中小企業の経営者、人事担当者の方と話をしていると、
「採用」に関するお悩みを聞くことが、とても多く、
「いい人材が採れない」と皆さん嘆いています。
採用の実務経験を振り返りながら、解決方法について
考えていきます。どうぞ、お付き合いください。
●あえて問います。 「採用」の目的。
企業はなぜ、人材を採用するのでしょうか?
1.企業が設定した目標と経営戦略を実現するために、
ある時点で不足している、あるいは不足すると予想される
人材を獲得する、というもの。
2.職場や組織を活性化させる。
同じメンバーが長期にわたって所属し続けると、
ディスカッションや情報交換の頻度が下がり、
外部に対して職場が閉塞的になり、
人間関係における緊張感がなくなる。(組織心理学のKatzの研究など)
だからこそ、新卒や異業種、異文化の中途採用を行う、
とされています。
●さらに 「採用のゴール」とは?
求める人材の獲得に成功した時点ではなく、採用した人材が定着して、
活躍したときに採用が成功した、と言えます。
しかし、多くの企業の悩みは、
「求める人材が採用できない」・・・・・【採用】
「採用しても定着しないで、すぐに辞めてしまう」・・・・・【定着】
「定着しても思うように成長し、活躍してくれない」・・・・・【育成】
採用、定着、育成をトータルで考えるべきですが、担当が違うとか、
どのように関連しているのか分からない、という理由で、
それぞれ単体で動いているのが企業の実情です。
皆様の職場はいかがでしょうか?
採用のゴールは人材の獲得ではなく、
その人材が定着し活躍すること!
採用活動を始める前に、定着と育成について自社の現状を確認して、
課題を解決することと同時並行で進めましょう!
そうしなくては、同じ嘆きを繰り返すだけです。
「ヒト、モノ、カネ、情報」という経営資源の中で、
「ヒト」だけは少し異なります。
「モノ、カネ、情報」という経営資源を生かすも殺すも「ヒト」次第です。
「ヒト」以外の経営資源は使われるものであり、
唯一使う側にあるのは「ヒト」だけです。
そのような重要な経営資源を獲得する「採用」活動は、
企業活動の中でも最重要活動であると言っても
過言ではありません。
次回から、具体的に採用活動を成功させる方法を考えていきます。