ホリ協・降矢副会長による拙著『人間理解の基礎としての神智学』紹介 | 神尾学と学ぶ!スピリチュアルの王道

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降矢先生が、拙著『人間理解の基礎としての神智学』をテキストにしたセミナーをしてくださり、本の概要を本格的に紹介していただきました。とても長いですが、以下、貼り付けさせていただきます。
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◎ホリスティック医学ゼミ(‘15、9/11)
○今月のテーマ「人間理解の基礎としての神智学」神尾学、コスモスライブラリー
 ホリスティック医学はbody-mind-spiritの3つの視点すべてを包含してとらえていく必要がありますが、特にspiritについては慎重に学ぶ必要があります。そのためには、信頼できるリソースを選ぶことが重要です。そのための一つとして、「神智学」があります。神智学の概要とその意義、位置づけを整理するために、神尾学氏の著作から一緒に学んでみましたので、ご報告します。
 第1章 最先端の動きを読み解くマスターキーが秘教だ!
○霊性文化の中心―宗教の構造
 すべての宗教に共通する教え -ヴェーダ(ヴェーダーンタ(ウパニシャッド))、イスラム教(スーフィー)、キリスト教(キリスト教神秘主義)、ユダヤ教(カバラ)、神道(古神道)、道教(仙道)―それを本書では個々の「密教」とは区別し、それらからさらに偏りを取り去った普遍的なレベルの情報を伝える概念として「秘教」と呼ぶ。
○秘教~近代神智学のポジション
 これを追及してきたのが神智学、中でも特に、今から130年ほど前、ロシア人のブラヴァツキー夫人によってはじめられた近代神智学運動だそうです。
 第2章 秘教~神智学の歴史
○東洋と西洋における秘教の扱われ方の違い 
 密教・秘教が、一般人には手の届かない、資格を得た人たちだけに与えられる特別の情報であり、それを身につけた人たちは尊敬・崇拝の対象となり、それが(時には)政府公認という姿は、インドのみならず中国・日本など他の東洋社会でも見られてきたのに対し、西洋社会では、アリストテレス哲学と接合することで形骸化したキリスト教に支配されていた長い年月の間、東洋とは逆に、密教・秘教は公権力の権威を危ういものにする危険思想として迫害されてきた経緯があるそうです。
○哲学およびキリスト教神秘主義から心霊主義に至る第3の流れ 
 アメリカのフォックス姉妹にはじまる心霊主義運動が、19世紀中盤に欧米の知識人に流行するようになります。
○ブラヴァツキー現る
 神智学といえば、この「ブラヴァツキー夫人」という印象がありますが、実際、夫人は、宗教・科学・哲学およびそれから心霊主義に至る流れを融合する神智学を世に出すという使命を担っていたそうです。そして、大変な超能力者だったため、心霊主義の団体にも協力したそうです。
 世界中の秘境を巡っていた(ヒマラヤ聖者などと交流したり指導を受けていた)放浪は、何と24年間におよんだそうです。そして、アメリカでオルコット大佐(後の初代神智学協会会長)と出会い、1875年神智学協会を設立。2年後に『アイシス・アンヴェールド(ヴェールを剥がされたイシス神)』が刊行(西洋社会に重点をおき、秘教関連の情報をまとめたもので、宗教・哲学・科学の情報を網羅し、それらの引用を駆使しながら、科学およびキリスト教の誤謬を鋭く指摘した)。
 神智学協会の目的は、
①人種・肌の色・宗教の相違に囚われることなく、人類の普遍的同胞団の核をつくること 
②古今東西の優れた宗教・哲学・科学の比較研究をすること 
③自然および人間に潜在する解明されていない神秘を探求すること
 となっており、協会本部は当初アメリカにあったが、その後インドに移り、ブラヴァツキーはインド思想を本格的に取り込んだ『シークレット・ドクトリン(秘密の教義)』を発表します。
○『シークレット・ドクトリン』
 近代神智学の根本経典ともいうべきもの。第1巻が宇宙発生論、第2巻が人類発生論をテーマにしたもので、世界中に残る聖典や神話が引き合いに出され、その真意を解説しながら壮大な宇宙論および人類の歴史が語られている大著です。
○神智学協会の第2世代―ベザントとリードビーター
 ブラヴァツキーの著作は革命的ではあったが、難解かつ抽象的であったため、飛び飛びの情報の間を埋める仕事を中心になって進めていったのがアニー・ベザントとC・W・リードビーターという神智学協会の第2世代の人たちです。
