬の田園風景の中を走るようになります。

土崎に隣接する秋田車両センターには大量のEF81が留置されていて、

日本海側でも首都圏の車両の大量かつ急速な廃車が感じられました。

雨で水たまりが出来ているだけで霧がかかり寂しい休耕田の中を進み、

列車は冬の荒れる日本海が見られる五能線へ向けて走っていきます。


それでは、五能線までしばらく時間があるので車内探索をしてみます。

列車は4両で全車指定席、普通座席とボックス席の2種類があります。

普通座席が1・4号車の2両、ボックス席(扱い上でB席)は2・3号車の2両。

各座席は編成名であるブナのように緑色モケットで統一されています。


No Photo,No Life!!

1・4号車 普通車指定席


1号車と4号車はこのJR東日本の快速列車では一般的なタイプの座席。

リゾート列車らしくシートピッチは足が十分のばせる広さが確保されて、

またそれぞれの座席にしっかりひとつずつ窓が振り分けられています。


座ってみると、確かに前の座席には干渉せず足を伸ばせました。

座席はほどほどの柔らかさで少し曲がった感じが背中にフィットします。


No Photo,No Life!!

2号車 ボックス席


ボックス席は中央に大きなテーブルを配置し2人掛けのソファが2つ。

座席はフラットにでき肘起きも外せて、完全に寝転がることができます。

2号車と3号車は同じボックス席区画ですが、デザインが異っています。

2号車は無機質なプラスチック感丸出しなのに対して、3号車は木目調。

雰囲気としては3号車の方が2号車より明るい感じがします。


今回乗るボックス席、大きなやはりソファはクッション性もなかなかです。

フルフラットにして肘置きを枕にすれば本当に寝てしまいそうなほど(笑)

半個室タイプなのでグループでわいわい盛り上がるのもいいですね。


No Photo,No Life!!

展望区画


また、そういった側面展望だけではなく前面展望にも優れています。

1・4号車の運転台の後ろには前面展望が出来るフリースペースがあり、

少し高めに配置された座席に座りながら前面展望することができます。

列車によってはそこで沿線の文化である三味線演奏・語り部が行われ、

フリースペースはそのようなイベントスペースとしても使われています。


前面展望しやすいように車両の窓は横に大きい形になっています。

しかしこの日は生憎の雨で水滴が付いて視界はよくありませんでした。

そういえばよく見てみると、運転台の座席も緑色のモケットなんですね。

細かいところまでしっかり行き届いたこだわり、流石リゾート列車です。

しばらく前面展望をしてから自分のボックス席に戻ることにしました。


No Photo,No Life!!


さて列車は冬の休耕田に挟まれ奥羽本線をひたすら北上していきます。

車内探索前に車掌が来たので切符を見せましたが特に何も言われず、

それに他のボックス席を見てもほとんど人がいなくほぼ貸切状態でした。

やっぱり3号車の乗客が少なかったからこそ出来た代走なのでしょうね。

列車は途中の信号所に止まり遅れていた普通列車の通過を待ってから、

そのため2・3分ほど遅れ五能線の始発点である東能代に到着しました。

五能線の土砂流入の遅れがじわじわこの列車も影響を受けてきました。

ここ東能代では配線の関係で方向転換を行い進行方向が逆になります。

遅れを保ったまま列車はさっきまでとは逆方向へと進み五能線に入ると、

まもなくバスケの強豪校で有名な能代市の中心地は能代に到着します。

いよいよ、ここからリゾートしらかみの旅が本格的にはじまります!


No Photo,No Life!!


能代を発車して本格的に五能線に入ると、まもなく米代川を渡ります。

厚い雲の下、大きい川で天候が故に濁った大量の水が流れていました。

冬の荒れる日本海を目指して列車はさらに五能線を北上していきます。


No Photo,No Life!!


しかし、いくら五能線とは言うもののすぐには日本海は見えてきません。

しばらくは進行方向左側の海側にも冬の休耕田が広がっていました。

そんな閑散としている冬の車窓は5駅先の東八森までしばらく続きます。

そして、列車が東八森を通過するといよいよ・・・


No Photo,No Life!!


眼下に冬の荒れ狂う日本海が広がります!!

濁った海水は防波堤に何度も大きく荒れる波を叩きつけていました。

車窓から見ているだけでも冬の日本海の壮大な厳しさが感じられます。


No Photo,No Life!!


