みなさんこんにちは,M1の横田です.今回がブログ初投稿です!というより,ブログ自体人生で初めて書きました.何を書けばいいのかわからないので,とりあえず軽く自己紹介.

自分はひろがりプロジェクトの構造系として開発に携わっていました.趣味はライブに行くことで,パンデミック前は月1,2回は行ってましたね.後,家で暇しているときは昨今ちまたで話題のFPSバトロワゲームをよくしています(笑) (ランクがプラチナで沼っています.どなたかダイヤまでキャリーしてください)

 

ひろがりが放出してからだいぶ時間が経ちましたが,運用チームの方々毎日本当にお疲れ様です.他のメンバーのブログ投稿でも何度か話に上がっていると思いますが,ひろがりは放出から1週間通信に成功しませんでした.打つ上げは僕も一緒に中継を見ていたのですが,その後のファーストパスが取れず,その後一週間難航していました.まず僕が思ったのがキルスイッチの故障です.キルスイッチは衛星の心臓みたいなものです.キルスイッチが壊れていれば全身に血液が送られず,活動することは出来ません.キルスイッチは自分たち構造系が設計したものだったし,かなり元々問題児であったので正直絶望していました.放出の1週間後,僕はバイト中だったのですが,休憩中にスマホを見るとものすごい数のLINEとSlackの通知がたまっていました.なんと初めてパスが取れていたんです.バイト中ならが本当にうれしくて,休憩が終わってバイトが再開してからは気が気でなく全く集中できなかったのを覚えています(笑) 次に構造系として冷や冷やしたのはパドル展開です.これも自分の担当で設計,組立ともにかなり苦戦した部分です.結果から言いますと,パドル展開は完全に成功しませんでした...片方は完全に開いたのですが,もう片方は途中までしか展開せず,やはり可動部の構造は難しい...ですが,1号機であるOPUSATよりは確実に進歩しているので,次号機ではさらなる進歩を生み出したいですね!

 

 

とまあ,プロジェクトに関しての話はこのぐらにして,世間ではまた緊急事態宣言ですね.この暮らしにもなれてきて,時間も有り余るので自炊に力入れたり,小説を読み漁れたり,まあ意外と悪いことばかりではありません.自炊については,最近豚の角煮を作りました.我ながら料理の才が感じられましたね.豚の角煮のポイントとしてはしっかり下茹ですることです.お米のとぎ汁で30分煮て,火を切って30分蒸す.これを三回繰り返します.下茹でに3時間もかけたのです.5時に作り始めて,ご飯を食べることができたのは9時です.ですが,自炊史上最高においしかったのでよしとしましょう.読書に関しては,以下に5月に読んだ本を書いておきます.よかったら読んでみてください.表紙に人の写真が載ってる系の本は苦手なので小説だけです.

 

 

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アルジャーノンに花束を/ダニエルキイス  有名なので読んだことある人多そう.翻訳した人がすごい.

砂漠/伊坂幸太郎               西嶋っていう登場人物が魅力的.麻雀好きなら読んでみて.

博士の愛した数式/小川洋子       数学と家政婦と阪神タイガース

海辺のカフカ/村上春樹          村上春樹って感じ(笑)

ホワイトラビット/伊坂幸太郎        THE群像劇.結末に向かうスピード感がすごい.

火車/宮部みゆき           戸籍を題材にしたミステリー.めちゃくちゃおもしろい.

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僕の最近の日常はこんな感じです.ほぼ毎日朝起きて研究をして,夜になったらご飯を食べて,寝るまでの間ゲーム,小説,映画などなど.毎日同じの内容のことをしていると一日の時間がすごく短く感じてしまい,気分があがりません.早く,ドライブやBBQや旅行に行きたいですね.こんなことを言ったら教授に怒られるけど,緊急事態宣言ではなく,研究辞退宣言をだしてほしいなあ...

 

 

 

 

 

みなさんこんばんは,修士1年になりました鹿野です.本当に久しぶりの投稿になります.

 

 以前の投稿では修士2年の長澤さんがファーストパス受信までのドラマを投稿していただいたので,今回はまた別のエピソードを紹介したいと思います.今回はひろがりの「追跡」に焦点を当てたいと思います.

