露語題名:Считалки в картинках
英語題名:Looking-Rhymes
【原作】
ヤーニス・バルトヴィルクス(Jānis Baltvilks)
【脚本と監督】Scenārija autore un režisore
ルァゼ(ローゼ)・スティエブラ(Roze Stiebra)
【スタジオ】Studija
リーガ映画スタジオ(Rīgas Kinostudija)
https://www.youtube.com/watch?v=iA2Qe71tU_A
映像は、コチラからも試聴できます↓
今回紹介するアニメーションは、ラトヴィアの詩人で鳥類学者、
ヤーニス・バルトヴィルクス(Jānis Baltvilks, 1944-2003)
の作品をアニメ化したものだそうです。
Jānis Baltvilks - Wikipedia Latviešu
ラトヴィアのアニメーションと言えば、
騙し絵的描写やモーフィング(変容)描写等が用いられた、
トリッキーな描写が特徴的ですが、
やはりこの作品にもその要素がふんだんに込められています。
「実写では表現できない」からこその「アニメーション」
といった意識でもって制作しているのでしょうか?
「写真」が発明された時の、絵画に与えた影響みたいな。
でも最近は、CG技術が驚くほど進化していると思うので、
トリッキーなラトヴィアアニメみたいな描写も、
今では難なく制作できるのかも知れません。
(今回紹介のアニメーションは、1988年の制作です)
さて、今回紹介するアニメーションは、
追って追われての手に汗握るアクション映画さながらの内容?
少女、ダチョウ、ウサギ、ネズミの4人が、
それぞれサイコロの一部分(パーツ)を持っていますが、
彼らの所有している4つのパーツが全て揃わなければ、
「或る」力を発動させる事ができません。
また、ウサギの所有しているアタッシュケースを開くと、
人の大きさに対応した巨大な升目のボードゲーム盤となります。
その巨大な盤上に直に乗ってバトルを繰り広げるわけです。
(人間ボードゲーム?)
トレンチコート姿の様なメン・イン・ブラック(?)たちが、
ネズミとその彼女(?)をさらってしまいますが、
果たしてその目的は?
4つのサイコロが揃うのを妨害しようとしたのか?
果たして、4つのサイコロのパーツが揃った時、何が起こるのでしょうか?
題名の「Skatāmpanti」の意味について
「Skatām」は「skatīt」(見る)の現在分詞のようです。
しかし「panti」の意味がよく分かりません。
映像の題名ロゴ表示の時、題名の対ロシア語訳と英訳が出ていますが、
露語は「Считалки в картинках」(絵の中の歌)
英語は「Looking-Rhymes」(見ていることの歌)
またそれらとは別に、
原題に「見る」を意味する言葉が入っているため、
「見ている歌」と訳しました。
素人の翻訳なので、もしかしたら間違っているかも知れません。
《追記:コメント欄より、Matyikaさんから、
童謡「Skaitāmpants」を捩ったものではないかとの指摘がありました。
その原作の絵本(?)と思われるものを紹介した頁です↓
skaitāmpants | Гастроном - WordPress.com
つまり、「数え歌」ではないかと。
確かに、数える場面というのがありますよね。
「数え歌」という題名にした方が、しっくり行く気がします。
ラトヴィア語で「見る」と「数える」(skaitīt)は一字違いなので、
要は駄洒落みたいな感じでしょうか?》
《追記2:「Skatāmpanti」と一字違いの「Skaitāmpanti」は、
やはり「数え歌」という意味である事がわかりました。
Interactive book // “Skaitāmpanti” - Gumroad
露語の題名の意味も違うという事を考え、
「かぞえうた」に邦題を変更いたします(2019/1/19)》
話は変わりますが、ラトヴィアの情報です。
最近、ラトヴィアの漫画誌の存在を知りました。
「クシュ!」(kuš!)と「シ!」(š!)という漫画誌です。
↓フェイスブックの頁
実はこの漫画誌は、
中野ブロードウェイの「タコシェ 」でも取り扱われているそうで、
同サイトではこの漫画誌についての詳細な解説をしております↓
ラトビアからオルタナティブコミック誌 kuš! とš!が届きました - Welcome to TACO ché
漫画好きのスイス人がラトヴィアで芸術系漫画を紹介しようとして、
2007年に創刊したのが始まりだそうです。
内外の作家の作品の紹介の他、展示やワークショップなども行う事で、
ラトヴィアの漫画シーンが育つ切っ掛けともなっている様です。
オルタナティヴ漫画誌という事で、国際色豊かで、全て英語。
キクチヒロノリ、田中六大、香山哲など、
日本の作家の作品も収録しているそうです。
「kuš!」と「š!」との違いは、財政危機に見舞われた時、
何とか出版を継続させるために大きさを小さくしたのが「š!」だそうで、
どちらも「ねえ」「ちょっと」を意味するそうです。
私がこの漫画誌の存在を知った切っ掛けが、この頁↓
ラトビア漫画誌「š!」(シ!)にハル吉掲載! - ハル吉とゴッシー (Harukichi and Gosshie)
ハル吉という方の漫画が「シ!」21号に掲載されたというブログ記事を、
たまたま知ったのが切っ掛け。
タコシェにでも足を運ぼうかな・・・。