最新コラムUP/若者の貧困は甘え?精神疾患と闘いながら、居場所を探す20代 NPO法人SSS | NPO法人SSS 事務局ブログ

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「若者の貧困」が叫ばれて久しい日本。

 

 

その要因は一体何なのでしょうか。年功序列や終身雇用の時代が終わった今、そもそも若者の平均所得自体が減少の一途を辿っています。

 

高収入を得られるのは一握りの勝ち組だけで、中小企業に就職した多くの若者はたとえ高学歴であっても、収入格差を感じているそうです。

 

しかも、真面目に働けば昇給していった昔とは違い、何年勤続してもなかなか賃金が上がらない企業も多く、サービス残業が当たり前の長時間労が恒常化している企業も少なくありません。

 

こうした状況に置かれた若者が将来に希望を見いだせないのは、必然といえるでしょう。

 

そして当然のように、心の病を患う若者は急増。10代~20代の精神疾患の患者数は、2014年から2017年の3年間で2.8倍に跳ね上がったというデータ(メンタル・ヘルス研究所が上場企業2273社に行った調査/2018年)もあるほどです。

 

 

結果「働きたくても、なかなか次の一歩を踏み出せない若者」「精神疾患と闘いながらであるため、自分のペースでしか働けない若者」が増加しています。

 

そう、「若者の貧困」は決して甘えではなく、退化が止まらない日本を映す、深刻な社会問題といえるでしょう。

 

日本が勢いのあった時代に生きた世代の大人たちから上がる「若いんだから働けるだろう」「最近の若者は情けない」といった非難の声は、的外れといって差し支えないかと思います。

 

前置きが長くなりましたが、今回のコラムの主人公Nさんも、精神疾患を患い、働きたくても働けなくなってしまった若者の1人。

 

 

職場で何ヶ月も仲良くしていた同僚に突然無視されたことをきっかけに、少しずつ精神を病んでしまいます。

 

その後も同じ職場で頑張っていましたが、1度人間に対して抱いた不信感を払しょくすることができず、Nさんはついに退職。社員寮に入っていたため、仕事と住まいを同時に失います。

 

自暴自棄になり、死に場所を求めて旅に出たNさん。そんな彼を救ってくれたのは、信用できないと思っていたはずの“他人”でした。

 

 

彼と同じように精神疾患を患っていた友人から「一緒に頑張らないか?」と声をかけられ、Nさんは再び前を向いたのです。

 

同じ境遇にある同年代に声をかけるとしたら?と聞いてみると「支えてくれる友達を大切にしたほうがいいということですかね。自分ももっと早くいろんな人に相談すればよかったと思っています」と答えてくれました。

 

今後ますます経済格差が広がっていくことが予測されている日本。子供を含む「若者の貧困」は一層、社会問題になっていくに違いありません。今回のコラムが、今一度「若者の貧困」について考えるきっかけになりましたら、幸いです。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

 

更新日:2019.03.27

若者の貧困は甘え?

精神疾患と闘いながら、居場所を探す20代男性

 

当事者インタビュー:Nさん(男性・28歳)