列車はここからしばらくはすぐ近くに日本海を見ながら進んで行きます。

この近辺の線路は高い位置にあり日本海を小俯瞰することができます。

でも荒れる日本海というのも北の冬の厳しさが感じられていいのですが、

やっぱり夏のように遠くまで見渡せないのは少し残念でしたが・・・(汗)


No Photo,No Life!!


まもなく列車はあきた白神も発車すると1駅で岩舘に到着しました。

しらかみ停車各駅には、リゾートしらかみ15周年を記念する看板があり、

いかに五能線にとってリゾートしらかみが大きい存在かが分かりますね。

列車はまだまだ日本海に沿って五能線を北上していきます。

岩館を発車すると、いよいよ列車は秋田県から青森県に突入します。

リゾートしらかみから見る日本海はここからもっとおもしろくなりますよ!


No Photo,No Life!!


岩館を発車し県境付近、列車はだいぶ高いを走るようになります。

海岸にはさっきまでは見られなかった大小様々な奇岩が見えてきました。

県境に険しく海岸に林立する奇岩は荒々しい様子を引き立ててくれます。


No Photo,No Life!!


だんだん県境に近づくに連れて奇岩の険しさが増してきました。

大きな波は奇岩に押し寄せては弾かれて高い水しぶきを上げています。

しかし、そんな奇岩が林立する車窓も県境を越えると見えなくなりした。

県境を越え最初の駅は大間越を通過する頃には海岸線もなだらかに。

再び道路と並走しながら列車はまだまだ北上していきます。


No Photo,No Life!!


列車はしらかみのとある編成名の由来にもなった十二湖を発車すると、

海岸線に沿い左へ線路は曲がり進行方向を一旦西へ変えていきます。

すると海岸線からだんだんと離れて、山中の休耕田が見えてきました。

再び進行方向を北に戻すと、欧風リゾート地のウェスパ椿山に到着。

まずホームの向こうに赤レンガの欧風物産館がお出迎えしてくれます。

ウェスパ椿山は温泉・体験工房・椿山展望で有名な五能線の観光地で、

駅真正面には西欧をイメージした物産館「コロボックル」が隣接します。

椿山観光の出発点であるそこは、いかにも玄関らしい雰囲気ですね。


No Photo,No Life!!


数人の乗客を新たに乗せて列車はまだまだ五能線を走っていきます。

ここまで来ると海に突き当たり線路は右に曲がって東へ進んでいきます。

沿線の海岸線の波は風向きの関係なのか少し穏やかになってきました。

天気も少し薄曇りになってきて、周囲も野原で荒涼とした海岸ですね。


No Photo,No Life!!


そんな車窓を見ながら進むこと30分、深浦に到着しました。

最初の普通列車行き違いの遅れを引きずり2・3分遅れての到着でした。

さてリゾートしらかみの旅は後半へ突入、まだ五能線の旅は続きますが、

ここ深浦で車両の運用の都合で車両交換を行うため乗り換えをします。

車両の運用を通常に戻すため、秋田からここまで乗ってきたブナ編成と、

まだ来ていない青森からの新型ハイブリッド車両と入れ替えるわけです。

既に五能線は運転を再開していて、通常ダイヤに戻しているそうです。

これで五能線で足止めを喰らうことなくさらに目的の車両にも乗れます。

いよいよ新型ハイブリッド車両に乗車、リゾートしらかみの旅は続きます。



続きは次回、深浦からは新型ハイブリッド車両に乗車します!

・・・う~ん個人的にはもう少しボックス席を占領していたかった(笑)

前回の続きは新潟から、新潟駅の始発列車で北を目指します。



【第2日目 3/31(Sat)】

 新潟04:56~(白新線・羽越本線 快速 村上行き)~05:52村上

 村上05:56~(羽越本線 普通 酒田行き)~08:18酒田

 酒田09:38~(羽越本線 普通 秋田行き)~11:31秋田


■越後・庄内の明朝


No Photo,No Life!!

3921M E127系 V10+V**+V**


快速ムーンライトえちごにおよそ6時間乗って新潟までやってきた後は、

北海道を目指してさらに北上するべく白新線の始発列車に乗車します。

第2日目は北海道へ向かうために羽越本線・奥羽本線をひたすら乗って、

北海道と本州を結ぶ"あの夜行列車"に乗るために青森まで向かいます。

まずは羽越方面に向かう新潟駅の始発列車は快速村上行きに乗車。

1番線へ向かうとムーンライトえちごからの乗り換え客で混みはじめた中、

6両編成のE127系の快速村上行きがドアを開けて発車を待っていました。


白新線・羽越線沿線から中心部へ向かう通勤需要に応えたこの列車は、

堂々の6両編成で金属加工業が盛んな吉田への通勤需要を支えます。

特にこの3921M列車はラッシュ前に始発駅へ送り込むことを兼ねていて、

村上まで行った後は折り返して通勤客を集めつつ中心部へと運びます。

また、白新線~羽越本線では1日2本のみという希少な快速列車として、

ムーンライトえちごと接続して村上方面へと速達する役割も持ちます。


No Photo,No Life!!