 ブラヴァツキーの著作は日本ではまだ十分に翻訳が進んでいないため、現時点ではリードビーターによる『神智学大要』全9巻(出帆新社)が基本テキスト的な位置づけになるそうです。
○キリストの器を探し出す
 死期の迫ったブラヴァツキーは周囲の人たちに「神智学協会の本当の目的は、キリストが再び地上にあらわれたときのための準備をすること」と告げたそうです。
 そして、「“キリストの器”を見つけ出し、養育する」準備が始められるようになり、その探索の中で霊能力者であったリードビーターは、ある日の夕方、神智学協会のある地域の海岸で、1点の利己心も無い、今まで見たこともないほどのすばらしいオーラをもった少年を発見したのです。それがクリシュナムルティでした。
○クリシュナムルティ
 幼くして母親を亡くしていたため、発見当時、その外見はみすぼらしいもので、リードビーターの目にとまらなかったらその後長くは生き続けられなかったであろうと語られていたそうです。
13歳で発見され、会長のアニー・ベザントが養母となり、リードビーターが教育係になっているそうです。
 夜毎、アストラル体でヒマラヤの大師(マスター・クートフーミ)のもとを訪れ、翌年にその教えを『大師のみ足のもとに』という本に著し、その後「東方の星教団」が設立され、そのリーダーにすえられ、神格化されていきます。彼はそれに耐えかねて34歳の時教団を解散し、神智学協会との関係も放棄しています。
 クリシュナムルティの思想は、一切の権威を否定するもので、自分自身が以前に到達した結論にも一切囚われず、常に解体構築を目指すものであるために、知識体系には成り得ない、、しかし、それは言語を超えた波動領域(高位メンタル界層以上)に直接入っていくための方法でもある、、
 ⇔理論的な体系化を進めていたリードビーターやアリス・ベイリーとは好対照をなすが、両者が対立ではなく、補完的な関係にあると捉えることが必要、という神尾氏のバランス、ホリスティックな見解に頷かされました、、。
○ルドルフ・シュタイナー
 40歳を過ぎてから、それまで温めてきた神秘主義的な研究を公に発表するようになり、神智学協会の依頼で行った講演が大好評を博し、神智学協会のドイツ支部の責任者を務めるようになります(それまではゲーテの研究者として活躍していましたね)。
 しかし、クリシュナムルティをキリストの器として神格化し、崇拝することを会員に強要するような風潮が出てきたことに反発して、協会から離脱し、独自に人智学を起こした、という経緯があります。
 ⇔ここも、神尾氏は、親戚関係にある神智学と人智学の間の意思疎通を図ることが急務である、という提言をされています。
○アリス・ベイリー
 アリス・ベイリーも、神智学協会に所属したあと離脱して24冊の本を残し、「アーケイン・スクール」という、よりオープンな秘教的指導を行う組織をつくる、という経緯をたどっているそうです。著作中最大のものは『コズミック・ファイヤー(宇宙の火に関する論文)』で、ブラヴァツキー夫人の「シークレット・ドクトリン』を引き継ぐ内容として評価されています。
 
 そして、神尾氏によると、アリス・ベイリーの重要性は、これまで神智学の段階ではほとんど伝わっていなかった「光線」に関する本格的な情報が初めて与えられたことだとしています。これが、現時点で萌芽期にある「エネルギー医学」などの考え方を将来飛躍的に発展させるものになっていると評価しています。
○エレナ・レーリッヒ
 「アグニ・ヨガ」とよばれる非常に高度なヨガに関する19冊の著作が遺しています。日常生活から離れずに感性と集中力を高め、霊的な成就をめざすものであり、芸術的な側面を重視するので、茶道など“道”の思想の伝統を有する日本人には馴染みやすいものだと神尾氏は位置づけています。
 今まで、何となくつながっていた、ブラヴァツキー、リードビーター、クリシュナムルティ、シュタイナー、アリス・ベイリーなどの関連が整理されてすっきりしました、、。
 第3章 神智学の全体像~エネルギー宇宙論の三本の軸
○秘教とサトルエネルギー
 アリス・ベイリーは、その著書『新しい時代の教育』(P103・104)に、
「秘教というものを把握しようと努力する人々や秘教を学ぶ人々に教えようと努める人々すべてにとっての基本的なアプローチは、エネルギーの世界に重点を置くこと、そして現象の世界のすべての出来事の背後にエネルギーの世界が存在しているということを認識することである」と述べているそうです。
○エネルギー宇宙論の三本の軸
