「言葉による限定」 ~ 『トランス・ヒマラヤ密教入門』より | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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「本当の真理は、言葉では語れない」ということを語る人は、よくいます。

確かにその通りです。「本当の真理」と言えるリアリティーの世界は、低位三界を超えた世界、すなわちイデア(アイディア)~神の大計画の存在するブッディ以上の世界だからです。

そして、言葉はメンタル界の低位、私たちのメンタル体の存在する界層まで降りてこないと、(想念形態がつくれないため)形になりません。
したがって、マスター(大師)や聖者がそのように語れば、それは率直な慨嘆になります。

人間が語ると、どうなのか?
人類の中でも知性の発達した人々が、瞑想を深化させて直観を開き、何とかその世界に入っていこうと努力している段階です。
現実的には、真に直観が開いてブッディの世界に入れる人は、ほとんど皆無と言ってよい状況です。

そういう人がたくさんいれば、大計画がもっとストレートに地上に、降ろされ、現実世界は瞬く間に改革されていくでしょう。
そういう社会の到来が目標とされ、それにかなり近づきつつあることは確かですが、残念ながらまだそこまでには至っていません。
私たちはまだ一般的知性~低位マインドをしっかり高め、言葉と論理を尽くして、悪戦苦闘しながら、コツコツとこの現実を変えていかなければなりません。

必要なステップを、飛び越すことはできません。
私たちはまだ、「真理は言葉にできないものだから」という言葉に甘えていて良い段階に達しているわけではありません。
マスター方は、私たちが必要なステップをきちんと踏み、それを達成し、乗り越えて、言葉を超えた世界を直観的に理解することができる日が少しでも早く到来することを、待ち望まれています。

今日の文章は『ホワイト・マジック』からのもので、『トランス・ヒマラヤ密教』には2つに分けて載せられていましたが、すぐ近くに位置する一つながりの文章だったので、続けて掲載させていただきました。
上記の背景を念頭に置きながら、お読みください。


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 人間の装備がもっと発達し、グループ活動の真の意味を活用できるようになる次世紀[二十一世紀]には、もっと多くの情報を伝えることが可能になるであろう。

 しかし、その時はまだ来ていない。
 私にできることと言えば、思想を包む力ない言葉を模索するくらいである。

 思想を包むとき、言葉は思想を限定する。
 このとき私は、結局は解放されなければならない囚人を生み出すという罪を犯していることになる。

 すべての本がアイディアの牢獄である。
 言葉や文書がテレパシーによる伝達や直観的な相互作用に取って代わられたときにだけ、計画とその表現方法はより明瞭な形で把握されるであろう。

 私はいま象徴的に述べている。
 ある印象を生み出すために、私は言葉を操っており、十分にダイナミックになったときにあなたのような伝達媒体の脳に印象づけられるようになる想念形態を組み立てている。

 しかし、私がそうするとき、何と多くのことが関係づけられないままにされなければならず、神聖なリアリティーの間に合わせの描写を提示するだけの宇宙論(大宇宙もしくは小宇宙の)を指し示すことしかできないことを、私はよく知っている。

・・・・・・

 しかし、どのようにしたら部分が全体を理解できるのであろうか。
 まだ構造の小さな断片しか知らない魂が大計画全体をどのようにしたら認識できるのであろうか。

 これらの教えを学び、熟考するとき、このことをしっかりと心に留めておきなさい。
 そして、人類が将来到達する知識を大学教授が使う教科書とすれば、ここで伝えるものすべてが中学校の教科書のようなものであることを覚えておきなさい。

 しかしながら、与えられた情報を活用するならば、それは熱誠家が学びの殿堂を卒業して知恵の殿堂へと進むのを助けるであろう。」