 

なぜ追跡する必要があるのか

 

 一言で言ってしまえば「通信をするため」です.

 

 ひろがりは高度400kmの低軌道衛星であり,おより90分に地球を一周します.地上局から見ると,長くても約10分で空を横切ってしまいます.そこで,ひろがりと通信するためには軌道を正確に把握し,地上局のアンテナを向けてあげる必要があります.

地上局のアンテナを衛星に向ける必要がある

 

 また,ドップラーシフトを補正するためにも軌道情報が必要です.ひろがりは一定の周波数(145.9MHz)で電波を出していますが,高速で移動しているため,サイレンを鳴らした救急車が近づいてくると音が変わって聞こえるように,観測される電波が変動します.この変動をドップラーシフトと言い,補正するためには衛星の位置情報が必要なのです.

 

準備(謎の組織18SPCS)

 

 ひろがりがISSから放出される1週間ほど前に衛星を追跡するアメリカの組織18SPCSに追跡依頼をだしました.恥ずかしいことに18SPCSについて全く知らなかったのですが,地上に設置された巨大なレーダーで軌道上の物体を追跡している組織です.最近だと中国のロケットが制御不能な状態で大気圏再突入したニュースが話題になりましたが,このときロケットを追跡していたのもこの18SPCSになります.

 

 上でも紹介したように,衛星を運用するためには軌道情報を把握することが必要不可欠となります.しかし,超小型衛星を運用している大半の団体でもいえることですが,宇宙にある衛星を観測して軌道情報を計算することは不可能に近いです.そのため,無償で衛星を追跡して軌道情報を公開してくださる,18SPCSは非常にありがたい存在です.

 

 慣れない英文メールで18SPCSの担当者の方と,ひろがりの大きさ・ISSからの放出時期といった地上から観測する際に必要な情報のやり取りを行います.担当者の方は自分の下手な英語にも親切に返信をくださいました.ふと担当者の方の署名欄を見てみると

18th Space Control Squadron

United States Space Force

の記載があるではないでしょうか!このときはじめて18SPCSがアメリカ宇宙軍の組織であることを知りました.まさか大学生の間にアメリカ宇宙軍とやり取りすることがあるなんで思ってなかったので驚きました.

 

次回はISS放出後について書きたいと思います!

 どうもこんにちは、修士2年の長澤です。皆さんはGWをどのようにお過ごしでしょうか?

私は研究と資格(第一級陸上無線技術士)の勉強がもっぱらになりそうです。

 

それはそうと、このLittle By Littleも早いもので第4回です。書き始めたのは良いものの、

思っている以上に書きたいことが多く、ここまで来てしまいました。前回で遂に手詰まりに

なってきた私どもでありますが、ここから事態は急転します。

ひろがりは、そして運用メンバーはどうなったのか、さあ見ていきましょう。

 

JAXAから送っていただいた写真

 前回の最後で述べましたように、19~20日の運用は、リモートで参加していた人を省くと

二人しか参加できておらず、メンバーの運用へのモチベーションが底となってしまった日でした。

ですが、同時に一筋の希望が見えた日でもありました。

 

放出後にJAXAに依頼していたことなのですが、放出時のひろがりの高画質画像を

送信していただけるようにお願いしていました。ひろがりは、底面にある二つのスイッチが

解放されることで33分後に電源が付く作りになっているのですが、このスイッチが

解放されているかを確認したかったのです。そして同日、依頼していた画像が遂に届いたわけです。

 

送っていただいた画像を、心臓をバクバクさせながら見ていきました。そしてある一枚の

画像を拡大したとき、スイッチが解放されているかどうか、ある程度の見極めがつきました。

 

JAXA提供のひろがり放出時の高画質画像(二つの赤丸がスイッチ部分)

 

「これスイッチは解放されてるんとちゃうか!?」

 

この画像を見て、私もかなり勇気が誘起された…失礼、とにかく「アンテナ展開できてないから

受信できていない」可能性が高いならまだいけるぞ!と奮い立ったものです。

 

JAMSATシンポジウム2021への参加

 ひろがりはアマチュア無線帯を利用して通信している衛星ですので、JAMSAT(日本アマチュア

衛星通信協会 https://www.jamsat.or.jp/) の方々へ自分たちの活動を報告するのが礼儀です。

3月20日に開催されたJAMSATシンポジウム2021にて、現状のひろがりの運用を発表しました。

 

