「心霊主義」の予備知識(2) | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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昨日ご紹介したように、近代の心霊主義は1848年にアメリカ合衆国で起こりましたが、それ以前に心霊主義を準備する様々な要因があったということで、私も知らなかった心霊主義の背景に関する興味深い話が、ウィキペディアに載っていたので、抜粋してご紹介させていただきます。

(また、現在の量子医学につながる研究にもなってきているようなので、それに関する話も、最後にちょこっと、引用します。)


「西洋哲学

心霊主義は、人間の「死後存続」を信じる思想である。
17世紀末の哲学者ゴットフリート・ライプニッツ(1646年 - 1716年)は、彼の基本的理念によって死後存続についてひとつの完璧な教理を築いた。
心霊主義の理論のベースには、ライプニッツのモナド(単子)論があるのである。
ライプニッツは、宇宙は不滅の心霊的原子である「霊魂」(モナド)の無数から成り立っており、それぞれのモナドの完全さの程度は異なり、より完全な状態に向かって発展しようとする傾向を持っていると考えた。

生物のような複合体はモナドの集合体であり、霊魂である主要モナドの支配を受けている。
そして、ある状態から他の状態への「飛躍」は自然的ではなく、生と死も連続したものだと考えた。

また、霊魂は神の似姿であり、人間の霊魂は他の星でより完全な意識を持って存続すると信じられるとした。
ただし、宇宙および神は無限であるから、認識(意識)は完成することはない。
そして幸福とは、新しい喜びと新しい完全に向かう「絶えざる進歩」の内にあると考えた。


哲学者シャルル・ボネ(1720年 - 1793年)は、自らの生物学に基づいてライプニッツの思想を発展させ、生物は目に見えず不滅な「原状回復の芽」を内蔵しており、その芽は順次成長し顕現するが、これは肉体の死ののちも同様であるとした。
人間は肉体の死後、宇宙の新しい事態に適応した新しい生存に再生できると考えた(「転生」(パリンゲネシア)の説)。


哲学者イマヌエル・カント(1724年 - 1804年)は死後の世界の性質ではなく、その真理を「証明する」可能性について見解を示した。
カントは、合理的形而上学は死後存続の問題になんら根拠のあることを教えないが、我々は知的ではなく道徳的直観によって、先天的に定められた「無条件命令」を自らの中に見出すと述べている。

その道徳律を最もよく規定する原理は、「自分の意志と行動とをあらゆる理性的な人間のそれと一致させることに努める」ことである。
カントはその理性相互間の調和を「目的の王国」と呼んだが、完成はこの世では不可能に感じられ、経験的にも不可能である。
完成には我々の限りない存続による限りない人格の進展しかなく、従って霊魂は不死でなければならないとした。

19世紀は全体として、不死と進歩との考えを結び付けるカントの根本的立場を受けついだ。
カントを受けついだ死後存続の解釈は、大きく二つに分けられる。

ひとつは、カントおよびライプニッツの真正の思想を忠実に守り、生前の人格が死後も引き継がれる、人格的死後存続という形で考える一派である。

もうひとつは、カントをバールーフ・デ・スピノザ(1632年 - 1677年)の思想で補い、むしろ絶対精神を認め、それの発展が個々の存在者を貫き、かつ個々の存在者によって徐々に完成されるとする態度である。


初期の社会学者フランソワ・マリー・シャルル・フーリエ(1772年 - 1837年)は、著作『家庭と農業の組合』(1822年)収録の「宇宙開闢説」などで、天体は道徳や知性を持つ、霊魂ある一個の生物であり、そこに生きるものは天体には劣るが永遠の霊魂を持っていると述べている。


心霊主義に影響を与えた人物として、スウェーデン出身の科学者・神学者・神秘主義思想家エマヌエル・スヴェーデンボリ(1688 - 1772)が挙げられる。
霊界を見聞し記録したことで知られ、霊能力を発揮したという事例も残されている。
一流の自然科学者であったが、科学の経験的認識の限界を自覚し、様々なビジョンを見るようになり、視霊者として聖書の霊的研究を行った。

霊魂の独立存在、死後存続を信じ、自ら天使や霊と語り、霊界を見聞し、天界、地界、霊界などについて詳しく記述し、その著作は啓蒙時代のヨーロッパに大きな影響を与えた。


フランツ・アントン・メスメル(1734 - 1815)は、フランスのパリで動物磁気催眠治療法(動物磁気療法、メスメリズム)によって一大センセーションを巻き起こしたオーストリアの医師である。
動物磁気催眠治療法は、のちに催眠術となった。

18世紀のヨーロッパでは、「岩石磁気」、「宇宙磁気」、「惑星磁気」という3種類の磁気力が存在すると考えられていた。
メスメルは、これらの他に、人間や動物の体を動かす4つ目の磁気力があると考え、「動物磁気」(animal magnetism) と呼んだ。

この名称は、animal の語源であるラテン語の animus(アニムス)に由来する。animus は、英語で breath(「生命、呼気」)を意味し、メスメルは「生命、呼気」を持つすべての生き物は「動物磁気」の力を持つと考え、動物磁気は磁気を帯びた流体であり、電気や引力のような物理的な力であるとした。


スヴェーデンボリとメスメルを合体させた心霊主義者として、アメリカのアンドリュー・ジャクソン・デイヴィス(1826 - 1910)がいる。
1847年にメスメリズムの実験を通して体験した出来事をまとめ、『自然の原理、その神的啓示、人類への声』として出版した。
この本はスヴェーデンボリの霊界思想とフーリエの社会主義が混在するもので、ハイズヴィル事件前に出版された本であるが、アメリカ心霊主義の最初の理論的著作と言われる。」


と、とても興味深い系譜があるようです。
一番最初に出てくるライプニッツの「モナド」論は、神智学で使われる「モナド」(「魂」より高位の私たちお中にある真の神性)という言葉の起源であることは、聞いていましたが、それが心霊主義にもつながっていくのですね。

そして、(私は心霊主義の研究は、霊的現象を探求するのに自然科学をベースにしているため、[大変失礼ながら]この100年くらい同じところを行ったり来たりしていると感じていたのですが)、ニュートン力学から量子力学へのパラダイム・チェンジを受けて、今私が関わっている量子医学への流れも、広い目で見ると、心霊主義の系譜から出てきた、とも言えるようです。

こういう位置づけで本当に良いのか、ちょっと疑問も残りますが、見たときに衝撃的ではありました。


「量子脳理論の霊魂の実在アプローチ

ケンブリッジ大学の数学者ロジャー・ペンローズとアリゾナ大学のスチュワート・ハメロフは、意識は何らかの量子過程から生じてくると推測している。
ペンローズらの『Orch OR 理論』によれば、意識はニューロンを単位として生じてくるのではなく、微小管と呼ばれる量子過程が起こりやすい構造から生じる。

この理論に対しては、現在では懐疑的に考えられているが生物学上の様々な現象が量子論を応用することで説明可能な点から少しずつ立証されていて20年前から唱えられてきたこの説を根本的に否定できた人はいないとハメロフは主張している。
臨死体験の関連性について以下のように推測している。

『脳で生まれる意識は宇宙世界で生まれる素粒子より小さい物質であり、重力・空間・時間にとわれない性質を持つため、通常は脳に納まっている』が
『体験者の心臓が止まると、意識は脳から出て拡散する。
そこで体験者が蘇生した場合は意識は脳に戻り、体験者が蘇生しなければ意識情報は宇宙に在り続ける』あるいは
『別の生命体と結び付いて生まれ変わるのかもしれない。』と述べている。」