井上浩二の「現在(いま)を考える。」
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諦めない力はありますか?

「井上さんとは、ビジネスパーソン人生の半分以上をご一緒させて頂いているんですよね。」彼らと出会ったのが10年前、彼らが就職して17,18年。なるほど!私も歳をとるわけだ。そんな彼らとある企業の経営塾で出会い、そこで出たテーマの一つを経営陣が認め、彼らと新規事業の検討を始めたのが2016年。この事業が無事軌道に乗り、大成功を収めた結果、若き二人が取締役に。ささやかながらそのお祝いの席を設けたのですが、私も心底旨い酒を堪能することが出来ました。

 

諦めずに再成長の機会を狙う
この新規事業、ターゲットはインバウンドで2019年に営業を開始しました。やった事のないビジネスを何とか軌道に乗せようと、この二人も学びながら周りを引っ張る大役に四苦八苦。しかし、需要が供給を上回る市場でのビジネスだったので、何とか形にはなったわけです。しかし、そんな状況がいつまで続くか分からない。特に、こういう市場にはどんどん競合が入ってくる。「供給が需要を上回った時、そんな状況でもお客様に選んで頂けるサービスを創り上げることが大事」と企画段階から取り組んだことも良かったのだと思います。ご存じの通り、2020年にはコロナ禍となりインバウンドビジネスは非常に厳しい状況に。そんな中でも、彼らは日本のお客様にも評価して頂けるビジネスにしようと頑張り続け、また価格面での競争力も付けて何とか凌ぎ切った。勿論、強かにポストコロナに向けての下準備もしながら。そして、コロナが終息を迎えた昨年前半から一気に業績を回復させる。この時、一気に市場が戻る中での人不足という嬉しい悲鳴ともいえる課題に悩んだ企業も多かったですね。勿論、彼らも同様の課題がなかったわけではありませんが、コロナ禍で生産性を高めるために試行錯誤で取り組んだことが生きた。また、回復する市場で地道に知名度を上げてきた取り組みも生きた。新規事業を立ち上げて軌道に乗る前に一気に市場がなくなるという苦境に耐え、諦めずにビジネスを創り続けた若きリーダーの努力が、環境変化の風に押されて大きく実を結ぶ。その功績が認められ、取締役になった若き二人。これからも、諦めずに新しい事にどんどんチャレンジして欲しいものです。

 

諦めずに支え続ける
この二人がリーダーとして、そして一緒にビジネスを創った仲間も本当に素晴らしいと思うのですが、一方で彼らを支え続けた経営者も素敵。ビジネスモデルは、ある部分本業のスキームを取り入れてリスク分散したところはあったものの、2021年にはコロナ禍がいつまで続くのか、今後どうなるのか、先が見えない時には非常に難しい経営判断をされたのではないかと思います。傷が少ないうちに撤退して、本業を強化する。あるいは、コロナ禍で生まれた新たなOpportunityを追えるようにビジネスの方向性を大きく修正する。そんなオプションもある中、長期的な視点に立ち、この新規事業に投資し続けた。また、当然のことながら不安を抱く若者たちを精神的にも支え続けた。これなくして、この新規事業の急回復、そして今見えている今後の成長はありませんからね。このような投資をし続けられる企業体力を作り、厳しい経営環境でも企業の土台が揺るがない体質を創り上げてきた経営陣、諦めずに挑戦し続けるリーダーの姿を見せて頂いたような気がします。

 

先日は、こんな事を考えながら、若きリーダーと楽しく昔も振り返りながら、この上ない美酒を堪能したわけです。こんな宴は、いつでも大歓迎ですね。
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