インターネットの普及で、世界は大きく変わりました。

今は誰もが、
FB、X、Youtube、TikTokインスタグラムなどSNSで情報を収集するのが当たり前になりました。2020年の時点で世界のSNSユーザーは39億6000万人だったそうです。今は世界人口の半分の人が、常にSNSでネットにつながっていて、SNSを中心に生活しているかもしれません。
翻訳ソフトも進化し、
そのおかげで民間レベルの国際化も一気に進みました。語学が苦手でも、翻訳ソフトで簡単に海外のサイトは読めるのです。
昔と比べると雲泥の差です。
昔は海外の友人を作ったり、交流すること自体普通の人には
全く簡単ではありませんでした。
英語の得意な人は
海外ペンパルを作っていたようですが(ペンパルPen Palは、ペンフレンドのこと。つまり昔は文通友達のことを言いました。今でいうならメル友です。)、そんな子は稀でした。

さて遠い昔の話ですが、
初めて乗った新幹線でシンガポールから日本に旅行に来ていたカップルと知り合い、乗車中コミュニケーションを取りました。
修学旅行で京都に向かう田舎の高校生だった私と友人たちで、ブロークンイングリッシュで話しかけたのです。
「旅の恥は搔き捨て」モードで大胆でした。
一人だけロンドンに短期留学していた子がいて、その子がいたから話しかけたんだと思いますが、その子以外は相当にめちゃくちゃな英語でした。
それでも
盛り上がり一緒に写真もとり、別れ際には私たちに住所まで教えてメモに書いて渡してくれたのです。たぶん、一緒に撮った写真を送るつもりだったんだと思います。
なのに・・・。
結局、私も友人の誰も実際には手紙を書けませんでした。
英語で外国人と手紙をやりとりするなんて、そもそも敷居が高すぎました。
せっかく住所まで書いてくれたのに。
修学旅行の写真を見るたびに、そのときのことを思い出して胸が罪悪感でチクチクします。
今は、国際交流なんて大げさに言う必要もなく、誰でも海外の友人が作れます。

しかし、
異文化や海外の方と関わるときの心構えや正しい知識がないと、せっかく知人や友人ができてたのに対立して、結局連絡を断絶してしまう人もいるだろうと思います。
親しくなると、
海外との言葉や文化の違い、習慣や環境の違い、感覚や考え方の違いの渦に呑み込まれてもがいてしまうことがありるからです。
最初は
魅力を感じて海外のサイトにアクセスし、興味を覚えて外国の方々とコミュニケーションした筈なのに、途中から色々な「違い」を理解できずに、怒りや悲しみを感じてしまうのです。
人は
具体的に「違い」に接し、違和感や不快感にとりこまれやすくなります。違和感や不快感はネガティブな感情に変化して、怒りや悲しみという感情として人を支配します。
感情に呑み込まれると
私たちは思考だけで自分をコントロールできなくなります。
その結果・・・ネガティブな言葉を言ったり、否定的な行動をとってしまうのです。
実は、
かくいう私自身1年半前に海外での生活に挫折しました。
ミスコミュニケーションやディスコミュニケーション
というコミュニケーション不全に悩み、ついに耐え切れなくなり日本に突然帰国した苦い経験があります。
当時は、
自分が何に傷つきどうして苦しかったのかもよくわからなかったし、最初はとにかく他の人や海外という環境のせいにしました。
そうなるともう表面的な問題しか見えなくなり、「問題の本質」つまりラスボスが分からなくなり混乱します。
ストレスマックスで
心身ともにダメージがなかなか立ち直れないまま病気にもなりました。
帰国してからも
悩み続けたのですが・・・、心理学の勉強中にはたと気が付きました。(6年前から放送大学で心理学を専攻しています。)
突然
ラスボス「問題の本質」の正体がわかったのです。
私を苦しめたラスボスは
「違い」に関して敏感に反応する「人間の本能・防衛本能」でした。
アンガーマネジメントやストレスマネジメントの講師をしていたのに、防衛本能のことはよく知っていた筈なのに
自分の問題で自分がネガティブな感情に呑み込まれた瞬間。
心の目は固く閉じられてしまっていました・・・。
お恥ずかしい限りですが、
ストレスで病気になり、病気を治すために自分のストレスが何だったのか分析して問題を課題に変えることに必死だった1年半でした。
そして、
ストレスコントロールが上達して、私を苦しめていた「違い」に執着せず、「違い」を「可能性」に変えることがやっとできたので、
今はこのブログは、フランスで書いています。
1年半のメンタルダウンや病気を乗り越え、
又海外での生活や人間関係をやり直すためにきました。
葛藤と混乱と失敗を乗り越えた「今」だから
海外との言葉や文化の「違い」、
習慣や環境の「違い」、
感覚や考え方の「違い」の捉え方が変わったことを
今感じています。
今は
苦しかったときのことが嘘のようで
自分が変われば、こうも見える世界も人間関係も違うのだと
つくづく分かりました。

この絵は
最近心理学基礎研究の実験中に私が描いた
私のバームテストの絵です。
まだ根は張っていませんが、
失敗を人生を豊かにする果実を感じて描いた絵です。
(これは後付けの分析で、描くときはそんなこと思っていませんでしたが、心が幸せで楽しく感じていました。)
苦しかった「ストレス」。
それは私を生まれ変わらせる良いきっかけになりました。
そして
あんなに辛かった「違い」は、
今は人生を豊かにする「幸せの種」に思えます。
