「心霊主義」の予備知識(1) | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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『トランス・ヒマラヤ密教入門』第二巻からご紹介しておりますが、次に出てくる項目が、「心霊主義」です。
これに関しては、どういうものなのか、事前の説明が必要と思いますので、まず今日は、ウィキペディアより、簡単にその概要をご紹介させていただきます。


「心霊主義(しんれいしゅぎ)は、スピリチュアリズム(英:Spiritualism)、スピリティズム(英:spiritism)の和訳のひとつで、人は肉体と霊魂からなり、肉体が消滅しても霊魂は存在し、現世の人間が死者の霊(霊魂)と交信できるとする思想、信仰、人生哲学、実践である。
Spiritualismは心霊術、交霊術、心霊論、降神説などとも訳される。

心霊主義は英: spiritualism(スピリチュアリズム)の日本語訳のひとつであるが、「唯心論」「精神主義」とも訳されるため注意が必要である。
唯心論は、精神の独立した存在と優位を説く学説であり、哲学においては、心霊主義(心霊論)は唯心論に含まれる。


霊魂の死後存続や死者との交流という信仰は世界中に見られるが、心霊主義(スピリチュアリズム)という言葉は、19世紀半ばにアメリカで始まったものを指すことが多く、死後の世界との交信や超能力のパフォーマンスを焦点とする「宗教運動」とも理解される。

霊魂との交信は交霊会(降霊会)と呼ばれ、霊媒が仲立ちとなることが多い。
近代の心霊主義は19世紀後半に全盛期を迎えた。


世界中をめぐって1920年代(大正9年頃)に日本にも到達しており、日本の新宗教への影響も大きい。
この時伝わった交霊術のひとつテーブル・ターニング(英語版)がアレンジされ、コックリさんとして広まった。

日本語の守護霊、地縛霊といった言葉・概念も新しいもので、ヨーロッパの心霊主義に由来するといわれる。

日本では、浅野和三郎(1874年 - 1937年)が心霊科学研究会(1923年)を設立し日本神霊主義(日本スピリチュアリズム)を生み、欧米の心霊研究が日本へ本格的に紹介され始めた。

イギリスで心霊主義を学んだ江原啓之(1964 - )が、心霊主義に現代のセラピー文化を取り入れて現代風にアレンジし、スピリチュアルという言葉を用いた。
江原は2000年代初頭メディアの寵児となって「スピリチュアル・ブーム」が起こったため、現代の日本では、スピリチュアルという言葉は心霊主義を含むものとしても普及している。」


ということです。霊的な研究をするアプローチとして、神智学・秘教と補完的な役割を果たすべきものと期待されているものに、「心霊主義」研究の流れがあると秘教の側では語られています。
(以前にご紹介した「神秘家と秘教徒」という分類でいくと、心霊主義は、神秘家のラインにあると言えると思います。)

 近代以降の流れとしては、ブラヴァツキーが神智学協会をつくったより30年ほど先立ち(アトランティス文明の中心であったともいわれる)アメリカの地で起きました。


「1848年にアメリカ合衆国で起こったハイズヴィル事件によって大きな流れとなり、最盛期には欧米で800万人以上の支持者がいたと言われる。

社会に広く受けいられ、多数の人が真実であると信じ、当時の代表的な科学者たちの調査対象になっていた。
20世紀に入る頃には現象としてはほぼ終焉したが、20世紀後半においても影響を与え続けている。

17世紀の近代自然科学、18世紀の啓蒙主義、19世紀の通信手段の発達、キリスト教の権威の低下、科学・テクノロジーの発達、消費社会の始まり、産業革命以後の急速な文明化の影響による宗教的・精神的枯渇状態、南北戦争や伝染病の流行よるアメリカ人の短命化といった状況のもとで、教会や聖職者に代わり、親しい人の死の悲しみや自分自身の死への不安という根本的な悩みに応えるものとして支持を集めた。

当時から、交霊会(降霊会)や霊によるとされた現象に数々のトリックが用いられていることは認識されていたが、それでも存続したのはこのためである。

心霊主義は、個人としての人間の完成と幸福を目指す近代の『自己宗教』としてしての側面を持ち、建設的で明るい社会改革運動でもあり、奴隷制度廃止運動や女性参政権獲得の運動とも関わりがある。

理想社会(世俗的千年王国)をこの世に実現しようとする点において、ユートピア運動、社会主義(空想的社会主義)との関係も深い、社会精神史的には、当時科学として大きな影響力があった骨相学とメスメリズム(ヒプノティズム、催眠術)、この両者が融合した新しい精神科学・骨相メスメリズムに直接つながる。

近代神智学の創始者ヘレナ・P・ブラヴァツキーはもともと心霊主義の霊媒であり、互いの影響は深く、近代神智学はイェイツの詩作やカンディンスキーらのモダニズム絵画への影響も大きかった。
また19世紀後半には、心霊主義の心理学化という流れが起こった。心理学者ユングの出発点には心霊主義があり、この流れは深層心理学につながる。

心霊主義は、現在では主に、ヨーロッパ大陸とラテンアメリカで見られ、特にブラジルで盛んである。19世紀半ばにフランス人アラン・カルデックが体系化し、輪廻転生と霊魂の進化を教義に取り入れた心霊主義の一派カルデシズムはブラジルに伝えられ、モーセ、キリストに次ぐ第三の啓示として受け入れられた。

20世紀初頭には、ブラジルは世界に冠たる心霊主義(エスピリティズモ(ポルトガル語版))の国になった。現在ブラジルのカルデシズムの影響力は、その思想が生まれたフランスをはるかにしのいでいる。」


この最後のブラジルの心霊主義の流れを汲むスピリチュアル・ヒーリング、私も日本で体験したことがあるのですが、健康保険をもたない貧しい在日ブラジル人の医療を支える重要な活動になっていました。