平均年収は422万円(2018年 国税庁の調査より)といわれる現代日本。そんな中、年収1000万円を超える人は、なんと全給与所得者の5%以下といわれています。
現代日本において、年収1000万円を手にしている人は「高収入」であり「勝ち組」と呼んで差し支えないでしょう。
しかし、現在、年収1000万円超であるにもかかわらず、貯金ゼロという人や生活破綻してしまう人が増えているのをご存知でしょうか。
たとえば、年収1000万円~1200万円未満で貯金ゼロの人の割合は13.5%にのぼるという調査もあるほどです(金融広報中央委員会調べ)。
その理由は、高収入なほど税金が上がるため、手取り額は大きく増えないにもかかわらず、年収1000万円を超えると、本人には「中流以上」の意識が芽生えるため、普段の生活レベルを上げがちだから。
食事や住居など…「ちょっといいもの」を求めることが増え、生活破綻に陥ってしまうのだそうです。
今回のコラムの主人公であるKさんも、一時は年収1300万円超を稼いでいたのだとか。生活保護を受給するに至った理由とは何なのでしょうか。
30代~58歳までのKさんの人生は、まさに順風満帆。フリーランスのIT技術者としてバリバリ働き、高収入を得て、恋人との同棲生活を楽しんでいました。車を趣味にしていたKさんは、外車を3台所有していたこともあったそうです。
風向きが変わったのは、59歳の頃。強烈な胃もたれと、仕事を休まざるを得ないほどの胃痛を感じ、フリーランスであるKさんの収入はゼロになります。
徐々に病状は悪化し、ついには食事も摂れないほどとなり、救急搬送。入院中、腹部CTや胃カメラなど、さまざまな検査をしますが、胃腸などに異常はなし。下った診断はどこに異常があるのか特定できない病気である「機能性胃腸症」というものでした。
食事療法や投薬で一時的に病状は快復するものの、なかなか全快には至らず、入院を繰り返す日々。「お金はあるだけ使う生活」をしていたため、医療費などでお金は底をつき、ついに生活保護を受けるまでになりました。
現在も「早く働いて自立をしたい」という想いは強いKさんですが、完治には程遠く、SSSの施設で暮らしています。
病気や事故で働けなくなるのは、誰しもに降りかかる可能性のある悲劇です。たとえ、世間では裕福といわれる生活をしている人も例外ではありません。
では、そうした「万が一」に備えて今出来ることは何なのか。老後に不自由なく暮らすためには今どれくらい貯蓄をしていくべきなのか。
自分の「将来のシアワセ」を作るのは、「今」の積み重ねなのだと強く感じるコラムとなっています。
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更新日:2019.05.08
年収1000万も稼いでいたのになぜ?
裕福だったIT技術者が生活保護に至った理由
当事者インタビュー:Kさん(男性・62歳)