北海道新幹線や札幌圏への新型車両の導入や札沼線の電化などなど、
路線網に劇的に大きな変化が今まさに起ころうとしている北海道の鉄道。
特に北海道新幹線の開業は大きく首都圏へのアクセスを便利にします。
在来線では、札沼線の混雑区間を電化して定員確保や時間短縮を行い、
さらに新型車両を導入しラッシュ時間帯の増発・定員確保に貢献します。
現在、北海道の鉄道には「新しいもの」と「古いもの」が混在しています。
新型車両や新型座席が導入されたり非電化の路線が電化される中で、
昔急行列車で走った711系やキハ183系の定期列車は今でも健全です。
しかし本格的に導入が進めば鉄道網はどう変化するのか分かりません。
今回はそんな変わろうとしている北海道の鉄道の「今」を追ってきました。
というわけで3/30~4/3の5日間、北海道方面に行ってきました!
今回は「列車に乗ってまったり旅」をコンセプトに北海道を乗り鉄します。
さらに、まだ訪れない北海道の春・変わる北海道の鉄道も見てきました。
まずは北へ向かうあの夜行列車に乗り北海道を目指します。
【第1日目 3/30(Fri)】
新宿23:10~(快速 ムーンライトえちご 新潟行き)~04:51新潟
■あの光景を再び
多くの旅行鞄を持った人が入線を今か今かと待っている新宿駅5・6番線。
今回の旅のスタートも3/30は22時半のここ新宿駅5・6番線からです。
北海道へ向かうため今回も快速ムーンライトえちごに乗って北上します。
車で送ってもらい新宿駅に到着すると既に大勢の人が集まっていました。
どうやら今夜のムーンライトえちごは全席満席になっているようです。
北へ行く快速夜行列車としていかに重宝されているかが分かりますね。
そして22:35、定刻通りにムーンライトえちごの車両が入線してきました。
ダイヤ改正が行われても列車の時間にはさほど変化はないようですね。
しかし、今回のダイヤ改正ではこの列車に大きな変化がありました。
なんとかつて使われていたあの車両が復活したというのです!
8763M 快速ムーンライトえちご 485系 K2編成
実は、2010年ダイヤ改正まで使用されていた485系が復活したのです!
というのも、2010年まで能登は489系・えちごは485系での運転でしたが、
ダイヤ改正で489系が引退し能登は485系・えちごは183・189系に変更。
しかし今回の2012年のダイヤ改正で急行能登が廃止されるのに伴って、
ムーンライトえちごは485系で再び運転されることになったわけです。
再びかつてのあの光景が見られるので嬉しい限りですね!^^
今回は鉄研旅行として旅行するのでまずは顧問の招集合図で集合。
切符を受け取りいざ入線しているムーンライトえちごに乗り込みます。
5号車1番D席・・・進行方向左側の窓際の座席です。
因みに今回の旅で使用するフリー切符は「北海道&東日本パス」。
ムーンライトえちごの普通車指定席には指定席券の追加で乗れます。
普通車指定席
1号車半分~6号車まではこの普通車指定席になっています。
JR東日本の標準的な特急列車の機能を揃え、使い勝手は普通です。
183・189系との違いは、テーブルの有無とリクライニングが自由かどうか。
物を置けるテーブルとリクライニングを自由固定できるのは大きいです。
今回乗る5号車の座席もこの一般的なタイプの座席。
183・189系と乗り比べてみると、その乗り心地は大きく改善されました。
そもそも183・189系は国鉄時代の簡易型の座席ですからね・・・(汗)
(でも183・189系のムーンライトえちごに乗れたのはある意味レア?)
グリーン車指定席
新潟の485系の1号車運転席寄りに設置されているのが半室グリーン車。
快速ムーンライトえちごでは「グリーン車指定席」として着席できます。
(ただし、北海道&東日本パス・青春18きっぷとの兼用は不可能)
設備はやはりJR東日本の標準的なグリーン車と同じになっています。
現存している快速夜行列車の中では最上級のグレードです。
2012年ダイヤ改正から再び復活することになった「グリーン車指定席」。
今回使用する切符は北海道&東日本パスなのでここには座れません。
1度は全区間の乗車券を払ってでもグリーン車指定席に乗りたいです。
さて自分の座席に荷物を置き車両を撮影しながら見て回るとしましょう。
まずは側面幕。もちろん引退した後でもムーンライト幕は残っています。
また国鉄色の車体とムーンライトえちご幕の組み合わせが見れるとは・・・
5号車と6号車のちょうど両方の幕を見られるところ。
今まではここでは普通の幕とレディースカーの幕が同時に見られました。
しかしこの日は偶々なのか、6号車は普通のムーンライトえちご幕でした。
一応6号車のレディースカー設定はあるし幕も残っているはずですが・・・
先頭。絵柄の特製ヘッドマークだってもちろん健全です。
反対側の3・4番線埼京線ホームでは通勤客が帰路を急いでいますが、
こっちの5・6番線には列車の発車までまったりとした時間が流れます。
乗客はカメラ片手に一旦降りて思い思いの写真を収めていきます。
現在時刻は22:46、列車の入線からおよそ10分経ったという頃です。
車両の端から端まで撮影しながら歩いてみて一通り見終わりました。
やはり485系が快速ムーンライトえちごに復活したのは嬉しいですね!
発車まで約25分ほど。後は車内でゆっくり発車を待つとしましょう。
いよいよ北海道への旅が始まります・・・!!