とりあえず乗り換え客で座席が埋められる前に座席を確保しておきます。

車内は緑色モケットで全席ロングシートで、ドアは半自動ドア付きの3扉。

混雑する通勤時間帯に対応するためで、混雑緩和に一役買っています。

側面表示は幕で種別と行き先が一体になっている標準的なタイプ。

また車体の塗装は緑と黄緑の2次新潟色をしっかりと周到していますね。


さて乗り換え時間は5分なので車内に戻って発車を待つことにしました。

まもなくムーンライトえちごからの乗客を乗せ列車は定刻に新潟を発車。

列車はまだ明けぬ越後平野と庄内平野の早朝を駆け抜けていきます。


No Photo,No Life!!


まだ時間も時間、夜が明けるどころか日が昇っておらず外は真っ暗。

そんな中を堂々の2+2+2両編成のE127系が快速運転で走っていきます。

快速は特急いなほの停車駅と同じで且つ所要時間もさほど変わりなく、

なるほど、18キッパーが御用達の列車であることがよく分かりますね。


列車は白新線・羽越本線を進むにつれて外も明るくなってきました。

まだ暗がりが残るものの沿線には休耕田が広がっているのが見えます。

雪は少しも見えません。まあ流石に3月ともなると雪も溶けたのでしょう。

長い間雪に被っていた田んぼに挟まれながら、列車は北上します。

そしてそんな越後平野の最北端にあたる街は村上に到着しました。

No Photo,No Life!!

キハ47+キハ48+キハ40


さてここからもまだまだ羽越本線に乗って北を目指します。

村上では4分乗り換えでさらに北へ向かう普通酒田行きに接続します。

これまた乗り換え時間が短いですが、乗り遅れる心配はありません。

なぜならば・・・


No Photo,No Life!!


村上では縦列停車をしてくれるので同じホームでの乗り換えだから!

普通酒田行きも乗り換えのしやすさから18キッパーに人気の列車です。


列車が村上に到着する前から徐々にドア前に乗客が集まってきました。

そして到着しドアが開くと乗客全員が一斉に酒田方面へ向かいダッシュ!

6両に乗っていた乗客が3両の座席を狙う闘いが繰り広げられます(笑)

確かに流石に2時間ずっと立っているのは苦労を強いられますからね・・・

とりあえずみんなで急いで最後尾のキハ40のロングシートを確保。

全部車両を見てみると座席は全て埋まり立席もちらほら見られました。

ホームには座席争奪戦を終えた乗客たちが撮影をしに出てきています。

しかし乗り換え時間は4分。撮影を軽く済ませて車内に戻っていきます。

そんな乗客たちを乗せて、列車は村上を発車していきました。


No Photo,No Life!!


村上を出ると、列車は左間近を日本海・右を山に挟まれながら進みます。

ここから先はしばらく日本海の絶景車窓ポイントが続きます!

海岸線が線路のすぐそこまで来ていて、日本海が目の前に見えました。

この日は空に薄く雨雲がかかり波も荒れていて生憎の悪天候でしたが、

晴れた日には青い海に青い空が広がるキレイな車窓が見られそうです。

是非一度ちょうどこの区間を走るリゾート列車のきらきらうえつに乗って、

車内販売の和菓子を食べつつ、夏の日本海の車窓を見たいものです。

しかし、まだ冬が残る羽越路にはこの風景が似合うのかもしれませんね。


No Photo,No Life!!


まだまだ荒れる冬らしい日本海を見ながら進んで行きます。

そういえば因みに、電化した区間なのに何故車両がキハなのかと言うと、

村上~間島には交直流デッドセクションがあるからというのは有名な話。

交直両用の車両を作るよりキハを使った方がコスト削減できるそうです。

それに対して、特急列車には交直流両用の485系が使われています。

E657系の導入で余っている651系が新潟の485系を置き換えるなどなど、

様々な噂がたっていますが果たして485系はどうなってしまうのやら・・・

羽越路の車両の動向もなかなかおもしろいですね。


No Photo,No Life!!


北に進むに連れ山が海岸線まで迫り出しトンネルも多くなってきました。

沿線の海岸には大小様々で複雑で険しい形をした岩が多く見られます。

かなり険しい地形になってきているということが分かります。


No Photo,No Life!!


そして列車は村上から3駅目、桑川に到着しました。

まだまだ列車は海岸線に沿って日本海を眺めながら北を目指します。

ここからは、羽越本線1番とも言えようの絶景車窓ポイントを通ります!


No Photo,No Life!!


村上に到着する前から沿線には岩場が多く見られるようになりましたが、

実はこの周辺一帯は日本百選に選ばれている日本有数の海岸景勝地。

『笹川流れ』と呼ばれ、無数の奇岩・絶壁・洞窟が連続することで有名で、

特に日本海に沈みゆく夕陽を見るため多くの観光客がここを訪れます。

名前の通り、この周辺は沖合いの岩場に向かう潮の流れが見られます。

かつて存在していた笹川村とそれを合わせたことが名前の由来だとか。

また羽越本線有数の撮影地として鉄道ファンに広く知られ渡っています。


列車は進むと海岸には大小様々形も違った岩が多く見られてきました。

これもすぐ傍に山が聳え、そのためできる潮の流れが作ったのでしょう。

日本屈指の海岸景勝地はそんな地形事情を教えてくれる気がしますね。


No Photo,No Life!!


そんな笹川流れは桑川駅手前~越後寒川手前までの全長たった11km。

列車から見ているとあっという間に絶景車窓ポイントは過ぎてしまいます。

再び、目の前には荒れる日本海がただひたすら見えるようになりました。

まだまだ日本海を左側に見ながら列車は進んでいきます。


No Photo,No Life!!


しかし、勝木を到着前から徐々に日本海から離れていきました。

日本海を見る絶景車窓ポイントはここまで、ここからは内陸を走ります。

まだ右側は山に挟まれていてところどころトンネルが多くなってきました。

列車は新潟県と山形県の県境に位置する山々を越えていきます。


No Photo,No Life!!


やがて、トンネルが少なくなってくると沿線には平地が見えてきます。

冬の畑らしく雪で長い間押しつぶされていた枯れ草だけが生えています。

列車は山間部を抜けていきます。もうだいぶ平野部に近づいていました。


No Photo,No Life!!


そして羽前水沢を発車すると山間部を抜け両側に休耕田が見えます。

そうです、ここが庄内平野!列車は新潟県から山形県に突入しました。

駅名もここまでは「越後○○」でしたがここからは「羽前○○」が多くなり、

いかにも庄内平野が広がる羽前国は山形南部に来た雰囲気がします。

沿線に有数の米どころである庄内平野の冬らしく休耕田が広がります。

不安定な天気で霧がかかっているのがより日本海側の冬らしいですね。


No Photo,No Life!!


庄内平野南部の都市である鶴岡を発車し田に挟まれながら北上します。

途中の余目では、陸羽西線:奥の細道最上川ラインと線路が合流。

白いボディに緑と赤のラインが入ったラッピングのキハ110が見えました。

陸奥路を走る路線(主に芭蕉が通った場所)と車両(主にキハ110)には、

それぞれの路線の沿線の特徴にちなんだ愛称と塗装がなされています。

特に陸奥路は奥の細道で有名で、殆どの路線が「奥の細道○○ライン」。

陸羽西線は路線の大部分が最上川沿いを走っており車窓に見えるので、

それにちなんで「奥の細道最上川ライン」という愛称が付けられています。

いかにも陸羽西線らしく路線の特徴を表していておもしろいですね。


No Photo,No Life!!


余目を発車すると終点の酒田はもうすぐ。

最上川を渡ると沿線の遠くの方に住宅や工場が多く見えてきました。

東酒田を発車すると、両側には田は見られず住宅街が見えてきます。

そんな車窓が見えてくると村上から2時間、終点の酒田に到着します。


No Photo,No Life!!


荒れている天候の中、定刻通りに列車は終点の酒田に到着しました。

北へと向かうべく普通列車を乗り継いでゆく旅はまだまだ続きますよ!


