マーウェン。 | すぷのたわごと。

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ほぼ映画の感想&素朴な疑問(別名ツッコミ)。
目標「観ずに後悔するより観て後悔」。

『マーウェン』を観に行ってきました。

実話をもとにしたドキュメンタリー『マーウェンコル』というのがあって、それをロバート・ゼメキス監督がフィクションとして映画化したものだそうだ。

原題は『WELCOME TO MARWEN』で、“マーウェン”は空想の世界。

字幕では“ようこそマーウェンに”と訳されていた。

 

バーからの帰り道、5人の男に暴行されたマーク・ホーガンキャンプ(スティーヴ・カレル)。

瀕死の重傷を負い、脳にダメージを受けて記憶のほとんどを失い、後遺症に苦しんでいる。

そんなマークには、現実世界とは別にもうひとつの世界があった。

第二次世界大戦中のベルギーの架空の町“マーウェン”。

そこに自分や周囲の人々をモデルにしたフィギュアを置いて撮影。

その空想の世界では、ホーギー大尉(スティーヴ・カレル)と彼を支える5人のバービー人形たちが、襲いかかってくるナチスとの戦いを繰り広げていた。

その写真が評判となり、マークの個展が開かれることになっている。

一方、裁判で5人の暴行犯の量刑が言い渡されることになっていて、マークは事件の証言を求められていた…。

 

劇中にタイムマシンが出てきたんだけど、それがデロリアンを思い出させる。

そうだった、ロバート・ゼメキスは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の監督だった。(笑)

イラストレーターだったマーク・ホーガンキャンプが、もう描けなくなった代わりに、独自の世界観を持ったカメラマンとして活躍する実話をもとにした物語。

チラシに書いてあったヘイトクライム(憎悪犯罪)。

なぜ襲われたのか、映画を観てようやく分かった。

しかし、なんで死ぬほどの暴行を加える必要があるんだ?

他人がどんな趣味嗜好を持っていようと、(それが犯罪でない限り)別にいいじゃん。

珍しい趣味だからといって、5人がかりでボコボコにする理由が分からない。

瀕死で放置されているのを発見されたマークは、心身ともに傷つき、フィギュアの撮影がセラピー代わりになっていた。

マークにとって“マーウェン”は、避難所であり現実に立ち向かう支えでもあるんだろうなぁ。

映像も面白かった。

マークが買いに行く模型店の店員ロバータ(メリット・ウェヴァー)、バー「アバランチ」の従業員カラーラ(エイザ・ゴンザレス)、イラク帰りの理学療法士ジュリー(ジャネール・モネイ)、ロシア人介護士アナ(グェンドリン・クリスティー)、お気に入りの女優シュゼット(レスリー・ゼメキス)、そしてお向かいに引っ越してきた動物看護師のニコル(レスリー・マン)が人形のモデル。

唯一、現実世界にモデルがいないという設定なのが、魔女のデジャ・ソリス(ダイアン・クルーガー)。

よくこの仕事を引き受けたなぁ。一回も素顔が出てこない役だった。

現実世界の出演者たちがモーションキャプチャーで演技し、人形の動きも演じている。

身長も体形も国籍もバラバラの女優さんたちが、スレンダー&ナイスバディな人形に。

マークはニコルに惹かれていき、フィギュアで表現、残念ながらその想いは現実世界で叶わなかった。

けど、“マーウェン”のおかげで法廷で証言する勇気を得る。

実話物のお約束、最後にマーク・ホーガンキャンプ本人の写真と現在の“マーウェンコル”のことが紹介された。

住民が増えているらしい。(笑)