京都料亭「川上」のいいお話 | いとう とみこの美味しいブログ

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イタリア料理教室やグルメ食べ歩きをのんびりと書いていこうと思います。

今回もメインの旅行目的は京都の「川上」
新潟の松茸の土瓶蒸しの素晴らしさは既に投稿しましたが、
このような松茸を手に入れることが出来るということが凄い!

このしっかりした松茸、いつも食べているのとは香りもやはり全然違っていました。
老舗の料亭ならは、でしょうね。


我々が食べたコースは¥16,000、あんなにたくさんの松茸を出していただける背景
は古都京都ならはでの深い業者との関係が伺えます。

いつも驚きの美味しさを提供してくださるのですが、今回の席のお隣さんは
イギリス人の19代の2人の息子さんとお父さん。
今海外からの旅行者にとってはかつてないほどの円安の有り難さを満喫できる時です。
我々も息子が20歳、娘が18歳の頃、ニューヨークとLAにて大変良い思いをしたことが

ありました。
$1が¥80、「安い!安い!」と感激しきりでした。
今海外の方がそれを経験していること最中なんですね。
京都の一流料亭は、「一見さんはお断り」ですが、彼らは妹さんがよく利用しているそうで、
イギリスがら電話があったのだそうです。

そしてその時始めて聞いたお話。
どのくらい前になりますか、コンピューターで絵を描くことをやっていた先代の大将の
絵をスティーブ・ジョブスが凄く気に入り、是非シリコンバレーに来るようにと、
招待してくれたのだそうです。
夢のような話です。

何しろ料亭の大将でもあります。
行くからには是非美味しいものを召し上がっていただきたいと、
あちらでは手の入らない超高級食材、そして当時のオーナーであり大将、1番手(今の大将)、
2番手、3番手の4人、準備万端整えていざ出発ーー、となった時、ジョブスが亡くなってしまった。
聞いているだけで、残念無念!

当時の店では、随分この話題に盛り上がっていたことでしょうね。
しかし我々がお邪魔するようになったころは、すっかりこの話題も消えていたのでしょう。
イギリスからのお客様ということで、ひょいと思い出したのでしょう。
月日の経つのは早いもの、当時の1番手は今やベテランシェフになっています。
身振り手振りでイギリス人にお話した後、我々にも詳しく教えていただいたのです。

先代は絵こころもあったのですね。
素晴らしい!
さらに聞くと、娘さんは直木賞作家の松井今朝子氏、だとか。
何と何と素晴らしい料亭なんでしょう。
芸術性を兼ね備えた料亭だったとは。
益々惚れ込んだというわけです。