酒田駅は庄内地方の中心都市になっていて酒田市の中心駅。

単式ホーム・島式ホーム・切り欠きホームを有する2面4線の地上駅で、

駅構内にはみどりの窓口・キオスク・待合室があり、直営の有人駅です。

普通列車はこの駅で管轄が異なり全てがこの駅で折り返していきます。

また、かつては駅構内には「酒田機関区・酒田客車区」が隣接していて、

その名残として駅東側に留置線・機関車の整備庫・転車台が残ります。

現在では酒田運輸区として車両留置や機関車整備に使われています。


No Photo,No Life!!


1番線の単式ホームに入線した列車から降りると・・・歓迎の文字ばかり!

『粋な文化に出会う街 ようこそ湊・酒田へ』、大きく乗客を迎え入れます。

酒田は「蔵の町」と呼ばれるほど多く歴史的建造物が立ち並んでいる街。

他にも、なんでもかの有名な映画「おくりびと」のロケ地にもなったそうな。

今ではかつての歴史を見て粋な文化に触れられる、そんな観光地です。


No Photo,No Life!!


そんな1番線のホームには何やら獅子舞の置物が展示されていました。

「みなとくん」と「まいちゃん」、しっかり1つ1つ名前まで付いてるようです。

ここ酒田は獅子舞の祭りか何かで有名なのでしょうかね?


No Photo,No Life!!


こちらは米俵を積んだ木製の船。羽越本線のPRが掲げられています。

PRマークにきらきらうえつ号のシルエットと沈む夕陽が採用されていて、

いかにもきらきらうえつ号とその車窓に力をいれていると分かりますね。


No Photo,No Life!!

2083レ EF510-1+コキ**B


さて、酒田からもまだまだ普通列車を使って北を目指します。

しかし快速村上行き・普通酒田行きとちょうどよく乗り継いできましたが、

次の普通秋田行きの発車は9時38分と1時間の乗り換え時間があります。

1番線に止まっていた車両が車庫に回送されてしまうとホームは閑散とし、

羽越本線の要所ながら列車の姿も乗客の姿も疎らになってしまいます。

そんな中、1番線にはEF510牽引の貨物列車:2083レが入線。

それも1号機!EF510トップナンバーは力強くコキを引っぱって来ました。

長編成のコンテナ貨物の荷物は賑わっていて、殆ど空きがありません。

流石、関西方面から北陸を経由しつつ北へと向かう貨物列車街道です。

2083レはここ酒田で3・4分停車。長い旅路の小休憩と言ったところです。

やがて貨物列車も発車してしまうと、再びしばらくの閑散が訪れます。


いよいよやることがなくなったので一度改札を出てみます。

しかし外は雨が降っていて散策も出来ないので、仕方な~く駅で待機。

改札近くの売店で朝食と軽食を調達し次の列車まで雑談して待ちます。

・・・待つこと20分、2番線に701系の普通秋田行きが入線してきました。

それにしても発車40分前から入線とはこれまたえらく早い入線で・・・^^;

座席をとるために早めに2番線ホームへ行ってドアが開くのを待ちます。


No Photo,No Life!!

701系 N6編成


この区間を走る701系と言えばこの塗装、秋田支社のピンク色の帯です。

東北地方を走る電化路線の普通列車ではもうお馴染みの顔ですよね。


No Photo,No Life!!


一方で隣の3番線には特急いなほ新潟行きの485系が停車していました。

これまた羽越本線の特急列車でお馴染みの青が基調の上沼垂色です。

そういえば、ぶら下がっている乗車位置目標に「日本海」がありました。

こういうちょっとしたところにまだダイヤ改正前の名残があるのですね。

そして特急いなほは定刻通りにゆっくりと始発駅の酒田を発車しました。


No Photo,No Life!!


駅の東側には酒田運輸区の留置線が広がります。まずは南側から。

南側にはかつて酒田機関区時代の機回し用の転車台が残っています。

また、機関庫も残っていて軽いメンテナンスが出来る設備が整います。


No Photo,No Life!!

EF81-141


この日はちょうど奥側の機関庫にEF81-141がパンタを下げてお休み中。

どうやら一仕事を終え所属区の青森に戻るまで休憩をしているようです。

でもなぜここに双頭連結対応が?・・・答えは北側の留置線にありました。


No Photo,No Life!!


北側の留置線にはなにやら秋田では見慣れない車両がいますねぇ・・・

実は、東海道線を走った211系は現在2編成が酒田に疎開されています!

211系は中央本線へ転属される予定で、その改造待ちの一時的な疎開。

一度、長野総合車両センターに配給して不要な中間サハを抜いてから、

空きが足りないので留置線が余っている酒田に疎開した、という訳です。

見ると、確かに211系は4両編成の状態で2編成が留置されていますね。
本格的に置き換えが進んでいることが旅先からでも感じられます。


No Photo,No Life!!


