甥御さん2(Nさん)が、仕事を休んでわざわざ駅の改札まで迎えに出てくれていた。彼の車で葬儀場まで送っていただき、甥御さん1(Hさん)と合流して打ち合わせ。義母(亡父の再婚相手)の遺体は既に控室に安置してあった。とりあえず、線香をあげてお参りする。
昼食は向かいのスーパー(清水フード)に買いに行き、「塩でいただく生寿司」を選んだ。以前、イトーヨーカドーで見かけたのとそっくり。安くて激ウマである。靴底が完全に剥げたので、接着剤も購入した。
一時から斎場の斎藤さん(女性スタッフ)と打ち合わせ。棺、お花、香典返しなどをみつくろい、時節柄、通夜振る舞い及びお斎(おとき)は行わない旨伝える。
「お盆も近いし、時節柄、一日葬儀は出来ないか」、と聞いてみると、セレモニーの人曰く、一日葬儀は無宗教で火葬のみの人が行うケースであり、お寺が関わる葬儀ではあり得ないとのこと。
菩提寺への連絡は、もっと早く、さっさとしてしまって良かったらしい。「枕経と納棺と重なるとバタバタするので、どちらか遅らせましょうか」 とも言われたが、「方丈様は良く存じ上げているので、万が一重なってしまったら、私が謝りますから大丈夫」 と、ほぼ同じ予約時間にセットして貰った。どんどん進めて、一刻でも早く帰京したいのだ。
納棺を待っている間に、実家に三人で向かい、大清掃。
YouTubeでよく見る「ボロ戸建てを買い取って投資する、タイマンさんの動画(TaimanTV)」 みたいなことになっていた。完全にゴミ屋敷。
甥御さんの一人(Hさん)が、ゴム手袋とアルコールティッシュ、そして、可燃ごみ用の袋を大量に購入してくれていたので、散乱しているゴミを手当たり次第にどんどん、ゴミ袋に詰めていった。
台所では水道栓が壊れて水が出っ放しになって、その隣には、やはり最下段の引き出しが壊れて開放状態になった冷蔵庫が不気味な音を立てている。さらには奥のガスレンジの上に、袋詰めになった生ごみが山積みされており、その液体の一部が漏れているようで強烈な臭気を発している。
現代の地獄絵図だ。
それらを全部ごみ袋に入れて袋の口を閉めても臭いがひどく、室内には置いておけない。十数個の大きなゴミ袋を全部、車庫に移動した。大量のアルコールティッシュで台所の床を拭いたがまだまだ臭い。
冷蔵庫もドアが半開きで、庫内には牛乳や食材など生ものがぎっしり。それらも全てゴミ袋に詰めて電源を落とした。特に最下段の引き出しが完全に壊れており、開いたままである。かなりの電力を消費していたに違いない。
これらの作業途中で、隣家の本多さんご夫妻が見えられお悔やみを述べられた。「新聞屋にはお伝えて止めてあげましょう、あと、町内会からお悔やみが出ますから預かっておいてあげましょう。(亡くなった義母は)先週の金曜までは、ご自分でゴミ出しに行かれていたんですよ。最期までしっかりした方でした」とおっしゃっておられた。
ブレーカーを落とし、蛇口から少し漏水していたため、庭の門扉の近くにある水栓を甥御さん2(Mさん)が止めてくれて、門扉を閉めて退去。
(後記)24時間換気システムが装備されているので、翌日、一人でバスに乗って実家に行き、ブレーカーを入れ直した。また、電気の契約は、名義変更して継続した。
夕方、もう一度、本多さんを訪ね、ごみ集積場の場所を聞いた。スーパーの向いの空き地に、緑色の網が付いたカゴ枠を五個、開いて立ててその中に入れるらしい。「出すのは夕方七時半以降と言うことになってますが、こういう事態ですから夕方からで大丈夫ですよ。でも必ず「黄色い専用の袋」でお願いします」、と言われた。時間も迫って来たのでとりあえず斎場に戻る。
結局、お寺様の方が少し先だった、少し早め(四時ごろ)にいらしたので、納棺とぎりぎり重ならずに済んだ。納棺師の御二方は、予約通り五時きっちりにいらした。遺体はかなり変色しており、顔は黒く、手足も内出血している。濃いめの化粧をしていただいくことに。いつもながら納棺師の方には頭が下がる。全員で持ち上げて納棺し、控室に安置。足の爪もかなり伸びており、切らずに数か月は経過しているでしょう、と言われた。今回は誰も「通夜」は行わない。二年半前の実父の葬儀の際は、義母も含めて皆で斎場に泊まったのを思い出した。
湯灌の際に遺体を見ると、足の爪の長さが2、3センチまで伸びて丸まっており(但し、手の爪はきちんと切ってあった)、さらに、台所に溜まっていた生ごみの量からして、この一か月くらいの間は、既に正常な生活が出来ていなかったと推測される。しかしその一方、7/11に甥御さんがワクチン接種(二回目)に連れて行った際は、足元もしっかりしていた、と言うし、隣家のご夫妻も、最近のごみ捨ての姿を見ている。但し、「先週の金曜日」(8/6)と言うのは、医師の死亡診断書の推定死亡日時8/5より後なので、さすがに勘違いで、先々週の金曜日(2021年 7/30)だろう。
(後記)8/25(水)記、昨年の12/7に歳暮(フロシュー☆プチ花束/楽天) を贈った際は、全く返事はなかったが、法事(12/12)の打ち合わせのために、前日12/11(金)に電話してみると、しっかりした受け答えであり、「最近、具合が悪いので自分はお寺へは行きたくない、お花とお布施は準備するので我々だけ行って欲しい」と言われた。また、お歳暮のこともしっかり覚えていて、「自宅や仕事場にかけてみたが番号違いでかからなかった」、と言っていたので、「今度伺うときに、電話番号を書いた紙を持って行ってあげましょう」 と伝えたのを覚えている。
さらに年が明けて2021年の4/13に、母の日のプレゼントとして、アレンジ花セットを送っているが、今度も返事はなし。で、さらにその後が、今回であり、以前記した通り、8/4(水)に、手で二回、受話器を取って切った後、自ら留守番モードに設定してこと切れたらしい。
納棺終了後、薄暗くなってきた中を三人で再び実家に向かい、車庫に置いた十数個のごみ袋を集積場に移動。意外と距離があるのと、ぎっしり詰めたせいで、意外と重く、かなりの重労働だった。
これからもう何回か、今度は家の人と来て清掃しなければならぬ。そして家の売却の方策も。