① 階層構造([時間・空間における]相似・対応・類似の関係)~マクロ・コスモスとミクロ・コスモスの対応、相似構造。ヘルメス哲学による知見
② 界層構造(同一階層内にも存在する異なった意識・エネルギーレベルの多重構造)~太陽系には7つの界層があり、それがさらに7つの「亜層」に分けられる。近代神智学による知見
③ 光線構造(同一界層内にも存在する異なったエネルギーの性質・タイプ)~太陽系には大きく7つの光線(エネルギーの性質・タイプ)があり、その一つの光線がさらに細かな7つの区分である副光線(エネルギー・タイプ)に分かれている。それら7つのいずれかの光線と副光線の組み合わせによって、一人の人間の肉体/アストラル体/メンタル体/パーソナリティの各々は構成されている。アリス・ベイリーによる知見
 そして、神尾氏は、これから秘教の本格的な議論を展開するにあたって、以下の3点
① 人類(および宇宙)を創造した大いなる意識(神)の存在を認める(ただしこれは、特定の宗教や理念体系のみを支持することを意味するものではない)
② 人間の輪廻転生および魂の存在を認める
③ 界層構造の存在、およびその全界層における「作用反作用の法則(カルマの法則)」を認める
 さらに、③と②からの帰結として魂の進化が起こり、これが①の大いなる存在の企図である宇宙の進化の計画につながる―ということを、前提とすることを提唱しています。
 第4章 人間生活の行われる3つの界層
○エーテル体とオーラの概観
・人体中央の軸上に7つのエネルギーセンターであるチャクラ、そして経穴、経絡
・人体のほんのわずか外側のはっきりした輪郭をもつ層⇒エーテル体
・その7・8㎝外側までの少しぼんやりした広がり⇒オーラ
・さらに、それら全体をもう少し大きく包み込む卵形の層⇒アストラル体より上
・人体の外側に植物の葉に見られる葉脈のような白い細かな筋⇒エネルギーの通り道
○エーテル体とエーテル亜層
 エーテル体については、種々の解釈があるようですが、ホリスティック医学の私たちが最も参考にしているリチャード・ガーバーの『バイブレーショナル・メディスン』では、
・身体(肉体)
・見えない身体~エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体
となっていましたが、神尾氏は、以前から神智学の視点では異なるとおっしゃっていました。
 神智学の視点では、物質界層などの7つの界層があり、さらに一つの界層が7つの「亜層」に分かれているとしています。
・肉体~物質界層の固体、液体、気体亜層という下から3つの亜僧に存在する身体
・エーテル体~物質界層の上から4つの第1~4エーテル亜層に存在する身体
 となっており、エーテル体までが物質の身体となっています。
 そして、エーテル体は、肉体にエネルギーを伝える器、エネルギーが通るための網状組織であり、経絡、チャクラは、エーテル体上の主要な組織・器官。
 そして、そのエネルギーとは、
・一つ目のエネルギーが「気」「(物質界層の)プラーナ」
・もう一つのエネルギーが、最下部のチャクラから発する「クンダリーニ(シャクティ)」~チャクラの準備が整ったときに自然と上昇する。めったに起きることではなく、意識的に求めることも危険
 ⇒健全で利他的な生活を送ることで自然と開花するのを待つべきもの
・プラーナとクンダリーニ(シャクティ)が混ぜ合わされてできたエネルギー(人体磁気)は全身に配分され活動のエネルギーとして使われる。が、すべてが使われるのではなく、余剰のものが出る。
と明快に説明されています。
 そして、エーテル体の働きとは、
①エネルギーを運ぶ体 
②肉体の鋳型 
③肉体とアストラル体とをつなぐ媒体
 
・肉体とアストラル体をつなぐエーテル体の役割
 眠っている時~アストラル体が肉体・エーテル体から離れ、肉体・エーテル体(の脳)が休んでいる。
 エーテル体のチャクラとアストラル体のチャクラの間に薄い膜があり、その膜が破れてしまうと、本人以外のアストラル体、あるいはアストラル的な存在がエーテル体に接続可能になり、憑依など危険な現象が起きる可能性があるので閉じている。
 きちんとした指導者につかずに、いい加減なトレーニングをすると、その膜が薄くなったり破れたりする危険性がある。大量のアルコールや麻薬の常習なども大変危険、と警鐘を鳴らしています。
○アストラル体と低位メンタル体の概観
・チャクラがやはりある
・葉脈のような筋がエーテル体よりさらに精妙に
