人事部29年の社労士 吉崎です。
一億総活躍社会って、何を目指しているの?とか、現実は違うよとか、政府の政策には常に批判が付きまといます。「保育所落ちたの私」という声があれば、同情的に伝えるだけでなく、具体的に何をすべきか、今はどこまで進んでいるか検証することでしょう。
厚生労働省では2015年10月に「厚生労働省一億総活躍社会実現本部」を設置して、様々な施策を検討しています。人事労務の世界に身を置く立場としては、働く人全員が、経営者も労働者も一緒に取組むテーマとして、継続的に考えたいと思っています。
改めて一億総活躍社会とは何か確認しておきます。
・若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会
・一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会
・強い経済の実現に向けた取組を通じて得られる成長の果実によって、子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが更に経済を強くするという『成長と分配の好循環』を生み出していく新たな経済社会システム
うーん、やっぱり分かりにくいですね。具体的に何をしているのか伝えていかないと、賛同が得られにくい気がします。
そこで厚生労働省が発表している表彰制度やイベント、委員会をまとめてみました。5月、6月の2か月間で、関連すると思われるものは以下の通りです。
5月13日 子育て世代包括支援センター事例集ホームページ掲載
5月13日 女性活躍推進法に基づく「えるぼし」企業46社認定
5月16日 2016年10月からスタートする短時間労働者に対する健康保険、厚生年金保険の適用拡大リーフレット作成
5月20日 シニアワークプログラム地域事業に関する調査公表
5月24日 イクメン企業アワード2016・イクボスアワード2016を実施
5月26日 介護休業制度における常時介護を必要とする状態に関する判断基準研究会開催
5月28日 パートタイム労働者活躍推進企業表彰実施
6月1日 地域資源で雇用を創出する実践型地域雇用創造事業の採択地域を決定
6月13日 イクメンスピーチ甲子園2016を開催
6月14日 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会
6月17日 キャリア支援企業表彰プレイベント開催
6月20日 輝くテレワーク賞の応募開始
などとなっています。私が見落としているものもあるでしょうし、厚生労働省からすれば全ての施策が国の方針に基づくものという見解かもしれません。でも、一般的に分かりやすく、直結しそうなものはこれくらいでしょうか。
今年も注目すべきは最低賃金。アベノミクスの成功(?)を前提に、年率3%程度の引き上げ、全国加重平均が早期に1,000円になることを明言し、中小企業対策として「生産性向上のための支援や取引条件の改善を図る」としています。最低賃金引き上げについてこれない企業を切り捨てるような政策は有権者の支持を得られないでしょうから、ソフトランディングをすると思いますが、本音は厳しいものだと思います。実は潰れても仕方ないと・・・。
今800円の時間給が年率3%で上がれば、8年で1,000円を超えます。あっという間です。それに耐えられない企業は存続できなくなることを前提に、事業設計できる企業だけが生き残ることになる。「まさか」と思っていたら現実になります。単なる人減らしではない「事業のリストラ」に早く手を付けたところが生き残る。
今後も新たな取り組みが発表されると思いますので、適時ご紹介しながら、現場レベルでやるべきことを推進していきたいと思っています。
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