色つやがいいでしょう? 見た目ではあなりわからないかもしれないけれど。
食べると歯ごたえがしっかりしているのに、柔らかく、優しいんです。
今年はいつまでも寒かった影響で、玉ねぎの収穫期が遅れたとのこと。
いつもなら5月末には手に入っている農業法人『光輪』の玉ねぎがやっと
入りました。
これがないとトマトソースもいつもの味に落ち着かないんです。
有機の甘さ、濃さがびっしり詰まった玉ねぎ。
早速名古屋の名物料理、”鶏のすき焼き”でも作りましょう。
名古屋は美味しい地鶏がたくさんあります。わが家は「奥美濃の古地鶏」を
使っています。身が締まって大変美味しいですよ。
今の時期は長ネギが硬くて、美味しくないですよね。だからその代り玉ねぎを入れるのです。いくらでも食べられますよ。
玉ねぎ、玉ねぎと探していた7~8年前、
やっとめぐり合えたうれしさをエッセーに書きました。
やっと出合えた理想の玉ねぎ
私はかつて玉ねぎをいつも探し求めていました。
煮込み料理用の玉ねぎは、日本料理で言えば鰹節やコンブといったダシにあたるもの。弱火でゆっくり炒めると、旨みと甘味を引き出してくれる玉ねぎは最も大切な野菜のひとつです。有機の玉ねぎはこの役割をうれしいくらい果たしてくれ、かつ優しい味にしてくれる。包丁で切っている時からその優しさが感じられるからたまらない。
例年3月に入るとその有機の玉ねぎも段々手に入りにくくなる。その頃になると新玉ねぎが出始めるが、新玉ねぎは煮込み料理にはまったく向かない。サラダ等の生で食すれば瑞々しくていいのですが、煮込みには水っぽくコクがない。そんなことから料理教室で「玉ねぎとにんにくは古い方が価値がある。何でも若ければいいというものではない。人間も同じ」と言っています。
知多半島に、以前は「鳶茶屋」という釣り船斡旋の飲み屋さんがありました。地元の釣り好き、魚好き、そして酒好きのおじさん達が週末になると集まって来て、私もいつからか顔を出すようになっていました。
知多半島は玉ねぎの産地、例によって有機の玉ねぎを話題にしたのですが、おじさん達はあまり話に乗って来ません。それもそのはず、そこら辺に玉ねぎがゴロゴロしていてあまりに身近過ぎたのでしょう。
そんなある日、近くに有機の玉ねぎを栽培している団体があると聞きました。何回も辺りをウロウロ探してみたのですがどうしてもわからない。諦めかけた頃マンションの管理人さんと話をしていると、息子さんがその団体(農業組合法人 光輪)に所属しているという。何という奇遇。こんな近くに居たなんて。
早速玉ねぎを分けていただき、トマトソースを作ってみました。
にんにくのみじん切りを弱火でゆっくり炒める。ちょっと色づき、いい香りがするまで炒めること。これをきっちりやると上品なでき上がりになる。みじん切りにしたその玉ねぎを加え、五分くらいゆっくり炒めていると、ねっとりしてきました。有機の玉ねぎしかないあのねっとり、べっとり感。玉ねぎの甘みが充分出ている証拠。
そこに潰したホールトマトを入れ、煮込むこと20分。さーて。味見、味見。「ウーン、ウマイ」期待通り。玉ねぎの旨味がトマトソースを深い味わいにしてくれました。
「玉ねぎはこれに決まり!」
こうして私の長年に渡る玉ねぎ行脚は終わりを遂げたのでした。
こんな近くで待望の玉ねぎに出合えるなんて、運がいいこと。幸せ、幸せ。美味しくって、血液をさらさらにしてくれる玉ねぎがキープされました。
こんな経験から料理教室で「本気で探せばきっと神様は助けてくれる」と、なかなか白馬に乗った王子様がやって来ない生徒さん達に言っています。