この記事はSSSRC Advent calender 2023 21日目の記事として書かれています.
はじめに
どうも,修士2年の森瀧瑞希です.
今年でSSSRCのアドベントカレンダー企画は3年目になりますが,僕は一昨年,去年と気球試験の放出機構の話を書いておりました.
この放出機構の電装は2020年に僕が一から自作したもので,せっかくなら今年も同様の話を書きたかったのですが,あいにく現在大阪を離れており,気球試験当日も行くことができなかったので今年のアドカレは別のトピックになりました.
放出機構についてはB4の中西くんが引き継いでくれて,アメブロにもその話を書いてくれているので読んでみてください.
宇宙への関わり方について考える
さて本題ですが,今回は「宇宙分野への関わり方」をテーマに話をしてみたいと思います.
SSSRCのアドカレを読んでくださっている方の中には,宇宙に興味を持っていていつか宇宙に関わりたい!と思われている方もいることでしょう.
最近Twitterでも,どの大学に行けば衛星に関われるのか,どうやったら宇宙を仕事にできるのかというようなトピックを目にすることも増えました.
この記事では,僕の知っている範囲になりますが,宇宙への関わり方・進路について紹介したいと思います.
「宇宙に関わるチャンスって意外とあるんだな」
「宇宙分野に入るハードルって思ったより高くないんだな」
このブログを読み終わってそんな感じに思ってもらえると嬉しいです.
主に次の項目に分けて話をします.
僕が宇宙に関わり始めた経緯と現在の関わり
まず初めに,僕が宇宙へ関わっている経緯と状況を紹介します.
実は僕は専門が航空宇宙ではありません.大学の専攻そして研究内容は情報工学をやっています.
子供の頃から情報技術と宇宙の両方に興味があり,大学受験の際は情報系学科と航空宇宙系の学科で迷った末,情報技術の知識を身につけていれば,後から宇宙をやりたくなっても何らかの形で関われるだろうと思い,情報系を選択しました.
そういった経緯があるので,入学当初は大学では情報工学について学び,就職活動の際にまだ宇宙をやりたい思いがあれば,情報工学の知識を使って宇宙に関われる仕事を探そうと思っていました.
そんな中,学部学科を問わず参加できるSSSRCという団体を見つけ,情報工学を専攻しながらも衛星開発を行える環境を手に入れて今に至ります.
現在はSSSRCに加え,e-kagakuという科学教育を行う法人でアルバイトという形で衛星プロジェクトに関わっており,来年からは宇宙機開発を行う会社でエンジニアとして働く予定です.
自分は運の良いことに,大学で宇宙と情報の両方に関わることができましたが,第1志望の大学に落ちて第4志望で入った大学にたまたま衛星開発をやっている大学があって,このような環境に身を置くことができました.
入学前は大阪府立大学で衛星開発をやっているなんて知りもしませんでしたし,他の大学に落ちてなければこの素晴らしい環境は手に入りませんでした.
このことから,どうすれば宇宙に関われるのかを知っていればより適切な進路選択ができるし,宇宙が好きな人にも宇宙に関われる進路の選択肢は結構知られていないなと思ったのが,このブログを書こうと思ったきっかけです.
中学生・高校生の間に宇宙へ関わる
僕が中高生の時は大学進学で希望の進路を選択できるよう勉強することしか進路については考えておらず,中高の間に何か活動ができるかなどは考えたことがなかったのですが,最近になって中高生の間でも宇宙について学べる場所があることを知ったので紹介します.
e-kagakuアカデミー
e-kagakuは先ほど僕がアルバイトをしていると紹介をしましたが,スポーツは子供の時から大人と同じルールでやっているのと同じように,科学教育も子供の時から実際に物を触ったり作ったりして学ぼう!というようなコンセプトで,科学を通じた人間教育・人材育成を行なっている非営利法人です.
e-kagakuアカデミーではいくつかプロジェクトがあるのですが,その一つがe-kagaku Satellite Projectで,実際に1UのCubeSatを中高生が大学生・大学院生のサポーターと共に開発を行っています.
初めてe-kagakuのことを知った時は,中高生の時から実際に宇宙に行く衛星の開発に関われる機会あることに非常に驚きました.
ちなみに,e-kagakuはSSSRCとも連携協定を結んでおり,衛星開発において協力関係を築いています.
e-kagakuのことは,e-kagakuで同じくアルバイトをしている友人から聞いて初めて知りました.
「宇宙学」を学べる中高一貫校:鹿児島県立楠隼中学・高校
鹿児島県立楠隼中・高は2015年に開校した中高一貫校なのですが,その所在地はJAXA内之浦観測所がある鹿児島県肝付町.
その特徴は「宇宙学」を学べることです.
JAXAと鹿児島県教委が連携協定を結んでいて,JAXA職員や大学教員を招聘して宇宙に関する授業を行っているそうです.
全寮制なので鹿児島県外の人でも入りやすいですね.
現在は男子校ですが,2026年に共学化する方針とのことです.
現在のUNISON代表の方がこの高校出身で,その方から聞いてこのような学校があることを初めて知りました.
大学で宇宙に関わる
多くの人は大学進学の際の進路選択で宇宙へ関われる方向性を探るんではないかと思います.
「航空宇宙 大学」あたりのワードで検索すれば,航空宇宙工学科のある大学を調べることはできますが,航空宇宙工学科などのわかりやすい名前で学科が設置されていなくても航空宇宙工学を学べるコースがあったり,SSSRCのように学部学科問わずに参加できる宇宙関係の課外活動で専門性の高い活動をやっている大学も多くあります.
宇宙がやりたいからといって,必ずしも航空宇宙工学科に進学しなくて良いのです.
(もちろん,学問として航空宇宙工学を学びたいなら航空宇宙工学科に行った方が思います)
大学院で宇宙に関わる
大学院は進学した大学からそのまま内部進学をする方が多いですが,大学院から別の大学へ進学することもできます.
宇宙科学研究所のように研究機関で大学院生として研究できる選択肢があるということは,総研大に入学して別の研究所で研究をしているSSSRCの同期に聞いて,初めて知りました.
総研大に入学すれば,宇宙研以外にも国立情報学研究所や国立天文台,高エネルギー加速器研究機構などの研究機関で研究を行うことができます.
総研大は秋篠宮文仁親王が博士号を取得された大学ということでも有名です.
宇宙を仕事にする
最近,どうすれば宇宙を仕事にできるのかというトピックでTwitterの宇宙界隈が盛り上がっていましたが,正直僕もあまりわかりきっていません.ただ一つ言えるのは想像している以上に宇宙へ関われる道は多くあるということです.
趣味で宇宙に関わる
「リーマンサット」という団体を聞いたことはありますか?
終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました!