久々の、クラシック以外の音楽ネタです。
今回紹介するのは、リヴォニアのフォークバンドですが、
アクセス数の少ない弱小ブログ知られざる いろんなもの で紹介するのは、
内容的に非常に勿体無いと思ったので、弊ブログに転載する事にしました。
タイ・タイ(Tai tai)リヴォニアのフォークバンド - 知られざる いろんなもの
《転載開始》
エイヨー(Eijõ)(掛け声なのか、言葉に意味があるのかは不明)
http://www.youtube.com/watch?v=Ry5aZnlYTOY
ラトヴィアの北東部、フィン・ウゴル語系少数民族リーヴ人の女性シンガー
ユルギー・スタルテ(Julgī Stalte)を中心に、8人編成のバンドである、
トゥッリ・ルム(Tuļļi Lum)が結成され活動していたというのを、
偶然知りました。
まさか、日本語での紹介は無いだろうと思いきや、実は既に、
2002年というかなり早い時期に紹介している人がいました↓
http://mqsmr.blogspot.jp/2010/12/tulli-lum-same.html
興味深いブログなので、時間がある時にでもゆっくり見ようかなと思います。
Wikipediaによれば、「トゥッリ・ルム」は、1999年に結成されたのだそうです。
また、作品を構成するにあたっては、エストニア人民俗学者、
オスカル・ローリッツ(Oskar Loorits)の書籍を参考にしているのだとか。
そして、リヴォニア民俗音楽とジャズの融合をはかる事により、
独特の音楽が生まれたのだそうです。
アルバムは、一枚出している様ですね(上掲の画像)。
リーヴ人の使用言語であるリヴォニア語(Līvõ kēļ)は、2009年に、
最後のネイティヴスピーカーが亡くなっていますが、現在、
復興の動きが出ている様です。
http://whitebear0930.net/archives/2383
リヴォニア語は、フィン・ウゴル語派との事ですので、
エストニア語やフィンランド語に近い様です。
地理的にも、エストニアに近いですし。
そして現在、ユルギー・スタルテは、
新たにバンドを結成し、活動を継続しているそうです。
男女4人組による、タイ・タイ(Tai tai)というグループです。
http://mqsmr.blogspot.jp/2014/05/tai-tai.html
タイ・タイ(Tai tai)(曲名です バンド名でもありますが)
http://www.youtube.com/watch?v=I1AT0e1CHy0
主に、ラトヴィアの民族楽器を用いている様です。
フィンランドの民俗楽器カンテレ(Kantele)(または、カンネル Kannel)
に似た楽器は、ラトヴィアの民族楽器クワクレ(クアクレ Kokle)です。
http://music.ap.teacup.com/kantelejapan/346.html
↑クルゼメのクワクレ(Kurzemes kokle)と、その画像元↓
http://www.baltharmonia.lv/muzikas_instrumenti.htm
チェロを長方形にした様な弦を2本張った楽器は、ヂーガ(Ģīga)だそうで、
スウェーデンの、サルモーディコン(Psalmodikon)という楽器から派生したそうです。
↑切手に描かれているヂーガのイラスト(Wikipediaにもあり)と、画像元↓
http://www.folkworld.de/41/e/baltic.html
↑ヂーガにはこんな形もあります。その画像元↓
http://folklora.lv/muzikas/giga/
サルモディコンは、弦が1本張ってあり、膝の上に寝かせて演奏する様で、
1820年代にデンマークで誕生したそうですが、
最も有名なのは、スウェーデン牧師ユーハン・ディルネル(Johan Dillner)
によるもの(1829年か1830年頃)だそうです。
↑画像はWikipediaより拝借
ドゥーダス(Dūdas)と呼ばれるバグパイプは、
16世紀からリヴォニアで演奏されているそうです。
↑ドゥーダスと、その画像元↓
http://www.worldhitz.com/2014/10/dudas-latvia-musical-instrument.html
「Eijõ」「Tai tai」共々、口琴が使用されていますが、
リヴォニアに伝統的に口琴があるのかどうかまでは、
突き止められませんでした。
リトアニアでは、口琴は、ダンブリャーリス(Dambrelis)と呼ばれていますが、
14世紀にトラカイ島城(Trakų salos pilis)の領内で発見されているそうです。
ゲルマン人等ヨーロッパ人によってもたらされたのではないかという説と、
タタール人によってもたらされたのではないかという説があるそうです。
同じバルト地域であるため、ラトヴィアやリヴォニアも、
伝統的に口琴とは無関係とは言い切れない気はしますが・・・。
(あくまで憶測なので断言はしませんが)
スタルテさんを中心とするこのバンドの曲の、
少なくとも聴いてみた限りでの感想ですが、
癒し系とでも言うのでしょうか、優しく前向きとでも表現したら良いのでしょうか、
メロディに心を委ねたくなる様な心地よい響きで、個人的には凄い好きです。
そんなわけで、スタルテさん達の今後の活躍も、大いに期待したいところです!!
《転載終了》
※元記事の画像はアルバムの画像だけですが、
各楽器の画像とその引用元へのリンクは、弊ブログで新たに追加しました。
改めて調べ直してみると、ヂーガにもサルモーディコンにも、
四角いチェロ型と箱型の両タイプがある様ですね。
転載だけでは芸が無いので、ついでに、軽くですが、
他にも気になる音楽を色々とご紹介します。
私は最近、サーミ人歌手に興味があり、
色々と調べてみて何人かその存在を知りました。
特に、マーッジー(Máddji)という女性歌手の、
『夜明けの光』(Iđitguovssu)という歌がとても気に入りました。
https://www.youtube.com/watch?v=46WW3D5a_TU
子守唄の様な癒される感じの歌です。
サーミ人というのは、スカンジナビア半島北部ラップランドや、
ロシア北部のコラ半島に居住する先住民族で、リヴォニア語と同様、
フィン・ウゴル語系言語であるサーミ語を話すそうですが、
スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ノルウェー語等も話す、
バイリンガルだそうです(そうならざるを得ないでしょうね)。
以前は「ラップ人」と呼ばれていましたが、
蔑称であるため現在は避けられているそうです。
いずれ、サーミ人ミュージシャン特集を、弊ブログで組むかも知れません。
エストニア人女性歌手、
マーリヤ=リース・イルス(Maalja-Liis Ilus)
の存在を、3年前の秋に知りました。
『自分を失う』(Kaotada end)
※訳が間違っていたらすいません
https://www.youtube.com/watch?v=hCK2KPnY38c
バルト三国記念週間というイベントが切っ掛けで知ったわけです。
歌も歌声もとても気に入っています。
彼女の歌のアルバムは宝物ですね。
恐らく、手に入れるのは容易ではないと思います。
日本のAmazon、Tower Records、HMVでは取り扱われていませんでした。
この歌手について、弊ブログで取り上げようと今まで何度も思いましたが、
どういうわけか、今回の記事まで取り上げる事がありませんでした。
しかも、「ついで」の紹介なので、ちゃんとした紹介ではありません。
後日改めて、きちんとした紹介記事を書けたら・・・、と思います。
(一体いつになる事やら・・・)
また、ケルリ(Kerli Kõiv)というエストニア出身女性歌手の存在も知りました。
5番街の-Seven-『駄天使』さんのブログで知りました。
『空の散歩』(Walking On Air)
https://www.youtube.com/watch?v=wXMeZwO2qZ0
このアーティストも好きです。
エストニアだけでなく、
リトアニアやラトヴィアの良さげだなと思うミュージシャンも探し出して、
弊ブログで紹介できれば、と思います。
マンゲル楽団(Manger Musikklag)
というノルウェーの吹奏楽団の存在も知りました。
マイナーなご当地吹奏楽団の様ですが、遊び心に溢れ、
技術レベルもとても高いと思いました。
いいだみさきさんのブログで紹介されているのを見て知りました。
YouTubeに演奏の模様を撮影した映像が色々と出ていますが、
以下に特に気に入ったものを一つだけ貼り付けます。
日本でも大人気のロシアの人形アニメ「チェブラーシカ」のテーマソングに、
大胆な編曲を施しています。
吹奏楽の超絶的神業がかなりシビレました!!
詳細は、みさきさんのブログをご覧ください↓
http://ameblo.jp/iida-misaki/entry-11948756302.html
『チェブラーシカ』(Чебурашка)
https://www.youtube.com/watch?v=_iB3Js2SWGA
最後に紹介するのは、どうしようもない最凶インディーズレーベル、
○害塩化ビニールが最近書籍化されたというお話です。
○人白書 ザ・ク○イジーSKB&○害塩化ビニール伝説(Loft BOOKS)
というのですが、懐かしいですね。
先月発売されたばかりだそうです。
主催者である「“バ○社長”ことザ・クレ○ジーSKB」の、
石野卓球(電気グルーヴ)との対談とか、
JOJO広重や綾小路翔などの30名を越える豪華ゲスト、
8000点を越える写真等、盛りだくさんだそうです。
(それなりに値段も高いですが・・・)
伏字ばかりですいません。
伏字をせず詳細な内容を書くと、
気分を害す方がおられるかも知れないし、
運営者によって記事そのものが削除される危険性もあるので、
敢えて伏字をさせていただきました。
それから、血まみれマリーさんからの影響で、水谷孝(裸のラリーズ)等の、
日本のカオスでハードコアなミュージシャンの存在も気になっています。
山崎春美や、竹田賢一、山塚アイ、前述のJOJO広重等、
色々いる様ですね。
まだまだ不勉強で、彼らについて語れるほどのものは持っていませんが。
参考記事↓
「価値観の社会的不適合者」だった元少年少女たちの前にそびえ立つ
「時間の止まった壁」 - クレアなひととき
http://tok2.seesaa.net/article/381568601.html
とまあ、ごった煮な音楽の紹介でした。
特に、一番最後に紹介した内容が、
他の内容とはかなり一線を画していて異質だったかも知れませんが、
私は、珍しいものや風変わりなもの、逸脱系等に興味があるので、
今回紹介したものには、
それらの要素のいずれかが含まれているのではないかと思い、
同じ記事内で紹介させていただきました。
【追記:2023/2/20】
マーッティ → マーッジー
サーミ語の第二音節の「イ」は必ず長音になるそうです。