PDCAは回ってますか?
今年の漢字、「熊」でしたね。皆さんは、どう受け取りましたか?分からなくもないのですが、私はイマイチぴんと来ませんでした。
今年後半になって熊の被害が過去に例のないレベルで増えている。でも、「今年」の漢字ですよね。所謂「近日効果」。最近あった大きな出来事に引っ張られる。もう一段掘り下げられないか、と個人的に考えてみました。そもそも熊被害はなぜ起きているのか。熊は人を襲うために街に下りてきているわけではない。自然界が変わってしまっているんですよね。その大きな原因の一つが温暖化。気候が狂う、生態系が狂う、熊の行動が狂う。そこから起きている問題じゃないかな、なんて思うわけです。「狂」という観点から1年を振り返ってみると、トランプ大統領の関税政策に始まり様々な「狂」があるように思います。ということで、きっと今年の漢字には相応しくないと思いますが、私が選ぶのは「狂」ですね。
PDCAが回る世の中に
政治の世界では、本当に「狂」を感じることが多い1年でした。直近では、NHKのインタビューに答える日本維新の会の吉村代表の言葉に驚きました。与党になってどうかという問いに対し、立場や責任の重さを感じると話しつつ、
「野党のときは好きなことが言えたが、今はそうはいかない」
と仰っていました。「はぁ?」と言いたくなりませんか?gemini君にこの時の発言の事を聞いてみると、
1. 「批判・提言」と「実行・責任」の対比
・野党時代: 「正しいと思う正論」を掲げ、時の政権の不備を批判したり、理想的な政策を自由に提言したりすることができた(=ある種、結果への直接的な責任を負わずに発信できた)。
・与党(現在): 自分の発言がそのまま政府の方針や国民の生活、市場に直結する。そのため、「ただ言えばいい」というステージではなく、合意形成や実現可能性を含めた「責任ある言葉」が求められるようになった。
2. 「連立政権」における妥協と調整
・自民党や公明党、保守党といった連立相手がいる中で、「維新の100%の主張」だけを叫び続けることはできない。
・「好きなことを言う(=理想を突き通す)」ことよりも、**「現実的に何が実現できるか」**という政治的調整の比重が大きくなったことへの葛藤や変化を、その言葉に込めていました。
とのこと。野党だったら理想を中心にものを言う、実現性はあまり考慮していないって事でしょうか?何を言っているのでしょうね?では、与党になったら現実的に難しいと評価した公約は反故にするって事でしょうか?日本の野党の政治家は与党の政治家より責任がなくて良いのでしょうか?これが現在の日本の政治を引っ張るリーダーの一人の公での発言だと思うと、悲しいと言うか何と言うか。
そもそも、必ず成功する政策や戦略はない。現在のFactを押さえ、その変化に対する仮説を考え、確度の高い方策を考えて実行する。そして、仮説と異なることが起き、思ったような結果が得られなそうであれば軌道修正する。この努力を積み重ねて最善の結果を創る。これがPDCAの原理原則ですよね。国であれ企業であれ、PDCAを回すからこそ良い結果を創り込めるのだと思います。しかし、日本の政治はどうやらそこからかけ離れているのかもしれない。そもそもPはかなり怪しい(人気取りの表面的な計画が多い
)。で、Dのやり方が練られていないことが多い。そして、CとA、つまり仮説と現実の乖離チェック、その原因分析と対応策の検討を適切なサイクルで回さない。正に「狂」だと思いませんか?過去のやり方をそのまま今やってもらっては困りますが、その時に合ったやり方で政治が主導して日本を成長させてきた側面もあったと思います。今年の日本の政治を見ていると、何だかどんどんCheapになってきている気がします。(世界全体でもそうかもしれませんが。
)
さて、政治の世界もそうですが、我々のビジネスにおいてもPDCAをしっかり回してより良い結果を創り出していかないとですね。先日、あるお客様で忘年会を行ったのですが、私の関わっているところでは相応にPDCAが回って結果を創れていると思っています。そんな振り返りをしながら吞むお酒は、本当に美味しい。ただ、呑み過ぎには注意ですね。残すところあと1週間強、私も体調に気を付けながら、それでも年末の美酒を味わいたいと思います。
今年のブログはここまで。ご笑読頂いた皆様、本当にありがとうございました。お体に気を付け、良い年をお迎え下さい。来年が皆様にとって素敵な年となりますように。
