病院で3ヶ月半療養した父は
9月9日(火)に退院し
介護付きホームに入居しました
(その前日の9月8日
人口股関節置換術をした母が退院)
病院で手厚い看護をしていただき
入院そもそもの要因であった
脱水症状を乗り切ることができました
ただ入院生活が長くなったことで
87歳の父は筋力が落ち
自力歩行が難しくなりました
食事も自宅療養の時と比べれば
少し摂れるようにはなったものの
専門職の方の介助なしでは誤嚥が心配です
それで父にはこれからは
医療ではなく介護が必要となったのです
私は自宅介護したいと願っていましたが
その環境が整うまでは施設の方が良いと
病院の相談員から力強く勧められました
私は納得して
施設を探し始めました
↓ ↓
お父さんに幸せな気持ちでいてもらいたい
それが施設選びの最優先条件でした
職員の方々のお人柄や設備はもちろんのこと
家族が毎日会いに行ける立地を求めました
私なりに一生懸命探したつもりです
そしてたくさんの方が相談に乗ってくださり
納得できる施設に出会うことができました
入居日前の電話のやり取りでも
親身に寄り添ってくださるのが伝わる
管理者の方やケアマネさん看護師さん
日々安心材料が増えていく中で
いよいよ入居日の9月9日になりました
まずは3ヶ月お世話になった
療養型病院を退院し10時に出発
アットホームな雰囲気の病院と
親身に相談に乗ってくださった職員の方々
ゆっくりお礼を言えば涙が出てしまいます
「本当にお世話になりました」と頭を下げ
介護タクシーに乗り込みました
父も「いろいろありがとう」と言って
ストレッチャーの上から手を振っていました
タクシーの窓から手を振る職員さんたち
見えなくなるまで見送ってくださいました
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介護タクシーの中で
行き先についてよくわからず不安そうな父
私は「家に帰る」とは言ってあげられず
うまく説明することができずにいて…
お父さんはもう病気じゃないからね
病院じゃなくてお家みたいなところだよ
テレビも見られるし食事もみんなでできるよ
お父さんが歩けるように手伝ってくれる人
お父さんが元気になる食事を作ってくれる人
親切な人がたくさんいるお家だよ
私の拙い説明に目を閉じてじっと考える父
病院は面会の時間が決まっていたけど
次の家は家族が長い時間一緒にいられるよ
そう言うと
「そうか」と頷き目を開けました
とても親切な運転手さんの運転で
病院からホームまで70分ほどの道のりを
時折り父に
「もう新宿区だよ」
「お茶の水を通ってる」
「今私の家の近くを通ってるよ
お父さんのお家までバス一本だよ」
と話しかけました
「そうか そうか」と応えながらも
笑顔があまり見られませんでした
そしてホームの駐車場に着き
タクシーから降ろしてもらった時も
まだ不安そうでした……
しかし!
ロビーに入ると数人の職員さんが
「◯◯さんこんにちは!」
「これからよろしくね!」
と集まってきてくださいました

すると父はすぐに笑顔になり
自分から「◯◯です」と名乗りました!
この日初めて見られた笑顔と
皆さんの思いやりたっぷりのお出迎えに
私もやっと安心することができました

私がロビーで説明を聞いている間に
父は職員の方々に囲まれてエレベーターに乗り
居室のあるフロアに上がって行きます
15分ほど遅れて私も父のフロアに上がると
ちょうど入居者の皆さんランチタイムでした
車椅子に座ってテーブルに着いて
自分でお食事しているおじいさんがいました
私は「いいな 父もこれぐらい
回復してくれたらいいな」と思いつつ
そのおじいさんの前を通る時に
「こんにちは」と会釈をしてお顔を見ると…
あっ!!
お父さん


なんと!
座って自分で食事をしていたおじいさんは
私の父でした

病院ではいつも
ベッドの上で食事していた父が
今着いたばかりのお家で座って食事を

しかも笑みを浮かべながら…

私は思わず父の隣の椅子に座りこんで
「お父さん良かったねぇ良かったねぇ」
そればかり繰り返していました
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これが入居初日の嬉しい光景です
入居日の翌日には私の顔を見て開口一番
「ここの人たちが見事にやってくれる」
父はそう言って感心した顔をしていました
入居日を入れて今日で6日目
慣れるまでは毎日と思い
仕事帰りに父のところに寄っています
今も父に会った帰り道のバスの中
24時間面会できるのが本当にありがたい

この6日間
父といろいろな話をしました
またあらためて
少しずつ綴っていきたいと思います