さて車内に戻ります。それでも発車の20分前だったので適当に時間潰し。

車内のロングシートには少し空きがある程の乗車率になっていました。

そして列車は時間通りに酒田を発車し、再び休耕田の中を北上します。

沿線の風景は、去年の夏に寝台特急あけぼのから見たのと同じですね。

夏に見ていてどこか懐かしい反面、休耕田という寂しい車窓が見えます。

列車はそんな冬の日本海側らしい風景の中をひたすら走っていきます。


No Photo,No Life!!


そして新潟から約5時間、羽越本線の終着点は秋田に到着しました!

秋田に着く直前まで同じ格好で爆睡してて、ようやく体を伸ばせます(笑)

さて、まだまだ秋田からも目的地である北海道まで北上していきますが、

今回もかの有名な夜行急行列車に乗り北の台地:北海道を目指します。

つまり2日目はあと秋田からその列車の始発駅である青森に向かうだけ。

しかし今の時間でそのまま青森に行っては時間が有り余りすぎます・・・

と言うわけで今回は、三兄弟で有名な青森を走るリゾート列車に乗って、

まだ冬景色が残っていて荒れ狂う日本海の車窓を見たいと思います!

その前にちょうど昼時、秋田で昼食を食べることにしましょう。

まだ冬景色が残り寒い時と言えば・・・やはりあの鍋ですよね?



続きは次回、秋田駅からまずは秋田のグルメを食い尽くします。

しかしこのときはまだ行程がだんだんと崩壊していくとはつゆ知らず・・・

北海道新幹線や札幌圏への新型車両の導入や札沼線の電化などなど、

路線網に劇的に大きな変化が今まさに起ころうとしている北海道の鉄道。

特に北海道新幹線の開業は大きく首都圏へのアクセスを便利にします。

在来線では、札沼線の混雑区間を電化して定員確保や時間短縮を行い、

さらに新型車両を導入しラッシュ時間帯の増発・定員確保に貢献します。


現在、北海道の鉄道には「新しいもの」と「古いもの」が混在しています。

新型車両や新型座席が導入されたり非電化の路線が電化される中で、

昔急行列車で走った711系やキハ183系の定期列車は今でも健全です。

しかし本格的に導入が進めば鉄道網はどう変化するのか分かりません。

今回はそんな変わろうとしている北海道の鉄道の「今」を追ってきました。


というわけで3/30~4/3の5日間、北海道方面に行ってきました!

今回は「列車に乗ってまったり旅」をコンセプトに北海道を乗り鉄します。

さらに、まだ訪れない北海道の春・変わる北海道の鉄道も見てきました。

まずは北へ向かうあの夜行列車に乗り北海道を目指します。



【第1日目 3/30(Fri)】

 新宿23:10~(快速 ムーンライトえちご 新潟行き)~04:51新潟


■あの光景を再び


No Photo,No Life!!


多くの旅行鞄を持った人が入線を今か今かと待っている新宿駅5・6番線。

今回の旅のスタートも3/30は22時半のここ新宿駅5・6番線からです。

北海道へ向かうため今回も快速ムーンライトえちごに乗って北上します。

車で送ってもらい新宿駅に到着すると既に大勢の人が集まっていました。

どうやら今夜のムーンライトえちごは全席満席になっているようです。

北へ行く快速夜行列車としていかに重宝されているかが分かりますね。


そして22:35、定刻通りにムーンライトえちごの車両が入線してきました。

ダイヤ改正が行われても列車の時間にはさほど変化はないようですね。

しかし、今回のダイヤ改正ではこの列車に大きな変化がありました。

なんとかつて使われていたあの車両が復活したというのです!


No Photo,No Life!!

8763M 快速ムーンライトえちご 485系 K2編成


実は、2010年ダイヤ改正まで使用されていた485系が復活したのです!

というのも、2010年まで能登は489系・えちごは485系での運転でしたが、

ダイヤ改正で489系が引退し能登は485系・えちごは183・189系に変更。

しかし今回の2012年のダイヤ改正で急行能登が廃止されるのに伴って、

ムーンライトえちごは485系で再び運転されることになったわけです。

再びかつてのあの光景が見られるので嬉しい限りですね!^^


今回は鉄研旅行として旅行するのでまずは顧問の招集合図で集合。

切符を受け取りいざ入線しているムーンライトえちごに乗り込みます。

5号車1番D席・・・進行方向左側の窓際の座席です。

因みに今回の旅で使用するフリー切符は「北海道&東日本パス」。

ムーンライトえちごの普通車指定席には指定席券の追加で乗れます。


No Photo,No Life!!

