「秘儀」についての予備知識(1) 『シュタイナー用語辞典』より | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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次の項目は、「古代の秘儀」なのですが、これに関して神智学の段階では、ブラヴァツキーの『ベールをとったイシス』や『シークレット・ドクトリン』にはたくさん書かれていると思われますが、アリス・ベイリーの中には、ほとんど出てきません。
(ちなみに、秘儀はMysteries、つまりミステリーです。)

で、近いところの情報として、もっと詳しく語っているのが、シュタイナーです。
私は秘教の説く宇宙全体の論理体系に一番強い興味関心があり、こちらの方面は詳しくないので、どれだけ信頼できるのかは分かりませんが、ヨーロッパに伝わるある程度伝統的な捉え方とも言えると思いますので、『シュタイナー用語辞典』(西川隆範著 風涛社)から「密儀」の項目を引用させていただきます。

(10年くらい前に読んだときにはチンプンカンプンでしたが、秘教、特に『秘教占星学』を学んでいると、少しずつですがつながりが見えて、書き写していて、興味深い部分が多かったです。)


「最初の密儀はアトランティス時代にあった7つの神託で、大天使によって創設され、大天使から霊感を受けた者が指導した(密儀は地上での生活に適さなくてはならないので、時代によって変化する)。

 最初の密儀学院では、ルシファー的なエクスシアイが導師として活動した。
 ポスト・アトランティス時代初期の有名な密儀は、ロシア北方のトロット教と西欧のドルイド教であった。
 十字軍遠征のころにはスペイン北方に密儀があり、当時の密儀に参入した者は神殿の騎士・聖杯の騎士と呼ばれた。

 古代密儀では科学・芸術・宗教が一体であったが、ギリシア時代に別々になった。
 ギリシアの密儀では、健全な悟性を伴って霊的なものに進入する。
 参入者は恐怖を克服し、利己心の克服から同情が発生して、心魂が浄化された。

 古代東洋の密儀では神々が出現したが、ギリシアの密儀では神々のイメージのみが出現した。
 そのために、ギリシアでは神々との交流が時空に制限されない。
 ギリシアの密儀では、上方の神々への道であるアポロン的密儀、下方の神々への道であるディオニュソス的密儀があり、ディオニュソス的密儀は危険が大きかったので準備が入念になされた・・・・・・。

 オルフェウス教の密儀では、ディオニュソス・ザグレウスの神話(タイタンに八つ裂きにされ、ゼウスによって高次の生命にもたらされる)を心魂内で体験する。
 ディオニュソス密儀において参入者はディオニュソスの中に自己を見た。

 サモトラケの密儀で、3柱のカペイロス神が4柱目のカペイロス神を殺すのは、個我が精神に関与しないと、物質的身体・エーテル体・アストラル体に殺されることを示している。

 エフェソスでは、月密儀が行われていた。
 ゾロアスター教の密儀では、物質的身体とエーテル体への働きかけの秘密が明かされた。
 ヘルメスの密儀では、アストラル体に作用する存在と合一し、沈黙のイシスから宇宙言語オシリスが天球の音楽の中に開示した。
エジプト後期の密儀では、イシスはオシリスを奪われて沈黙し、密儀参入者は自分を寡婦の子と感じた。

古代密儀では、第1に感覚を通して自然を認識し、第2に人間の内面を認識するとともに、音楽・建築・幾何学・測量を学んだ。
第3に、心魂の力によって物質的身体から解放されて、死の扉・精神界を体験した。
そして第4に、太陽の力の担い手になるとともに、地球の物質の中に霊的な力を認識した。

密儀には、エジプト文化と結び付く南方の形態(個我に貫かれる心魂領域の下に下る)と、ゲルマンのドルイド教およびトロット教という北方の形態(世界現象の中に忘我状態で上がっていく)があり、キリスト教の秘儀参入が、その両者を統合した。

マタイはエジプトの人間密儀、ルカはエジプトの牛密儀、マルコはアジア・ヨーロッパの獅子密儀、ヨハネは鷲密儀の参入者だった。

キリスト教以前の密儀の神殿は、集団心魂(町の自我)の住処だったが、BC600年から密儀はなくなっていた。
 キリスト教以前にはアトランティス大陸の学園に由来する聖霊の密儀、紀元後はパウロとディオニュシウス・アレオパギタが創始したキリストの密儀、そして未来には、マイスター(叡智と感受の共鳴の導師たち)による父なる神の密儀が育成される。

 大宇宙的秘儀参入には、天使の本質への上昇、生命的精神の目覚め、生命的人間の吸収という3段階があり、これらはミトラ教密儀におけるペルシア人・太陽英雄・父の段階に相当する(ミトラ教密儀には、烏・隠者・戦士・獅子・ペルシア人・太陽英雄・父という7段階があった)。

 ミトラ教の密儀は、カトリックのミサに継承されている。
 フリーメーソンは、象徴の深い意味を理解していない者による密儀の漏洩によって発生した。

 薔薇十字の密儀は、4世紀にマニがゾロアスター、仏陀、スティキアノスを招いて開いた会議の結果創設され、ロアスター、仏陀、スティキアノスの三人が導師である。
 
 薔薇十字の密儀では、ルシファー原則によってキリストを理解する(薔薇十字の錬金術では、自然界の四大元素存在は認識できたが、神的存在は認識できなかった)。」