「昭和51(1976)年9月11日の締めくくり」
あの、台風17号の災害、父の死から、もう、
40年が経ちました。僕は、父の年齢より、6歳
以上長生きしてしまいました。
「あの、真面目に生きてきた父より、僕が
こんなに長生きしてしまっていいのか」
と思うことがあります。
でも、子どもの健康が親の喜びなのはわかり
ますから、
「やはり、健康でいなければ」
とも思います。もちろん、正しい心を忘れずに。
父の死後、女手一つで僕たち、男3人兄弟を
育ててくれた母も、9年前、父の下へ旅立って
行きました。
今、仏壇の上、40歳前後の笑顔の父と、
年齢を重ねた母の写真が並んでいます。
数年前、2人の位牌を一つにしました。
夫婦の戒名が寄り添っています。毎朝、夕、
お供えしているお水の交換、ろうそくを灯し、
線香をあげています。
毎年のように起きてしまう台風被害。
経験しているだけに、被災者の皆さんの悲しみ、
辛さは、十分お察しします。お悔やみ申し上げる
と共に、そこに、カネ儲け主義の存在がなかった
か、役所の怠慢はなかったか、これが気になります。
天災の発生は防げないかもしれません。
でも、それに人災が追い打ちをかけるのは食い止め
なくてはなりませんし、人々の叡智で、悲しみ、
苦しみを最小限にとどめることは可能です。
それに向けて、全員、努力、研鑽を厭わぬように
心がけましょう。
それを心より願っています。
僕のような経験は、他の人に味わわせたくありません
から。