普通車指定席


1号車半分~6号車まではこの普通車指定席になっています。

JR東日本の標準的な特急列車の機能を揃え、使い勝手は普通です。

183・189系との違いは、テーブルの有無とリクライニングが自由かどうか。

物を置けるテーブルとリクライニングを自由固定できるのは大きいです。


今回乗る5号車の座席もこの一般的なタイプの座席。
183・189系と乗り比べてみると、その乗り心地は大きく改善されました。

そもそも183・189系は国鉄時代の簡易型の座席ですからね・・・(汗)

(でも183・189系のムーンライトえちごに乗れたのはある意味レア?)


No Photo,No Life!!

グリーン車指定席


新潟の485系の1号車運転席寄りに設置されているのが半室グリーン車。

快速ムーンライトえちごでは「グリーン車指定席」として着席できます。

(ただし、北海道&東日本パス・青春18きっぷとの兼用は不可能)

設備はやはりJR東日本の標準的なグリーン車と同じになっています。

現存している快速夜行列車の中では最上級のグレードです。


2012年ダイヤ改正から再び復活することになった「グリーン車指定席」。

今回使用する切符は北海道&東日本パスなのでここには座れません。

1度は全区間の乗車券を払ってでもグリーン車指定席に乗りたいです。


No Photo,No Life!!


さて自分の座席に荷物を置き車両を撮影しながら見て回るとしましょう。

まずは側面幕。もちろん引退した後でもムーンライト幕は残っています。

また国鉄色の車体とムーンライトえちご幕の組み合わせが見れるとは・・・


No Photo,No Life!!


5号車と6号車のちょうど両方の幕を見られるところ。

今まではここでは普通の幕とレディースカーの幕が同時に見られました。

しかしこの日は偶々なのか、6号車は普通のムーンライトえちご幕でした。

一応6号車のレディースカー設定はあるし幕も残っているはずですが・・・


No Photo,No Life!!


先頭。絵柄の特製ヘッドマークだってもちろん健全です。

反対側の3・4番線埼京線ホームでは通勤客が帰路を急いでいますが、

こっちの5・6番線には列車の発車までまったりとした時間が流れます。


No Photo,No Life!!


乗客はカメラ片手に一旦降りて思い思いの写真を収めていきます。

現在時刻は22:46、列車の入線からおよそ10分経ったという頃です。

車両の端から端まで撮影しながら歩いてみて一通り見終わりました。

やはり485系が快速ムーンライトえちごに復活したのは嬉しいですね!

発車まで約25分ほど。後は車内でゆっくり発車を待つとしましょう。

いよいよ北海道への旅が始まります・・・!!


■夜を切り裂く国鉄色


No Photo,No Life!!


そして23:10、列車は定刻通りに新宿を発車しました。

国鉄色の485系はゆっくりと新宿のポイントを渡り北へ進路を向けます。

ポイントを渡り終えると、まもなく新大久保・高田馬場・目白を通過。

見慣れた光景ですが夜行列車の車内からだといつもと違って見えます。

列車はゆっくりとした速度のまま最初の停車駅は池袋に到着しました。

数人を乗っけてムーンライトえちごは東北貨物線でさらに北上します。


列車は池袋を発車してここからは快速夜行列車の本領発揮なのですが、

なかなか加速せずゆっくりのまま偶に止まりそうになる速度で走ります。

赤羽までは順調だったものの、遂に与野付近で停車してしまいました。

普段はこんなことなくて、爆走して夜の都心部を駆け抜けて行くのに・・・

乗客たちに疑問の色が見られ始めた時、ここで車内放送が流れました。

なんでも人身事故で高崎線のダイヤが乱れ列車が詰まっているそうな。

2・3分ほど停車し、大宮操作場の貨物列車を見つつ大宮に到着しました。

・・・って隣を普通籠原行きが並走しているんですケドあれ?^^;

まあ同じ高崎線でこっちの方が速いからこっちが先発・・・かと思いきや、

何故か普通籠原行きの方を先に通してムーンライトえちごも同時発車。

これから通る線路は列車が行ったばかりなのでこっちは超スロー運転。

本当に止まるか止まらないかのゆっくりな速度で高崎線を進みます。


ゆっくり走って間隔をとっいてたのかある程度までいくと普通の速度に。

さらに籠原も通過すると、いよいよ485系の爆走が見られます!

