専門家の意見を聞かず、今までに、何らの責任
も取らなかった男が、
「私の責任で」
と、思い付きで発した「要請=命令」に、ほぼ全国
の学校が従い、今月2日から、休校という事態に
陥ってしまいました。
その日の朝。仕事帰りに小豆島中央高校に近づ
くと、校旗と日の丸が掲揚されているのが見えまし
た。
「これは!」
と思い、さらに近づくと、正門に何やら立てかけて
います。
またまた、「これは!」
と思っていると、
「卒業証書授与式」
とありました。
「そうか、卒業式は、無事、行われるのか」
と、ひとまず安心しました。
ところが、今朝の新聞で、県内の高校卒業式は、
「在校生、来賓抜き、短縮」
で行われたとありました。小豆島中央高校も、そう
だったのでしょうか?
だとしたら、寂しすぎます。卒業生としては、
在校生の見守る中で、厳かな雰囲気の中、
想い出を、「ギュッ」と集め、巣立って行く、在校生
としても、先輩方の晴れ姿を祝福して見送りたい、
その何れもが、できなくなってしまったのです。
卒業式は、通い慣れ、愛着のある母校、恩師、
友人たちと別れる日、元々、寂しさもあります。
でも、今回の事態は、そんな趣とは全く違う、
外部の不作為によってもたらされた悲劇です。
学校の誰もが満たされぬ思いを抱いていることで
しょう。それを想うと、切なくなります。いや、もっと
切ないのは、当事者の皆さんですね。
僕は、自分が高校を卒業して38年経った今でも
その日の感動的な場面を鮮やかに思い出します。
今年の卒業生の皆さんは、今後、折に触れ、思
い出す時、再び、無念さを味わうのかもしれないと
思うと、同情を禁じえません。