人事部29年の社労士 吉崎です。
私の知人が続けざまに3人、がんを発症しました。皆さん60歳代前半で、現役で働いている方ばかりです。全員、健康診断や人間ドックで早期発見できたため、職場復帰を果たしています。
日本人の死因のトップであるがんは、治療技術の進歩によって「不治の病」というイメージは変わりつつあります。今はがんと分かれば、すぐ本人に告知して治療方針を決めるようですね。
がん完治の目安とされる「5年生存率」は68%で、中には90%以上に生存率が向上している部位もあり、がんは「長く付き合いながら、治る病気」になりつつあります。
皆さんの職場でも、がんの治療をしながら継続して勤務することを希望する方が、増えていくでしょう。そのようながん患者が働ける職場作りが求められます。これもワークライフバランスのとれた職場と言えます。
育児や介護などに配慮して、継続勤務しやすい環境を作ることは法的にも求められており、定着しつつあります。(介護については、まだこれからということではありますが・・・)しかし、いずれも家族の育児や介護であり、本人ではありません。がん患者が従業員本人の場合どうするればいいか?がん患者本人に対するアンケートがあります。
・労働者が治療と仕事を両立させる上で必要だと感じる支援(厚生労働省調査)
第1位 体調や治療の状況に応じた柔軟な勤務形態(47.8%)
第2位 治療、通院目的の休暇・休業制度等(45.2%)
第3位 休暇制度等の社内の制度が利用しやすい風土の醸成(35.0%)
第4位 働く人に配慮した診療時間の設定や治療方法の情報提供(28.0%)
第5位 病気の予防や早期発見、重症化予防の推進(26.0%)
などとなっています。
がん患者の継続勤務と治療を両立するためには、以下のように進めることになります。
①本人からの申告。
企業風土によっては、申告することの不利益を心配するあまり、がんであることを隠して勤務するケースもあります。また、乳がん、子宮がんなど女性特有の病気の場合は、言い出しにくいこともあります。企業の方針を定めて、社内に周知することが必要です。
②産業医等からの意見聴取。
③勤務上の措置を決定し実施する。
主治医、産業医等の意見、がん患者本人の意見を踏まえて、勤務上の配慮内容を決定する。特に注意すべきは、がん患者の心のケア。早めに産業保健スタッフとの連携が必要です。50人未満の事業場などは、地域産業保健センターを活用すれば、様々なアドバイスがもらえます。
まだまだ他人事のような気がするかもしれませんが、目に見えないところで静かに進んでいることがあります。日頃から定期的な面談の場を設定して、個人の状況を確認していきましょう。
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