列車は夜の高崎線を遅れを回復するように俊足でどんどん進みます。

流石長年愛用されている485系、まだ走りからは余裕さえ感じられます。

そして日付けが変わり最初の停車駅の高崎にほぼ定刻に入線しました。


No Photo,No Life!!


というわけで列車は最初の長時間停車駅である高崎に到着です。

0:59から1:13までのおよそ14分間の長時間停車。

ドアが開くと乗客たちがぞろぞろとホームに小休憩がてら降りてきました。

いくら安いとは言え座席で寝る慣れない列車ですから疲れるのでしょう。

乗客たちは、撮影したり軽く体を伸ばしてみたり飲み物を買ったり・・・

いかにも「夜行列車の途中停車駅の小休憩」といった風景が広がります。


No Photo,No Life!!


「たかさき」の駅看板とバックに国鉄色のムーンライトえちご。

こんな光景を再び見られたのもおよそ2年ぶり、実に久々なことですね。


No Photo,No Life!!


ふと発車案内を見ると現在時刻ちょうど1時。

しかしまだ0:56発の高崎線の普通新前橋行きが来てすらいません。

そもそもその列車はムーンライトえちごより先行するはずの列車ですが、

どうやらその列車も高崎線での人身事故の影響を受けているようです。

そのため、ムーンライトえちごもその列車の発車を待って発車するそう。

いつ発車するか分からないので、早く撮影を済ませて車内に戻りました。


車内から見ているとやがて数分遅れで普通新前橋行きが入線しました。

乗降が終わるとすぐに発車。ムーンライトえちごのために道を急ぎます。

そしてちょっと遅れてムーンライトえちごは高崎を発車しました。

ここからが485系の全速力・・・夜の上越線をひたすら登って行きます!

と、その前にムーンライトえちごは新前橋に一旦停車。

ここから先は乗務員が変わるので乗務員交代のための運転停車です。

乗務員交代を済ませムーンライトえちごは上越国境越えに向かいます。


列車はどんどん上越線のこじんまりとした駅を通過し北上していきます。

加速ばかりしていることから徐々に勾配が急になってきているのでしょう。

しかし外の車窓は見えないし時間も時間なのでもう寝ることにしました。

水上での運転停車も見ていよいよ上越国境に突入したところで寝ました。


No Photo,No Life!!


・・・およそ1時間後、どこかの駅に停車しているところで目が覚めました。

窓の外を見ると新潟県最初の停車駅は長岡に停車しているところです。

外に出てもよかったのですが眠気が勝って結局座席から動くことなく・・・

でもまた寝ようと思っても寝付けなかったので起きていることにしました。


寝ぼけていること20分、定刻通りに列車は長岡を発車しました。

流石にここまで来ると高崎線の人身事故の遅延は回復しているようです。

長岡を発車するとまだ夜が明けぬ越後平野を走る信越本線を進みます。

沿線はおそらく休耕田が広がっているのでしょうが暗くて全く見えません。

遠くの国道の明かりとそこを走る車の疎らなライトだけが見えるだけ・・・

しかし列車はそんな時間帯でも特急と同じ停車駅に止まっていきます。

需要があるのかと見ていると各駅各駅に2・3人の乗客が待っていました。

この列車は少し早い信越本線の始発列車としても機能しているそうです。

確かにムーンライトえちごに乗れば新潟駅の始発列車に乗れますしね。

主要駅で2・3人ずつ乗客を拾いながら列車はさらに北上していきます。


列車は新津を発車すると、乗客は皆起き終着駅の雰囲気が漂います。

およそ終点まで15分、降りる準備をしはじめる人が多くなってきました。

そろそろ網棚に置いておいた自分の荷物を下ろして降りる準備をします。

そして♪鉄道唱歌が流れ、いよいよ終点の新潟に着くことを知らせます。

旅行鞄を持った乗客たちがぞろぞろとデッキの出口に集まってきました。

ポイントを渡って・・・新宿から5時間41分、列車は終点の新潟に到着!!

降りた乗客は次乗る列車のホームへと皆急ぎ足で向かいます。

これから乗る列車の乗り換え時間は5分・・・少し急ぎ目に移動します。

階段を下りて上って1番線へ、待っていたのは6両編成のE127系。

今回はこれに乗って北海道方面を目指し日本海側を北上します!



続きは次回、白新線・羽越本線の始発列車でさらに北へ向かいます。