 発表後の質疑応答の際に、参加者の方々から、「これまでにアンテナが未展開でもCWを

受信できたケースはあるし、ひろがりに当てはめてみても可能性は十分にある」というご意見を

いただきました。大ベテランの方々からそう言っていただき、昨日の画像の件も合わせて、

精神的にだいぶマシになったことが思い出されます。ありがとうございました。

 

決戦は21日

 現状、「アンテナ展開していない」 or 「電源周りの故障」のどちらかである可能性が濃厚である

以上、前者に願いをかけて、天頂付近を通る(仰角80度以上)パスを万全な状態で迎える必要が

あります。20日のパスでは、残念ながら一番良くて40度程度なので、80度後半となる明日21日の

深夜のパスが勝負です。

 

 これまでにも1, 2回天頂付近のパスがありましたが、そのときはまだ衛星のTLEが定まっておらず、

また仮にそれがちゃんとひろがりの軌道を捕えていたとしても、衛星の見え始めから追跡を

行っていたためズレがかなり大きくなっていた可能性が大です。しかし、今回はある程度自信を

持ってTLEを選定出来ていますし、一番いいところを捕えるために、衛星を最初から天頂付近で

待ち構える戦法をとるつもりです。これまでで一番の盤石な体制です。これまでの解析はこのために

あったと言っても過言ではありません。

 

 また技術的な条件だけでなく、願掛けも万全です。放出時から日々心の支えだった「日めくり

まいにち修造カレンダー」(ご購入はこちらからhttps://www.amazon.co.jp/dp/4569820786/) も21日は

『次に叩く一回で、その壁は破れるかもしれない』となっていました。「次に通るパスで、CWが

聞こえるかもしれない」、「次の自動アンテナ展開でアンテナが開くかもしれない」など運用メンバー

共々、好きに置き換えて己を鼓舞していました。

 

出典: [日めくり] まいにち、修造! 心を元気にする本気の応援メッセージ, 21日目より

 

 以前に飛行神社に願掛けに行った話をしました。実は団体として、もう一つ電電宮(

 

「思わぬ方よりたすけを得て仕合せよし」

 

これは修造さんが導いてくれるのではないか!? などと個人的に思っていました。

明日はきっと何か起こる気がする。そんな予感がした20日の運用でした。

 

電電宮の看板とおぷー、おみくじの結果

 

21日...その時は来た

 人間、気分が高揚するとなんでもできる気がしますが、冷静になるとその落差は大きく、

逆にどうにもならないだろといった体になります。つまり何が言いたいのかというと、昨日と

打って変わって皆淡々としていました。「今日も何も進展しないかもね」といった感じです。

ただ昨日の今日なので、これまで運用に主に関わってきたメンツがほぼほぼ集まっていました

(燃え尽きたメンバーの一人はシン・エヴァンゲリオンを見に行っていました...)。

 

言ってしまうと今日のメインは深夜の天頂付近のパスですので、それまで皆、ほげーっと

過ごしていました。そして20時30分頃、「あまり仰角の高くない(10度以下)パスだし、

他の衛星のCWでも確認するか…ワンチャン自動アンテナ展開で開いているかもね」

などと思っていた時、ついにその時が来ました。

 

衛星運用一番の功労者B4の森瀧君が受信電波のスペクトル(受信電波のどの周波数成分が

強くなっているのかを表示したもの)を眺めていると、あることに気づきました。

 

 

「なんかひろがりの周波数帯にほとんどフィットした形で信号を捕捉していないか?」

 

 

ほんの少しずれてるけど、ひろがりの周波数帯でドップラーシフトしながら届いている電波が

あることに気づいたのです!現時点で府大の上空を飛翔するこの周波数帯の人工衛星が

ひろがり以外に無いかを確認しつつ、その場にいたメンバー総出で、CWの音とスペクトルの

強度からひろがりであるかを判断します。最初に「HRG」のモールスが判読できれば

まず間違いなくこの信号はひろがりから送られてきた信号です。そして…

 

 

 

 

 

 

 

・・・・  ・―・  ― ―・

 

 

 

 

 

 

 

(CWの音)トゥトゥトゥトゥ、トゥトゥートゥ、トゥートゥートゥ

 

 

 

 

 

 

 

 

「H..R......G!!!!!うおおおおおおおおおお!!!!」

 

 

 

ついに七日目にしてひろがりのCWを受信することに成功しました!!!その後ひろがりの

コールサインも確認してこの信号が正真正銘ひろがりのものであることもわかりました!!!