■夜を切り裂く国鉄色
そして23:10、列車は定刻通りに新宿を発車しました。
国鉄色の485系はゆっくりと新宿のポイントを渡り北へ進路を向けます。
ポイントを渡り終えると、まもなく新大久保・高田馬場・目白を通過。
見慣れた光景ですが夜行列車の車内からだといつもと違って見えます。
列車はゆっくりとした速度のまま最初の停車駅は池袋に到着しました。
数人を乗っけてムーンライトえちごは東北貨物線でさらに北上します。
列車は池袋を発車してここからは快速夜行列車の本領発揮なのですが、
なかなか加速せずゆっくりのまま偶に止まりそうになる速度で走ります。
赤羽までは順調だったものの、遂に与野付近で停車してしまいました。
普段はこんなことなくて、爆走して夜の都心部を駆け抜けて行くのに・・・
乗客たちに疑問の色が見られ始めた時、ここで車内放送が流れました。
なんでも人身事故で高崎線のダイヤが乱れ列車が詰まっているそうな。
2・3分ほど停車し、大宮操作場の貨物列車を見つつ大宮に到着しました。
・・・って隣を普通籠原行きが並走しているんですケドあれ?^^;
まあ同じ高崎線でこっちの方が速いからこっちが先発・・・かと思いきや、
何故か普通籠原行きの方を先に通してムーンライトえちごも同時発車。
これから通る線路は列車が行ったばかりなのでこっちは超スロー運転。
本当に止まるか止まらないかのゆっくりな速度で高崎線を進みます。
ゆっくり走って間隔をとっいてたのかある程度までいくと普通の速度に。
さらに籠原も通過すると、いよいよ485系の爆走が見られます!
列車は夜の高崎線を遅れを回復するように俊足でどんどん進みます。
流石長年愛用されている485系、まだ走りからは余裕さえ感じられます。
そして日付けが変わり最初の停車駅の高崎にほぼ定刻に入線しました。
というわけで列車は最初の長時間停車駅である高崎に到着です。
0:59から1:13までのおよそ14分間の長時間停車。
ドアが開くと乗客たちがぞろぞろとホームに小休憩がてら降りてきました。
いくら安いとは言え座席で寝る慣れない列車ですから疲れるのでしょう。
乗客たちは、撮影したり軽く体を伸ばしてみたり飲み物を買ったり・・・
いかにも「夜行列車の途中停車駅の小休憩」といった風景が広がります。
「たかさき」の駅看板とバックに国鉄色のムーンライトえちご。
こんな光景を再び見られたのもおよそ2年ぶり、実に久々なことですね。
ふと発車案内を見ると現在時刻ちょうど1時。
しかしまだ0:56発の高崎線の普通新前橋行きが来てすらいません。
そもそもその列車はムーンライトえちごより先行するはずの列車ですが、
どうやらその列車も高崎線での人身事故の影響を受けているようです。
そのため、ムーンライトえちごもその列車の発車を待って発車するそう。
いつ発車するか分からないので、早く撮影を済ませて車内に戻りました。
車内から見ているとやがて数分遅れで普通新前橋行きが入線しました。
乗降が終わるとすぐに発車。ムーンライトえちごのために道を急ぎます。
そしてちょっと遅れてムーンライトえちごは高崎を発車しました。
ここからが485系の全速力・・・夜の上越線をひたすら登って行きます!
と、その前にムーンライトえちごは新前橋に一旦停車。
ここから先は乗務員が変わるので乗務員交代のための運転停車です。
乗務員交代を済ませムーンライトえちごは上越国境越えに向かいます。
列車はどんどん上越線のこじんまりとした駅を通過し北上していきます。
加速ばかりしていることから徐々に勾配が急になってきているのでしょう。
しかし外の車窓は見えないし時間も時間なのでもう寝ることにしました。
水上での運転停車も見ていよいよ上越国境に突入したところで寝ました。
・・・およそ1時間後、どこかの駅に停車しているところで目が覚めました。
窓の外を見ると新潟県最初の停車駅は長岡に停車しているところです。
外に出てもよかったのですが眠気が勝って結局座席から動くことなく・・・
でもまた寝ようと思っても寝付けなかったので起きていることにしました。
寝ぼけていること20分、定刻通りに列車は長岡を発車しました。
流石にここまで来ると高崎線の人身事故の遅延は回復しているようです。
長岡を発車するとまだ夜が明けぬ越後平野を走る信越本線を進みます。
沿線はおそらく休耕田が広がっているのでしょうが暗くて全く見えません。
遠くの国道の明かりとそこを走る車の疎らなライトだけが見えるだけ・・・
しかし列車はそんな時間帯でも特急と同じ停車駅に止まっていきます。
需要があるのかと見ていると各駅各駅に2・3人の乗客が待っていました。
この列車は少し早い信越本線の始発列車としても機能しているそうです。
確かにムーンライトえちごに乗れば新潟駅の始発列車に乗れますしね。
主要駅で2・3人ずつ乗客を拾いながら列車はさらに北上していきます。
列車は新津を発車すると、乗客は皆起き終着駅の雰囲気が漂います。
およそ終点まで15分、降りる準備をしはじめる人が多くなってきました。
そろそろ網棚に置いておいた自分の荷物を下ろして降りる準備をします。
そして♪鉄道唱歌が流れ、いよいよ終点の新潟に着くことを知らせます。
旅行鞄を持った乗客たちがぞろぞろとデッキの出口に集まってきました。
ポイントを渡って・・・新宿から5時間41分、列車は終点の新潟に到着!!
降りた乗客は次乗る列車のホームへと皆急ぎ足で向かいます。
これから乗る列車の乗り換え時間は5分・・・少し急ぎ目に移動します。
階段を下りて上って1番線へ、待っていたのは6両編成のE127系。
今回はこれに乗って北海道方面を目指し日本海側を北上します!
続きは次回、白新線・羽越本線の始発列車でさらに北へ向かいます。