50年前の心配 | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

「明日ママがいない」というドラマが
大変なことになっているようです。

見ていないので軽率にここで書けませんが
ドラマの影響の大きさを心配するのは

ドラマと現実を混同する人が多いからに違いありません。

シンデレラの童話を本物だと思い込む人は少ないですが
人が演じるドラマや映画は臨場感があるので
ニュースの報道と同じように
私達の頭の中には「事実」として受け止められてしまう。

それを心配しての抗議ですが
一方で今まで話題になったドラマを見ると
反面教師のように問題提起をして
社会全体が考える結果になったことも少なくありません。

見ていないものを論じるのではなく
自分で見て自分で考えてみたいです。

それよりもこの報道で思うことは

<人は影響されやすい>

これは絶対的な事実です。
人は五感で外部情報を取り込みます。

視覚は一番に入ってくる情報ルートです。

私達はドラマ以外にも大きく影響されます。
ニュースの報道があると
真似をする人が出てくることがあります。
 
 

50年前、評論家の大宅壮一氏や松本清張氏が
TVに夢中になっている日本人に
「一億総白痴化する」とTVの影響を懸念しました。

マスコミで話題になった言葉です。
その後も10年くらいこの言葉は使われて
私も幼い頃からこの言葉を耳にしていました。

その頃は、子どもだったしTVが大好きでしたから
酷いことを言う大人がいると
強く反発を感じたことを記憶しています。

しかし
今の現実を見ると

危惧されたようなことが起きているような気がするのです。

ひょっとすると
考えないで鵜呑みにする
そんな50年を過ごしてきてはいないでしょうか・・・・・。

TVが家庭の中心になり
親が子供の話を聴く代わりに
TVが子供の前にいつもいる・・・

TVは一方的ですから
心の中で反論しても見ている側が不快でも
TVはその反応には負けることはなく
電源を切らない限り私達に影響させ続けます。

いつからか
「リアルの人間からではなくTVから世の中を学ぶ。」
そうなってしまっている気がします。

TVは大切な情報源ですが
鵜呑みにして
TVにコントロールされたくないですね。

TV大好き世代の私ですが
TVをあまり見なくなりました。

TVの情報は一つの情報源でしかありません。
自分の主役は自分であってTVではないです。
思考も価値観もTVに全て決められたくないです。

自分で考える
自分で選択する
自分で決断する
自分で行動する

自分の思考は現実の体験・経験を通した価値観や人生観。
それが外から入る情報のフィルターにしたいです。

そうしなくちゃいけない気がするのですが

影響されやすい私の言い訳であり
TVに対するささやかなレジスタンス行動


なのかもしれません・・・。