「秘教」の定義、学びと訓練 ~ 『トランス・ヒマラヤ密教入門』より | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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「秘教」とは何か、という定義は、なかなかに難しいものです。
私は、アリス・ベイリーの(翻訳の)中に出てくる「秘教」という言葉をそのまま用いて、秘教について語っていますが、その他の方が用いる「秘教」という言葉がそれによってカバーされているわけではなく、むしろ、かなり隔たりがある場合もあります。

アリス・ベイリーの翻訳文で出てくる「秘教」という言葉に関しても、原著では“Esotericism”になっているものと“Occultism”になっているものの、2種類があります。
実際、今日の文章は「秘教 Esotericism」という項目からのものですが、明日ご紹介する文章は「秘教学派 Schools of Occultism」からのものです。

では、“Esotericism”と“Occultism”がどう違うのか、というと、私には正直、うまく答えられません。
“Occultism”の定義として、「秘められたエネルギーの」という意味はよく語られていますが、“Esotericism”の簡単な定義はあまり見たことがなく、今日ご紹介する文章は、“Occultism”の定義ととても近いものだと思います。

最近のAABライブラリーの翻訳では、“Occultism”を訳す際に以前は「秘教」と訳していたものを「オカルト」とそのまま訳す傾向があるように感じています。
AABからの翻訳が出た当初は、オウム事件の名残などで、オカルトという響きが非常に悪かったため、使うのがはばかられていた状況でしたが、AABの翻訳も進み、オカルトという言葉に対する違和感も薄れてきたために、原著で違った言葉で表現されているものは、やはり違った言葉で表記しよう、ということだと思います。

と、長々と言語と翻訳の関係を書きましたが、今日の文章は『秘教治療』『秘教占星学』『秘教心理学』などと同じ“Esotericism”の方の、『新しい時代の教育』からの文章です。
これがこのテキストに載っている、ということは教育に関しても「エネルギー教育」という考え方がまもなく先端的な取り組みの主流になっていくということだと、私は解釈しています。


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秘教というものを把握しよう、あるいは秘教を学ぶ人々に教えを授けようと努力するすべての者にとっての基本的なアプローチは、エネルギーの世界に重点を置くこと、そして現象の世界(私は人間進化の三界のことを指している)のすべての出来事の背後にエネルギーの世界が存在していることを認識することである。

このようなエネルギーは非常に多種多様で複雑きわまりないが、このすべてが原因結果の法則の下に動き作用している。……

秘教徒の最初の仕事は、自らを条件づけようとしているエネルギーの性質を、そして自らの装備つまり顕現体を介して物質界に表出するエネルギーの性質を理解することである。
したがって、秘教を学ぶ者は次のことを把握しなければならない。

1 自分が、過去から現在に至るまでの自らのあり方に受け継がれ条件づけられてきた様々なフォースに、および肉体と呼ばれる一つの原理ではない大きな対立するフォースの集合体であるということ。

2 現在のところ自分には分からず、全く役立てることができない特定のエネルギーに自分が感応しているのであるが、徐々にそれを認識するようになるべきであること。・・・


したがって、秘教徒の訓練において次のことをしなければならない。

1 自らのパーソナリティー装備を構成するフォースと、自分自身が磁力的に三界において表現に至らしめたフォースの性質を認識しなければならない。・・・

2 高位メンタル・レベルから発している魂の駆り立てるエネルギーに敏感にならなければならない。・・・

3 自らの周囲の条件づけるエネルギーを認知し、それを出来事や状況としてではなく活動しているエネルギーとして見なければならない。
 そうすることによって、秘教徒は外的な出来事の背後にあるエネルギーの世界へと歩みを進め、それとの接触を求め、特定の活動を引き起こす資格を得るようになる。
 このようにして、秘教徒は意味の世界に参入できるようになるのである。

4 大多数の熱誠家にとってハイラーキー自体がまだ秘教的な領域であるが、ハイラーキーは発見されることを望んでおり、侵入を受け入れるであろう。
 私はあなた方の秘教的な反応を呼び起こそうとして言葉を注意深く選んでいる。

 ……なすべきことは、エネルギーとフォースを認知できるよう秘教を学ぶ人々を訓練すること、自分自身に関連して、そして世界の事件に関連して、様々なタイプのエネルギーを識別すること、そして目に見え経験できるものを、目に見えないが条件づけ決定づけるものに関連づけるようにすることである。
 秘教的な仕事とはこのようなものである。