さらにはデコードソフトを用いてCWに載せた情報も読み取ることに成功しました!!!

 

<CW受信成功時の報告>

 

 タイミング的には定期アンテナ自動展開直後のパスでしたので、自動展開が8度目にして

成功した可能性が高いと考えられます。まさに七転び八起きのニクロム線騒動。

そしてCWデコードの成功によって次のことがわかりました。

  • バッテリーは満充電
  • バッテリー温度も20℃付近で最適な温度
  • 受信強度は他の衛星と比較しても、かなりしっかりしている(しかも低仰角)
  • 電源投下後の計測経過時間から判断して、放出後無事に電源が入っている
  • 異常検知がなぜか14回カウントされている(今後どこかで話しますが、問題ありませんでした)

 

何か起こると直感した20日の予感は最高の形で実現しました。

SSSRCは松岡修造さんに全身全霊感謝を申し上げます。

 

出典: [日めくり] まいにち、修造! 心を元気にする本気の応援メッセージ, 21日目より

 

心再燃

 燃え尽きていた彼のメンバーも、この報を得て再び燃え上がり、大慌てで衛星部屋に

駆け付けてきました。もちろんその場にいた他の運用メンバーの心も再燃していました。

 

 次に確認すべきは、ひろがりにコマンドを送信してデータを降ろしてこれるかです。

これができて初めて、ひろがりは晴れて宇宙のゴミから人工衛星になります。

 

もしコマンドをひろがりが読み取ることができれば、ひろがりからACK(アック)と呼ばれる

ツーツーツーという三音が返ってきます。読み取れなかった場合はNACK(ナック)と呼ばれる

ツーという一音が返ってきますので実際上は二回目のツーが聞こえればコマンドが

通ったと確認することができます。

 

 

そして勝負の時が来ました、ひろがりに向けてコマンドを送信してACKが返ってくるのを待ちます。

 

 

 

 

 

 

 

ツーツーツー

 

 

 

 

 

 

ひろがりが確かに人工衛星になった瞬間でした。

 

 

 私は涙もろいところがありまして、いわゆる泣かせる作品に触れると涙を禁じえない質ですが、

そういった作品の感動というのは主に別れに伴う悲しさです。この日、私は恐らく初めて嬉し泣き

というものをしました。私の大学生活の大きな割合を費やしてきた熱意の塊が、ゴミの塊から

誇り高き人工衛星へと昇華したのですから…。

 

 歓喜の他にも色々と思うことがありました。ひろがりが無事に放出までこぎつけたのも、

既に卒業された先輩や、新社会人になるにあたって既に大阪から旅立ってしまった先輩の

ご尽力があったからに違いありません(もちろんご協力いただきました各所企業団体様のご尽力

のおかげでもあります)。それが何の実も結ばずに終わるなんてあまりに報われないじゃありませんか。

そう思うにつけて本当に良かったなあと感激したわけです。

 

また、今回のひろがりの成功・不成功がこれからのセンターの未来にかなり影響すると考えていました。

というのもやはり打ち上げても動かない衛星を作る団体には共同開発を依頼したいと思われないな

と考えていたからです。また成功の無いところに出資したいなと思ってくれる人はそうそういませんから、

金銭面的にもかなり悲観的になっていました。そういったことからも、本当に今回の成功は深い安堵を

私たちに与えてくれたわけです。

 

 

 それでは最後にその時の現場の熱量を感じ取ってもらえるように、三つの音源を用意しました

(動画で用意出来たら良かったのですが、保存時に画像部分がロストしてしまったので…)。

 

①ひろがり発見か!?

 
②HRG確認よし!!
 
③ACK確認よし!!
 

といった感じで今回は見事に陽が登り切ったところで終わりです。

きっとこの日の感動や成功が一生自分を支えてくれると思います。

 

次回からは成功を経て「調子乗り期」に至ったあたりまで書きたいと思います。お楽しみに。