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妄想体質ゆえ、あらぬことを口走ってます。。。



あらすじ: 地方の農村出身の未亡人ラトナは、ムンバイの建設会社の御曹司アシュヴィンのメイドをしている。婚約者の浮気により結婚が破談となったアシュヴィンと、傷心の彼を陰ながら支えるラトナ。インド社会の格差恋愛と、夢を追う女性を描く。2018年作品。




アマプラ鑑賞。
なんとな〜く選んだインド映画。
原題は『Sir』。


インド映画って壮大なフラッシュモブというか、踊れや歌えのド派手イメージなのだけど。
これは違った。
とても静謐だった。
言葉にしない底意を読み取っていく映画だった。


インドの地方社会で、“未亡人”がどれ程冷遇されるものか、驚きを持って観た。
それと農村出身者が都会に出たとしても、仕事・服装・食事等、全てにおいて貧富の差が人の目に歴然なのだということも。


差別を目で観るのは遣る瀬無い。
ラトナが高級ブティックに足を踏み入れただけで警備を呼ばれてしまうシーンは、なんとも辛かった。


アシュヴィンはアメリカでライターの仕事をしていただけあり、だいぶリベラル。
なのでラトナは、メイドとしてはとても扱い良くされているというのが、他の家に仕える同業者も出てくるので対比で分かる。


二人が徐々に互いを意識し合い、近づいて行き、うっかり想いを確かめ合ってしまったあと。
やはり、冷静にならざるを得ず。
そして離れて行かざるを得ぬのが、溜め息ものである…。


しかし、ラストシーンは何とも希望に満ちていた。
「こののちをどう妄想しようとご自由にエンド」なのである。
それがとてもよかった!私には。


☆MY妄想☆⇩
2人はその後、それぞれの夢を追う。もう主従関係ではない。対等な、謂わば同志として繋がり続ける。互いの恋心は、そっと温存させたままで。しかし数年の時を経て、ラトナの成功により彼らの道がまた近づく。自由の国で今度こそ、2人は恋人となる。


なーんて。
私、結構ロマンチックじゃな〜い。



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