井上浩二の「現在(いま)を考える。」
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適切な打ち手を講じていますか?

新札、皆さんはもう手にしましたか?私は、当然まだです。そもそも、今回の改刷、興味もなく、なんで今このタイミングで改刷が必要なのだろうと思いっきり疑問に思っている方ですから。ニュースなんか見ていると、今回の新札の目玉は3Dホログラムを取り入れたこととの事。偽造がし難いそうですが、そもそも日本の紙幣は偽装がしにくく、

 

 

とのこと。この問題を解決するために、税金も新札対応をしなければならない世間のコストもかけてやることですかね。朝ドラの影響で「はて?」なんて思っていたら、ちょっと合点の行く記事が。

 

 

野村総合研究所の木内登英氏は、新紙幣発行に伴う自動販売機やATMなどの機種変更やシステム更新で名目GDP(国内総生産)は年0.27%押し上げられるとみる。足元では、新紙幣に対応せずに完全キャッシュレス決済に切り替える動きが目立つ。

都内で2店舗のラーメン店を運営するBreak Beats(東京・目黒)は5月、現金に対応しない券売機に入れ替えた。現金併用の機種に比べ、導入コストは半額以下だった。

 

 

なるほど。思ったように進まないキャッシュレス化を促進するために、お札を変える。それは一理あるかな・・・と思いつつも、やはり私としては「はて?」なのですが。

 

成功事例を参考にしつつ、効果の最も高い打ち手を考える

先の記事でも指摘されていますが、他国ではキャッシュのデジタル化によりキャッシュレス促進を行っており、ある意味そういう流れとは逆行した取り組み。キャッシュレス決済比率は、日本は世界で10位で32.5%(2021年)。トップの韓国は、95.3%。国民の数、お国柄、政府の力、治安の差、偽造事件数の差・・・など色々な理由はありますが、その差はあまりにも大きい。90年代からキャッシュレス化促進のために韓国政府が講じた打ち手は、

・所得控除

・宝くじの参加権付与

・年商240万円以上の店舗にクレジットカード決済の対応を義務化

の3本柱。ま、クレジットカード決済額が年収の25%を超えたら、その額に応じて所得控除がなされるのであれば、使う人は増えますよね。明らかに、ダイレクトな打ち手。こういう事、日本じゃやってませんからねぇ。つまらぬバラマキは最近よく見る打ち手になっていますが。しかし、きっと日本ではこれだけじゃ韓国のようにはキャッシュレス比率は上がらないでしょうね。キャッシュレス決済の手段を持たない人、持っていても使わない人がかなりいらっしゃいますから。更に、タンス預金の多さもありますしねぇ。こういう方々への教育や、キャッシュレス決済比率の低い方への浸透のための取り組みにお金を使う。更には、キャッシュレス決済のインフラ拡充に向けた施策にお金を使う。個人的な意見ですが、その方が明らかにキャッシュレス化促進の効果は高く、長期的に見れば現金を扱うコストの低減とあらゆるビジネスの生産性向上、更には新たなビジネスの創造に資すると思います。ま、今の政治家には、悲しいかなそんなリーダーシップは発揮してもらえないでしょうけどね。

 

打ち手が適切でなければ、思っているような結果は付いて来ない。当たり前ですよね。ま、しかし、個人レベルでも出来ていないことも多く・・・先日、仲間と草津でゴルフをやったのですが、結果は散々。シミュレーターゴルフで出来ていたことが、全然できない。当たり前ですよね。ゴルフ場には、シミュレーターゴルフのような平らなところはありませんから。あの練習で、少しは結果が出ると思っていた自分が浅はかでした。しかし、ああういう練習が全く無駄なわけではない。現場での実践と練習の組み合わせが必要なのだと、心底思い知らされました。しかし、大事なのは反省して講じる打ち手を変えること。個人的には、ちゃんと対応して思うような結果が出るように頑張りますよ!
 
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