見事、二度目の歌謡大賞、初のレコード大賞受賞に
輝いた77年、明けて78年、ジュリーは史上初の二
年連続大賞受賞を目指し、奮闘します。正月早々、新
曲「サムライ」発表。可憐でありながら男らしい
ジュリーは、見事にファンを「酔わせてくれ」ました。
「夜のヒットスタジオ」の、あの畳の演出も、見事で
した。
そして、夏。大賞に向けてエンジン全開!「ダーリン
グ」絶好調!「いいぞ!これで、ますます大賞を狙え
るぞ!」と思いました。尚、この頃の事を後の「月刊
明星」の、「僕のマリー」からのシングルジャケッ
トにジュリーの言葉が添えられるページで、「子ども
たちにも人気が出てきたから最高」とありました。確
かに、「8時だョ全員集合!」や「ドリフ大爆笑」など
で、ジュリーはとてもおもしろかったです。僕は、
「勝手にしやがれ」以前のジュリーのコントの記憶が
ありませんが、どうだったのでしょう。僕にとっては
新しいジュリーの一面であり、かっこいい上に、親し
みも感じるようになりました。女性ファンの感想は
わかりませんが、好意的だったと思います。
秋。新曲「ヤマトより愛を込めて」。発表前に「ザ
・ベストテン」内で、ジュリーが、新曲のタイトルを
発表なさった時、ヤマト嫌いの僕は、少々残念でし
た。その後、次の曲、「LOVE(抱きしめたい)」
が発表されました。その感想は、「重過ぎる。いかにも
大賞狙いと思える曲」でした。でも、応援する心に
変わりはありませんでした。
そして、まず歌謡大賞の発表の日。「どうか、獲っ
て欲しい」と祈っていた発表の時。「ああ・・・」。
同級生のある女子は、「歌謡大賞をピンクレディーが
獲って、レコード大賞はジュリーが獲るんじゃないか」
と話していました。
さあ、いよいよ大詰め、レコード大賞発表の日。
全国のジュリーファンが心を一つにして、固唾を飲ん
で見守ります。「どうか、レコード大賞はジュリーが
獲って!」
大賞の手前、最優秀歌唱賞発表。緊張の中発表
されたのは・・・。
その瞬間、会場から一斉に「ええ~!?」の声。こん
な事は、後にも先にもありません。そして、カメラが
捉えたジュリーは、舌を出して、「だめだった・・・」
というような悔しそうな表情。僕も、本当に悲しくて
なりませんでした。それでも、ジュリーは堂々と歌い
ます。この一年のジュリーの活躍は、誰もが知ってい
ます。「ジュリー、あなたは誰よりかっこよく、立派
でした。」
そして、直後の一年の締めくくり、「NHK紅白
歌合戦」。紅組のトリは、山口百恵さん、白組大トリ
は、史上初のポップス系歌手、我らがジュリー。
見事な歌いっぷりで、1978年は幕を閉じていくの
でした。