・低級な感情は濁った暗い色、高級な浄化された感情は明るいきれいな色に対応
○アストラル体~感覚・感情の器
 現在の人類の平均的進化レベルの人では、アストラル体が最も強力で支配的な身体~まず感情的に好きか嫌いかの判断があり、それ基づいてメンタル体の知性によるもっともらしい理由づけがなされ、行動が起こされる
 ⇒このため、人類が行き詰っている
 ⇒まずは感情を浄化することが必要~アストラル体とメンタル体の質料が絡み合った状態(カーナ・マナス)になっているといわれ、アストラル体を浄化し精妙にしてその絡み合いをほぐし、メンタル体が自由に機能できるようにすることが必要(集団スポーツで組織プレーに徹するのもトレーニングになる)
・アストラル体の機能 
①感覚・感情の器 
②肉体・エーテル体とメンタル体をつなぐ 
③発達したときに独立の活動の媒体となる
・意識の独立器官としてのアストラル体
 あるレベルまでアストラル体が発達した人は、トレーニングを積むと昼間でも意識が目覚めた状態のままアストラル体が肉体・エーテル体から離れて活動し(いわゆる幽体離脱)、その状況をチャクラを経由して肉体まで送り続けることが可能になる
○メンタル界層
 アストラル界層は4次元だが、メンタル界層は5次元といわれる。メンタル界層を構成する質料はアストラル界層のものよりさらに精妙で、私たちの思いによって瞬時に姿形が変わるとも言われる。思ったことがすぐ目の前にあらわれる、という世界、、。真の天国ともよべるところ、、。
・波と形
 メンタル界で行われた思考活動(およびそれに伴ってアストラル界層で起きた感情)は、二つの結果をもたらす 
①波~発生したところから周囲全体に広がり、複数の人に同時に影響を与えることが可能。「想念波」と呼ばれる。
②形態~「想念形態」とよばれ、ある思いが明確な形をとってメンタル(およびアストラル)界層に存在するというもの。ただし、想念形態が存在するのは、7つあるメンタル界層の亜層の中で、低位の4つの亜層のみ。メンタル界層では、高位の3亜層では質料があまりに流動的でこのような形態を成さない
○魂以上の世界
 魂以上の世界についてが詳しいのが神智学の特徴だと感じています。今までの用語はヒーリングに接した経験がある人にはなじんでいる言葉だと思いますが、この上になると、通常ではほとんど耳にしたことがない用語が出てきます。
 
 たとえば、下記のような感じとなります。私も、最初は耳慣れなくて苦戦しましたが、半年間学んできて大分なじんできたところです、、。
 高位メンタル界層にある魂~さらに上に存在する高位マインド―ブッディ―アートマよりなる霊的三つ組(トリアッド)と呼ばれるモナドの反映である神聖な相が、パーソナリティに直接働きかけることができないため、その間をつなぐ仲介役として生み出されたもの。
 霊的三つ組は、太陽神の一断片であるモナド(分神霊)、すなわちすべての人間に内在する真の神性の反映であり、個を超えたより普遍的(真の意味でのトランスパーソナル)な相。
 よく分からないけれど、知ってみたい、と思った方は、神智学、アリス・ベイリーを安全に学べる神尾氏のレクチャーが大変楽しいと思います、、。
 第5章 死後の旅路
 第6章 再生誕に向けてのプロセス
 そして、「生」だけでなく、「死」についてもかなり詳しく学べる構成になっている点も大変興味深いと思います。
 「死」についての意義について大変考えさせられます。
○死後から再生誕までの界層の移行
 物質界層では五重の卵形(内からコーザル体―低位メンタル体―アストラル体―エーテル体―肉体)となっている。
 →通常の意味での死では、肉体・エーテル体が外れてアストラル体・低位メンタル体・コーザル体のみでアストラル界層に入って生活を続け、アストラル界層での死を迎えるとアストラル体が外れて低位メンタル体・コーザル体のみで低位メンタル界層での生活に入り、低位メンタル界層での死を迎えると、メンタル殻を残してコーザル体のみで高位メンタル界層での生活に入る(この高位メンタル界層が今の一般の人にとって界層的な意味では最高地点)
○死後の体と恒久原子
 五重の卵には、三つの玉(肉体恒久原子/アストラル恒久原子/メンタルユニット)がある。
・「恒久原子」~神智学での「原子」は、各界層における最小単位という意味で物質界層の「原子」は通常の化学とはまったく異なってそれよりはるかにミクロなもの。そして、その中の一つの「原子」の粒が、輪廻転生が続く限り魂にずっとつきそっているため「恒久」という言葉がつけられている
