Spring Rain -31ページ目

僕らのできること。

先日、僕の拝見しているいくつかのBlogで、抗HIV薬の


特許を守るべきか vs 人道的供給を優先するか


という内容が書かれていました。

特許の権利を持つ製薬会社、人道的にみんなに薬を供給すべきという側(貧しい国だったり、国境なき医師団)、

どっちもスジの通った言い分です。

程度とか細かい部分はともかく。

まさに「卵が先か鶏が先か」的な議論なわけですが。


で、このことに関して皆さんいろんな考えや感情を持っているようです。

感情を持ったり考えることはとても大事です。


ただ、その先として、

じゃあ、僕たち何ができるの?も考えて実際に行動するとすごいいいんじゃないかと。


国境なき医師団に署名というのもありましたが、


僕はこれを紹介してみます。

知ってる人多いかな?

World Community Grid


簡単に言うと、

AIDSも含めて、人間が挑まなくてはいけない難病を解決するためのコンピューター計算をみんなのパソコンでお手伝いしませんか?

というやつです。

分散コンピューティングっていうんですか?

みんなのパソコンの計算力をあわせると超高価なスーパーコンピュータ以上の結果が出せちゃったりするそうで。

僕たちのパソコンって立ち上げてる間、CPUは大して使われてないんですって。

だったら、その余裕を難病解決の計算に使いませんか?

ってことなんですが。

いくつかプロジェクトがあって、その中には抗HIV薬のプロテアーゼ阻害剤の開発を目的としたものもあります。

いろんなプロジェクトの説明は↑のサイトにあります。


僕はHIVに感染してるので、抗HIV薬の開発に一番協力したいですが、その他の問題も人類にとって解決すべき大事な問題。

なので、僕はプロジェクトを限定せずにやってます。


と、えらそうな事を言ってますが、実はついこの前までさっぱり知らなくて、元パートナーに勝手にインストールされちゃったんですけど(苦笑)


自分が払うちょっとの電気代で世界が救える(かもしれない)

っていうの素敵じゃないですか?


ちなみに僕のPCでは今までこれの影響で困ったということはないです。

(困るよ~!って場合は停止できます)

今、僕のPCではちょうど抗HIV薬の計算やってます。

ありがたいこと。

blogに2件書きましたが、自分的にはまとめて書きすぎて行き詰ったので、

もっとフランクに書くようにしてみようかと思います(苦笑)

がっつり書きたい時にはがっつり書けばいいし。


今日は田舎から両親が上京してきました。(正確には昨日から来てて兄弟のとこに滞在してる)

両親とも数年前に定年退職して、自分の好きなことを悠々自適にやって充実した老後を過ごしていたところに、

僕の今回の件が降りかかってしまい、本当に申し訳ない気持ちしかないんですが。。。


そんな僕の所にしばらくは定期的に来ることを決めたらしく。

入院したときに部屋の合鍵を作られてしまったので、仕事から帰宅したら、部屋に両親がいました(笑)


で、母親の手料理を3人で食べました。

母の手料理は僕にとってどんな高級レストランでもかなわない味です。


食後は病気の事はあんまり話さず、ごく普通の話を交わす。

ごく普通だけど、とても愛しい時間でした。

本当にありがたいことです。

こうやってサポートしてくれる両親のためにも凹んでないで、前向きにならないと。。。


明日は拠点病院に2回目の受診です。

医療行為としては問診と血を抜くだけだけかと思うんですが、前回言われて用意してる手帳&自立支援の申請書をもっていかなければ。。。

手帳かー・・・。


告白~Coming Out~

すでにいろんな方のブログを拝見したり、直接(+)の方からお話を伺ったりしていますが、

僕は他の人と比べてHIVを告知している人が多いようです。


告知をした人には今のところみんなに受け入れてもらえているようです。

本当にありがとう。

そして、彼らとこれからも良い関係を作っていきたいと思います。

そのために自分ができることは、元気に前向きに生きることが第一だと思っています。

とはいえ、なかなかその方向に完全に向いていけない自分が情けないのですが。。。


僕の場合、性格として隠し事が異常に苦手という根本的な背景があります。

それに加えて、生まれて初めての入院、そしてHIV陽性告知を受け、初めて「死」を目の当たりにした事で

不安に支配された自分はHIVであることを隠すことに耐えることができませんでした。


まずは両親。

先にも書いたように、両親は「HIV=近い将来の死」と考えていたため、表現できない絶望感を与えてしまいました。

思い返しても、これまで不自由なく順調に育ててくれたと思っています。

その息子のお返しがコレか。と。

拠点病院の先生、看護士さんの言葉で現状を把握でき、少し落ち着いてくれましたが、

僕が両親に与えた不幸の重さは大きすぎます。

本当にごめんなさい。

これからどのくらい過ごせるかわかりませんが、僕が元気に明るく過ごし、両親ともっと密な時間を過ごしていきたいです。

ちなみに僕は東京に、両親は遠い地方に住んでいます。



元パートナー

元パートナーは何人かいますが、現在もたまに連絡を取り合う信頼できる2人に話ししました。

一人は、元々HIVに対して興味を持って知識を割と得ていたため、すぐに気づきました。

今、彼は東京に住んでいませんが、電話で話を聞いてくれたり、退院してすぐに東京の僕のところまで会いにきてくれました。

そして、僕を抱きしめてくれました。

もう一人は入院してすぐに年度末ですごく忙しい所来てくれました。

その時はカミングアウトしなかったのですが、別途電話で話しました。


その他は、プライベートで仲良くしている友人数人に。

ゲイもノンケもいますが、みんな拒否せずに話を聞いてくれました。



まだ時間も経っていないので、何度も彼らに会っているわけではありませんが、これから彼らとの関係を深めていければと思います。

本当にありがとう。



結果として、今までにカミングアウトしたことで、自分にとって不利な事は起こっていません。

これから起こるのかもしれませんが、自分がとても信頼してる(と思っている)人たちは受け入れてくれました。

ただ、正直後悔しています。



カミングアウトするメリットは、


自分の心がその時少しだけ軽くなること。


だけ。


その一方で言われた相手の気持ちはどうなのか。

現状すぐに死なないとはいえ、不治の病を友達が患ったという事実を突きつけられたわけです。

知らなくてもいいことなのに。人によっては自分もそうかも。。。という恐怖を感じさせてしまうかもしれません。


その後、友人に連絡を取ると特に変わったところはなく、いつもと同じように接してくれます。

本当にありがたいです。



ただ、世の中にはこの病気に関する偏見はとても大きいのが現実。

しかも感染した背景が。。。

僕も正直偏見を持っていましたし。

マイナスな事ばかり考えて怯えて生きることはないと思いますが、自分を守るための予防線は常に張るという事に今自分は一番不安を感じています。

特に自分の生活を支える仕事関係はどうしてもシビアになっています。