如浄禅師のもとで仏法を体得した道元禅師は、
「眼は横に、鼻は真っ直ぐにある」という当たり前のことを
当たり前に認知して人にだまされないといったのです。

もし、眼が鼻の下に横たわっていたり、縦になっていたり、
また、鼻が眼の上であぐらをかいていたりしたら困りものです。

改めて、顔を鏡に映し眺めてみると、目鼻は実に合理的に
バランスよく、当たり前にあるべき所にあると感心します。

しかし、我々の日常生活は、我見我執にとらわれた自我意識を
中心にしてまわっています。
その為、当たり前のことや当たり前の現象を、自分の立場を
中心にして自分勝手に認識しようとします。

そのことが、当たり前でありのままの事実から、知らず知らず
のうちに離れていってしまい、誤った認識をすることになります。
結局、自己中心的な我見我執に振り回され、心は右に左に揺れ
動き定まらないでいます。

それゆえ、実体のない多くの悩みや苦しみを抱え込み、迷える
凡人として明け暮れをしているのが実情です。

それでは、迷わない確かな生活をするにはどうすればよいか。
道元禅師は、我見我執の自我意識を離れ、当たり前のことを
当たり前に、ありのままをありのままに認得することである
といっているのです。
あるがまま、ありのまま

禅研究所より