 ⇒あらゆる転生にわたって肉体をもって生活してきた間の経験のすべてをこの一粒の(肉体恒久)原子の中に貯えている超高性能の情報記憶装置。
 
・「メンタル・ユニット」~メンタル恒久原子というのは別にあり、高位マインドに属する。しかし、低位メンタルの属する低位メンタル界層の最高位の亜層は、メンタル界層の中の4番目の亜層なので、この層にメンタル・ユニットが別にある。
 このあたりの知見も、言葉がなれていないとすぐには理解しずらいと思いますが、とても構成が明確で、ある意味、科学的という感じを受けます。ぜひ、関心を持った方はご一緒に学びましょう。
 第7章 魂の進化
○人類・文明と進化
・レムリアからアトランティスへ
 レムリア(時代、人種、文明)のとき、魂では4歳から7歳に相当。この時代の目標は、エーテル体の完成と、その間の関係を築くこと。与えられたヨガ~肉体のヨガ、ハタ・ヨガ
・アトランティス(時代、人種、文明)のとき、魂では思春期に相当。目標は、アストラル体が成長し、肉体の統御要因になること。
・現代人の状態
 アストラル体はやや浄化が進み、中心が少し上の亜層に移動しているが、低位メンタル体はまだまだ不十分な大きさにしか育っていない。この状態では、アストラル体のエネルギーのほうがメンタル体のエネルギーよりも強く、感情によって思考が支配されている状況。
 さらに浄化を進め、アストラル体を鎮めた状態で思考活動に集中していくと、低位メンタル体が育ち、アストラル体を統御することが可能になる 
 ⇒真に自我が確立された状態
 ⇒ここに至ってはじめて、魂がパーソナリティに強く働きかけられるようになるが、まだパーソナリティの影響力のほうが大きく、魂とパーソナリティのせめぎあいが続く、、
 ⇒この間の闘いが繰り広げられる中で、徐々に魂の力の方が勝っていき、魂とパーソナリティの間を隔てている境界が消えるときがやってくる~この状態の間に、第1・第2段階の「イニシエーション」というイベントが訪れる
 「イニシエーション」という気になる言葉が出てきました、、。
・イニシエーションのプロセス
 魂がパーソナリティの諸体を統御していく過程における明確な構造変化を刻印するためのイベント。
 動物から人間に進化した後、人間を超越した存在(ハイアラーキーのマスター、大師、覚者)に至るまでに5段階の大きなイニシエーションがあるといわれる。
・第1段階のイニシエーション~魂による肉体の統御が達成されたことを刻す(レムリア・イニシエーション)
・第2イニシエーション~魂によるアストラル体の統御が達成されたことを刻す(アトランティス・イニシエーション)
 ⇒このような過程を経て、魂と低位メンタル体の間の断絶が次第に解消されていく
・第3イニシエーションを受ける瞬間に、はじめて高位マインドに接合した魂のエネルギーが低位三つ組に流され、パーソナリティの諸体が魂以上に神聖な様相である高位三つ組に触れるという劇的な体験が訪れる
 ⇒このような過程を経て、魂と高位マインドの間の断絶も消えていく
 新時代=アクエリアスの時代の教育の目標は「アンターカラナ」の構築~断絶されていたマインドの3つの様相(低位メンタル・魂・高位マインド)間を結びつける橋の建設と、アリス・ベイリーは『未来を切り開く教育者たち』の第4章で述べているそうです。
○魂の一生
 さらに、高位三つ組と低位三つ組=パーソナリティとの仲介原理であった魂の器であるコーザル体は、意識の中心がメンタル界層より一つ上のブッディ界層に引き上げられることによって消滅し、その役割を終える
○魂の進化を促進するメソッドとしてのヨガ
 このイニシエーションを達成するために、ハイアラーキーから人類に与えられた方法がヨガと呼ばれるもの。第3段階のイニシエーションを受けるためには、ラージャ・ヨガがその準備段階になり、仕上げにはレーリッヒ夫人が伝えたアグニ・ヨガが重要な役割を果たすといわれている
 ここで、神尾氏は、アグニ・ヨガという個別の技法だけでなく、まず、無執着の奉仕=カルマ・ヨガ、献身による浄化=バクティ・ヨガ、そして意識の集中~瞑想=ラージャ・ヨガの八段階、という「実践」が重要という解説をされています。
 そして、「実践」だけでなく、もう一つ重要なことは、方向を間違えることなく進んで行くための秘教的な「学習」と提唱されており、「実践」と「学習」の両方のバランスを指摘されています。こういうところが安心できる所以だと常々思っています、、。 
 神智学、秘教治療、アリス・ベイリー・・・、その基本の段階を適切にまとめてくれている著作でした。