~資地計築~ 建築デザイン 木下 稔 -206ページ目

ただ、そこに立つ~ブレイスとは~

建物が建っています。

ただそこに建っています。
ジェンガや積木のようであっても建つことは建ちます。

建物の場合、この接合点を固めたり接着すると、急激に強くなり、倒れにくくなります。

そして、接合点から接合点へ、つっかえ棒を入れることででも、倒れにくくすることが出来ます。

現在の建築はこの、固める、つっかえるで構造強度をみますが

実際には、ちょっとした材料が付いたことによって、計算上出てこない強さが上がったりします。

中村俊郎さんという社長がおられます。

「中村ブレイス」という会社をされておられます。

義肢装具を作る会社ですが、ご本人は沢山社会に貢献する事をされており、

僕が語るまでもなく、有名な社長です。

この会社のお名前の「ブレイス」

これは「支える」と言う意味で

建築でも、先程の「つっかえる」というのが

同じブレイスという言葉で使われています。

中村社長は「誰かを支えたい、誰かを支える」という思いでこの社名にされたそうです。

建物は自身の構造強度で建っているように見えますが、小さな支えがあることや

そこに人が暮らすことによって、換気や保守があり

建っていることが出来ています。

これは空気の様に大切なのに、普段、空気の様に意識されません。

僕という人間が立っています。

ただ、そこに立っています。

骨という柱、梁を筋肉で固め、つっかえ立っています。

おこがましくも、自分のお陰で立っていると思っています。

僕という人間は小さな事や様々な方々に支えられ

気付けばようやく立つことのできる積木でした。

それを空気の様に気づかない

愚か者だったようです。

僕にもきっとできる

たとえ小さく弱くとも、誰かのブレイスになること

忘れないこと

3日程前、1本の電話。

この会社を始めて間もない頃に、お家を建てさせていただいたお客様

I様の奥様がご病気で随分容態が悪いとのことでした。

「えー!」思わず電話口で大声を出してしまいました。

何故なら、奥様はまだ3~40歳ぐらいの若さのはずだからです。

子供さんもまだ小学校低学年

「医者も手の施しようがないので、現在自宅で療養している、木下君も一度顔出してあげてよ」

お電話をいただいたのは、このI様のお家を建てる件をご紹介くださった方でした。

I様ご夫婦はとても元気なご家族で、奥様はいつも元気で、おしゃれで、かっこいい方でした。

ご主人は建築系の専門学校でお仕事をされており、I様ご夫婦と二人三脚でお家を作ったことをよく覚えています。

「免疫療法か何かで自宅療養中。でも、見舞いに行って顔見たら涙が止まらなかった」そう電話で伺いました。

丁度、近くに行く用事もあり、同じくお世話になったミヨシ部長と一度顔を出そうと相談していた日

「木下君、Iさん所に行った?」

「いえ、まだ顔出せてませんが」

「奥さんな、今朝お亡くなりになった」

「…!」

昨夜、お通夜に伺いました。

奥様の人柄を表すように、溢れんばかりの人が弔問にこられてました。

誰もがすすり泣く中

押さえきれない思いでご主人が立っておられました。

奥様の最後のお顔を拝見したとき

もう、涙も嗚咽も押さえる事ができなくなりました。

眠るようにきれいなお顔で

あのおしゃれで元気な奥様のお顔でおられ

ご主人と抱き合いながら大声で泣きました。

ご主人に「あいつ、この家が大好きで、この家で逝けたのが、せめてでもよかった」

「久しぶりにお会いするのが、こんな形て…」もう、僕は泣き声で何を言っていたのか分からなかったかもしれません。

しばらく涙が止まりませんでした。

この会社が出来て

うまく行かないことが沢山あって

僕に何ができるか分からなくて

そんな中、このご夫婦と出会って

一生懸命やって

ひょっとしたら、まだまだ至らない点だらけだったかもしれなかったのに

沢山喜んで頂いて

あなたが居たから、今の僕があることを

これからも一生忘れません。

元気で明るく、おしゃれだったあの姿も

僕は忘れません。

安らかにおやすみください。

奥様

お疲れさまでした

そして

本当にありがとうございました。

木下 稔


気をつけましょう

昨晩、近所に住む母親から電話があり

「お父さんの様子がおかしいからすぐ来て」

急いで行くと、父がベッドで座っていましたが、体を支えることが出来ないくらいフラフラになっていました。

身体に触るととても熱く、尋常ではない状態でした。
「熱中症!」

80歳を越え高齢なので、すぐ救急車を呼びました。

何故かクーラーを切って寝ており、にわか雨が降る直前で蒸し暑い時間帯でした。

命に別状はないものの、発見が遅れれば大変なことになっていたかもしれません。

世間ではよく耳にするニュースですが、こんな身近でおこるとは。

熱中症もですが、5分後に来た救急車で搬送先探すのに40分、搬送20分と、都会でもこれだけ時間がかかり

一刻を争う場合、どうなるんでしょうか?

要するに、救急車のお世話にならなければいいんでしょうが。

暑い日が続くので、皆さんも気をつけてください。